無料ブログはココログ

« 2011年5月 | トップページ | 2011年7月 »

2011年6月

2011年6月30日 (木)

「『日本は最後には、原子力をやめざるを得ない。』岩手県知事、平泉のユネスコ世界遺産登録の席で」ルモンド紙(6月27日)

平泉がユネスコの世界遺産に選ばれたことから、パリのユネスコ本部を訪れた達増拓也(たっそたくや)岩手県知事。ルモンド紙のインタビューに答え、日本の原子力の今後について次のように自らの考えを述べた。

ルモンド紙「日本における原子力の今後についてのあなたのお考えは如何でしょうか。」

達増知事
「最終的には、日本は原子力を諦めて再生可能エネルギーの利用へと向かわざるを得ないでしょう。でも時間が必要です。直近には、社会や経済の要求に応えるために原子力を残さざるを得ない。しかし東北地方に関して申しますと、復興委員会が作成した報告書でも日本政府は再生可能エネルギーの開発に力を入れるべきだ、と勧めています。」

さらに達増知事は、伝統文化と質の高い産品の生産を基盤に発展するヨーロッパ・モデルを参考に、東北における今後の経済復興を目指したい、との考えを述べた。

(Philippe Mesmer, “Takuya Tasso, gouverner de la prefecture d’Iwate: “à terme, le Japon devra se tourner vers les energies renouvelables”, Le Monde, 2011.06.27)

「『日本政府は、汚染地域に住む国民の健康より賠償金の節約を優先』CRIIRAD研究所、福島原発事故への対応を強く批判」ルモンド/AFP(6月29日)

チェルノブイリ原発事故が起きた1986年、フランス国内における放射能汚染を政府からの独立機関としていち早く調査し、汚染の実態と健康への影響を一般のフランス市民が知るためのデータを提供し続けたCRIIRAD研究所(放射能に関する独立研究情報委員会)。

CRIIRAD研究所は日本のNGOの招きにより5月24日から6月3日にかけて来日、福島原発事故の状況について調査を実施した。来日調査団の関係者は6月29日、リヨン市(フランス第二の都市)で報告会を実施。日本政府は、退避を余儀なくされた住民への賠償金の支払いがこれ以上増えるのを避けるために、深刻な放射能汚染にさらされている原発から半径20キロ以上の地域に住む住民を避難させていない、と強く非難した。

また、今後新たに大量の放射性物質が排出される恐れがあるにもかかわらず、ヨウ素剤の配布を行っておらず、汚染された食品の消費が野放しになっている、と指摘している。

................................................................................................................................................

ルモンド紙による記事の全文訳はこちら(フランスメディアニュース)
http://www.francemedianews.com/article-criirad-78157872.html

ルモンド紙のオリジナル記事(フランス語)
http://www.lemonde.fr/asie-pacifique/article/2011/06/29/la-criirad-denonce-des-carences-graves-dans-la-gestion-de-la-catastrophe-nucleaire-au-japon_1542705_3216.html 

<参考>
CRIIRADによる、チェルノブイリ事故後のフランスにおける放射能汚染の分析
http://linked222.free.fr/lien/tchernobyl_france/tchernobyl_france.html

CRIIRADによる福島原発事故に関する情報(仏語サイト)
http://www.criirad.org/actualites/dossier2011/japon_bis/sommaire.html

2011年6月29日 (水)

CRIIRADによる来日調査団・報告書(5月24日~6月3日)

5月末から6月上旬にかけて、福島原発事故に関連する調査と意見交換のために訪日したCRIIRAD研究所による報告書(英文、暫定版)が発表されました。

報告書には、事故直後の日本政府による対応についての分析、事故による被曝量を推測ために必要な東京電力所有の統計データ、20ミリシーベルトという被曝量の持つ意味、現在も通常を上回る放射性物質を放出し続けている福島原発の危険性と、いざという時のためのヨウ素剤の備えの重要性等、重要な情報が多々含まれています。

ほぼ同時期に来日していたIAEAの報告書(6月29日掲載)と内容を比較すると、組織の立場によって現実の見方や伝え方が大きく違うことが実感できると思います。

あいにくすぐには翻訳する時間がありませんので、とりあえずお知らせしておきます。英語をお読みになる方は、ぜひご一読ください。

http://www.criirad.org/actualites/dossier2011/japon_bis/en_anglais/criirad11-47ejapan.pdf

IAEA「事実確認のための専門家調査団」による福島原発事故についての報告書(6月17日)

国際原子力機関(IAEA)は6月17日、5月24日から6月1日にかけて福島原発事故を検証するために来日した「事実確認のための専門家調査団」による調査結果を、報告書(英文)の形で加盟国に配布した。

同報告書は福島原発における地震・津波への対策が不十分であったことを指摘しつつも、これらの災害および福島原発事故が「想定外」であったことを強調、今後IAEAを中心とした国際的な安全対策の枠組み強化の必要性を述べている。

以下、報告書の一部を紹介します。今回の原発事故が原発作業員や事故現場周辺の住民の健康に与える被害を小さく見積もる一方で、原発が停止したことによる経済への影響を強調、原子力発電の重要性を暗示する内容にも読めます。

●原発作業員の被曝について(40ページ~41ページ)
「100~250ミリシーベルトという被曝量は、浴びることによって(。。。)後に何らかの健康影響を及ぼす可能性が少し高まるものの、直ちには身体的な影響を及ぼさない。」

●周辺住民の健康と経済への影響について(43ページ)

「放射能による健康被害については未だほとんど見られない一方で、何万人もの人々が原子力発電所の周囲から退避したこと、食品や飲料水について規制がもうけられたこと、海が汚染されたことにより、事故が社会や環境に与える影響は甚大かつ広い地域にわたっている。加えて日本国内外では事故で放出された放射能の健康その他への影響について不安が高まっている。最後に、原発の停止は経済に大きな影響を与えている。」

IAEAによる報告書(全文)
http://www-pub.iaea.org/MTCD/Meetings/PDFplus/2011/cn200/documentation/cn200_Final-Fukushima-Mission_Report.pdf 

IAEAによる報告書(要約)
http://www.criirad.org/actualites/dossier2011/japon_bis/pdf/rapport_aiea_bilan.pdf

<参考>関連報道(朝日新聞)
http://www.asahi.com/international/update/0618/TKY201106180184.html

2011年6月28日 (火)

「怒号の中でー東京電力、株主総会で原子力発電の継続を決定、幹部8名も留任」ルモンド紙(6月28日)

6月28日、東京電力の幹部達は福島原発事故をめぐり騒然となった株主総会で、株主の怒りに直面することとなった。

非難の叫び声、辞任要求、原子炉の停止要求—9000人以上という記録的な数の株主がつめかけた「ザ・プリンスパークタワー東京ホテル」はこの日、闘争の場と化した。

1986年に起きたチェルノブイリ大惨事以来の大事故となった福島原発事故は、2010年度だけでも東京電力に1兆2470億円の損失を引き起こした。同社の株は事故以来85%暴落し、ムーディーズやスタンダード&プアーズといった国際的な評価機関からも「投機的」と分類されている。

福島原発の周辺住民はこの日、総会が開かれたホテルの周辺で警官たちに囲まれながらデモを実施。

「事故は私たちの子どもたちから健康な人生を奪った。若者から福島での仕事を奪った。老人からはこれまで作り上げて来た財産を奪った。」

郡山市から参加したタキダ・ハルナは指摘する。

400名の株主は、東京電力に対し原子力発電をただちにやめるよう求める決議案を提案した。しかし大多数の株主はこれに反対。

何度も叫び声が飛び交った今回の総会では、東京電力の幹部が何度も謝罪を繰り返した。しかし、8名の幹部たちは報酬を受けないことに同意しつつも辞職には応じなかった。同社では今後、大規模な財政難に対応するために人員削減や所有財産の処分が予定されている。

(以上、要約です。)

(Le Monde & AFP & Reuters, « Fukushima : assemblée générale houleuse des actionnaires de Tepco » Le Monde, 2011.06.28)
http://www.lemonde.fr/japon/article/2011/06/28/fukushima-assemblee-generale-houleuse-des-actionnaires-de-tepco_1541769_1492975.html

「福島原発周辺で進む内部被曝/住民の尿から3ミリシーベルト以上の放射能を検出」ルモンド・ブログ&AFP(6月27日)

Japan Timesは、福島県在住の14名の住民の尿から、3ミリシーベルト以上の放射線が計測されたと報じた。

これは福島原発の周辺に住む住民達が、外部被曝のみならず、呼吸や放射能に汚染された食品の摂取による内部被曝にさらされていることを、改めて裏付けている。3ミリシーベルトという被曝量は、平時に人が受ける年間の平均被曝量を上回る数値である。

「住民が汚染された野菜やその他の食品を食べなければ、問題は無いだろう。」

この調査を指揮した広島大学の鎌田七男・名誉教授(放射線生物学(注))はこう宣言する。

「しかし、これらの地域に人が住み続けることは難しいだろう。」

とも警告している。

今回の調査に参加したのは、福島原発からそれぞれ30キロと40キロの距離に位置する飯舘村と川俣町に住む住民たち。福島原発は、3月11日の週に大地震と津波が発生したことに関連して原子炉が破損して以来、周囲に放射性物質を放出し続けている。

(注)原文訳による。

(AFP & Christian Aslund, « Fuites – De l’urine radioactive chez des habitants de Fukushima », Le Monde Blogs Big Browser 2011.06.27)
http://bigbrowser.blog.lemonde.fr/2011/06/27/fuites-de-lurine-radioactive-chez-des-habitants-de-fukushima/

2011年6月26日 (日)

「華々しい演説の後に〜IAEA閣僚級会合の結論『原発の安全管理は各国まかせ』」ルモンド紙(6月25日)

国際原子力機関(IAEA)の天野之弥(ゆきや)事務局長は、6月20日から24日にかけてウイーンで開かれた原子力の安全に関する閣僚会合(注)の開会式で、極めて攻撃的な演説を行った。原発を所有する全ての国は、福島原発事故の後の原子力に対する一般の信頼を回復するために、原発の安全確認試験と国外の関係者を交えた評価を実施しなければならない、と宣言したのである。


これに対するIAEA作業部会の結論は、当初の天野事務局長の演説に比べてずっと臆病な内容のものだった。151カ国の参加国は、体系的に原発の安全性を見直すことが「重要と認識」するにとどまり、国外の専門家による評価を実施する、という考えは単なる「提案」としてのみ言及されたのである。


このIAEAによる演説と実際の行動の間にある大きな落差は、この閣僚会合の主催者の意図を反映している。全ての国が原子力の安全管理にかかる国際規定をより厳格化することに賛成し、これにIAEAが「指導的役割」を果たすことを支持する一方で、それぞれの国にとって足かせになるような決定事項には一切同意しなかったのである。


実際のところ、IAEAという国連の原子力機関には影響力が無い。非軍事部門における原子力セクターについては全てが参加国政府の「良心」に任されている。多くの国際枠組みが存在するが、全ての参加国政府が批准している訳ではない。たとえば原子力安全条約(1996年発効)には151カ国中72カ国の政府しか参加していない。


米国、中国、ブラジルといった大国は、外交用語で言うところの「他国の内政に対する不当干渉を避ける」という立場から意図的に沈黙を守っている。対するロシアやフランスは逆により緊密な国際協力体制を推進している。


こうした状況にもかかわらず、IAEAの天野事務局長は会合の成果について、「この会合は当初の目的を達成し、フクシマ後の世界において原子力の安全を高めるための国際枠組み作りへの第一歩となった」とまで高く評価した。各国による行動計画は9月に提出の予定だ。


他方、小さいとは言え前進も現実となりつつある。6月23日、南アフリカ共和国がコエベルク原子力発電所の安全確認試験実施にあたりIAEAとの援助協定に署名を行っている。


注1)日本からは海江田経済産業大臣が出席。

(Pierre Le Hir, « Timide avancée sur la sûreté nucléaire à la conférence de Vienne », Le Monde, 2011.06.25)

2011年6月22日 (水)

「もんじゅの再稼働を目指す日本政府と原子力産業界」ルモンド紙/フランスメディアニュース(6月21日)

水素爆発を防ぐための窒素注入が続く福島原発(ルモンド紙、6月21日)。放射性物質の排出は今も続いている。その一方で、日本の原子力関係者は、水面下で福島県の「もんじゅ」再稼働に向けた動きを活発化させている。昨年8月に落下した重さ3.3トンの炉内中継装置を取り出すため、今週中に25回目の挑戦を実施、成功した際には「最大出力での稼働を目指す」と言う(ルモンド紙、6月21日)。6月22日、経済産業省 原子力安全・保安委員会はもんじゅの安全性を強調、地震・老朽化の問題は無いと明言した。

●ルモンド紙の抄訳byフランスメディアニュース
http://www.francemedianews.com/article-77324544.html


参考1. 「何が起きているのか?」
2010年8月26日、炉内中継装置(直径46cm、長さ12m、重さ3.3トン)がつり上げ作業中に落下する事故が起きた
原子炉に鉄クズ(交換装置)3.3トンが落下し、回収が不能であることがわかった
燃料棒の交換方法断たれる
休止不能で制御棒なんとか突っ込んで冷やし続けている状態
燃料が高濃度のプルトニウムで福島よりずっと臨界しやすい
プルトニウムは臨界を防ぐ制御棒効きづらい上に温度にムラができやすい
プルトニウムの量は長崎原爆の100倍以上
本州のど真ん中福井県にあるが、地震プレートの真上にあることが建設後にわかった
高速増殖炉の構造上配管が複雑でクネクネしててペラペラ、地震に構造的に弱い
耐震性をどれだけ強化しても、地震のゆっさゆっさ自体は今の技術では防げない
ゆっさゆっさすると、炉内で巨大な鉄クズもゆっさゆっさ、燃料棒破損も
中を見るカメラが故障し、修理不能であることがわかった
冷却系が液化ナトリウムで、水や空気に触れると大爆発を起こす
福島でやっているほぼ全ての冷却方法が今のままでは通じない、逆に爆発的火災になる
2011年2月21日、装置を現場で担当する燃料環境課長が敦賀市の山中で自殺
今までに2兆4000億円以上つぎ込んで年間維持費だけで500億円掛かり、これまでの発電量は0
燃料の質と量から、チェリノブイリや広島長崎なんか目じゃない人類史上最強の事になる
半径300kmは…

福島第1原発事故を受け緊急安全対策の実施計画を8日、敦賀市に報告した原子力機構の鈴木篤之理事長は
「これ以上何か起きたら、住民の理解は得られない。万難を排してできることはなんでもする」と危機感をあらわにした。
これに対し、福井県原子力平和利用協議会敦賀支部の平山光子・女性部長は
「原発の理解を深める勉強会を開いても『いい加減にして』という怒りの声が出る。高い目標があるのなら、もっとしっかり取り組んでもらわないといけない」と指摘する。
敦賀市原子力安全対策課の本多恒夫課長も
「ミスがないよう、安全管理の徹底とリスクマネジメントを再三にわたり注意してきた。
 福島第1原発事故が起きた今は、たとえ小さなミスも市民感情に影響する。事故にどう対応するか。原子力の信頼回復はそこからだ」としている。
http://popopopoon591.blog60.fc2.com/blog-entry-258.html

2.経済産業省 原子力安全・保安院「県内原発の安全対策は適切で、運転には安全上支障ない。老朽化・地震の影響もない。」(福井新聞、6月22日)
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/politics/28785.html


3.滋賀県知事、もんじゅを視察「将来は原発を卒業する」(福井新聞、6月22日)
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/earthquake/28800.html

「チェルノブイリに学ぶ 〜IAEAの『安全宣言』で何が起きたのか?汚染を生きる子どもたちが支払う代償は」(野呂美加、5月8日)

チェルノブイリ原発事故から25年が経った今も、厳しい放射能汚染に苦しめられ続けるベラルーシ。

1986年に起きた事故の後、1992年から現在にわたり、チェルノブイリ周辺の汚染地域で子どもたちを対象とした救援活動や保養里親運動などを行ってきたNPO法人「チェルノブイリのかけはし」代表の野呂美加さんが、チェルノブイリ原発事故の後に起きた出来事、子どもたちの健康への影響などを5月8日の講演会で証言しました。

講演で触れられている内容には、これまでに当ブログを通じて紹介してきたチェルノブイリ事故の影響に関する記事や文献の内容と重なる部分が多くあるため、関連記事として掲載します。

研究者や記者としてではなく、一人の日本人として経験したチェルノブイリの傷跡、そしてベラルーシで重い病気や家族の死を乗り越えて生き続ける子どもたちの様子が現在進行形で語られています。


★動画
講演会(1)http://www.youtube.com/watch?v=WCfzjHaVu5s
講演会(2)http://www.youtube.com/watch?v=gUTlMdX4brc&feature=related
講演会(3)http://www.youtube.com/watch?v=pNxibOEt7R4&feature=related
講演会(4)http://www.youtube.com/watch?v=dSxNzfKO92w&feature=related

★文字おこし版 「transcription_mika_noro.pdf」をダウンロード
出典:http://plaza.rakuten.co.jp/dassen/

........................................................................................................................................

講演会(1)チェルノブイリでの調査、救援、補償裁判〜全てを遅らせたIAEAの安全宣言

チェルノブイリ原発事故の後にIAEAが実施した調査、そして安全宣言。この安全宣言はなぜなされたのか、そして後に何が起きたのか。福島で現在起きていることとの類似点を指摘。

「一番最初にチェルノブイリに言った時、

『おまえたち日本人のせいでおれたちはひどい目に遭ったんだ』

というふうに言われたんですね。私は救援に行っているのに、いきなり現地の人にすごい文句を言われて、一体日本人が何をしたのよって。。。(中略) IAEAの調査団がやってきて、広島の医者を連れて来てくれて、これで自分たちはようやく助けてもらえると思ったら、その広島の医者が、この小児がんは、(。。。)風土病ですねっていうふうに言って帰って行ったんです。」

100キロ圏内のホットスポットを地図化することの重要性についても触れられています。

途中で紹介されている広瀬隆氏による「チェルノブイリ特集 第1回『潜入!最悪汚染ゾーン(’93.5)』」はこちら
http://www.youtube.com/watch?v=RCDkHQunytE

(以下は講演会の中で直接紹介されていませんが、参考までに掲載)

「チェルノブイリ特集 第2回『子どもに何が起きたか』」
http://www.youtube.com/watch?v=M7u1AyLfkyw&feature=related
「チェルノブイリ特集 第3回『原発汚染 死の生活」
http://www.youtube.com/watch?v=0rDbSMWKGPw&feature=related


講演会(2)内部被曝がもたらすもの

• 現地で5年間、子どもたちの甲状腺がん治療に従事した菅野昭医師
「食品に関してはこまめに放射能を測定し、安全状況をチェックしていくことが必要だ。放射性物質が検出されても規制値以下であれば、大人は食べていいが、乳幼児や妊産婦は控えたほうがいい」

• 子どもの体に起きる抵抗力の低下、体内の急激な老化。→抵抗力を保つために、十分な休養が必要。
• 放射能汚染で集中力が続かなくなる。学校での授業時間を1コマ45分から25分に短縮せざるを得なかった。
• 髪の毛についた放射性物質で自分の頭から高い放射線量が。「洗っても洗ってもとれない」


講演会(3)チェルノブイリから25年。続く汚染と健康被害

• 移住できた人、できなかった人
• 「怖がりすぎても駄目なんですね。もちろん、正しい知識で防衛していかなきゃいけないんですけど。」精神状態を健康に保つことも、厳しい環境では重要になる。
• 放射能汚染で胃腸を痛め食欲が減退する→ペクチンの多い新鮮な果物(リンゴ、桃など)を。


講演会(4)できることは何か

• 子どもは自覚症状を訴えないことが多い→注意が必要。
• 大人にも症状が。自律神経失調症、睡眠障害、心臓、血圧への負担、「風邪」の症状が長引く、だるい→慢性化する。
• 大人も子どもも、休暇などの時期に放射能の低い地域へ移動することが効果的。
• 笑って抵抗力を上げることも重要。
• 健康な食生活〜揚げ菓子やスナック菓子は控えよう


参考:
NPO法人「チェルノブイリのかけはし」http://www.ironnakatachi.com

2011年6月18日 (土)

「フランスが語る『原子力の真実』」(後編) 「原子力発電は『安い』か?フランス原子力業界とフランス国家が直面する財政破綻の危機」ル・ヌーベル・オプセルヴァテール(6月2日)

ドイツとスイスに続くイタリアの「脱原子力」方針決定、アレバ社の社長交代。
6月10日に「フランスが語る『原子力の真実』」の前編、「フクシマ」後に再燃する「国策」原子力への恐怖」を掲載してから既にいろいろなことが起きました。少し遅くなりましたが、後編をお送りします。(少し長めです。ゆっくりお読みください。)

(前編を読んでいない方はこちらからどうぞ。この記事の元になる本を書いた著者の紹介などを含め掲載しています。)
http://franceneko.cocolog-nifty.com/blog/2011/06/62-dba6.html

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

「フランスが語る『原子力の真実』」(後編)

1.フランス電気公社(EDF)の経営破綻:利益1兆円、借金4兆円

フランス電気公社(EDF)は野心的な事業に資金をつぎ込んだために経営困難に陥り、深刻な事態に直面している。

2010年1月1日、同社の粗利益(税金等を差し引く前の利益額)175億ユーロ(約2兆円)に対し、負債は425億ユーロ(約5兆円)、粗利益の2.4倍にまで膨らんだ。イギリスの配電線網事業(約67億ユーロ、約7700億円)を手放したにも関わらず借金は大きく減らず、2010年末の時点でもまだ344億ユーロ(約4兆円)の負債が残っている。


●2010年末時点での 粗利益:約1.1兆円 vs 負債:約4兆円


更に、フランス電気公社グループ全体の利益は2009年の39億ユーロ(約4.5兆円)から2010年の10億ユーロ(約1.1兆円)にまで落ち込み、1年で73.9%減少した。背景には、9.1億ユーロを投資した米国コンステラション・エネルギー社との関係解消がある。又、2010年末にドイツの電力会社EnBW社に保有していた同社の45%にのぼる株を買い戻されたことでも辛酸を舐めた。

イタリアでは更に困難な事態に陥った。フランス電気公社はイタリアで現地の子会社を通じ4基の原子炉建設を計画したが、政府による1年間の原子力利用停止の決定により身動きが取れなくなった(そして、この記事が書かれた後、同国での原子力利用の廃止決定により、この計画は断念に追い込まれている)。
これはまだ「フクシマ」が勃発する前の話である。

フランス電気公社へのフィッチ社による格付けは、同社が抱える多額の負債によりA+からAA-に下降した。株式市場は同社の財政状況が今後改善するとは見ていない。2011年1月1日から4月8日までの間に同社の株価は10%下落、過去3年間では53%の下落を記録している。

2.原子力発電の真実のコスト:原子力による電気料金、40%値上げ

フランス電気公社が2011年2月に発表した電気の売却価格は、メガワット(MWh)1時間当たり42ユーロ(約4800円)である。原子力発電が自然エネルギーを初めとする他の発電方法よりコストが低いことを演出するため、原子力発電にかかるコストはこの数年間、徹底して実際よりも低く見積もられて来た。

しかしこのコストの過少評価は今日、フランス電気公社の経営にはね返る結果となっている。したがって他の電気会社がフランス電気公社から電気を買い取る価格を設定するにあたり、同社は原子力発電所の更新料を上乗せし、電気価格は MWh当たり42 ユーロ(約4800円)から55ユーロ(約6300円)以上にまで上昇することとなった。

福島での原発事故の後、全ての原子力発電コストは従来より更に高くなっており(注)、実際には55ユーロ(約6300円)ではなく60ユーロ(約6900円)に近い数字になることが見込まれている。


●これまでの電気料金:4800円/MW→原発関連コストを含めた今後の「本当の」電気料金:6900円/MWh(40%以上の値上げに相等)

続きを読む "「フランスが語る『原子力の真実』」(後編) 「原子力発電は『安い』か?フランス原子力業界とフランス国家が直面する財政破綻の危機」ル・ヌーベル・オプセルヴァテール(6月2日) " »

2011年6月16日 (木)

「日本国民の大多数が原発廃止に賛成」フランス国際放送(6月14日)

日本国民の4人に3人(74%)が段階的な原子力発電の廃止に賛成していることが、6月14日に発表された朝日新聞による調査の結果で明らかになった。現在、東京電力は福島での原子力発電所事故による被害者への最初の賠償金の支払いを正に行おうとしているところであり、他方、同原発内で事故の収拾にあたる作業員のうち、被曝した者の数は急激に上昇している。

これほど多くの日本人が54基にのぼる原子炉の廃止に賛成したことはかつて無い。おそらくは、福島原発事故による惨事が収拾せず長引いていることが影響していると思われる。

他方、NHKの報道によれば、深刻な被曝被害を受けた原発作業員の数は100人を越えた。事故以来、約7800人の作業員が福島原発の現場作業に関わっているが、これまでに精密検査の恩恵を受けた者はたったの1800人にとどまっている。本日、政府は東京電力に対し6月末までに福島第一原発の近くで働く全ての作業員について精密検査を終えるよう指示した。

8名の原発作業員については、日本政府が設定した250ミリシーベルトという原発作業員用の被曝量上限を上回る量の放射能を浴びており、放射性ヨウ素による甲状腺の被曝が起きていることが暴露されている。

http://www.rfi.fr/asie-pacifique/20110614-une-majorite-japonais-fin-nucleaire

(Fréderic Charles, « Une majorité de Japonais pour la fin du nucléaire », Radio France Internationale, 2011.06.04)

2011年6月14日 (火)

「福島原発より放射性物質排出中〜今後の風向きにご注意」ドイツ気象台(6月14日)

ドイツからの情報ですが、とっても気になったので載せます。

6月14日未明に福島原発第一号基からベントがあったらしい、との情報を耳にしたのですが、ドイツ気象台の予報を見ると、確かに大量の放射性物質が、今後日本中の広範な地域に向けて流れて来るとの予報がなされていました。

ドイツ気象台自身、日本からの詳細発表が無いため正確な予報はできない、と断っていますし、雨や風向きによっても変わってくると思われますが、とりあえずはご注意を。取り越し苦労で済むことを祈っています。

http://www.dwd.de/bvbw/appmanager/bvbw/dwdwwwDesktop;jsessionid=JWGGN3rRpvGM2DTh4MnvBVwYJHLcv9vJqG70ZDsVS8sQQQ2N0RLg!790211107!1153191747?_nfpb=true&_windowLabel=dwdwww_main_book&T178400415551302522764483gsbDocumentPath=Content%2FOeffentlichkeit%2FKU%2FKUPK%2FHomepage%2FTeaser%2FJapan.html&switchLang=en&_pageLabel=dwdwww_start

「福島市内で基準値の1000倍にのぼる放射線量を記録。小さな『ホットスポット』があちこちに出現(映像)」ロシア・ニュース/エナジー・ニュース(6月13日)

英語での放送ですが、重要な内容ですので掲載します。(以下、ポイントのみの要約です。)

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

福島原発周辺の立ち入り禁止区域の外にも放射線量が基準値の1000倍にも及ぶ非常に危険な場所がある。福島原発から約80キロの距離にある福島市である。原発から放出された放射性物質は風や雨などによって福島市の方向に吹き寄せ、その結果高い汚染が記録されている。

雨水や風の流れによって、局地的に放射線が非常に高い場所が幾つも生じており、場所によっては1メートル横にずれただけでも急に放射線量が跳ね上がる「マイクロ・ホットスポット」があちこちに形成されている。特に草の葉が放射性物質をからみ取るフィルターの役目をしたために、草の生えている場所では汚染度が上がる傾向にある。

福島市は日本政府による「強制避難区域」に指定されておらず、非常に高い放射線量にもかかわらず今も住民が生活している。政府は少なくともホットスポットがある地域について避難区域に指定すべきかどうかを現在検討中である。

★土壌の除染作業の様子
「複数の大学が合同で除染のための作業を行っています。ご覧の通り、科学者は防御服を着ていますが、除染作業を行っている2人の作業員達は何の防御も行わないまま(土に触れる)作業を行っています。」

(原子力発電所内で作業をされている作業員の方の被曝も心配ですが、福島周辺で除染その他の土や草に触る作業にかかわっている方々への被曝対策が十分行われるよう、十分な注意が必要と思われます。)


「Radiation 1,000 times safe levels zone」ビデオはこちら(英語です)

http://enenews.com/radiation-1000-times-safe-levels-zone-very-very-dangerous-levels-video

2011年6月11日 (土)

「フランスが語る『原子力の真実』」(前編)「フクシマ」後に再燃する「国策」原子力への恐怖」ル・ヌーベル・オプセルヴァテール(6月2日)

雑誌「ル・ヌーベル・オブゼルヴァター」は6月1日~8日号で、現EU議会(EUの国会に相等)の環境委員会・副委員長を務めるコリーン・ルパージュの新刊『原子力の真実』を紹介する特集記事を掲載しました。

ルパージュは環境分野を専門とする弁護士で、現在は環境保護を中心に活動するEU議員。1995年から1997年にはフランス・シラク政権の元で環境大臣を務めた。その間、1996年に国家原子力安全委員会から出されたCreys-Malvilleのスーパーフェニックス原子炉(当時は技術面その他の問題で停止中)を再稼働させる要求を却下。その後、同原子炉は廃炉の決定がなされている。

このブログでは、この記事でとりあげられているルパージュの論点を2回に分けて紹介します。

前編では福島での原発事故を踏まえた現時点での現状理解と、国策として守られて来たフランスの原子力セクターへの考察を取り上げます。

後編では、原子力発電による約5兆円もの負債を抱え、経営が危ぶまれるフランス電力公社(EDF)、今後膨大な核廃棄物の処理費用を負担することが見込まれる中、脱原発の流れの中で原子力発電所の建設にかかる発注を失いつつあるアレバ社、12兆円以上の廃炉費用が必要となることが見込まれているフランス原子力セクター、の財政破綻状況について読んで行きます。(以下は要約です。)

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

1.原子力への恐怖、再び

福島で起きた悲惨な原発事故は、わが国フランスの立場を全面的に変えてしまった。なぜならこの悲惨な事故は、テクノロジーの発展した民主主義の国、リスクをとらず安全を重んじる文化が深く根付いた国、日本で起きた事故だからだ。

「フクシマ」がフランスにもたらしたのは、原子力への恐怖である。日本政府は福島原子力発電所から20キロ・30キロ圏に住む13万人の住民に対し、圏外への退去もしくは自宅退去を勧告した。30キロメートル?フランスにあるブジェイ原子力発電所とリヨン市(注:フランス第二の都市)の距離は、5キロに満たない。

現実には、福島原発事故により放出された放射性セシウムは40キロを超える地域にまで汚染をもたらした。チェルノブイリ原発事故の際にベラルーシでセシウム137による汚染の被害を受けた子どもたちは皆、深刻な病に侵された。このことを鑑みると、日本政府は退避の対象地域を更に広げなければならないだろう。

しかしどこまで退避の範囲を広げれば良いのか?
そしてどう対処すればよいのか?

海も陸同様に汚染された。福島周辺で生産された農産物は通常の30から40倍もの放射能に汚染されているにもかかわらず、市場に並び売られている。食品に関する放射能汚染の許容量は、飲料水についての放射能汚染の許容量と同じく、福島原発事故の直後に、日本政府によって、すばやく見直しがなされたからだ。


2.「傲慢」という掟

2010年11月、東京電力は新潟工科大学に対し「わが国の原子力発電所における津波の影響評価に関する報告書」を発表、日本の原子力発電所は津波に対して完全な対策がなされていると報告した。この報告書では福島県における津波の高さが5.7メートルまでしか想定されておらず、これに従って福島原発への防御壁が設けられた。2006年、地震学者の石橋克彦は「日本の原子力発電所は地震の影響に対し脆弱すぎる」と日本政府および原子力分野の専門家に対して主張したが、政府や「専門家」に対して異論を述べる異端者として、その声はかき消された。

日本の原子力セクターでは、傲慢さが最後まで掟として貫かれた。これは、非常時の安全対策用発電機に問題があったにもかかわらず、2011年2月に福島第一原発第一号機の稼働を更に10年延長することを承認していた原子力安全・保安委員会の決定にも顕著に表れている。その後に何が起きたか、については私たち皆が知っていることだ。しかし、この悲劇を日本人や単なる一企業による失敗と結論づけるのは短絡的すぎる。これは原子力への国際的な制御、管理、規範に関するシステム全体に欠陥があった結果、起きた事故なのだ。


2.IAEAは我々を守ってくれるのか?

実は、国際原子力機関(IAEA)の唯一の本当の目的は、原子力の開発推進である。この目的は、他の国連機関、特に世界保健機構(WHO)が、IAEAの承認なしには原子力による健康被害に関心を持ち、原子力が原因で起きる健康被害についての情報を自由に公表することができない、という重大な問題を引き起こしている(ところで、「国連環境プログラム」(注:環境問題に関する国連専門機関UNEP)は原子力の話をすることすらできない)。

これは、1959年5月28日にIAEAとWHOの間で締結された、想像を絶する内容の協定(WHA12-40)によっている。この協定は情報の自由を制限していることから多くのNGOから批判を浴びており、複数のNGOが「WHOをIAEAから解放するよう」請願書を提出している。

福島での事故で私たちが目撃したのは、WHOが原子力発電による大惨事に際してもこの協定によってその影響力を弱体化され、本来の責務を果たすことができないという事実である。WHOの存在理由は、少なくとも理論上は、一般の人々の健康について調査を行うことにあるにもかかわらず、である。

この協定の内容は、知っておく価値がある。WHA12-40協定の第3条にはこう書かれている。

「WHOとIAEAは互いが所有する特定の極秘文書について、相手機関がこれらを外部公開しないように措置を取ることを要求できる。」

沈黙を守らせるための方策である。しかし明らかにこれでも足りないらしく、第7条には更にこう書かれている。

続きを読む "「フランスが語る『原子力の真実』」(前編)「フクシマ」後に再燃する「国策」原子力への恐怖」ル・ヌーベル・オプセルヴァテール(6月2日)" »

2011年6月 9日 (木)

「福島県周辺地域における土壌と食品の汚染、続く」在日フランス人向け公報・IRSN(6月8日)

フランス放射線防護原子力安全研究(IRSN)は6月8日、日本在住のフランス人向けに「福島第一原発事故に関する公報(6)」を発表しました。4月29日に発表された前回の公報の内容からそれほど変わっていませんが、新しいデータの発表に伴って茶葉やタケノコへの注意が加わっています。


また、福島原発の状況に大きな変化が見られない限りは今回の公報を最終回とする、という冒頭の宣言からは、今後しばらくは福島県をはじめとする4県(茨城、栃木、福島、宮城)を中心とする地域で土壌や食品の汚染が改善しないであろうとの見通しが伺えます。IRSNは先に発表した福島周辺における外部被曝量に関する報告書で、外部被曝量が年間10ミリシーベルトを越える地域に住む約7万人の住民について「至急退去が必要」と日本政府に強い対応を促しました。今回の公報でも、フランス人に対しこうした地域への立ち入りを控えるよう強く警告しています。(以下、要約です。)


1. 現状

住民への大きな影響は見られないと思われるものの、福島第一原発から排出されていると思われる放射性物質が引き続き空気中で観測されている。現在、短期的な被曝の危険性は、大気中に排出された放射性降下物、および海に排出された放射性物質に汚染された食品によるものが主となる。こうした汚染の影響を最も受けやすいのが茶葉を含む葉野菜であり、野菜を原料とした全ての食品、もしくは汚染された草や飼料を餌とする動物の乳である。これらの食品については汚染の度合いが低くなって来てはいるが、引き続き監視が必要である。海産物についても、海藻や海中生物が放射性物質に汚染にされている。


2. 一般のフランス人への勧告

食品への放射能汚染は低下してきているが、福島第一原発における事故によって発生した放射性降下物の被害を強く受けた県においては、引き続き厳重な注意が必要である。IRSNは下記を勧告する。

・ 生産地や放射線濃度が分からない生鮮食品(特に葉野菜、キノコ類、魚類)については長期間の摂取を控える。福島原発事故の後で生産された茶葉についても同様。

・ 同様に、福島、栃木、茨城、宮城、群馬、埼玉、東京、神奈川、千葉の各県で穫れたタケノコやクサソテツを摂取しないこと。

・ 福島、宮城の両県で生産された生乳や、生産地・放射線濃度が分からない生乳を長期間子どもに与えないこと。


3. 放射性降下物の影響が最も高い地域(福島周辺地域)に渡航する可能性のある者、および現地に居住する者への勧告

• IRSNは、宮城、茨城、栃木、そして特に福島県が福島原発事故による放射性降下物の深刻な被害を被ったと考えている。宮城、茨城、栃木の3県については、業務上の渡航および重要な所用がある場合には、下記の注意事項を全て遵守することを条件に渡航できることとする。しかし不要に放射能による被曝を受けることを避けるため、趣味や旅行などの重要な所用以外での渡航は控えること。

• 福島県の北半分の地域、特に福島原発から40キロ以内の圏内にある県の北東部4分の1に相当する地域については、引き続き渡航しないよう、強く勧告する。これは、一平方メートル当たり60万ベクレル以上にものぼる放射性セシウム等の深刻な放射性降下物による汚染が見られることによる。これらは年10ミリシーベルトを越える外部被曝の原因となる。火急の所用でこの地域に渡航する場合には、厳密に必要最小限の滞在時間に限ることとし、下記の勧告を厳守するとともに、渡航者を大人に限ることとする(子どもの渡航を認めない)。

• 日本政府が立ち入りを禁止している福島原発から半径20キロメートルの地域、及び葛尾村、浪江町、飯舘村、川俣町、南相馬市等に立ち入らないこと。


4. 宮城、茨城、栃木、福島の4県に居住するフランス人への勧告事項

・ 乳児および幼い子どもの食事にはボトル入りミネラル・ウォーターを使用すること。

・ 自宅の家庭菜園から収穫した野菜や、家庭で飼っている家畜動物を食用に用いるのを最大限に控える。

・ 野菜や果物を食べる前に注意してよく洗うこと。

外部から建物の内部に汚染物質を持ち込まないよう、家庭での衛生状態を良好に保つようつとめること。特に、下記に注意する。

・ 雨の日は靴を家の中に持ち込まない。

・ 濡れた雑巾で床を定期的に拭く。

・ 家具、カーペット、敷物の表面に定期的に掃除機をかける。掃除機の中袋を定期的に交換する。

・ 無意識に手が口に触れて汚染が起きないよう、ポンプ式容器に入った液体石けんで手を定期的に洗う。

・ 幼い子どもが遊んでいて戸外の土や砂を口にいれないよう、常に見張っていること。


IRSN「福島第一原発事故に関する公報(6)」 6月8日号(仏文)
http://www.irsn.fr/FR/Actualites_presse/Actualites/Documents/IRSN_Residents-Japon_Bulletin6_08062011.pdf

2011年6月 7日 (火)

番外編★チェルノブイリ事故の爪痕が残る仏東部の農村にて:福島事故への関心、依然強く(6月7日)

いつも御愛読ありがとうございます。ブログその他を1週間ほどお休みさせて頂きまして、先週よりフランスの東端にある農村を訪問しました。以下、簡単ながらご報告です。

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

地平線まで続く緑の草原、その中に点々と色を添える牛たちの群れ。昔ながらの酪農とチーズの生産で生計を立てる人口数十人の村。先祖代々から受け継いだ厳しい自然を生きぬいてきた人々は、遠い国からの訪問者を地元のワインと暖かい笑顔で迎えてくれた。

楽しそうに家の前で馬を駆る若者たちを横目にお喋りが一息つくと、誰もが日本の様子を聞きたがって同じ質問を繰り返した。

「それで福島は今、どうなの?あの事故の後、全然ニュースで報道しないんだけど。」

電力の約75%を原子力に頼る世界最大の原子力大国、フランス。サルコジ大統領はヨーロッパ連合内の強力な原子力推進派の代表者としても知られる。日本以上に強力なこれらの政治勢力は、福島での事故の後、早速「原子力は危険じゃない」という内容の本を何冊も出版してパリの書店に並べている。しかし田舎の村にまで降りて行けば、その地域の情報を詳しく伝える地元の新聞が日々の主な情報源だ。人々が日本での原発事故に強い関心を寄せていることが改めて感じられた。

25年前の4月、遠くチェルノブイリから飛んできた放射能を含む雲は、フランス東部に位置するこの村の隣村の上空を通過し、地中海へと向かった。多くの人が甲状腺癌に罹り苦しみ始めたのは、その後すぐのことだった。

ワインがまわって、誰もが口々に同じ話をする。

「『放射能の雲はフランスの国境で止まりますから』って、言ったんだよ!本当に。。雲が国境で止まる訳ないよ。あの時『死の灰』は(フランス上空を通りぬけて)地中海まで行ったんだから!」

当時の政府責任者ペルラン教授は、隣国が事前にヨウ素剤を配布し生鮮食品の摂取を控えるよう国民に呼びかけたにもかかわらず、「フランス国内は安全」との声明を繰り返した。政府の発表を信じて放射性物質に汚染されたレタスを食べ、知らぬうちに放射性物質を含んだ空気を吸いこんだ人々の多くは、多くの大人を含め今日も甲状腺がんに苦しんでいる。ペルラン教授は国民に偽った情報を流したとしてその後その責任を問われて起訴され、今年9月の判決を待っている。

人々は、あの時政府がついた嘘を忘れていない。
広大な草原が汚染されチーズが売れなくなれば、彼等は生活することができない。夏の間だけこの村を訪れる都会の観光客も、やって来なくなるだろう。長い治療を要する癌にかかれば、自営業の農民たちには大きな負担となる。

「水は大丈夫?飲めるのかい?」
「おい、放射能汚染っていうのは、その場所だけじゃ済まないんだから。俺たちの時もそうだったじゃないか。チェルノブイリからここまで、雲が来たんだから。。」

気遣いの中にある深い懸念が頭をもたげる。

この夏、フランスは史上最悪の旱魃と水不足を経験している。川沿いに建てられた多くの原子力発電所は川の水を用いて原子炉の冷却をおこなっており、旱魃が悪化すれば、過去にも起きたように冷却装置が作動しなくなる危険性が指摘されている。

他方、山の向こう側に広がるスイスは、既に原子力発電からの脱却を宣言している。
スイス側から村を訪れていた元銀行家の老人が言った。

「スイスもドイツも原子力はもうやめることにした。日本はこんな事故があっても、まだ原子力発電を続けるらしいね。」

福島での原発事故は、国境を越えて人々に反省をうながしている。

フランスねこ

2011年6月 3日 (金)

「放射能汚染を生きる子どもたち:『甲状腺がんかどうかって、わかるのにどれくらいかかるの?』ナオトキ11歳、福島市」ルモンド紙(5月31日)

福島市では、子どもの服装を見ればその両親が自分の子どもの健康に対して感じている不安を推し量ることができる。放射能の影響について苦悶する家庭の子どもは、頭をヘルメットで守り、鼻と口をマスクで覆い、防水性の生地でできた服を着て登校する。その防水性の服を、家庭では毎晩洗うのである。それ以外の子どもたちは、頭も腕も覆わない。

「時々重装備の子どもたちは、(何もしなくていい)友達をうらやましがるんです。」

母であり教員であるサトウ・ミユキは、心配する両親たちのグループの方に入る。

「子どもたちはコートを脱いで、道端に置いてきちゃうんです。親は怒るんですけどね。」

しかしそんな両親の怒りは、彼らが4月20日以来日本政府に感じている憤怒に比べれば、何でも無い。この日政府は、3月11日に事故が起きた福島原発の放射性物質に汚染された地域に居住する大人・子どもへの年間被曝限度量を、20ミリシーベルトに決定したのだ。すなわち、この限度量以下の放射線量レベルの地域では退避が必要とは認められない。20ミリシーベルトという限度量は、通常認められている量の20倍であり、原子力業界で働く作業員に適用される数値に相当する。

人々の温和さで知られる人口30万人の県庁所在地、福島市は、原子力発電所が引き起こした2つの災難によって、湯を沸かしたような大騒ぎとなった。第一番目の災難は、「福島市」の名が、福島第一原発から60キロの距離にあるにもかかわらず、原子力発電所による大事故に常に関連付けて語られるようになったこと。第二番目の災難とは、福島市の北部と東部にある地区、そしてこれらの地域にある学校で、数カ月の間「20ミリシーベルト」という(既に非常に高く設定された)被曝量の上限に近い放射能汚染を生きなければならなくなったこと、である。

「日本政府は私たちが避難するのにかかるお金を払いたくないから、被曝限度量についての決まりを変更したのです。」

二児の母、ニシハラ・カナコは政府決定の背後にある意図を告発する。カナコは、自らの意思で福島市から引っ越しをする準備を始めた。

「私たちの息子たち、娘たちは、もう自由に公園で外気にあたることができなくなりました。学校では一日中窓を閉め切った教室に閉じ込められて、休憩時間も外に出られないんです。」

カナコの友人、サトウ・ミユキが言う。

「日本政府は、私たちの子どもたちを実験用のモルモットにするために(放射能に汚染された地域を)『危なくない』と言っています。低い放射線量に長い期間あたった場合の健康への影響がまだ知られていないからという理由で、政府は私たちの子どもたちを使って『実験』を行っているのです。」

ハツザナ・トモコは憤る。彼女は事故が起きて以来の2カ月、この件に関する全ての文献を読みあさった。

続きを読む "「放射能汚染を生きる子どもたち:『甲状腺がんかどうかって、わかるのにどれくらいかかるの?』ナオトキ11歳、福島市」ルモンド紙(5月31日)" »

« 2011年5月 | トップページ | 2011年7月 »