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2011年6月26日 (日)

「華々しい演説の後に〜IAEA閣僚級会合の結論『原発の安全管理は各国まかせ』」ルモンド紙(6月25日)

国際原子力機関(IAEA)の天野之弥(ゆきや)事務局長は、6月20日から24日にかけてウイーンで開かれた原子力の安全に関する閣僚会合(注)の開会式で、極めて攻撃的な演説を行った。原発を所有する全ての国は、福島原発事故の後の原子力に対する一般の信頼を回復するために、原発の安全確認試験と国外の関係者を交えた評価を実施しなければならない、と宣言したのである。


これに対するIAEA作業部会の結論は、当初の天野事務局長の演説に比べてずっと臆病な内容のものだった。151カ国の参加国は、体系的に原発の安全性を見直すことが「重要と認識」するにとどまり、国外の専門家による評価を実施する、という考えは単なる「提案」としてのみ言及されたのである。


このIAEAによる演説と実際の行動の間にある大きな落差は、この閣僚会合の主催者の意図を反映している。全ての国が原子力の安全管理にかかる国際規定をより厳格化することに賛成し、これにIAEAが「指導的役割」を果たすことを支持する一方で、それぞれの国にとって足かせになるような決定事項には一切同意しなかったのである。


実際のところ、IAEAという国連の原子力機関には影響力が無い。非軍事部門における原子力セクターについては全てが参加国政府の「良心」に任されている。多くの国際枠組みが存在するが、全ての参加国政府が批准している訳ではない。たとえば原子力安全条約(1996年発効)には151カ国中72カ国の政府しか参加していない。


米国、中国、ブラジルといった大国は、外交用語で言うところの「他国の内政に対する不当干渉を避ける」という立場から意図的に沈黙を守っている。対するロシアやフランスは逆により緊密な国際協力体制を推進している。


こうした状況にもかかわらず、IAEAの天野事務局長は会合の成果について、「この会合は当初の目的を達成し、フクシマ後の世界において原子力の安全を高めるための国際枠組み作りへの第一歩となった」とまで高く評価した。各国による行動計画は9月に提出の予定だ。


他方、小さいとは言え前進も現実となりつつある。6月23日、南アフリカ共和国がコエベルク原子力発電所の安全確認試験実施にあたりIAEAとの援助協定に署名を行っている。


注1)日本からは海江田経済産業大臣が出席。

(Pierre Le Hir, « Timide avancée sur la sûreté nucléaire à la conférence de Vienne », Le Monde, 2011.06.25)

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