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2011年6月 9日 (木)

「福島県周辺地域における土壌と食品の汚染、続く」在日フランス人向け公報・IRSN(6月8日)

フランス放射線防護原子力安全研究(IRSN)は6月8日、日本在住のフランス人向けに「福島第一原発事故に関する公報(6)」を発表しました。4月29日に発表された前回の公報の内容からそれほど変わっていませんが、新しいデータの発表に伴って茶葉やタケノコへの注意が加わっています。


また、福島原発の状況に大きな変化が見られない限りは今回の公報を最終回とする、という冒頭の宣言からは、今後しばらくは福島県をはじめとする4県(茨城、栃木、福島、宮城)を中心とする地域で土壌や食品の汚染が改善しないであろうとの見通しが伺えます。IRSNは先に発表した福島周辺における外部被曝量に関する報告書で、外部被曝量が年間10ミリシーベルトを越える地域に住む約7万人の住民について「至急退去が必要」と日本政府に強い対応を促しました。今回の公報でも、フランス人に対しこうした地域への立ち入りを控えるよう強く警告しています。(以下、要約です。)


1. 現状

住民への大きな影響は見られないと思われるものの、福島第一原発から排出されていると思われる放射性物質が引き続き空気中で観測されている。現在、短期的な被曝の危険性は、大気中に排出された放射性降下物、および海に排出された放射性物質に汚染された食品によるものが主となる。こうした汚染の影響を最も受けやすいのが茶葉を含む葉野菜であり、野菜を原料とした全ての食品、もしくは汚染された草や飼料を餌とする動物の乳である。これらの食品については汚染の度合いが低くなって来てはいるが、引き続き監視が必要である。海産物についても、海藻や海中生物が放射性物質に汚染にされている。


2. 一般のフランス人への勧告

食品への放射能汚染は低下してきているが、福島第一原発における事故によって発生した放射性降下物の被害を強く受けた県においては、引き続き厳重な注意が必要である。IRSNは下記を勧告する。

・ 生産地や放射線濃度が分からない生鮮食品(特に葉野菜、キノコ類、魚類)については長期間の摂取を控える。福島原発事故の後で生産された茶葉についても同様。

・ 同様に、福島、栃木、茨城、宮城、群馬、埼玉、東京、神奈川、千葉の各県で穫れたタケノコやクサソテツを摂取しないこと。

・ 福島、宮城の両県で生産された生乳や、生産地・放射線濃度が分からない生乳を長期間子どもに与えないこと。


3. 放射性降下物の影響が最も高い地域(福島周辺地域)に渡航する可能性のある者、および現地に居住する者への勧告

• IRSNは、宮城、茨城、栃木、そして特に福島県が福島原発事故による放射性降下物の深刻な被害を被ったと考えている。宮城、茨城、栃木の3県については、業務上の渡航および重要な所用がある場合には、下記の注意事項を全て遵守することを条件に渡航できることとする。しかし不要に放射能による被曝を受けることを避けるため、趣味や旅行などの重要な所用以外での渡航は控えること。

• 福島県の北半分の地域、特に福島原発から40キロ以内の圏内にある県の北東部4分の1に相当する地域については、引き続き渡航しないよう、強く勧告する。これは、一平方メートル当たり60万ベクレル以上にものぼる放射性セシウム等の深刻な放射性降下物による汚染が見られることによる。これらは年10ミリシーベルトを越える外部被曝の原因となる。火急の所用でこの地域に渡航する場合には、厳密に必要最小限の滞在時間に限ることとし、下記の勧告を厳守するとともに、渡航者を大人に限ることとする(子どもの渡航を認めない)。

• 日本政府が立ち入りを禁止している福島原発から半径20キロメートルの地域、及び葛尾村、浪江町、飯舘村、川俣町、南相馬市等に立ち入らないこと。


4. 宮城、茨城、栃木、福島の4県に居住するフランス人への勧告事項

・ 乳児および幼い子どもの食事にはボトル入りミネラル・ウォーターを使用すること。

・ 自宅の家庭菜園から収穫した野菜や、家庭で飼っている家畜動物を食用に用いるのを最大限に控える。

・ 野菜や果物を食べる前に注意してよく洗うこと。

外部から建物の内部に汚染物質を持ち込まないよう、家庭での衛生状態を良好に保つようつとめること。特に、下記に注意する。

・ 雨の日は靴を家の中に持ち込まない。

・ 濡れた雑巾で床を定期的に拭く。

・ 家具、カーペット、敷物の表面に定期的に掃除機をかける。掃除機の中袋を定期的に交換する。

・ 無意識に手が口に触れて汚染が起きないよう、ポンプ式容器に入った液体石けんで手を定期的に洗う。

・ 幼い子どもが遊んでいて戸外の土や砂を口にいれないよう、常に見張っていること。


IRSN「福島第一原発事故に関する公報(6)」 6月8日号(仏文)
http://www.irsn.fr/FR/Actualites_presse/Actualites/Documents/IRSN_Residents-Japon_Bulletin6_08062011.pdf

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コメント

TwitterとFacebookに引用させてもらいました。

以下を御覧ください。⇒
http://www.irsn.fr/FR/Actualites_presse/Actualites/Documents/IRSN_Residents-Japon_Bulletin6_08062011.pdf
抄訳は⇒http://franceneko.cocolog-nifty.com/blog/2011/06/irsn68-afa6.html

考えさせられます。

貴重な翻訳をありがとうございます。原発先進国のフランスの調査と判断、もっと多くの人が知るべきです。
この情報の拡散に努めます。

はじめまして。IRSNの告知を日々目を皿のようにして読んでおりましたが、こちらを知って大変助かっています。ありがとうございます。「仏東部の農村にて」の記事には涙が出ました。
勝手にマイブログにリンクさせていただいております。(震災にも原発にも関係ないブログですけど)
ご挨拶が遅くなって失礼しました。
これからも拝読します。

富山通りもんさん、西村さん、midiさん
コメントをありがとうございました。今後もIRSNの公告の代わりになるような(あるいはもっと充実した)情報が定期的に提供されると良いのですが。。日本国内でやってくださる方・団体さんはいらっしゃらないでしょうか??そろそろ、個別に調査をされている関係者もまとまって動いても良い頃ですよね。。

西村さん
日本政府は米国政府と共にモンゴルに核廃棄物の処理場を作ろうとしているとのこと(メジャーなニュースサイトでは既に記事が削除されているため、偶然見つけた下記のブログのアドレスを載せておきます)。心配ですね。モンゴルの皆様にも、日本の現状を伝えて頂ければと存じます。 http://gw.transn.com/ja/archives/3004

midiさん
いつもありがとうございます。リンクを作ってくださってありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願い致します。

フランスねこさん、

モンゴルの放射性物質廃棄場について私も気にして追っていますが、その際、NGOの反対の為の署名サイトを見つけました。
私は署名はしていませんが、署名している人のコメントを見ながら心痛めています。
(これは米政府批判になっていますが、コメントのなかには、日本政府の名を併記しているものもあります。日本はこの現状でこういうことをして、米国以上に呆れられていますね。)

Stop the U.S. from creating a nuclear waste dump in Mongolia
http://www.thepetitionsite.com/1/no-nuclear-waste-in-Mongolia/

あと、関連として、ニューズウィーク日本版に紹介されたフォーリンポリシーの記事と、ロイターの英文記事のリンクもご参考まで。

アジアの核廃棄物はモンゴルへ?
http://www.newsweekjapan.jp/foreignpolicy/2011/04/post-245.php

Japan, US plan nuclear waste storage in Mongolia
http://af.reuters.com/article/energyOilNews/idAFL3E7G80HD20110509

Yukari


Yukariさん

情報を頂きありがとうございます。
しかし、なぜ毎日新聞はじめ大手の国内新聞社は、5月に掲載したモンゴルに関する記事を既に削除してしまったのでしょうか。フランス国際ラジオ放送(RFI)では今日の午後ずっと、毎時間世界に向けて発信されるニュースの中で、菅首相の福島訪問、福島での原発事故が収拾には程遠い状況にあること、これを踏まえ東京で数千人規模の反原発デモが行われたこと、日本政府が破産状態にあるため今後の原発事故対策・震災復興対策が危ぶまれていること、などを報道していました。いろいろと考えさせられます。

フランスねこさん、

主要ニュースサイト(及び記事の元になるインタビュー等の動画)で不都合なニュースが直ぐ消されることは、そんなに珍しいことではないです。特に国際ビジネスがらみのもの、日米関係(特に米軍移転からみ)のものといった、国民に知られてデメリットが多いものなどは、3日程度で削除されるものも。

(放射能汚染関連では、福島で産まれた耳のない兎の赤ちゃんの動画が消されたり、投稿者が嫌がらせをうけたり、というようなことがあったようです。)

消されそうなニュースやレポート記事を、用心してブログに本文ごとコピーして載せる人が増えたので、消された記事でも読めるようにはなりましたが、それでも目にする人は大幅に減りますね。

Yukari

すいません。情報提供だけです。

組合員の出資で設立され、組合員の組織であるはずの生協が、役職員の売名と独りよがりでひどいことになっています。


風評被害を前面に出して、汚染野菜を安全と強弁して売りつける。

http://mytown.asahi.com/areanews/shiga/OSK201105160155.html

汚染野菜を県に紹介して、県職員に喰わせる。

http://mytown.asahi.com/shiga/news.php?k_id=26000001106020003

通りすがりさん
コメントありがとうございます。
生協の件は、大変残念です。一人一人の組合員が思うことを伝え、行動するしか無いのでしょうね。

貴重な情報、本当にどうもありがとうございます。
学生、そして不安を抱えたままの留学生にも
おしえてあげようと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。

初めまして。フランス放射線防護原子力安全研究の公報、重要なポイントがとても分かりやすいので、転記させていただきました。事後承諾になってしまい申し訳ございません。
「原子力の真実」興味深く読ませていただきました。後編お待ちしてます。
ポンタは、ヒマラヤンです。

ももさん、pontaさん、コメントありがとうございました。
転載・引用は御連絡頂かなくとも結構ですので、御自由になさってください。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。

原発王国ですら、という感じですね。翻訳、ご紹介ありがとうございました。転載させていただきます。

ni0615さん
こんにちは。遊びに来てくださってありがとうございます。転載は御自由になさってください。
フランスはヨーロッパ随一の原発ロビーである政府と産業界をかかえる一方、脱原発の指導者がEU議会の議員として活動したり、NGO(CRIIRADなど)が独立研究機関としての立場で国会に招かれて証言したり、大統領と直接交渉を行ったりしています(数ヶ月前ですが、3つの主要な環境NGOがサルコジ大統領と交渉し、原子力発電にかかる「本当の」コストを試算し直すことを約束させました)。メディアも独自の取材をするものが幾つかあり、いろいろな立場で発言する人や組織が共存しているのがある程度バランスが取られている背景では、と思っています。今後ともどうぞよろしくお願いします。

客観的で貴重な正確な警告だと思います。
勝手ながら,転載させていただきました。
よろしくお願いします。

はじまして。
非常に助かります!
ブログに転載させて頂きました。
これからも宜しくお願い致します。

PunDarkroomさん、郁さん
コメントありがとうございました。お役に立つようでしたら、どうぞ御自由にご活用ください。
長期戦ですが、頑張りましょう。今後ともどうぞよろしくお願いします。

記事にさせて頂きました。ありがとうございます。
http://george743.blog39.fc2.com/blog-entry-501.html

はじめまして。
これはとても役に立ちますね!
転載かリンクを張らせて頂きますね。

ジョージさん、あおさん

コメント頂きましてありがとうございました。
転載/リンク等、御自由になさってください(事前にお知らせ頂く必要はございません)。
頻繁には更新できませんが、参考になりそうな情報を見かけた際には掲載して行きたいと思います。
今後ともどうぞよろしくおねがいします。

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