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2011年5月18日 (水)

「WHO総会で日本代表『福島原発事故で癌や白血病は発生しない。死者は1人も出ていないし治療を必要としている人もいない。』」AFP/Romandie.com(5月17日)

スイスのジュネーブで開かれている世界保健機構(WHO)の第64回総会で、放射線医学総合研究所(放医研)の明石真言理事は日本を代表して発言、福島原発事故による健康被害は、チェルノブイリ原発事故の際に起きた被害より小さい、と述べて世界に波紋を広げている。

他方、WHOは1959年に国際原子力機関(IAEA)との間で結んだ協定により、IAEAの合意無しには原発事故の健康被害について自由に発言することができない立場にある。このため、チェルノブイリ原発事故の死者数・傷病者数を実際より少なく見積もったり、チェルノブイリ、広島、長崎で起きた被曝による健康被害の現状調査に関する報告書の出版をIAEAからの介入により見送らざるを得なかった、との指摘がチェルノブイリ事故に関わった各分野の専門家、および元WHO職員からもなされている。

「元WHO職員の証言『福島、チェルノブイリ・・WHOはIAEAが言う数字を繰り返すだけ』」(仏語記事)
http://www.rue89.com/2011/04/06/fukushima-tchernobyl-loms-repete-les-chiffres-de-laiea-198646 

(以下、AFP記事の要約。)

WHO総会の席で明石理事は、「福島原発事故における放射性物質セシウム134・137による汚染はチェルノブイリ事故の時に比べて少なく、健康への被害もチェルノブイリの場合より少ない。」と説明。「放射能により癌や白血病が発生する危険が増すことはないと考えている。」と述べた。


同じく同会合に出席した厚生労働省の大塚副大臣は、福島原発事故による死者はまだ1人も出ていない、と強調、日本政府が福島原発周辺に住んでいた8万5千人を退避させた成果だ、と述べた。明石理事もこれを受け、被曝により治療を必要としている人は現在のところはいない、と公言。しかし、大塚副大臣、明石理事ともに、現状を詳細に調査・監視する必要がある、と述べた。


3月11日に日本の東北地方を襲ったマグニチュード9の地震と津波は、チェルノブイリ原発事故以来の史上最悪の原発事故を日本にもたらした。又、この事故により、(1945年に)広島に投下された原爆の200倍以上の威力に相当する放射性物質が放出されるに至っている。しかし日本政府によれば、福島原発事故で大気中に放出された放射性物質は、チェルノブイリ原発事故の時の量の10分の1に過ぎないという。


http://www.romandie.com/news/n/_Fukushima_les_consequences_sur_la_sante_bien_moindres_que_Tchernobyl_170520111805.asp

(AFP/Romandie.com, « Fukushima : les conséquences sur la santé bien moindres que Tchernobyl », 2011.05.17)

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コメント

いつも貴重な情報を掲載してくださってありがとうございます!

今回の

「WHOは1959年に国際原子力機関(IAEA)との間で結んだ協定により、
IAEAの合意無しには原発事故の健康被害について自由に発言することができない立場にある」

この内容は衝撃でした!!

Various TopicsのYukariです。またお邪魔します。

明石理事も大塚副大臣も、随分無責任な発言をしますね。
とても民主国家の、しかも有識者の発言には思えません。

さて、5月5日のIPSに、"Nuclear Threat Draws WHO and Civil Society Closer"
http://ipsnews.net/news.asp?idnews=55510
という記事がありました。

WHOがNGOなどの要請だけではなく、こうした日本代表者の発言を聞いて危機感を強め、変革する可能性を期待してしまいます。

Yukari

スギポンさん
コメントありがとうございます。以前にも、WHOとIAEAの強い関係については幾つかの記事で取り上げました。よろしかったらブログ内を検索して読んでみてください。

Yukariさん
遊びに来てくださってありがとうございます。
私もちょうど同じ記事をルモンド紙で読んでいたところでした。WHOの予算に占める各国政府からの拠出金の割合は20%にまで落ち込み、残りはビルゲイツ財団などの企業系財団からの出資が占めるようになっています(拠出金第一位は米国、2位はビルゲイツ財団です)。ビルゲイツ財団は予防接種に大きな関心を寄せ、同分野で援助を行っていますが、製薬会社の利益を優先する援助方針をとっており、医療関係者から様々な批判が出ています。今後、WHOは公的な機関と言いながらむしろ企業や個人の利益を代表する機関になるのではないか?というのがフランス語記事の内容でした。というわけで、残念ながら今の状況では、WHOに大きな役割を期待するのは難しそうです。

フランスねこさん、

先程のコメントの「日本代表者の発言を聞いて危機感を」というのは、「日本のオトボケぶりに呆れ、自分達(WHO)がしっかりしなければ」という意味でしたが、まあそれは、半ば(変わらないだろう)WHOへの皮肉のようなものでした。

国際機関に出向していた知人達から、「世界の機関なのに、某国政府の言いなり」「国際機関は官僚社会」というぼやきを聞いたことがありましたが、こうした機関に存在意義はあるのだろうか、って考えてしまいます。
(職員レベルでは、崇高な志を持った人も少なくないと思いますが。)

国際機関の堕落から原発事故まで、問題の根源は同じなんでしょうね。

Yukari

フランスねこさん、お返事ありがとうございます。
早速、読ませていただいて、自分の無知ぶりにまたしても衝撃でした。
公益性をうたう団体でも、裏から透かして見ると結局は予算が大事ということですね。
今回の原発事故では悲しいこと腹立たしいことばかりですが、
世の中の仕組みを知るという意味ではたいへん勉強になります。
今後ともよろしくお願い致します。

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