無料ブログはココログ

« 家の外部における除染や清掃の手引き/福島県災害対策本部(7月15日)( | トップページ | 「フランスの夢の『最先端原子炉』EPR、福島原発事故と同様の電源喪失で壊滅的ダメージの恐れ」ルモンド紙(7月25日) »

2011年7月24日 (日)

「仏フラマンヴィル原発の竣工、事故や技術問題で再度延期—他方、建設費用は当初の1.5倍に」ルモンド紙(7月22日)

仏最大の電気会社フランス電気公社(EDF)は7月20日、マンシュ県で建設中のフラマンヴィル原発の完成時期を、当初計画の2012年から4年延期すると発表した。EDFは2007年にフラマンヴィル原発の建設に着工。今回の延期は、昨年発表した2年の延期に続く2回目の延期となる。

工事が遅れている背景には、現場での2件の死亡事故に加え、基礎部分の鉄筋への亀裂、安全対策の不備、現場での労働事故の報告を怠っていたことなど、様々な問題が指摘されている。他方で建設費は当初予定の40億ユーロから60億ユーロ(約6800億円)に増大しており、1600メガワットの発電量を誇る「フランス原子力技術を集大成」した実験的原子炉として宣伝されてきたフラマンヴィル原発が、技術的問題を露呈した形となっている。

EDF側は今回の遅れについて、15年ぶりの新規建設案件であること、新しい手順を採用していること、土木工事の規模について見直しが必要であること、を挙げている。

一方でこの工事に関わる電気技術者は本紙のインタビューに対し、1月24日と6月11日に建設現場で起きた2件の死亡事故と関連する調査の実施により、5ヶ月の遅れが出たと述べている。その他、2010年末の降雪と寒波、福島原発事故の発生後に決まったストレステスト実施を受けた安全対策強化に関する原子力安全機関による指導への対応、運転前の詳細なテストなどで遅れが生じているとしている。 

フラマンヴィル原発の建設はその着工直後から多くの問題を抱えてきた。2008年には原子力発電を実施する予定の区画にあるコンクリートの基礎部分において、鉄筋内に複数の大きな亀裂が見つかったため、原子力安全機関がEDFにコンクリート打ち込み作業の中断を命令した。

2009年には、フランス、イギリス、フィンランドの各国における原子力の安全を所管する監督官庁が、EDFとアレバ社(フィンランドのオルキルオト原発で建設責任者に該当)に対し、運転制御および安全に関するシステムが同時に崩壊しないよう十分な措置をとるよう、当初の設計図の変更を求めた。

今年の6月6日には、原子力安全機関がEDFとアレバ社の2社に対し、フラマンヴィル原発の建設に関連しておきた建設現場での労働事故を報告していなかった門で、非難と指導を行った。

福島原発事故の後、EDF社長のアンドレ・クロード ラコステは、「もし原発の建設を遅らせるということであれば、フラマンヴィル原発の建設を遅らせる」と述べている。

なお、フラマンヴィルにおける原子炉建設にかかる費用の総額は当初40億ユーロ(約4500億円)と試算されていたが、現時点では60億ユーロ(約6800億円)と考えられており、建設費用の増加と工事の新たな遅れは、イギリスでの原子力再興の流れにあやかろうとするEDFの意図に水をさす形となっている。EDF側は「技術を重視し、費用はかかってもより安全な原子炉作りを優先する」と述べている。

(一部要約・編集)
(Pierre, Le Hir, « L’EPR français de Flamanville aura deux années de retard supplémentaires », Le Monde, 2011.07.22)

<参考>フラマンヴィルの位置(グーグルマップより)
http://www.maplandia.com/france/basse-normandie/manche/cherbourg/flamanville/

« 家の外部における除染や清掃の手引き/福島県災害対策本部(7月15日)( | トップページ | 「フランスの夢の『最先端原子炉』EPR、福島原発事故と同様の電源喪失で壊滅的ダメージの恐れ」ルモンド紙(7月25日) »

コメント

じょうほう、ありがとうございます。
フランスに詳しくないので、マンシュ市がどこにあるか調べてみます。

こんにちは。コメントをありがとうございます。原文では「フラマンヴィル(マンシュ)」となっていたので「市」と訳しましたが、調べてみたところ実際には「県」でした。ごめんなさい。訳の最後にグーグルマップのリンクも加えておきましたので、御参考になさってください。マップにもあります通り、ノルマンディー地方と呼ばれる半島の先に位置しています。今後ともどうぞよろしくお願いします。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 家の外部における除染や清掃の手引き/福島県災害対策本部(7月15日)( | トップページ | 「フランスの夢の『最先端原子炉』EPR、福島原発事故と同様の電源喪失で壊滅的ダメージの恐れ」ルモンド紙(7月25日) »