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2011年5月

2011年5月29日 (日)

「仏CRIIRAD研究所、福島原発事故に関する汚染調査等で来日 ~ 5月29日には一般からの質問に答える公開討論会も」CRIIRAD/フランスメディアニュース(5月27日)

チェルノブイリ原発事故の翌日に設立された、原子力に関するフランスの独立研究機関、CRIIRAD。5月24日より来日し、29日には福島市内で一般からの質問にも答える公開討論会などが予定されている。「フランスメディアニュース」より、急ぎ転載します。

●フランスメディアニュースによる記事へのリンク

http://www.francemedianews.com/article-74971970.html

●CRIIRADによる原文へのリンク

http://www.criirad.org/actualites/dossier2011/japon_bis/mission_japon/11_05_27_mission_japon.pdf

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Samedi 28 mai 2011 6 28 /05 /Mai /2011 13:09

CRIIRAD* 研究所コミュニケ 2011527

Commission de Recherche et d’Information Indépendantes sur al Radioactivité =放射能に関する情報および独立調査のための委員会  グリーンピースジャパンより)

福島第一の放射性物質の影響について

CRIIRADの科学チームは、524日より以下3つの目的で日本の状況を現地調査をしている。

1)調査

ブリュノ・シャレロン(Bruno Chareyron)CRIIRAD研究所責任者、原子物理学技師)とクリスチャン・クルボン(Christian Courbon)(フィールド調査専門技術者)は、524日より茨城県から現地測定を始め、2日前より福島県入りしている。汚染地域の居住者が被る放射能レベルを測定し、環境汚染レベル及び食品汚染を測定し、公式測定結果が現地の実情を正しく伝えているかどうかをチェックすることが目的。

2)研修と備品提供

CRIIRADは、1ヶ月前より、人の健康、特に子供の健康への影響を最大限に抑えるため、環境における放射線調査に乗り出した市民や市民団体に情報と備品を提供する活動をしている。CRIIRADは、そのパートナー団体(特に「PROJET 47」)に対して15,000ユーロ以上の備品を貸与し、食品調査に充てる備品購入費用を提供した。PR0JET 47 の目的は、被災地により近い場所で現地団体と連携し、独立した無料の調査ステーションとを設置することである。1ヶ月以上前より、PROJET 47代表岩田渉(わたる)氏とともに研修活動が活発に行なわれている。岩田氏は現在CRIIRADチームと現地で調査に関わり、成果も徐々に出てきている。

3)人的被害を最大限に抑える

CRIIRADは、25年来蓄積した経験と国際的に得た信頼性の全てを、人間の放射能汚染保護の向上に捧げるべく全力を尽くしている。

a / 居住者の放射能照射レベル調査において確認された重大な欠如、人間の放射能保護措置の実施における深刻な不足要素(特に312日から16日の最も深刻な時期)についてまとめる

b / ここ2ヶ月来目立つ情報不足についての分析(1986年、フランス政府は「チェルノブイリはウインタースポーツ2週間分に相当」と繰り返していた。2011年、日本では「福島第一はスキャン1回分に相当」とされている)

c / 居住者、特に子供や胎児の放射能照射を最小限に抑えるため、国内外レベルで活動が始まっている。放射能保護規格(1年に20ミリシーベルト)の問題と食品汚染問題は日本国外まで広く及んでいる。福島第一の影響は、今日国籍を問わず地球市民に関係する問題である。

講演および情報会議プログラム

529日(日) 午前11時〜午後530分まで 福島市にて

住所  福島市大町4-15 チェンバおおまち 3階 電話番号:024-526-4533

子供達を放射能から守る福島ネットワークの協力により、ブリュノ・シャレロン(CRIIRAD)氏と岩田渉氏(PROJET 47)が以下の予定で参加します。

午後1時〜3時: 食品汚染の測定ワークショップ(消費者、生産者向けに無料測定)

午後330分〜530分(延長可能性あり): 講演及び一般公開議論。放射能照射可能性の理解、保護の方法(とその限界)、放射線保護規格の問題などを軸に説明。参加者からの情報とアドバイス要請に大幅に時間を割く(避難、学校の調査、交通や娯楽に関連する特定の危険、補償問題、健康上の危険、除染の可能性などについて既に多くの質問を受けている)。

530日(月) 午後1時より 福島市で記者会見

参加者:ブリュノ・シャレロン(CRIIRAD)氏、岩田渉氏(PROJET 47

住所: 福島市曽根田市1-18 MAXふくしま 4 AOZ

電話番号:024-533-2344

61日(水) 午後1時より 東京にて記者会見

住所: 千代田区内幸町2-2-1 日本プレスセンタービル 10階ホール 日本記者クラブ

言語: フランス語、日本語

電話番号:03-3503-2721 

メンバー以外の方、個人的なインタビューについては以下電話番号まで登録要 090-6193-0331

東京にて2回目の記者会見(英語)の予定あり(特に海外特派員向け、及び教育・情報ワークショップ)

リンク: http://www.criirad.org/actualites/dossier2011/japon_bis/sommaire.html

「IRSNが福島原発周辺住民における外部被曝線量を分析。『退避区域』外に残された住民数、年間外部被曝量5mSv以上の区域で約30万人、10mSv以上でも7万人」IRSN(5月23日)

放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)は523日、「福島原子力発電所事故から66日後の北西放射能降下区域住民における外部被曝線量の予測に関する評価」という報告書を発表した。

IRSNはこの報告書の中で、福島原発周辺地域における今後1年間、10年間、一生涯における外部被曝線量(呼吸や食品の摂取による内部被曝を含まない)の予想を各地域の土壌汚染の度合いに従って提示。日本政府が設定している「退避区域」外に深刻な外部被曝が予想される汚染地域が広がっており、年間外部被曝量5mSv以上の区域で約30万人、10mSv以上でも7万人の人が取り残されている現状を示した。報告書は、住民の健康を守るため、少なくとも7万人の「退避区域」外住民を安全な地域に退避させることを提言している。

土壌汚染による外部被曝線量と、取り残されている人々の数

土壌への放射性物質(セシウム137およびセシウム134)の蓄積が1平方メートル当たり600万ベクレルから3000万ベクレルにもなる「最も汚染された地域」(飯舘村等を含む報告書内の地図上で赤く塗られた地域)では、1年間の外部被曝線量が100500ミリシーベルトにものぼる。更に10年間では3801900ミリシーベルト(0.381.9シーベルト)、一生涯(70年で計算)では8164080ミリシーベルト(0.84シーベルト)にもなり、IRSNは「避難が絶対に必要な地域」と指摘している。

このような深刻な汚染にも関わらず、居住地が「退避区域外」とされているために現地にとどまっている人の数は、「最も汚染された地域」において約2200人とされる。

更に、1年間に10ミリシーベルト以上の外部被曝を受けるにもかかわらず居住地が「退避区域外」に指定されているために現地にとどまっている人の数は874km2に住む約69,400人で、うち9,500人が014歳の年少者である。5ミリシーベルト以上の地域で見た場合には、292千人もの人が汚染された地域にとどまっていることになる。

<参考> 被曝による健康への影響

l  1ミリシーベルト         

日本政府が採用している一般公衆の被曝限度。1ミリシーベルトの放射線を浴びた場合、10万人当たり1から37人の人が癌で死亡するとされている。なお、チェルノブイリ原発事故の際には、年間5ミリシーベルトの外部被曝線量を越える地域で避難指示が出された。

l  20ミリシーベルト

米国およびドイツの原発作業員における被曝限度量。

l  250ミリシーベルト

福島原発での事故発生後に日本政府が設定した原発作業員における被曝限度量。

白血球の一時的減少が見られるとされる。しかし広島・長崎への原爆投下の際に

は、100ミリシーベルトの被曝であっても脱毛などの急性障害が出たことが確認さ

れている。

l  34シーベルト

全身に一度に浴びた場合、50%が死亡するとされる。

http://www.nuketext.org/kenkoueikyou.html 

報告書の全体については、是非こちらをお読みください(仮訳は真下俊樹さん)。

NGOGreen Action」による報告書の要約

http://www.greenaction-japan.org/modules/wordpress/index.php?p=504 

★同じく、報告書全文仮訳

http://www.greenaction-japan.org/internal/110523_IRSN_drph2011-10.pdf

2011年5月27日 (金)

「ルモンド紙記者、ガイガーカウンターを手に飯舘村へ『日本政府は全てを知りながら住民を被曝させた』」ルモンド紙(5月25日)

ルモンド紙の特派員、ジェローム・フノグリオがガイガーカウンターを片手に福島原発から45キロの距離にある飯舘村を訪問、今も村に残る住民達の声を拾った。

5月21日にフノグリオが計測した飯舘(飯館)の放射線量は毎時80マイクロシーベルト、年700ミリシーベルトに相当する。この値は原発作業員における被曝の上限値である20ミリシーベルト、癌の発生が証明されている100ミリシーベルトの壁を裕に越える。

フノグリオは、日本政府は当初から全てを知っていた、と指摘している。これらの地域では高い放射線量が把握されていたにも関わらず、退避勧告が迅速に出されなかった。そして何週間もの間、飯舘村の住民達は何も知らされなかったのである。高濃度のヨウ素131にさらされ被曝させられた人びとは、現在も正確な内部被曝を把握する検査や甲状腺がんの検査を受けられないままに放置されている。(以下、要約)

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突然二人は、本当のことを知りたいという気持ちに駆られた。カンノ・ケンジとツグミは、自分たちを取り巻く目に見えない危険について何も知らないままに何週間も過ごした後に、情報が無いという状況に反抗するかのように、ガイガーカウンターを持った訪問者に飯舘村の自分たちの農地を調べてほしいと依頼した。訪問者が専門家などではなく新聞記者だったことも重要ではなかった。二人は、ガイガーカウンターにこれから消えてしまう日常の暮らしの場をかざした。残して行かなければならない家の中、何もとれなくなった畑、カラカラになった田んぼ、一緒に連れて行こうと考えている愛犬の足まで。

カウンターの針は安心できる値どころか、あまりに高い放射線量に、警報を発した。警報のアラームの後には、2人の恐怖の叫び声が続いた。屋根の軒下、導管の下に草が生えている場所にカウンターをかざすと、5月21日土曜日の時点で毎時80マイクロシーベルト、年700ミリシーベルト相当の放射線量を示した。100ミリシーベルト以上の放射線を浴びると、癌になることが証明されているにも関わらず、である。カンノ家の農場の一部では、チェルノブイリ原発の近辺で観測されたのと同じ水準の高い放射線濃度が観測された。

カンノ家は3月11日に地震と津波が起きた後破損した福島原発から45キロ離れた飯舘村に住んでいる。福島原発から20キロ以内の距離は強制退避区域となった。30キロ以内は「屋内退避区域」とされている。しかし放射能汚染は日本政府が示した同心円状の図の通りには広がっていなかった。3月16・17日に原子炉の爆発が起きた際に排出された放射性落下物(放射性の塵)は風に押され地中へと入り込んだ。低い雲は北西方向に谷を昇り、そして飯舘村を通り過ぎていった。

「何週間もたって初めて何が起きたか説明された。どんな危険を犯していたかを。逃げなきゃ行けないって言われていたことも。」

他の多くの飯舘村の住民同様、カンノ・ツグミは言う。

「何日間も、誰も何も教えてくれなかった。停電していたから、政府の発表すら知らなかった。」

最初の警告は、汚染が始まった2週間後に初めて、NGOからの断片的な取り組みによってもたらされた。土壌汚染の状況は、4月10日にフランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)の専門家が米国の計測データを元に作製した汚染地図によって初めて明らかになった。日本政府が推定値によるまともな文書を作製したのは、4月24日になってからのことである。こうしたデータによれば、福島原発の北西部に位置する地域は非常に高い汚染度を示している。浪江、葛尾、飯舘の大部分は年20ミリシーベルトという原発作業員の被曝上限量を越える放射線量を記録している。IRSNで人体への放射線防護担当局長をつとめるパトリック・グルムロンは、「これらのデータは、(今回の福島原発の事故において)場所によってはチェルノブイリ原発事故と同じレベルの放射能汚染が起きたことを示している」と述べる。

なぜ日本政府はこのように遅れてデータを発表し、遅れて原発周辺地域からの退避を決定し、5月31日までに完了することとする、という事態に至ったのだろうか。しかし日本政府は最初から全てを知っていた。飯舘の道標にその証拠がある。どの集落にも避難所の横の荷物預かり所の横に、その場所の放射線量が記載されている。

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2011年5月24日 (火)

「仏の独立研究機関『福島県内でチェルノブイリ原発事故後のベラルーシに匹敵する土壌汚染』」リベラシオン紙/フランスメディア・ニュース(2011.05.20)

「福島県内の放射線濃度はチェルノブイリ事故後に同原発周辺で見られた汚染レベルに匹敵する」


チェルノブイリ原発事故後にフランスで誕生した原発関連の独立研究所の一つAcro(アクロ)は5月20日、日本よりボランティア達が届けた福島原発周辺の土壌、野菜、魚を分析した結果、こう述べた。

福島県全土で、セシウム137が1平方メートル当たり18万5千ベクレル、という、チェルノブイリ事故当時ベラルーシの人びとが移住を許される基準となった汚染の上限濃度を越えていた。


汚染は福島県にとどまらない。福島原発から80キロの地点にある仙台では、野菜が日本政府が設定した基準値すら上回っていた(セシウム134が1キロ当たり790ベクレル、セシウム137については1キロ当たり830ベクレル)。福島原発事故による高度の放射性落下物は、原発から270キロの地点にある神奈川でも見つかっている。


「フランスの研究所が放射能汚染を心配する」フランスメディア・ニュースによる翻訳

http://www.francemedianews.com/article-74461902.html 


リベラシオン紙による記事(仏文オリジナル) (« Un laboratoire français s’alarme de la pollution radioactive à Fukushima », La libération, 2011.05.20)

http://www.francemedianews.com/ext/http://www.liberation.fr/depeches/01012338595-un-laboratoire-francais-s-alarme-de-la-pollution-radioactive-a-fukushima

2011年5月23日 (月)

「フランス電力公社の元幹部2名、環境NGO『グリーンピース』へのスパイ行為で法廷へ」ルモンド紙(5月22日他)

フランス最大の電力公社で、世界の原子力発電業界で高いシェアを誇るフランス電力公社(EDF)(注1)。そのEDFが2006年、原子力反対運動の中心を担う環境NGO「グリーンピース」のフランス国代表(当時)ヤニック・ジャドット氏(注2)その他のコンピューターに不法にアクセスし情報を盗み出していた事件について、当時EDFで安全管理を統括し、今回のスパイ事件の参謀役と見られている元幹部2名が、10月17日から28日にかけナンテール市で開かれる裁判で判決を受けることが確定した。5月22日付けのルモンド紙が伝えた。


http://abonnes.lemonde.fr/societe/article/2009/03/31/deux-responsables-de-la-securite-d-edf-mis-en-examen-pour-espionnage-informatique_1174912_3224.html 

(« En baisse » Le Monde, 2011.05. 22)

(注1)
現在、世界における原子力による電力供給元の第一位はフランス。その中心となる企業が、発電と送電の両方を受け持つフランス最大の電力公社、EDFである。ヨーロッパ内の電力供給は、同社を中心にフランスがほぼ独占状態を保っている。最近のドイツ等による脱原発の動きは、フランスによる電力の一局支配から逃れようとする動きとも受け取られている。

EDFが100%出資する完全子会社が電力を供給しているヨーロッパ諸国は、ドイツ、オーストリア、ベルギー、スペイン、イギリス、イタリア、スウェーデンなど。エジプト、アルゼンチン、ブラジル、メキシコ、中国などの開発途上国でも、子会社を通じて電力市場を占有している。

(注2)
現在は「環境に優しいヨーロッパ」党所属の欧州議会(EUの国会に相当)議員。

<解説>
今回裁判の対象となるスパイ事件は、EDFの幹部が「カルグス・コンサルタント」というコンサルタント会社に反原発運動を推進するグリーンピースの動向を探るよう依頼したことに端を発した。2009年にはEDF、カルグス・コンサルタント、カルグス社に雇われていたIT専門家、の3者が警察からの事情聴取を受けた。

2009年当時のグリーンピースによる声明(英文)「EDF幹部によるグリーンピースへのハッキングが明らかに。フランス政府インターネット犯罪対策課がグリーンピースに聴き取り」
http://www.greenpeace.org/international/en/press/releases/edf-espionage-greater-than-exp/


事件に関するその他の記事
http://www.zdnet.fr/actualites/piratage-informatique-edf-soupconne-d-avoir-espionne-greenpeace-39389158.htm


http://www.lexpress.fr/actualite/economie/greenpeace-espionne-edf-soupconne_750680.html


http://www.lemonde.fr/societe/article/2010/11/02/soupconne-d-avoir-espionne-greenpeace-edf-renvoye-en-correctionnelle_1434597_3224.html 

<EDFによるその他のスパイ事件>
EDFによる脱原発派NGOへのスパイ行為はその他にも報告されている。2009年に起きた大手環境NGOに対する別のスパイ事件では、EDFが決定したアレバ社製の使用済み核燃料を用いた新型原子炉のフランス建設について、経済性と安全性の両面から異議を唱えたNGO「グリーンピース」とNGO「脱原発」が標的になった。尚、同じ形の原子炉は既にフランス、フィンランド、中国で建設されている。

2011年5月19日 (木)

「東京電力『福島原発第1号基の炉心溶融は人為的ミスが原因』と言及」ルモンド紙(5月18日)

Japan Times紙が入手した東京電力の内部文書によれば、福島原発第1号基の緊急冷却装置は、3月11日に巨大地震が日本を襲った直後の午後3時、東京電力の関係者によって手動で停止させられていた可能性が高いことが分かった。


津波は午後3時30分頃に福島原発を直撃。緊急冷却装置は、本来の冷却装置が停電で稼働しなくなった際に8時間の間継続して原子炉内に送水、炉の冷却を継続する仕組みになっていた。しかし手動で停止させられたために、その後更に3時間の間停止を継続。最終的に原子炉の炉心溶融が起きる原因となったと推定される。


東京電力側は「作業員が原子炉内の温度が急激に下がるのを防ぐために緊急冷却装置のバルブを閉めた可能性がある」と発言。これを受け、枝野官房長官は5月17日に記者会見を開き、原子力安全・保安院に対し本件に関する詳細な調査を指示したことを明らかにした。


東京電力は同じ5月17日、危機収拾に向けた工程表に変更はないと発表している。


( « Fukushima : Tepco évoque la piste d’une erreur humaine sur le réacteur 1 » Le Monde & AFP, 2011.05.18)

2011年5月18日 (水)

「WHO総会で日本代表『福島原発事故で癌や白血病は発生しない。死者は1人も出ていないし治療を必要としている人もいない。』」AFP/Romandie.com(5月17日)

スイスのジュネーブで開かれている世界保健機構(WHO)の第64回総会で、放射線医学総合研究所(放医研)の明石真言理事は日本を代表して発言、福島原発事故による健康被害は、チェルノブイリ原発事故の際に起きた被害より小さい、と述べて世界に波紋を広げている。

他方、WHOは1959年に国際原子力機関(IAEA)との間で結んだ協定により、IAEAの合意無しには原発事故の健康被害について自由に発言することができない立場にある。このため、チェルノブイリ原発事故の死者数・傷病者数を実際より少なく見積もったり、チェルノブイリ、広島、長崎で起きた被曝による健康被害の現状調査に関する報告書の出版をIAEAからの介入により見送らざるを得なかった、との指摘がチェルノブイリ事故に関わった各分野の専門家、および元WHO職員からもなされている。

「元WHO職員の証言『福島、チェルノブイリ・・WHOはIAEAが言う数字を繰り返すだけ』」(仏語記事)
http://www.rue89.com/2011/04/06/fukushima-tchernobyl-loms-repete-les-chiffres-de-laiea-198646 

(以下、AFP記事の要約。)

WHO総会の席で明石理事は、「福島原発事故における放射性物質セシウム134・137による汚染はチェルノブイリ事故の時に比べて少なく、健康への被害もチェルノブイリの場合より少ない。」と説明。「放射能により癌や白血病が発生する危険が増すことはないと考えている。」と述べた。


同じく同会合に出席した厚生労働省の大塚副大臣は、福島原発事故による死者はまだ1人も出ていない、と強調、日本政府が福島原発周辺に住んでいた8万5千人を退避させた成果だ、と述べた。明石理事もこれを受け、被曝により治療を必要としている人は現在のところはいない、と公言。しかし、大塚副大臣、明石理事ともに、現状を詳細に調査・監視する必要がある、と述べた。


3月11日に日本の東北地方を襲ったマグニチュード9の地震と津波は、チェルノブイリ原発事故以来の史上最悪の原発事故を日本にもたらした。又、この事故により、(1945年に)広島に投下された原爆の200倍以上の威力に相当する放射性物質が放出されるに至っている。しかし日本政府によれば、福島原発事故で大気中に放出された放射性物質は、チェルノブイリ原発事故の時の量の10分の1に過ぎないという。


http://www.romandie.com/news/n/_Fukushima_les_consequences_sur_la_sante_bien_moindres_que_Tchernobyl_170520111805.asp

(AFP/Romandie.com, « Fukushima : les conséquences sur la santé bien moindres que Tchernobyl », 2011.05.17)

2011年5月15日 (日)

「福島原発事故、危機からの脱出は遠く」ル・モンド紙(5月15日)

5月14日土曜日、福島原発事故で最初の犠牲者が発生した。この技術者の死については、現時点ではまだ死因が特定されていないものの、同発電所での業務がいかに過酷な労働条件下で行われているかを示している。

発電所を制御する作業が進むにつれ、作業員たちはこの危機の初期に発生した本当の被害程度を知ることになる。5月12日、福島第一原発第1号基では、核燃料を冷却するのに無くてはならない冷却水の量が想定していたよりずっと少なかったことが確認されている。

さて、3つのポイントに沿って現状を分析しよう。


1、炉心から放射性物質が漏れているのか?

東京電力は当初から1〜3号機の炉心において燃料の一部が溶け落ちていることを指摘しており、圧力容器貫通の可能性がある。しかし、現時点でははっきりとした断定はなされていない。現在も複数の専門家が断定するにはまだ不確定な要素が残っていることを指摘している。


2、環境への汚染が起きる危険は?

状況に大きな変化がないとすれば、発電設備を冷却するために注入されている水(が高度の放射能物質によって汚染され、排出されること)によって起きる周囲への環境汚染が懸念される。


3、今回の危機を収拾するための手法を修正する必要があるか?

5月13日、海江田経産省大臣は、東京電力が既に発表している工程表の見直しが必要になるとの見解を示した。しかし発電所の冷却が将来可能となるにせよ、汚染水の排出が大きな問題として残る。


フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)のティエリー・シャルル所長は、「原子炉にアクセスできない限り、現状確認があいまいなまま物事が進む」と指摘、「圧力容器から放射性物質が漏れているとの情報がある一方で、同容器に大気以上の圧力がかかっているとされるなど、矛盾する情報が伝えられている」と指摘している。


東京電力は第2・3号基についても1号基と同様の危機的状況にあると公表している。特に心配されるのが第3号基の状況。第3号基は3月13日に核爆発とみられる激しい爆発を起こしている。5月11日に東京電力が発表したところでは、放射能に汚染された水が同基より海へと漏れ出していると言う。

(Pierre le Hir & Phlippe Messmer, « De nouvelles données remettent en cause la sortie de la crise à la centrale de Fukushima », Le Monde, 2011.05.15)

「福島原発事故の発生から2ヶ月。状況は改善せず」ル・モンド紙(5月12日)

福島での原発事故が発生してから早、2ヶ月が経過した。しかし機能不全に陥っている原子力発電所と事故の被害を受け続ける日本国内の状況は、平常に戻るどころかむしろ悪化している。ル・モンド紙は5月12日、フランス放射線防御原子力安全研究所(IRSN)や原子力にかかる民間独立研究機関CRIIRADなどの専門家を交え、福島原発事故の現状と今後についての検証を行った。


検証の中では、今後、再び水素爆発が起きる可能性、東京電力が高度の放射線に汚染された大量の汚染水を海へ排出する強い可能性が指摘されている。また、原発自体を統制するのに1年以上、事態収拾には20年以上かかるとの見通しが示されている。福島原発周辺20キロ圏に設定されている立ち入り禁止区域についても、これを十分ではないと指摘。周辺約100キロ以上の地域にわたり土壌、地下水、食品への深刻な放射能が継続していることから、日本政府が認める以上に大きな健康被害が、今後数年にわたって発生するだろうと予測されている(以下、要約)。


5月10日に菅直人首相が行った首相職にかかる給与返上宣言は、福島原発事故にかかる大惨事の深刻さを端的に物語っている。仙台周辺地域の状況は平常からはほど遠く、フランスの原子力関係者は東京電力が提示した「2012年1月までに原子炉を冷却・停止」という工程に実現不可能との見方を示している。IRSNのティエリー・シャルル代表は、「発電所を制御し、周囲への放射性物質の放出を停止するのに少なくとも1年はかかる。復旧作業の進捗に従い、より多くのダメージが見つかるだろう」との見通しを述べている。


事故発生から2ヶ月経った今も、東京電力の優先課題は4つの原子炉にある燃料の冷却に尽きる。原子炉にあいた穴によって冷却用の水が漏れ出し、一部は蒸発していることから、9万トンもの強度の放射能に汚染された水が発電所内のあちこちに溜まっており、これらを常に排出しなければならない。しかし、このような「超人的な作業」を長期間続けることは難しいと言う。


水素爆発をいかに防ぐかが東京電力に残されたもう一つの課題である。原子炉が冷却された後も、東京電力は2500トンものウランおよびプルトニウムの処理が残されている。米国スリー・マイル島での事故処理にかかった時間等を鑑み、IRSNのティエリー・シャルル代表は「処理には少なくとも20年以上かかる」と指摘している。


その間、福島原発周辺の地域は汚染が継続する。フランスの原子力にかかる民間独立研究機関CRIIRADのコリンヌ・カスタニエ代表は、「放射線量が安定したとしても、福島原発から100キロにまで至る地域では、将来にわたって土壌や地下の帯水層(地下水)、食品が強度の放射性物質に汚染され続ける」と指摘。福島原発から周辺20キロ圏に限った立ち入り禁止区域の設定は十分ではなく、福島原発周辺の広い地域で「今後将来の数年間に渡り、日本政府が認めている以上の深刻な健康被害が発生することを危惧する」と述べている。


http://www.lemonde.fr/planete/article/2011/05/12/deux-mois-apres-le-tsunami-quelle-est-la-situation-a-fukushima_1520421_3244.html

(Audrey Garric, « Deux mois après le tsunami, quelle est la situation à Fukushima ? », Le Monde, 2011.05.12)

2011年5月13日 (金)

「神奈川産の茶葉に高濃度の放射性物質を検出」ル・モンド紙(5月12日)

福島原発から約280キロ離れた神奈川県の南足柄市で生産された茶葉に、1キロ当たり570ベクレルものセシウムが見つかった。地元自治体が公表した。神奈川県は日本の首都東京の南西部に位置する。同県は茶葉の販売を中止するとともに、既に出荷された茶葉の回収を命じた。今回見つかったセシウムの濃度は、必ずしも健康に危険とは言えないレベルである、とされる。

東京から220キロの距離に位置する福島原発は、3月11日の巨大地震および津波により深刻な被害を受けた。福島原発の6基ある原子炉のうち4基は、現在に至るまで高い濃度の放射性物質を大気へと排出し続けている。

日本政府は当初、福島およびその周辺地域で生産された農作物や乳製品について出荷禁止を命じたが、福島圏の農業従事者に配慮し一部の生産物以外について禁止を解除している。

http://www.lemonde.fr/teaser/?url_zop=http%3a%2f%2fabonnes.lemonde.fr%2fjapon%2farticle%2f2011%2f05%2f12%2fjapon-des-feuilles-de-the-presentent-un-taux-anormal-de-radioactivite_1520608_1492975.html

(«Japon: des feuilles de thé présentent un taux anormal de radioactivité», Le Monde & AFP, 2011.05.11)

2011年5月12日 (木)

「原発反対派を『無知』呼ばわりする『専門家』たち:もう安全を任せるのは、やめよう」クーリエ・アンテルナショナル/毎日新聞(5月5~11日)

クーリエ・アンテルナショナルは55日、福島原発事故の後も「決して自らの非を認めようとしない東京電力」はじめ、国民の命と健康に関わる問題に正面から答えようとしない政府・民間の「横柄な専門家」たちの態度に疑問を投げかける毎日新聞の記事を取り上げた。

これらの原子力「専門家」たちは組織を超えて「原子力村」を形成し、団結して互いの利益を守るべく動いていると言う。また、原子力に疑問を持つ者・反対する者を「非専門家」と貶め、切り捨てることで自らを特権化するとともに、「原子力村」の利益を守っている。(以下、要点のみ紹介)

福島第一原発における大惨事を取材するため、私はしばしば東京電力、経済産業省の管轄下にある原子力安全保安院、首相官邸の指導下にある原子力委員会の記者会見を傍聴してきた。決して自らの過失を認めようとせず、悔恨の表情すら見せようとしないこれら機関の「専門家」の態度に、私は深い驚きを感じる。

これら「専門家」たちは、「予測できない事態」「前例の無い大災害」といった決まり文句で物事をごまかしている。この分野で働く関係者は「安全」という言葉を問題解決のための魔法の決まり文句か何かのように使う一方、批判を無視することを好む。そんな中で、福島での原発事故が起きたのだった。

「皆様に多大なご心配をおかけしたことを、深くお詫び申し上げます。」

東京電力の発言には必ずこの言葉が続く。東電幹部の態度は、新聞記者が福島原発の安全性に疑問を投げかける質問をすると、手のひらを返したように変わった。態度は常に丁寧だが、決して自らの非を認めない。答えに窮する質問をされると、新聞記者をただじっと黒目で凝視し続けたり、できるだけそっけない返答をする。

こうした記者会見の模様はテレビやインターネットで広く報道され、国民を不安にさせている。政府による福島原発事故の後処理が全く安心感を与えるものでないだけに一層、その不安は高まっている。

「彼らは私たちに嘘をついているんじゃないか?」、と。

私は2002年以来、3年をかけて15もの原子炉が立ち並ぶ西日本の「原発銀座」地区で、主に原発問題を取材して来た。だが私が取材した技術者や研究者たちから決して良い印象を持たなかった。都合の悪い質問には決して答えない高慢な態度が、印象として強く残っている。

20031月、名古屋高等裁判所の金沢支部が高速増殖炉「もんじゅ」(注)の設置許可を無効とする判決を出した時、原子力業界の専門家たちは(これを不服として)上告した。

これに関する一連の議論を傍聴していた時、ある原子力推進派の大学教授が「もんじゅ」の設置に反対する国会議員に専門用語を浴びせ、この議員を無知蒙昧かのように扱って公衆の前で恥をかかせ、黙らせたことがあった。そしてその後私は、その部屋の片隅でこの教授が自分の同僚たちとお互い分かりあった風な笑みを交わし合っているのを目にしたのである。

数年前、「もんじゅ」の地元テレビ局がドキュメンタリーを作成し、原子力に批判的な研究者を登場させたことがあった。地元の電力会社は「原子力のことは何も知らない輩だ」と同研究者の出演に強硬に反対した。私が取材を行った時に、この電力会社の社員がこう言っていた。「この研究者は何も分かっていない。恥ずかしいと自分で自覚を持つべきだ。」

(原子力に反対する人を「原子力を知らない人間」と決めつける)同じ軽蔑の態度が、福島原発事故を巡る東京電力の記者会見にも見られる。

なぜこのような傲慢な態度が原子力関係者に広がったのだろうか。 

元原子力技術者の飯田哲也は、原子力業界の関係者はみな同じ「原子力村」の一員、という感覚を共有しているからだと説明する。

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2011年5月 8日 (日)

「放射能汚染に負けない食品の選び方、調理法、解毒法 ~ベラルーシに学ぶ~」放射能防護研究所ベルラード/辰巳雅子訳

先日のIRSNのデータによれば、今後しばらくは食品の放射能汚染が続きそうです。また、現時点での放射能被曝の経路は、食品によるものが主になっています。

汚染された食品からの被曝を防ぐには、どうすれば良いのでしょうか?

以前、ご紹介した『チェルノブイリによる食品と人々への放射能汚染』の著者でもあるA.V. ヤブロコフ教授とA.V. ネステレンコ教授(現所長)が調査や教育活動を行っているベラルーシの独立研究機関、「放射能防護研究所 ベルラード」が、チェルノブイリ周辺の汚染地域に住む人々を対象にベラルーシ語で発行した『自分と子どもを放射能から守るには』という本があります。また、同様の内容のパンフレットも作製されています。

ネステレンコ、ネステレンコ、ヤブロコフ著『チェルノブイリによる食品と人々への放射能汚染』http://franceneko.cocolog-nifty.com/blog/2011/04/post-36c1.html 

ベルラード研究所『自分と子どもを放射能から守るには』

http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/747fb9ddd77ef80ac7e86d1f829a7c0a 

下記の3点について、ベラルーシの大人と子どもたちのための活動を長く続けている「チロ基金」の現地責任者、辰巳雅子さんが重要な箇所を日本語に訳してくださっていますのでご紹介します。

1.汚染されにくい野菜、果物、穀物を選ぶ

2.放射線量を減らすための調理法

3.体から放射性物質を排出するための食品、ペクチン

4.カルシウムで放射性物質「ストロンチウム」に負けない体を作る

とりあえずは

l  「ストレスを溜めずさりげなく」で長く続ける。

l  汚染を避ける・減らす、で蓄積する放射能汚染を少しでも「節約」する。

2点に気をつけて気長に構えましょう。(以下、要約です)

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2011年5月 6日 (金)

「窮地の日本政府」ル・モンド紙(5月3日)

放射線防御を担当する小佐古アドバイザーが泣きながら「首相に自分の進言が聞き入れられない」と発言し辞表を提出したその2日後、菅首相は世論調査で、国民の76%が自らに対し「リーダーシップが欠如している」と非難している、との結果を知らされる事態となった(51日現在、共同通信調べ)。

311日に起きた東北大震災と津波の被害者への哀悼を示すため、多くの組合がデモ行進を見合わせた51日、脱原発デモには何千人もの市民が参加した。脱原発の

声は、福島原発事故以降どんどん強くなっている。

菅首相はこれに対し、「国民の理解」を求めたいとコメントしている。

現状では、日本政府は2つの大きな脅威に直面している。1つ目は建屋の床下に溜まった非常に放射性濃度の高い汚染水の扱いである。今後こうした汚染水は9万トンにまで達すると見られている。汚染水のために冷却装置や燃料保管庫の修繕に遅れが生じており、破損した炉心を制御できるかどうかはこの汚染水を処理できるかどうかにかかっている。

2つ目の脅威は、新たな事故の発生である。細野豪志首相補佐官は、311日に起きたような地震や津波が再び起きる可能性があるために、福島原発の復旧作業を遅れていることを認めている。

東京電力が既に工程表で示したように今後69カ月で事態の安定化を図るためには、東京電力の現職者・退職者を含む3000人の社員・元社員からの協力を募ることが考えられる。それは、現在1000人いる東京電力およびその下請け社員への負担を軽減することにつながる。

福島原発で事故処理にかかわる作業員のうち、2名は既に200ミリシーベルトを超える放射線によって被曝しており、30名余りが100ミリシーベルト以上の放射線を浴びたことが分かっている。この中には2名の女性が含まれており、法が定める5ミリシーベルトの上限を上回る量の放射線を受けた。これらの女性達は3月中旬に起きた当初の原発事故から数日の間に被曝したと見られる。この期間中、原発作業員の中には防御用のマスクを用いていなかった者がいたことが分かっている。

(« Le pouvoir japonais enlisé dans la crise de Fukushima », Le Monde, 2011.05.03)

「『なぜか地震が起きやすい地域を選んで原発を建設』露プーチン首相、日本の原発政策を厳しく批判」ル・モンド紙(5月3日)

ロシアのプーチン首相は430日、ペンザ市(モスクワ市の南東700キロ)で開かれていた物理学者との会合で発言、福島原発事故以来の日本政府による原発対応を厳しく批判した。AFP通信が伝えた。

「日本は特有の状況を抱えている。なぜだか知らないが、地震が起きやすい地域をわざわざ選んで原発を建設している。最も、日本についてはほぼ全土が地震の危険を抱えているわけだが。」

プーチン首相は又、日本政府は津波の後に原子炉を冷却するのが「あまりにも遅すぎた」と発言、特に「(大事故に発展したのは)1970年代にアメリカで作られた原子炉、といった古い機材を使用していた(ことによる)」と強調した。

関連ブログ記事(ロイター通信記事を引用)

http://news24.jp/articles/2011/05/01/10181992.html

("Poutine critique la gestion du nucléaire japonais" Le Monde, 2011.05.03) 

2011年5月 5日 (木)

「原発事故から25年、チェルノブイリの禁じられた世界への旅」ル・モンド紙/ドキュメンタリー(5月2日)

チェルノブイリ原子力発電所周辺の立ち入り禁止区域。

狼、金属の不法取引を行う日蔭者、犯罪者、立ち入り禁止措置実施の後も区域に住み続ける住民。将来を見いだせない若者たち、経済危機で行き場を無くしこの地に辿りついた「ごく普通の」一般家庭。

1986年の原発事故の後、周辺住民のほぼ全てが退避した放射能汚染区域。25年後の今日、いまだ高い放射線で汚染され続けるこの地域は閉鎖された牢獄であり、行くあてのない貧困者にとっての逃げ場でもある。

目に見えない放射能に永久に汚染された土地、チェルノブイリ。

写真家ギヨーム・エルボと新聞記者ブルーノ・マシは過去数年に渡り共に現地を取材してきた。チェルノブイリへの渡航は5回、滞在はほぼ4カ月間にわたる。その間、現地の様子をビデオを撮り、文章に書き、写真に収めてきた。二人が作成した複数の動画や記事は、「パリ・マッチ」、「ジェオ」含め多くのメディアに掲載されている。

ギヨーム・エルボは語る。

「何年もチェルノブイリを取材してきた。時には公式に、時には隠れて。そして2005年になって、チェルノブイリに戻るのをやめた。でも、ウエブ・ドキュメンタリーの手法が現れた時、むしょうに『この地の歴史を今までと違うやり方で語りたい』という衝動に駆られたのです。」

「放射能の危険は目に見えないし、ランダムなものだ。放射能汚染は一様ではなく、豹の毛皮の斑点のように濃淡のあるものなのです。」

「ゾーン」という題をつけられた短いドキュメンタリーは、各写真にカーソルを当てるとそれぞれの町の説明が現れる。写真をクリックすると、更に別の写真が見ら

れるようになっている(以下、画面にある各写真の説明)

http://www.lemonde.fr/week-end/visuel/2011/04/22/la-zone-retour-a-tchernobyl_1505079_1477893.html

1. チェルノブイリの「黒い金」:金属はチェルノブイリ地区の「金」だ。今日、この地域に残されていた軍事用動力装置のほとんどは持ちら去られている。

2. 立ち入り禁止地区での生活は、暴力と孤独に満ちている。

3. ストラコレッシー:チェルノブイリから200キロ離れたこの町は、地区内の「保養地」となっている。

4. イヴァンコフ:この町の若者たちはチェルノブイリの話など聞きたがらない。チェルノブイリ原発第四号基の陰は呪いのようにのしかかっている。

5. パリエスカ:汚染されたこの町は、事故から10年たってやっと退避が行われた。20人余りの住民たちは、今も廃屋の中に暮らし続けている。

6. プリピアート:事故の翌日に全ての住民が退避したこの亡霊のような町は、この何年もチェルノブイリの象徴となってきた。

7. チェルノブイリ発電所は2000年以来、発電を行っていない。しかし維持管理や安全対策のために、今でも2500人もの人が雇用されている。写真は、発電所内部や作業員用の食堂、バーなど。

8. バザール:この地区を整備することは禁止されている。しかしバザール市は町が死に絶えて行くのを見ていることができない。現在、同市は新たな入居者に対し、打ち捨てられた家々を無料で提供している。新しい住民達にとってこの町は逃げ場であり、新たな出発の場所でもある。

Guillaume Herbaut & Bruno Masi, la « Zone », Le Monde, 2011.05.02

http://www.lemonde.fr/week-end/visuel/2011/04/22/la-zone-retour-a-tchernobyl_1505079_1477893.html 

参考:

  • 2人が取材した内容を掲載しているブログ: Retourachernobyl.com

  • 出版されている本:「La ZoneNaïve出版社。

2011年5月 3日 (火)

2061年までに福島原発200キロ圏内で41万7千件の癌が発生~「放射線の危険に関する欧州委員会」(4月1日・15日)

(英文ですが、重要な記事ですので掲載します。)

「放射線の危険に関する欧州委員会」(ECRR)の科学次官を務めるクリストファー・バズビー教授は、福島原発事故による放射性降下物により今後日本国内で発生する癌の発生件数を試算、2061年までに福島原発から200キロ圏内で417千件の癌が発生するだろうとの見込みを発表した。

バズビー教授による分析は、国際原子力委員会(IAEA)および日本政府の公式ホームページに掲載されているデータを元に行われている。トンデル法およびECRRによる計算手法の2種を用いて計算を行い、両方の試計でほぼ同じ結果を得た。

トンデル法を確立したマーティン・トンデル教授は北スウェーデンでチェルノブイリ事故の影響を調査、1平方メートル当たりに堆積する放射性降下物のレベルが100キロ・ベクレル増加するごとに、癌の発生率が11%上昇することを発見した。今回の試算にもこうした知見が活用されている。

ECRRによる予測数に対し、国際放射線防護委員会(ICRP)は同じく2061年までに6158件の癌が新たに発生すると試算、「無視できる程度のレベル」と述べている。

http://www.llrc.org/fukushima/subtopic/fukushimariskcalc.htm 

2011年5月 2日 (月)

「福島周辺地域における土壌と食品の汚染、続く」在日フランス人向け公報・IRSN(4月29日)

フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)429日、日本在住のフランス人向けに「福島第一原発事故に関する公報(5)」を発表しました。420日に発表された前回の公報とそれほど変わっていません。すなわち、土壌汚染と食品への汚染は依然深刻で、これからも当分続きそうです。尚、ストロンチウムが検出されています。

福島県周辺地域への渡航については、重要な所用が無い限りは控えることを勧めています。福島原発事故以降ほとんどのフランス人がフランスに帰国したことを考慮すると(そのうちの幾らかは日本に戻って来ているとは言え)、「重要な所用を持つフランス人」は日本国内にはそれほどいないことが考えられます。以下、要約です。

1. 原発事故の状況

福島原発第13号基ついては依然深刻な状況が続いている。東京電力が第1号基で実施し、今後第23号基でも実施を予定している窒素ガス注入により、大気中に新たな放射性物質が排出されることが予想される。以下、420日の公報に同じ。

2.空気中の放射性物質

420日の公報に同じ。空気中の放射性物質の量は所確実に減少しており、東京で1時間当たり80ナノシーベルトを観測。これはフランス国内の多くの地域における数値にも匹敵する。

2. 土壌の汚染

京都大学および広島大学による合同調査によると、331日現在、福島原発周辺地域の土壌は深刻な放射能汚染を被っており、ヨウ素131については3,250,000ベクレル/平方メートル、セシウム137については2,220,000ベクレル/平方メートルを観測した。下記は、最新の425日までのデータをまとめたもの。

表:419日から25日にかけて土壌に堆積した放射性物質の量

ヨウ素131(ベクレル/平方メートル)

セシウム137(ベクレル/平方メートル)

福島県

40

140

茨城県

120

190

3.野菜と魚介類への汚染

福島原発周辺地域で産出される食品、特に葉野菜には深刻な汚染が見られる。

表:葉野菜における放射能汚染

測定日

ヨウ素131

セシウム134137

福島県

418

120

5400

茨城県

421

140

180

出典:厚生労働省

表:キノコにおける放射能汚染

測定日

ヨウ素131

セシウム134137

福島県

414

3500

6300

茨城県

420

20

48

福島県内、特に飯舘村については高い放射能濃度が観測されている。

福島県内ではストロンチウムによる汚染も見つかっている。飯舘村と浪江町ではストロンチウム89が土壌1キロ当たり13260ベクレル、福島原発から40キロ~80キロの地域においては野菜1キロ当たり1261ベクレル検出されている。

魚介類については、イカナゴ類について未だ非常に深刻な放射能汚染が見られる。

3. 勧告

福島原発事故による大気中への放射性物質の排出により、主に福島、栃木、茨城、宮城の各県の地域において深刻な汚染が引き起こされている。以下の勧告は、放射線を浴び土壌に堆積する放射性降下物による汚染にさらされる危険をできる限り減らすためのものである。

今日では、空気中の放射性物質による被曝よりも、放射性降下物に汚染された食品の摂取による被曝が主な注意の対象となる。

3.1 食品の摂取に関する勧告

IRSNは下記を勧告する。

  生産地や放射線濃度が分からない生鮮食品(特に葉野菜)については長期間の摂取を控える。

  福島周辺5県(福島、栃木、茨城、宮城、群馬)で311日以降に生産された生乳を子どもに与えない。

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2011年5月 1日 (日)

「復興優先」の言葉で原発問題は消えない―福島が示した「非民主主義国家、日本」ル・モンド紙(4月28日)

ル・モンド紙は428日、群馬大学教授でフランス近現代史の教鞭をとる松沼美穂助教授の寄稿文を掲載した。

松沼助教授はその中で、政府や東電を批判する日本のマスコミが、福島原発事故の前夜まで多額の広告費と引き換えに原子力発電所の安全性を宣伝していたことを批判。財界も政府も「経済の復興を」「仕事に戻ろう」と経済のみ優先し、現在50以上ある稼働中の原発を今後どうするのかという問題に向き合っていないと指摘している。また、今後も新たな地震の発生が予想されること、政府の原子力関係者が技術面でも信用の面でも十分でないことから、福島で起きたのと同様の事故が繰り返される可能性があると述べている。

フランスでは東北大震災以来、泣きもせず愚痴も言わずに坦々と仕事に戻って行く日本人の「品位」を評価する動きが広がっている。しかしこの「品位」は、福島での原発事故を「自然災害だから」受け入れなければ仕方がない、という態度に基づく「品位」だ。また、どこまでも経済成長のみを追求する日本のシステムは、(福島周辺の住民や原発作業員を初めとする)人々の権利を尊重せず、(福島原発事故の責任を取らないことによって)世界中の人々をも馬鹿にしている。(日本の)権力は、無能で無責任な嘘つきたちの手の中にある。これが、65年間続いてきた「日本の民主主義」の結果である。

日本は自ら変わることができない。福島原発の事故以来、海外機関が発表した情報と日本発の情報の食い違いの度合いには、大きな衝撃を覚えるばかりだ。今回福島での事故との関連で明るみになった多くの人為的なミスは、許すべからざるものである。フランスを初めとする各国政府の政治家や世界の財界関係者は、原子力業界と強く結び付いている。だからこれらの人々が原発を支持し、日本人の「品位」に感嘆するのも無理はない。世界中の市民は、この恥ずべき事故から教訓を引き出さねばならない。

http://www.lemonde.fr/idees/article/2011/04/27/attention-un-deuxieme-fukushima-n-est-pas-exclu_1513460_3232.html

 

Miho Matsunuma, « Attention, un deuxième Fukushima n’est pas exclu », Le Monde, 2011.04.28

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