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2012年5月20日 (日)

米国サン・オノフレ原発で再び事故:毎時100リットル以上の放射性蒸気が流出/第四世代原子力 &サン・オノフレの安全を守る会(5月10日)

米国・原子力規制委員会(NRC)は5月9日、カリフォルニア州にある「サン・オノフレ原発」から放射性の蒸気が流出していると発表した。放射性の蒸気は同原発の第三号機に設置されている蒸気生成装置から漏れ出ており、毎時100リットルを上回る量が排出されているとみられている。この事故は原子力事故の深刻度を測る国際原子力事象評価尺度(INES)でレベル1(異常事態と安全耐性の劣化)に相当する。この事故を受け、緊急の手動停止措置が取られた。蒸気流出の原因は、蒸気生成装置に付属する管の一つが破損したためと見られている。

今回事故が起きた蒸気生成装置は設置されてからまだ1年未満の比較的新しい装置。しかし同時期に交換が行なわれた他の3つの蒸気生成装置についても異常な速度での老朽化が見られると言う。蒸気生成装置は原子炉の安全に直結する重要度の高い装置。

サン・オノフレ原発は今年1月、配管が破損して水が漏出、放射性物質が大気に放出される事故を起こしたために緊急停止した。同原発はこの事故以来停止している。サン・オノフレの安全を守る会によれば、装置が交換された際、元の装置と違う型の装置が取り付けられたために装置につながれた管に振動が生じ破損した可能性がある。尚、サン・オノフレ原発の停止にかかわらず、夏のピーク時にも電力は不足しない見込み。

(両ソースより抜粋、一部編集)

●サン・オノフレ原発(英語です)
http://en.wikipedia.org/wiki/San_Onofre_Nuclear_Generating_Station

●サン・オノフレの安全を守る会/「不吉な振動:サン・オノフレ原発の蒸気生成装置は安全な修理が不可能」市民団体「新しい公正な風」主席エンジニアによる報告
http://sanonofresafety.org/2012/05/15/bad-vibrations-san-onofre-steam-generators-cannot-safely-be-repaired-new-fairewinds-video-and-report/ 

(« La fuite radioactive sur le site de San Onofre USA supérieure à 100 l / heure », La 4ème génération nucléaire (gen4), 2012.05.10)
http://www.gen4.fr/blog/2012/02/la-fuite-radioactive-sur-le-site-de-san-onofre-usa-supérieure-à-100-l-heure-1.html

2012年5月18日 (金)

アレバ社、三菱商事の子会社とオーストラリアでウランを採掘/ロマンディ・ニュース(5月14日)

フランスの原子力企業グループ・アレバ社は5月14日、米国にある三菱商事の子会社(三菱商事会社、Mitsubishi International Corporation。注1)と連合を組み、オーストラリアでウランの採掘を行うと発表した。

アレバ社によるプレスリリースによれば、2社はウランの採掘が現在ほとんど行われていない面積数万平方キロメートルにわたる地域で数年間にわたって行われる予定。オーストラリアはカザフスタンとカナダに続く世界第三位のウラン産出国。2011年には約6千2百トンのウランを産出し、ウランの地下埋蔵量は世界一とされる。

アレバ社で採掘を担当するオリビエ・ワンツ副社長によれば、「アレバ社と三菱社は力を合わせ、オーストラリアの地下に眠っているとみられるウラン鉱を採掘するための重要な手段を提供する」という。又、長期的には新たなウラン鉱山の発見による安価なウラン生産が可能になることを期待しているという。

2社の合意書によれば、この事業を実施するにあたり、オーストラリアにある三菱グループの系列会社「三菱ディベロップメント社」(注2)がアレバ社の系列会社「アフメコ鉱業開発」に対し、数年間にわたり資金を提供することになっている。三菱ディベロップメント社からの支援額が一定額を超えた時点で、同社はアフメコ社が所有するオーストラリア国内の未開発地域でのウラン採掘権のうちの49%を入手する。全体の事業経営は2社の合同企業が受け持つ予定。

(注1)三菱商事会社は、米国に本拠地を置く三菱商事の100%子会社。
http://www.mitsubishicorp.com/us/en/

(注2)三菱デベロップメント社(Mitsubishi Development Pty Ltd)は、オーストラリアのシドニーに本拠地を置く三菱商事の100%子会社。

(« Areva s’allie avec Mitsubishi pour chercher de l’uranium en Australie », Romandie News, 2012.05.18)
http://www.romandie.com/news/n/_Areva_s_allie_avec_Mitsubishi_pour_chercher_de_l_uranium_en_Australie38150520120918.asp

2012年5月16日 (水)

心を蝕む被ばくの代償は:被ばく後の不安にさいなまれる元原発作業員、フランス電力公社を提訴/マ・ヴィル.com(4月28日)

被ばくの体験は、身体のみならず精神的にも大きな負担をもたらします。大量の放射線を浴びた一人の原発作業員は、電力会社に対し精神的な被害への保障を求める最初の声を上げました。

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パリの急速審理裁判所(注1)は6月4日、フランス電力公社(EDF、フランス最大の電力会社)が運営するグラブリンヌ原発(仏北部の町。注2)で原子炉の維持管理を行なっていた元原発作業員が、作業中に大量の放射能による被ばくを受けた後に不安に悩まされるようになったのは、同社が原因による「精神的損害」である、として起こした最初の裁判について判決をくださなければない。4月28日、この訴えを起こした被害者を代表するエマニュエル・ルド弁護士が明らかにした。

ルド弁護士はこの日、原発作業員だったフィリップ・クリブリ氏52歳に対し心理分析の専門家による診断を行うよう、裁判所への訴えを起こした。訴えが受理されれば、特に重要な訴訟を選んで扱うパリ大審裁判所で判決が言い渡されることになる。

クリブリ元原発作業員は1986年から1989年にかけてフランス電力公社の下請け企業に所属して原発での業務に従事していた。しかし今では極度の不安や悪夢にさいなまれているという。


「数年前のことを考えるのです。あの時私たちが浴びた放射線量のことと共に。あの放射能で、私たち作業員の体のどの部分がやられたのだろう、ってね。もしあの時会社が、

『気をつけなさい、普通の人の20倍以上の確率で癌になる可能性があるのだから。』

と言ってくれていたら。私は

『親方、もうこの仕事は結構です!』

と答えていたでしょう。考えないように努力しているのですが、何度も考えてしまいます。私は(まだ病気になってはいないけれど、病気になっても当然の状態にある)『執行猶予付きの病人』なのです。」


クリブリ元原発作業員はRTLラジオに対し、このように述べた。

クリブリ元作業員は、フランス電力公社の下請け企業で働いていた。しかしルド弁護士は下請け企業の代わりにフランス電力公社を訴えることを決めた。ルド弁護士は、


「フランス電力公社は当時、危険な被ばく作業の実態を知っていたにも関わらず、法を隠れ蓑にして黙っていたからです。」


と述べる。

フランスにも適用されるEUの新しい規準によれば、当時クリブリ元作業員が浴びた放射線量は危険なレベルに相当する。当時フランス電力公社は、作業員が浴びる放射線量の上限が、作業期間内に浴びた瞬間の放射線量のうち、最も高いものを基準に定められていたことを知りながら、作業員が一日に浴びた平均放射線量のみを考慮の対象としていた。

クリブリ氏は自らが浴びた放射線量を証明する放射線量手帳を保存していたことが決め手となり、今回の裁判を起こすことができた。不安による精神的損害への補償については、既に石綿による公害被害者の一部に対し認定されている。

(抜粋、一部編集)

(注1)急速審理裁判所:緊急の事件や執行の困難な事件を審査し、対処を命ずる裁判所。我が国の行政処分に相当する暫定的措置を命ずることができる。

(注2)グラブリンヌ市は、イギリスを望むフランス北端の海岸町。

○グラブリンヌ市の画像
http://www.google.co.jp/search?q=Gravelines&hl=ja&prmd=imvns&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ei=ziWzT7uaCIXJmQWTmZGgBQ&ved=0CIQBELAE&biw=1344&bih=693 

グラブリンヌ原発は1980年より運転を開始。6基の原子炉をかかえる。周囲1キロの地域では海水温度の上昇等が報告されている。

(« Un ex-employé du nucléaire à Gravelines assigne EDF pour préjudice d’anxiété », Ma Ville.com, 2012.04.28)
http://www.valenciennes.maville.com/actu/actudet_-Un-ex-employe-du-nucleaire-a-Gravelines-assigne-EDF-pour-prejudice-d-anxiete_fil-2146380_actu.Htm

2012年5月13日 (日)

アレバ社ウラン鉱山の労働者が肺癌で死亡ー仏裁判所、アレバ社に有罪判決「許されない過ち」/ルモンド紙(5月11日)

原子力発電の燃料となるウラン。ウランを採掘するためのウラン鉱山でも、被ばくにより癌に亡くなる関係者が報告されています。大企業を恐れ口をつぐんできた労働者とその家族達は今、公正な裁判と補償を求めて声を上げ始めています。

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ムラン市(注)の社会保障裁判所は5月11日、アレバ社がニジェール(西アフリカ)に所有するウラン鉱山で働いていた同社の系列会社の元社員が肺癌で死亡した問題に関し、アレバ社への有罪を言い渡した。被害者・家族側の弁護士が公表した。

肺癌で死亡したのは、ニジェール北西部のアコカンという地域でウランを採掘するアレバ社の系列会社でニジェール国籍のコミナック社に勤めていたセルジュ・ブネル元社員。1978年から1985年にかけてコミナック社で働いた後、2009年7月に死亡した。59歳だった。被害者の娘であるペギー・ブネル氏は法廷弁論で、ブネル氏が死亡する数ヶ月前に、肺病の専門医より「癌の原因はウランの粉塵を吸い込んだことによるもの」との指摘を受けていたと説明した。


●「許されない過ち」

裁判所は、アレバ社がコミナック社と共にブネル氏を雇用していたことから、共同雇用者として「許されない過ち」を犯したとの判断を示した。被害者の家族を代表するジャン-ポール・テッソニエール弁護士によれば、セルジュ・ブネル元社員の妻は今回の判決により、当初の同社員の年金の倍額と被害者が生きていた場合にもらうことができたと考えられる給与の受け取りが可能となる。また今回のアレバ社への有罪判決により、被害者の家族は健康保険基金に対し被害額と利子を合わせた上限20万ユーロ(約2千万円)までの請求を行なう権利を得ることになる。

アレバ社はこれに対し、

「ムラン裁判所による判決については理解していない。」
「判決文の全文が入手でき次第、我々には控訴する権利があります。」

と述べている。同社は「(ブネル氏の)肺癌と(同氏が)コミナック社で働いていた事実の間にある因果関係は証明されていない」と推定しており、健康保険基金はアレバ社に対し労働災害の責任を問うてはいないことを明らかにした。又、健康保険基金がアレバ社に被害者への賠償を行なうよう結論したとすれば、「我が社が被害者の最後の雇用先だったから」と述べている。


●アレバ社と系列企業社員の間にある実質的な関係を認定

被害者であるセルジュ・ブネル元社員の娘はこの日、

「とてつもなく大きな喜びを感じています。」
「でもまだ終っていません。きっとアレバ社は控訴するでしょうから。」

と述べた。その上で、

「今回の判決は他の被害者にとっても救済の突破口になると思います。」

とも話した。多くの被害者がアレバ社を恐れ、訴えることを躊躇しているという。又、他に少なくとも2件、類似の裁判が係争中だと言う。

被害者の家族を代表するテッソニエール弁護士は、

「難しいケースです。」

と述べる。

「司法上は、アレバ社は被害者の直接の雇用主ではありませんでした。でも、安全対策やウラン鉱の採掘条件を決めているのはアレバ社です。」
「裁判所は、現実にある企業と労働者の間の関係を考慮するために、見かけの契約関係を超えた関係が存在することを認めたのです。」

と推察している。

(抜粋、一部編集)

(注)ムラン市はパリの南東、セーヌ河のほとりにある歴史ある町。6世紀の文献にも既にその名前が記されていたという。http://ja.wikipedia.org/wiki/ムラン

○画像で見るムラン市
http://www.google.co.jp/search?q=Melun&hl=ja&client=safari&rls=en&prmd=imvns&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ei=TKevT8DuC4HWmAWjppyqCQ&ved=0CJEBELAE&biw=1268&bih=618 

(Le Monde.fr & AFP, « Areva condamné après la mort par cancer d’un ex-salarié d’une mine d’uranium », Le Monde, 2012.04.13)
http://www.lemonde.fr/planete/article/2012/05/11/areva-condamne-apres-la-mort-par-cancer-d-un-ex-salarie-d-une-mine-d-uranium_1699804_3244.html

2012年5月10日 (木)

フランス原子力庁最高顧問、福島原発第四号機・核燃料プールの危険性を指摘「大地震が起きれば、再び大惨事に」「一刻も早い対応を」/ルモンド&リベラシオン(5月3日)

ルモンド紙とリベラシオン紙は5月3日、去る2月に福島原発を視察したフランス原子力庁(CEA)の最高顧問ベルナール・ビゴによる福島原発第四号機への発言を掲載しました。フランスの原子力を推進する原子力庁の最高幹部は、第四号機の燃料プールに残された大量の使用済み核燃料が予断を許さない危険な状態にあることを指摘し、新たな地震による大惨事再来の可能性を予見しています。そして、核燃料を一刻も早く安全な場所に移すべきと警告しています。

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●「福島原発の危機的状況、続く」ルモンド紙(抜粋)

建物には近寄れず、汚染水の保管場所は不足、そして新たな爆発の危険がつきまとう。福島原発事故が始まってから1年と2か月余りが過ぎた。しかし、事故を起こした福島原発は依然として厳しい状況にある。約3千人の作業員たちが破壊された現場の整理と事故の収拾に追われる現場では、新たな大地震が起きれば再び大事故が起きる危険にさらされている。昨年3月11日から今年の3月11日までの間に日本で起きたマグニチュード6以上の地震は、97回にのぼっている。地震の活動は収まっていない。

1535本の燃料棒が格納されている福島原発第四号機は、見るからに脆弱そうに見える。この原子炉の内部は、爆発によって構造がもろくなっている。去る2月、フランス原子力庁のベルナール・ビゴ最高顧問は日本を訪れた際、福島四号機の燃料プール(から使用済み核燃料棒を運びだしプール)を「空にする」必要があると警告した。4月上旬には、同様に米国のロン・ワイデン上院議員が第四号機・燃料プールの危険性を公けの場で指摘し、事故が起きれば昨年3月11日に起きた福島原発事故を上回る量の放射性物質が放出される大事故につながる可能性がある、と述べている。


● 「福島原発では誰も『原発を止めろ、私たちは間違いを起こしている』と言う勇気のある人がいなかった」ベルナール・ビゴ原子力庁・最高顧問へのインタビュー/リベラシオン紙(抜粋)

リベラシオン紙:「(2月に福島原発を視察した時、)福島原発の建物はどのような状態でしたか?」

ビゴ最高顧問:ショックを受けたのは、水素爆発によって何もかもが破壊されてしまった様子を見た時でした。日本人たちは特に第三号機・四号機の周りを中心に懸命に瓦礫を集める作業を行なっています。原子炉を取り囲む建物の掃除にとりかかるため、クレーン車が配置されていました。使用済み核燃料がある燃料プールに近づくためです。もしまた地震が起きて燃料プールの中の水が空になったら、再び大惨事になるでしょう。ですから、できる限り早急に使用済み核燃料を取り出して、別の場所に保管しなければなりません。日本人たちは2年後にそれができれば、と期待しています。

(抜粋・一部編集)

(Philippe Mesmer, « La situation demeure critique à la centrale de Fukushima », Le Monde, 2012.05.03)ウエブ上のリンクはありません。

(A Fukushima, personne n’a eu le courage de dire « stop nous faisons une erreur », Libération, 2012.05.03)
http://www.liberation.fr/terre/01012393621-a-fukushima-personne-n-a-eu-le-courage-de-dire-stop-nous-faisons-une-erreur

2012年5月 8日 (火)

フランス電力公社、内部文書にて「国内31箇所の原子炉で冷却設備の耐久性に不安」/AFP(5月2日)

フランス電力公社(EDF、フランス国内最大の電力会社)は同社の内部文書で、国内に59基ある原子炉のうちの31基について、「原子炉内に冷却水を流す主要冷却水路に取り付けられている鉄製弁の耐久性に不安がある」と言及した。5月2日、パリにベースを置く全国組織「原子力をやめる会」(注)が明らかにした。AFPからの問い合わせに対しフランス電力公社は、「即時の回答は見送りたい」と答えた。

発表を行った「原子力をやめる会」によれば、フランス電力公社はその内部文書の中で、特に出力900メガワットの31箇所の原子炉において、主要冷却水路の弁が高温による金属の劣化により摩耗しやすく、激しく破砕する可能性があると指摘している。主要冷却水路の弁には、流量を調節する仕切弁が含まれている。

フランス電力公社によるシナリオでは、高温による老朽化によって弁が破砕された場合、主要冷却水路の水が大幅に失われる可能性があるという。過酷事故が起きた場合には弁は最短90分で破砕し、現場の作業員はいかなる対応も不可能となり、短い時間の間に周囲の環境への大規模な汚染が起こる危険性がある。

「原子力をやめる会」によれば、フランス電力公社は自らが「不安がある」と考えている118の弁の交換を最優先事項とは考えていない。弁の取り換えは電気技師による単純な作業で実施可能であるにもかかわらず、2015年まで完了しない見込みだとういう。

(抜粋、一部編集)

(注)「原子力をやめる会」(Sortir du nucléaire)
http://www.sortirdunucleaire.org/ (仏語です。日本での全原発停止のニュースが最新記事として掲載されています。)

(« Nucléaire : des documents internes d’EDF révèlent des doutes sur des robinets », AFP, 2012.05.02)
http://www.romandie.com/news/n/_Nucleaire_des_documents_internes_d_EDF_revelent_des_doutes_sur_des_robinets83020520121931.asp

2012年5月 5日 (土)

「チェルノブイリ、福島―もう二度と繰り返さない!」チェルノブイリ原発事故から26年、世界184の町から広がる原発反対の輪/原子力をやめる会(4月26日)

今日5月5日は、日本全国の原発が全て停止する歴史的な日。皆様はどのようにお過ごしでしょうか。福島原発事故の発生から1年余り。一つの大きな前進だと思います。

さて、1986年に起きたチェルノブイリ原発事故から26年目となる4月26日から5月上旬にかけて、フランスおよび世界各地では「チェルノブイリ、福島―もう二度と繰り返さない!」を合い言葉に原発に反対する「世界チェルノブイリ・デー」キャンペーンが開かれました。パリの街角から、小さな町の市場に至るまで。世界16カ国184の町で、人間の鎖、ガイコツ姿の仮装デモ等々、各地で市民たちが思い思いの衣装と行動で心を一つにしました。

「チェルノブイリ、福島―もう二度と繰り返さない!」世界チェルノブイリデー・キャンペーン動画by「原子力をやめる会」(音楽もチェルノブイリや福島について歌っています)
http://www.youtube.com/watch?v=ZUGJEroLgE8 


☆各地での活動のいくつかを御紹介します。

●プラドの市場を仮装して練り歩く市民たち。「『イチゴ1パック、1ユーロ』の看板の横で『チェルノブイリ、福島―もう二度と繰り返さない!』」
http://chernobyl-day.org/Mobilisation-antinucleaire-a?lang=fr 

<参考>プラド市はフランスとスペインの国境に位置する町です。
http://fr.wikipedia.org/wiki/Prades_(Pyrénées-Orientales) 


●ラニオン市で行なわれた「チェルノブイリの掃除人」への追悼
http://chernobyl-day.org/Lanion-22-Hommage-aux-liquidateurs?lang=fr

<参考>ラニオン市はフランス西岸に位置する城下町です。
http://en.wikipedia.org/wiki/Lannion 


●カナダのトロント市の交差点で「ダーリントン原発建設反対」の大弾幕を広げる市民たち。オンタリオ州ではダーリントン原発の建設が計画されている。
http://chernobyl-day.org/Action-a-Toronto?lang=fr


●その他、フランス、ドイツ、カナダの各地で行なわれた市民行動の様子(各行をクリックすると、各地で開かれたイベントについての動画・写真・説明などが読めます。フランス語ですが、動画や写真をどうぞ。ただし、説明文のみのものもあります。)
http://chernobyl-day.org/Comptes-rendus-des-actions?lang=fr 


出典:「世界チェルノブイリ・デー」オフィシャル・サイトby原子力をやめる会/Sortir du nucléaire
http://www.chernobyl-day.org/?lang=fr

2012年5月 3日 (木)

ロシア原子力業界を覆う汚職の黒雲―不正契約で国家に4.2億円の損失/ルモンド紙(4月27日)

韓国では原発の部品納入をめぐる汚職事件が報道されていますが(注1)、ロシアでも国営原子力企業の幹部による大規模な汚職が連続して摘発されています。

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新たな汚職の発覚がロシアの原子力業界を揺るがしている。ロシアの内務大臣は4月27日、同国の原子力市場を独占する公的企業「ロスアトム」(前のロシア原子力庁)の責任者が、放射性物質を格納するコンテナの購入に際し不正な契約を結び、国家に約4.2億円の損失を与えていたことを明らかにした。

この責任者の名前は明らかにされていない。しかし大臣の説明によれば、2010年12月に750個のコンテナを購入した際、入札を行わなかったばかりか、市場価格の2.5倍にあたる4.5億ルーブル(約12.2億円)で購入の契約を結んでいたという。


●政府幹部を巻き込んだ大規模汚職が頻発

ロシアの原子力業界での汚職が明らかになるのは、今週でこれが2件目。内務大臣は4月25日、自らの補佐も兼任するロスアトム・グループの系列会社「ハイドロプレス」社の代表取締役が、原発の建設に際し結んだ機材の購入契約を通じ、2千6百万ルーブル(約7千万円)を横領した容疑で逮捕されたと発表したばかりだった。同社の副社長は2011年7月、2008年と2009年に計1.1兆ルーブル(約3兆円)を横領し逮捕されている。


●監視機関・裁判所ともに機能せず

世界各国における汚職行為を監視する国際組織「トランスペアレンシー・インターナショナル」は2010年、ロスアトム社に対し独立した立場から監視を行う機関が全く存在していないことを指摘している。

2005年には元原子力大臣のエフゲニ・アダモフが、1986年に起きたチェルノブイリ事故を受けてロシア国内の原子力施設の安全対策強化のために米国政府が供与した900万ドル(当時換算で約9.6億円)以上の資金を横領したかどでスイスにて逮捕されている。アダモフ元大臣は後に総額1700万ドル(当時換算で約18億円)を横領した罪で懲役5年以上の刑を求刑されたが、最終的には執行猶予付き懲役4年の刑に減刑され、すぐに釈放されている。

(抜粋・一部編集)

(注1)「原発汚職:韓国水力原子力の幹部4−5人が捜査線上に」朝鮮日報 5月3日 
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/05/03/2012050301111.html 

(注2)ロシア国営原子力企業「ロスアトム」
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=13-01-02-09

(注3)世界の汚職を監視する国際組織「トランスペアレンシー・インターナショナル」
○本部HP(英語です) http://www.transparency.org/ 
○日本支部HP http://www.ti-j.org/ 

(« Nouvelle affaire de corruption dans le nucléaire russe », Le Monde, 2012.04.27)
http://www.lemonde.fr/planete/article/2012/04/27/nouvelle-affaire-de-corruption-dans-le-nucleaire-russe_1692579_3244.html

2012年4月30日 (月)

被ばくと癌に苦しむ原発下請け作業員:「私たちには、苦しみしかない」/バスタ!(4月23日)

フィリップ・ビラールはその昔、原発の下請け作業員と働いていた。現在は、「原子力・化学産業における下請け従業員の健康を守る会」のスポークスマンを務めている。フィリップは次の記事で、高度の放射能被ばくを伴う作業を専門にしていたかつての同僚との再会について詳しく語っている。癌にかかった以前の同僚は、それでも労災認定の申請を行うことを躊躇していた。疲れ切った孤独な男の姿がそこにある。

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今日、私は釣りに出かけた。釣り場を出たところで、以前フランス電力公社(仏最大の電力会社、EDF)の下請けで原発の仕事をやっていた昔の同僚に出会った。私たちはあれこれいろんな話をした。特に、庭いじりの話で盛り上がった。というのも、私が苦労して手入れをしている農園があるバルモン川の土手に、彼も最近「秘密の花園」(理想的な自分だけの農園)を買ったばかりだったから。

それから、私たちは昔の仕事の話をした。私たちはパルエルにある同じ原発の中で何年も一緒に働いていた。それからその同僚は、重い癌が二つできて死にそうになった話をした。膀胱癌にかかり、それから前立腺と周りの臓器に転移した。でも、労災認定の手続きはしなかった。申請はしていない、病気で疲れていたから、そして今もまだ疲れているから、と男は言った。


●下請け作業員が浴びる膨大な年間被ばく「許容量」

しかし私の同僚が労災の手続きをとらなかった本当の理由はむしろ、「癌になったのは被ばくのせいであるはずがない」、「(放射性の塵を吸い込んだことによる)内部被ばくのせいでもありえない」、「でも石綿のせいかもしれない」と言われたからだった。そのせいで彼は、労災を申請しても認定されることは難しいだろう、と考えて手続きをするのをやめてしまった。そしてたった一人で病気と戦わなければならなくなった。そして、助けるどころか、被ばくによる癌への補償を要求する権利を行使するのを思いとどまらせようとする医者たちにも立ち向かわなければならなかった。2008年のことだった。私はその同僚に、労災申請の手続きを手伝いたいと申し出た。でも彼は私を信用していない風だった。でも彼の妻は、より熱心に私の話に耳を傾けていた。

私たちは原発内の労働条件について話し合った。同僚の話を聞きながら、私は私たちが一緒に働いていた頃のことを思い出した。当時の年間被ばく許容量(「許容」だなんて、なんと言う恥ずべき言葉だろうか?)は50ミリシーベルトだった。しかし同僚はひどい被ばくにさらされた。というのも、彼は原子炉と蒸気発生装置をつなぐ管にもぐり込んで、導管の維持管理ができるよう栓をする「ジャンパー」の係(「ジャンプ係」)だったのだ。この作業はとても高い放射線にさらされるために1分半以上かかってはならないことになっていた。「ジャンパー」は数秒で一年分の被ばく許容量を浴びてしまうのだ。

同僚はまた、人間と思えないようなひどい扱いを受けた経験を私に話した。不安定な契約で働く他の作業員たちが、わざと彼の線量計を蒸気発生装置の外においたままにする、というよくある嫌がらせをやったのだ。


●日々起きる原発内での事故

その後私は別の「元原発作業員」に出会った。彼もまた、病気だった。フェカンの町(注)の中だけでも、癌になった同僚に会うのは3回目だった。そのうちの一人は、ルーエン病院で働く放射線医の助けを得て労災認定の申請を行っていた。他の二人は、疲れ切って今のところは何もしたくない、と言った。

原発ロビーというこの産業は、そこで働く作業員たちから本当に多くのものを奪っている。私が「下請け作業員は問題の痕跡を消すための道具だ」と言うとき、私は馬鹿げたことを言っているわけではない。私は本気だ。私たちが原発で働いたことのある作業員たちの健康状態を調べ、治療を行い、手を差し伸べて補償を行うために作業員に関する調査を要求するのは、原子力産業のお陰でたくさんの被ばく者が生み出されていて、彼等がたった一人で病気に立ち向かわざるを得ないからだ。作業員にはたった一つの権利しかない。苦しみを味わう権利だ。

原子力産業のおかげで、どれだけの人が被ばくによる病気に悩まされているのか。この人たちをこれからもたった一人にしておくのか。これもまた、原子力についての重要な問題の一つだ。いつになったらフランス人は、原発作業員や下請け作業員たちが日々さらされている、日常的な原発内での事故に対処しようとするのだろうか。

(一部編集)

(注)フェカン市はイギリスを対岸に臨むフランス北端の港町。
●地図と写真はこちら(仏語です)http://en.wikipedia.org/wiki/Fécamp

●フェカンの港町(画像のみ)http://www.google.co.jp/search?q=Fécamp&hl=ja&client=safari&rls=en&prmd=imvns&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ei=2ZqeT4mvLLGNmQWE7dHLDg&ved=0CEUQsAQ&biw=1142&bih=633

(Philippe Billard, « Nomade du nucléaire : Nous n’avons qu’un seul droit, souffrir », Basta !, 2012.04.23)
http://www.bastamag.net/article2331.html

2012年4月28日 (土)

「危険すぎる原発、劣悪すぎる労働条件」事故続発の仏カットゥノム原発で、下請け作業員がスト決行中/テレビ「フランス3」(4月23日)&ロマンディ・ニュース(4月22日)

●事故続発に我慢限界―下請け作業員によるストライキに派遣社員も参加

カットゥノム原発(注)で働く作業員たちによるストライキは4月23日、第2週目に突入した。関係者は毎朝6時半に同原発周辺の道端に立ち、今回の抗議行動を説明するビラの配布を行っている。最近カットゥノム原発内で立て続けに起きた事故の後、同原発の維持管理を担当する下請け会社「パリ電力産業会社(SPIE)」の従業員の70%〜90%(日によって変動)が安全性の強化を要求する抗議行動に参加している。4月19日には、同社で働く派遣社員らも抗議に加わった。同様の抗議行動はカットゥノム以外の原発にも広がっており、フッセンハイム原発(4月25日に火事が発生)でも実施されている。

抗議に参加している関係者たちが一貫して非難しているのは次の点だ。業務に必要な技能を持たない従業員が現場に配属され、作業能率に関するノルマが強制されているために、安全管理が犠牲になっている。作業員たちは又、給与の引き上げと、親会社であるフランス電力公社(フランス最大の電力会社)の社員に認められている、夜間・休日労働への加算、出張中の日当宿泊費を下請け会社の従業員にも認めるよう要求している。

フランス国内最大の組合組織CGTによれば、原発を渡り歩く下請け作業員の給与は最低賃金レベルにある。原発から原発への移動中は、広さ9平方メートルの部屋に3名の作業員が同宿させられ、年間4万5千キロの距離を移動するのに使用する自家用車のガソリン代も払われていない。

ストライキによるカットゥノム原発の運営への支障は無い。


● 相つぐ原発内での事故

カットゥノム原発では3月10日、導水管の仕切り弁が閉まり原発が自動停止する事故が起きた。フランス電力会社は3月12日、同原発を再稼働したと発表している。カットゥノム原発で事故による自動停止が起きたのは、今年に入ってからこれが3回目。


● 近隣国も安全対策の強化を要求

国際的な専門家らはカットゥノム原発の稼働を継続しても問題ないと述べている。しかしフランスの原子力安全局が発表したカットゥノム原発の安全強度に関する報告書は(同原発の安全対策の不備を露呈し)、ドイツとルクセンブルクという近隣の2カ国に不安を引き起こした。同報告書は、福島原発事故が発生した直後に実施されたストレステストの結果を受けたもの。

ドイツ関係州とルクセンブルクの経済・エネルギー大臣、環境大臣、保健大臣の3名は、同原発のコントロール・ルームにおける放射能への耐性が不十分であり、豪雪への対策が想定されていない等、数々の不備をフランス原子力安全局に指摘し、対策の強化を要求した。フランス原子力安全局はフランス電力公社に対しこれらの対策を指示したが、テロリストによる攻撃や原子炉に飛行機が墜落した場合の対策は考慮されていない。

「このストレステストは安全対策強化への第一歩です。でもまだ更に強化してゆかねばなりません。」

ルクセンブルクのマース・ディ・バルトロメオ保健大臣はエッソンシエル誌にこう語った。大臣たちは、今年中に関連する専門家およびフランス電力公社への面会を希望している。カットゥノム原発の廃炉には、まだ2025年まで待たねばならない。

(抜粋、一部編集)

(注)カットゥノム原発。事業主は、国内最大の電力会社であるフランス電力公社(EDF)。4基の原子炉を備え、一番古いものは1987年より稼働。カットゥノムの町はフランス東端の国境に位置し、ドイツから40キロ、ルクセンブルクからは35キロの距離にある。
http://www.panoramio.com/photo/51151125 

(François Carretier, « Cattenom – La grève de sous-traitants de SPIE », France 3, 2012.04.23)
http://lorraine.france3.fr/info/cattenom---la-greve-de-sous-traitants-de-spie-68469278.html 

(« Nucléaire : grève de salariés d’un sous-traitant dans plusieurs centrales », Romandie News, 2012.04.22)
http://www.romandie.com/news/n/_Nucleaire_greve_de_salaries_d_un_sous_traitant_dans_plusieurs_centrales80190420121938.asp

«豪政府、アボリジニーの聖地に放射性廃棄物処理場の建設を計画:高まる抗議の声/ヌーベル・カレドニエンヌ(4月10日)