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2011年4月28日 (木)

「『肉は塩水につけてから火にかける。肉汁は2回捨てること。』チェルノブイリから25年、続く放射能汚染」クーリエ・アンテルナショナル(4月21-27日)

週刊国際紙クーリエ・アンテルナショナルは421日、ポーランドの新聞「ポリティカ」紙によるベラルーシの食品汚染に関する記事をフランス語で掲載した。

チェルノブイリ原発事故から25年が過ぎてもなお、事故現場から約200キロの距離にあるベラルーシでは、放射能に汚染された食品を通じた重度の健康被害が発生している。原発産業と癒着関係にあるベラルーシ政府は事故現場周辺の安全性を強調し、汚染の存在を強く否定し続けてきた。

そして汚染された食品を食べないよう呼び掛ける地元の医師を警察を通じて妨害したり、放射能汚染による病気の発生を調査した専門家を投獄して、事実を隠し続けてきた。他方で子どもたちは脳や遺伝子に重度の障害を持って生まれ、汚染された野菜や肉から更に体を蝕まれる悪循環に陥っている。

(以下、一部要約。)

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ベラルーシの南東部に位置するブダ・コチェレフ市の郊外にある、家の台所。NGO「チェルノブイリの子どもたちのために」の会議が開かれている。引退した小児科医のバレンチュナ・スモルニコファ医師は他のボランティアたちと一緒に、海外での休暇に送りだす子どもたちを選んでいるところだ。最も多くの放射線を浴びている子どもが優先だ。

以前は子どもたちの体内放射線量を下げるために、子どもたちをドイツやイタリアの家庭にホームステイに送っていた。しかし、子どもたちの放射線量は下がらなかった。(ベラルーシの実家で放射能に汚染された食品や焚き木を使う生活を送っているためだ。)

今はむしろ子どもたちの両親に、放射能からの汚染をより少なくとどめるための食事方法や放射線を避けながら暮らす方法を教えるようにしている。海外に子どもたちを送る現在の目的は、受け入れてくれる家庭と長く付き合う関係を築くためだ。特にドイツの家庭は、これらの子どもたちを支え続けてくれている。

数年前、ドイツの新聞がチェルノブイリ事故の2年後に重度の脳障害を持って生まれたオラ・ぺシュコファの記事を掲載したことがあった。オラは薬を必要としていた(が両親には治療のお金が無かった)。記事を読んだドイツ人のクララ・バウレンは強く心を打たれ、家族や友人たちに、この先はもうプレゼントをくれなくていいからお金をちょうだい、と言った。そして集めた資金でオラの薬を買って送ったのだった。バウレン夫人が無くなった後は、その娘が後を引き継いでいる。

「(汚染された)肉を食べたい時は、あらかじめ塩水に肉を浸します。そして、煮込んでいる間に2回肉汁を捨てなければいけません。」

「森になっているぶどうやベリーの実を食べてはいけません。」

「(チェルノブイリ事故当時に打ち捨てられた)廃屋から取って来た焚き木を燃やして暖を取ってはいけません。」

「家で飼っている牛の牛乳を飲んではいけません。」

バレンティナ医師は20年間の間、放射能被曝に苦しむ子どもたちを診察・治療してきた。

「キノコ類を食べたり、森の鳥獣を捕まえて生活している家庭の子どもは、最も放射能による被曝を受けています。」 

彼女は学校を訪問して放射能被曝を防ぐための啓発活動を行っているが、彼女を受け入れないよう政府から学校に指示が出されたり、KGBに尾行されるなどの嫌がらせを受け続けている。

最も汚染された村々からは人々が退避することになり、地域にあった工場なども取り壊された。しかし、ブダコチェレフなどのそれ程までには影響を受けなかった地域や、ウクライナ国境から少し遠い地域などでは退避は強制ではなかった。

地元に残ることを選んだ人々は無料の治療や食事の恩恵を得たが、1994年に政権についたルカチェンコ大統領は、この施策に予算がかかりすぎると考えた。そして、以前汚染されていた土地はもう既にきれいになったと言って、人々に戻って来るよう呼び掛けた。国も自治体もこぞって「何も危険はない」とベラルーシ国民を説得するために手を尽くしたのである。

(チェルノブイリ事故発生時に人々が退避した後の)廃屋を取り壊した後の木材は放射能に汚染されているが、燃料としてロシアに転売されている。住民が言う。

「お金が無いので、これしか買えません。」

同じ理由から、―家は森でできたもの(野菜、果物、肉)を頻繁に食事の材料にしている。

イオウリ・バンダジェフスキー教授は特定地域における放射能汚染の濃度と特定の病気の因果関係を調査で証明した。しかし、調査結果を発表すると刑務所に送還された。

「神様が放射能汚染についての情報をくれたなら、伝えなくちゃ。私は続ける。やらなきゃいけないことは自分で分かるから。」

バレンティナ医師はこう語っている。

Ekaterina Tkatchenko & Agnieszka Wojcinska, « Les Biélorusses conamenés aux raiations » Courrier international n°1068, 2011.04.21-27

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コメント

はじめまして。

この記事をお母さん達に紹介したいのですが、サイトに掲載させていただけませんでしょうか?

よろしくおねがいします。

渡辺さん

お返事が遅くなって申し訳ありません。
どうぞご自由に引用してください。ただ、チェルノブイリ事故後のベラルーシの事例、ということで必ずしも全てが日本の状況にあてはまらないこともあるかと思います。事故の状況、その後の対応の他、食品については野菜の種類や生育環境が必ずしも同じではない可能性があります。ただ、いろいろな面で参考になるかとは思いますので、よろしければご活用ください。

ためになる情報ありがとうございます。
震災後 ようやくチェルノブイリで被災された方々を知ろうと思うことができました。
今まで無知だった自分がなさけないです。とにかく今はできる限り子どもたちを守ろうと
思いました。
また情報よろしくお願いいたします。

山崎さん

メッセージをありがとうございました。食品汚染への対策につきましては、最近こちらのブログでも御紹介させて頂きました『食卓にあがった放射能』(高木仁三郎&渡辺美紀子著、七つ森書館 1400円+税)がとても分かりやすくかつデータも豊富だと思います。御興味があればぜひ書店もしくは図書館で一度手に取って頂ければと思います。いろいろと大変な時ですが、ストレスを溜め込まず気長にがんばりましょう。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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