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2011年4月17日 (日)

「WHO、10~20年単位で福島原発事故による癌発生を調査」ル・モンド紙(4月15日)

世界保健機構(WHO)は日本政府と共同で、今後10年から20年に渡り、福島原発事故が原因で発生した癌を探知するための大規模な疫学調査を実施する。突発的に発症した甲状腺がん、白血病、その他の癌が対象となる。

WHOはしばしば、国際原子力機関(IAEA)との関係を通じ原子力業界に対し従属的な関係にあることが非難されてきている(注1)。これに対しWHOのマリア・ネイラ公衆衛生・環境局長は、「他の国連機関との関係でWHOの独立性が脅かされることはない」と述べる。

広島と長崎への原爆投下の際の生存者に対して実施された調査(注2)は、放射能から人体を保護するための国際的な規範作りの基礎となった。今回の日本での調査はこれに並ぶものと考えられる。調査は福島原発事故への緊急対策が一段落した段階で開始する予定となっており、10年・20年単位で一世代にわたって実施される予定。

ネイラ局長は福島原発の作業員について「危険にさらされている」と指摘。また福島原発周辺の退避ゾーン設定については「科学者の提言に沿ったもの」と肯定。一方で、「ゾーンを拡大すれば多くの人々を移住させなければならず、予算上の問題と(移住させられる人々への)心理的なストレスを生み、社会的な影響が引き起こされるため」、退避ゾーンの拡大は難しく、ゾーン拡大の利点と難点を秤にかけ検討する必要があると述べた。

(一部要約)

注1.    WHO1956年にIAEAと締結した協定により、WHOは原子力分野に関わる健康問題についてIAEAからの事前承諾無しに関わることを禁じられている。チェルノブイリ原発事故の後にWHOIAEAが共同で実施した健康被害調査は、放射能による健康被害および死者数を過少評価しているとして、一部で批判されている。

      http://franceneko.cocolog-nifty.com/blog/2011/04/whoiaea319-5f9b.html

注2.    日米が共同で爆心地から2キロメートル以内の地域でのみ実施。調査の結果は放射線の被曝限度量の基準等を定める際に広く利用されている(詳しくは右サイト参照)。 http://www.nuketext.org/kenkoueikyou.html#hiroshima

Paul Benkimoun, « L’OMS va lancer une étude épidémiologique au Japon », Le Monde, 2011.04.15

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