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2011年7月15日 (金)

「菅首相の脱原発宣言〜財界からは批判、福島県関係者からは強い支持」ルモンド紙(7月15日)

菅直人首相は7月13日、大多数の国民の期待に応えて、日本が今後原発を廃止してゆくことを示唆した。この発言は、経団連を初めとする財界からは強い批判を浴びる一方、福島原発事故の影響を直接に受け、今も放射能汚染に苦しめられている福島県関係者からは強い支持を得ている。

福島原発事故の影響を最も強く受けている福島県では放射能汚染の影響が日常生活にまで及んでおり、県外への退避者が8万人にのぼっている。福島県では現在、複数の市町村が電光掲示板で放射線量の掲示を行っている。7月13日時点での飯舘村での放射線量は一時間当たり4マイクロシーベルトで、法定量の被曝量を越えていた。郡山市では10マイクロシーベルトを越える場所もある。

福島県関係者の心配は、「段階を追って原子力への依存度を減らして行く」とする菅首相の方針では落ち着くに至っていない。しかし他方で、南相馬市の桜井勝延市長は首相の発言を「良い決定だ」と評価。佐藤雄平・福島県知事もこの機会をとらえ、「福島から原発を無くすために全ての手を尽くして欲しい」と述べた。

他方、保守派からは菅首相の方針に疑念の声が上がっている。経団連では東京電力の清水元社長がこの4月まで副会長をつとめており、7月12日火曜日には経団連として政府に対し原子力発電の推進を要請している。この経団連に近い立場を取る日経新聞は、首相が「脱原発」のカードを使って人気を回復し自らの政府を救おうとしている、と批判している。

実際には、菅首相による今回の宣言は驚くにはあたらない。福島原発事故以来、首相は繰り返し原子力への依存度の軽減を目指したい旨を表明してきており、浜岡原発の停止に際しては電力政策の見直しを示唆している。7月21日には、再生可能エネルギーの使用に関する法律を国会に提言する予定となっている。菅首相による「ポスト原発」へのコミットメントは、3月11日の津波の直後に「明治維新や終戦に匹敵する新しい時代が日本にやってくる」と首相が述べた演説の中身を具体化する手段でもある。

(Philippe Mesmer記者が福島県より取材しました。一部要約しています。)

(Philippe Mesmer, « Le premier ministre japonais se déclare favorable à une sortie du nucléaire », Le Monde, 2011.07.15)

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