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2011年4月 1日 (金)

「原発被害に沈黙するWHO:IAEAの同意なしに発言できず」ル・モンド紙(3月19日)

日本で原発事故が起きて以来、世界保健機構(WHO)は驚くほど沈黙を守っている。まるで、日本政府と国際原子力機関(IAEA)からの情報を繰り返すだけで満足しているかのようだ。これは、WHOが1959年以来、IAEAからの合意がなければ原子力に関する健康問題に着手しないという協定を結んでいることに起因する。

WHOは3月14日に放射線や被爆した際の対応について文書をまとめたが、日本についてはたったの2パラグラフしか記載しなかった。更には、福島での原発事故が国民の健康に与える被害は少ない、とのみ記されている。

3月17日に改訂された同じ文書では、福島周辺で引き起こされている健康への脅威に触れず、「日本政府が提案した行動」を適切として承認している。

IAEAは核兵器以外での原子力の利用を推進するロビー機関である。従って、IAEAとのこうした関係は、WHOが独立した専門機関として機能するのを妨げている、と多くの関係者は考えている。

2つの機関が結んだ協定は、「両機関の利益に関する活動に着手する場合には、もう一方の機関の同意を得なければならない」と定めている。これは大概の場合、IAEAに有利に働く。

たとえば、2005年9月にWHOとIAEAが合同で取りまとめたチェルノブイリ原発事故の被害状況では他の多くの調査結果が無視され、死亡者50名、甲状腺の癌で亡くなった子ども9名、死亡に至る癌にかかった者は4000名、と結論がなされた。他方、2010年2月にニュー・ヨーク科学技術大学が実施した調査では、チェルノブイリ事故の関連で亡くなった人は98万5千人にまでのぼる、とされている。

アリソン・カッツは以前WHOの環境課に勤めていた。「WHO内でも、チェルノブイリの被害が過少に見積もられていることに対して落ち着かない気持でいる者が何人もいる」と言う。そして、日本のケースについてもまた同様のことが起こるのではないかと心配している。「IAEAが健康や退避の全般について決めている。」WHO本部には放射線防護の専門家が現在4名しかいない。

2007年には「独立したWHOを目指す会」が結成され、カッツ氏を含むメンバーが毎日WHO本部の近くでIAEAとの協定廃止を求めてデモを行っている。WHOは、ル・モンド紙がIAEAとの関係について質問したのに対し、これまでのところ回答を拒否している。

(Agathe Duparc, Le Monde, 20110319)

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コメント

4月15日付の官邸発表資料で、「チェルノブイリ事故との比較」というものがあります。
http://www.kantei.go.jp/saigai/senmonka_g3.html
「チェルノブイリでは、134名の急性放射線傷害が確認され、3週間以内に28名が亡くなっている。その後現在までに19名が亡くなっているが、放射線被ばくとの関係は認められない。」
などと書いてありますが、この28名は、本当に放射線被ばくとの関係は認められていないのでしょうか?
またその他の部分も、IAEAで4000名の死者数が報告されていると思いますが、この文書では甲状腺がん以外存在しないことになっています。
日本の公式発表としてこのような内容では問題とはならないでしょうか?

kamiyamaさん

コメントありがとうございました。
御存知の通り、チェルノブイリ事故が原因で亡くなった方、もしくは健康被害を受けた方の数につきましては、政治的な立場と採用する計算方法によって、様々な数字が発表されています。また、原発事故の後に癌その他の症状が出ても、事故との「直接の因果関係」を証明するのは(自然に癌になる可能性がある以上)難しいのが現実です。広島・長崎への原爆投下の後も、原爆症が長期間認定されなかった方が多くいたと聞いております。また、チェルノブイリ原発事故の後も、多くの人が病気のまま補償も無く放置されています。

日本の官邸が発表しているデータはそう言った意味で、日本政府の見解と今後の健康被害者への対応ぶりを占う数字として解するのが妥当ではないかと個人的には思います。つまり、この後病気になってもほとんどの人はカウントされないのではないかと。。WHOが日本政府と合同で実施する調査については、そういった意味で、取りこぼされる健康被害者が少しでも少なくなるよう注視する必要があると思っています。

はじめまして。
日本国内だけでなく、世界においても、
あらゆる機関と原子力機関がつながっているのですね。

今回の事故でも、情報はほとんど出てこないし、
真実が隠蔽される可能性がありますね。

こちらのブログで記事をご紹介させていただくこと、
お許しいただけるとありがたいです。

さくらさくさん

こんにちは。コメントをありがとうございました。記事にあるWHO前でのデモは、福島原発事故の後も続けられているようです。記事の御紹介は御自由になさってください。引き続きどうぞよろしくお願い致します。

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