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2015年12月 6日 (日)

御挨拶: ブログ終了のお知らせ

読者のみなさまへ

2011年3月11日、福島で想像を絶する大惨事が起きたあの日から、このブログは始まりました。あれから約5年の月日が流れましたが、福島事故をきっかけに明らかとなった日本国内外の様々な問題は、形を変えつつ存在し続けているように見えます。日本の新聞やテレビ・ラジオがフランスで報じられる朝のトップニュースを全く報じない事実に愕然としたあの日、自分に何ができるのだろう、と自問しながらこのブログを立ち上げました。原発問題は全く解決していませんが、私たちはこれまで当たり前に思っていた社会のあり方に疑問を持ち、「何が事実なのか」を自分なりに調べ、思いを同じくする者同士で手をつなぎ自分の考えを述べる力を得たようにも感じます。

約5年が経ったこの機会に一旦ブログを終了させて頂き、今後は引き続きフクシマや原発の問題に関心を持ち続けつつ、同じ構造を持つ他の社会問題についても考えてゆきたいと思います。
みなさまにはこれまで多くの励ましやアドバイス、時に厳しいご指摘を頂きました。改めて御礼申し上げます。

それではまたいつかどこかでお会いできるのを楽しみにしています。
ありがとうございました。

フランスねこ

2015年11月15日 (日)

パリ襲撃に寄せて

11月13日にパリで起きた市民への大規模な襲撃事件について、急遽その犠牲者と御家族に哀悼と団結の気持ちを示したいと思います。戦場と化したパリ第10区と11区には古くからの友人たちが住んでいますが、幸い皆無事でした。

あの日、地区内の住民たちは逃げ惑う人々に自宅のドアを開け、ネット上で自分たちの住所を知らせて助けの手を差し伸べました。死者129人、負傷者352人が運び込まれた病院には、輸血用の献血を申し出る人々からの連絡が相次ぎました。昨夕、フランス各地の家々の窓際には亡くなった人たちと傷ついたパリの町への思いを示すろうそくの火がともされました。

http://www.lemonde.fr/attaques-a-paris/video/2015/11/14/attentats-du-13-novembre-des-milliers-de-bougies-en-l-honneur-des-victimes_4810188_4809495.html

事件の背景は複雑ですが、私たちをイスラム教徒の人々から分断し偏見や憎しみを煽ろうとする動きや、人々の恐怖を利用した過剰なテロ対策に注意したいと思います。こんな時こそ、違いを超えた人々の繋がりが求められているのではないでしょうか。

フランスねこ

2015年9月25日 (金)

消費、再び後退: アベノミクスの失敗と安倍首相の落胆(ルモンド紙、9月25日)

「アベノミクス」をはじめとする経済政策は、しばしば安倍政権による失政の目隠しとして使われてきました。今日のルモンド紙による報道を御紹介します。

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安倍首相を落胆させる出来事が再び起きた。8月、日本の消費者価格は2年以上ぶりに下落した。かくして、3度目の「アベノミクス」を叫ぶ安倍晋三総理大臣と黒田日銀総裁の顔に再び泥が塗られた。

「デフレからの脱却はすぐそこまで来ている」

9月24日木曜日、安倍首相はこのように述べた。しかし日銀総裁が約束した物価2%上昇の公約は現状と程遠い状況にある。格付け会社「スタンダード・アンド・プアーズ」は先週、日本国債の格付けを引き下げると共に、アベノミクス批判に加わった。

(抜粋、一部編集)

●元の記事: 「日本の消費価格、再び後退: 安倍首相、落胆」(ルモンド紙、9月25日)
http://www.lemonde.fr/asie-pacifique/article/2015/09/25/les-prix-reculent-de-nouveau-au-japon-une-deconvenue-pour-shinzo-abe_4771097_3216.html

2015年9月 2日 (水)

広がる「反対」の大波に追いつめられる安倍政権/ルモンド紙(9月2日)

2011年3月11日に福島で起きた出来事は、私たち一人一人の考えや行動に大きな影響を及ぼして来ました。今日本で起きている安保法案反対の波もまた、私たちの過去4年半の歩みと思索の一つの結果なのかもしれません。

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普段は市民によるデモを無視する政府も、あまりにも大規模な反対運動の波に、安保法制反対の声に向き合わざるをえなくなった。

この夏、安倍晋三総理大臣は国内外で歴史と安全保障についての発言で物議をかもし続けた。米国の後押しを受ける現政権は、「外部状況の変化」を理由に、自衛隊を日本国外に送り他国の軍隊と共に戦うことを認める安全保障関連法案(安保法案)の成立を国会で主張している。しかしこの法案は憲法9条が示す戦争放棄の原則に反する内容であると指摘されている。

憲法違反の指摘にも関わらず、与党自民党は同法案を野党の強い反対を押し切って衆院で可決。更に防衛省は、本年度予算から2.2%増となる5兆円もの軍事予算を来年度予算として要求している。安倍首相は法案可決の妨げとなる問題を回避するために国会会期の大幅延長をはかったが、各界からの「憲法違反」の糾弾、および中国・韓国の慎重な態度以上に加え、国民を広く巻き込んだ大規模な反対運動が盛り上がりを見せ新たに安倍政権の前に立ちはだかっている。8月30日に行われた最も最近の抗議行動では、首都東京の国会前に12万人(主催者発表)もの市民が集結、法案の撤回を求め声を上げた。

安保法案への反対運動には新たな兆しも生まれている。たくさんの若者たちが抗議に参加しているのだ。学生たちは「自由と民主主義のための学生緊急行動」(SEALDs)を立ち上げ、毎週金曜日に国会前で安保法案への反対運動を行っている。

「私は平和憲法に基づいて安全保障を推進する国で生きてゆきたいと思います。」

この日、SEALDsメンバーの寺田ともかはこのように述べて、日本人の大多数が平和を守ることに強い思い入れを抱いていることを指摘した。

(抜粋、一部編集)

●元の記事:「安全保障分野の前線で窮地に陥る安倍晋三」/ルモンド紙(9月2日)
« Au Japon, Shinzo Abe en difficulté sur le front sécuritaire », Le Monde, 2015.09.02
http://www.lemonde.fr/asie-pacifique/article/2015/09/01/au-japon-shinzo-abe-en-difficulte-sur-le-front-securitaire_4742311_3216.html

2015年8月23日 (日)

再稼働:過去に囚われ日本を後退させる安倍政権(ルモンド紙社説/8月12日)

福島原発での惨事とこれに続く48基の原発停止から4年が経った今、日本は再び原子力に回帰した。8月11日の川内原発第一号機の再稼働は保守派安倍晋三総理大臣の勝利を明示している。そして今後他の原発が再稼働する可能性を暗示している。政権に返り咲いた2012年12月以来、安倍首相は原発再稼働を主張してきた。表向きに語られている「発電費用を抑え石油への依存を減らす」という目的だけではない。日本の原発技術を輸出する、という安倍首相の野心にも沿った動きである。

しかし安倍首相の「勝利」には限界が見えている。安倍政権は再稼働の必要性について国民を説得するのに失敗したからだ。世論調査が示すとおり、日本人の大多数は福島原発事故の惨事に深く心をえぐられ、地震が多発する自国での再稼働に疑問を抱き、その結果原子力に反対している。これら日本人の確信は、原発が全て停止した後も電力供給に何の問題も発生しなかった実績によって強化された。

<画像: 再稼働反対の声をあげる市民>
http://www.lemonde.fr/idees/article/2015/08/12/nucleaire-le-retour-en-arriere-du-japon_4722122_3232.html

安倍政権は経団連からの圧力を受け、不透明な経過を経て川内原発を再稼働した。これは全て過去のやり方である。日本政府は過去のやり方にとらわれ続けており、自らが望む「改革者」のイメージからは程遠いままだ。

(抜粋、一部編集)

●元の記事: 「原子力:再び後退する日本」/ルモンド紙 社説(8月13日)
« Nucléaire : le retour en arrière du Japon », Le Monde, 2015.08.13
http://www.lemonde.fr/idees/article/2015/08/12/nucleaire-le-retour-en-arriere-du-japon_4722122_3232.html

2015年8月20日 (木)

天津の重度汚染地帯: グリーンピース、ドローンで被害状況を撮影(ルモンド紙、8月20日)

中国の天津市で大量の猛毒化学物質による大爆発と重度の化学汚染が発生してから2日が経過した8月14日、国際環境NGOグリーンピースはドローンを使い重度汚染地域の状況を空から撮影した。ルモンド紙に掲載された約4分の動画をお知らせします。(冒頭のCMはスキップしてください。)  福島でのあの日を思い出させる光景が、私たちの隣国にも広がっています。


http://www.lemonde.fr/planete/video/2015/08/20/tianjin-greenpeace-filme-l-ampleur-des-degats-avec-un-drone_4731518_3244.html


●元の記事: 「天津:グリーンピース、ドローンで被害の状況を撮影」/ルモンド紙(8月20日)

"Tianjin: Greenpeace filme l'ampleur des dégâts avec un drone", Le Monde, 2015.08.20

2015年8月16日 (日)

「再稼働は人間の倫理に反する行為」(BBC、8月12日)

8月11日、日本政府は福島原発事故以来初めての原発再稼働に踏み切った。安全対策に多額の予算があてられたが、日本人の多くは再稼働に反対している。川内原発の周辺に住む住民の一人は次のように指摘した。

「日本では現在活火山の活動が活発になっています。こんな場所で再稼働を行うなど狂気の沙汰です。人間の倫理に反する行為です。」

日本人の多くは広島・長崎での原爆被害を受け当初原子力の使用に反対の立場を取ったが、「原子力は原爆と違う」「原子力は安全」との神話を信じて原子力を受け入れた経緯がある。しかし福島原発事故を経て原発の安全神話が崩れた今、再稼働への反発は大きく高まっている。

(抜粋、一部編集)

●元の記事:「日本、原発再稼働へ」, BBC Global News, 8月12日
"Japan restarts nuclear reactor", BBC Global News, 8月12日
http://www.bbc.com/news/world-asia-33858350

2015年8月12日 (水)

日本人はなぜ再稼働に抗議するのか/ルモンド紙(8月11日)

8月11日、福島原発事故の惨事を経験した日本では、安倍政権が九州にある川内原発の再稼働に踏み切った。福島原発事故以来、一部の期間を除き全ての原発が停止していた中での最初の再稼働となる。日本人の多くは再稼働に反対しており、この日多くの人が再稼働に反対する抗議行動に参加した(映像)。

http://www.lemonde.fr/planete/video/2015/08/11/pourquoi-les-japonais-manifestent-contre-la-relance-du-nucleaire_4721097_3244.html

抗議に参加した人々が主張しているのは、福島原発事故からの教訓が無視されている、という点だ。

これに反し再稼働を主導する安倍政権は、経済効果や石炭火力の使用による環境への影響を主張している。日本政府は他の原発についても再稼働を行う可能性があると見られている。

(要約)

●元の記事: 「日本人はなぜ再稼働反対のデモに参加するのか」/ルモンド紙(8月11日)/映像
http://www.lemonde.fr/planete/video/2015/08/11/pourquoi-les-japonais-manifestent-contre-la-relance-du-nucleaire_4721097_3244.html

2015年8月11日 (火)

「フランス政府、経済成長法案の強行決議直前に高度放射性廃棄物貯蔵庫の設置承認をねじ込み」/ルモンド紙(7月10日)

放射性廃棄物の処理はどう考えても困難だ。フランス政府は違法な手段を用いて経済成長促進法(通称「マクロン法」)にこっそりとこの問題を忍び込ませ、葬り去ることに成功した。7月10日、オランド政権は国会議員による議決を経ずに法案を可決することができる49-3条項を再度用いて強行突破をはかる直前、ブールにある放射性廃棄物貯蔵庫の設置承認に関する修正を追加した。

(抜粋、一部編集)

(記事の写真は同法を提案したマクロン経財相)

●元の記事:「マクロン法への放射性廃棄物処理条項のねじ込みに怒号」/ルモンド紙(7月10日)
“Tollé après l’irruption des déchets radioactifs dans la loi Macron”, Le Monde, 2015.07.10
“Tollé après l’irruption des déchets radioactifs dans la loi Macron”, Le Monde, 2015.07.10
http://www.lemonde.fr/energies/article/2015/07/10/tolle-apres-l-irruption-des-dechets-radioactifs-dans-la-loi-macron_4678426_1653054.html

2015年6月26日 (金)

超監視社会を生きる:アメリカ人アーチストが提案する「新しい顔」/ルモンド・ブログ(4月22日)

原発デモをビデオやカメラで監視する動きがあります。シカゴより新しい対抗策の提案です。

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レオナルド・セルヴァッジオは全米でも最も多い2万5千個もの監視カメラが監視するシカゴの町に住んでいる。これらのカメラは常時この町の住民の顔や服装などの外見データ、及び一挙一足を監視し記録し続けている。


<参考1: 何が記録されるのか>
町の監視カメラは一瞬で個々人の顔や体型の特徴、皮膚の色や質、服装、性別、人種、年齢等の特徴をとらえ記録する。(リンク中程の動画を参照。英語ですが、画像をどうぞ)

http://bigbrowser.blog.lemonde.fr/2015/04/22/un-artiste-americain-vous-donne-son-visage-pour-echapper-a-la-surveillance-generalisee/

<参考2: 「顔紋」はどう使われるのか>
「顔紋」は指紋同様に個人を識別するデータとして監視カメラなどから収集され、顔認証システムに使用される。(リンクはNECの「顔認証システム」サイト)
http://www.nec.com/en/global/solutions/biometrics/technologies/face_recognition.html


今日、監視カメラが乱立する地域は拡大している。そしてこうした環境が「普通のこと」として受け入れられるようになってきている。

「表を散歩しただけでビデオに記録される、ということが起きないようにする権利が私たちにもあるはずです。そもそも、カメラから隠れる必要だって無いはずです。」

レオナルドは指摘する。そこでレオナルドとアート集団「URME」(You are me、「あなたは私」)は一般市民への監視活動に抵抗する「仕掛け」で監視システムをショートさせようと考えた。

一番簡単で効果的な「対抗策」は、レオナルドの顔の仮面をかぶることだ。過剰な監視体制がしかれた通りをカメラに気づかれることなく通り過ぎるため、URMEはレオナルドの顔のスキャンを用いた着色樹脂のマスクを提案する。このマスクは本物の顔のように見えるため、かなり近くまで近寄らなければマスクだと気付かれることは無い。


●レオナルド・マスク(画像)
http://bigbrowser.blog.lemonde.fr/2015/04/22/un-artiste-americain-vous-donne-son-visage-pour-echapper-a-la-surveillance-generalisee/


「マスクの主旨は、監視カメラから隠れるのではなく、むしろ別の顔を身につけて歩くことで監視網から外れるようにする、というものです。」

とレオナルドは述べる。

着色樹脂性のリアルな仮面は200ドルで、材料費のみで販売する。200ドルを持っていない人は、直接ウエブサイトからより簡単な作りの仮面をダウンロードして印刷し、組み立てることも可能だ。

(抜粋、一部編集)


●元の記事「アメリカ人アーチストが提案する全面監視を逃れるための『顔』」/ルモンド・ブログ(4月22日)
http://bigbrowser.blog.lemonde.fr/2015/04/22/un-artiste-americain-vous-donne-son-visage-pour-echapper-a-la-surveillance-generalisee/ 

«ソーラー飛行機「インパルス2」、名古屋に着陸/ルモンド紙(6月3日)、BBC(6月2日)