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2011年7月20日 (水)

「ヒマワリによる除染の試み—飯舘への帰郷の道は見えず」ルモンド紙(7月19日)

<福島県飯館村/フィリップ・ムズマー特派員取材>

7月15日、飯舘村にある二枚橋に「帰郷のための事業」という前向きなメッセージをたたえた看板がひっそりと取り付けられた。

その足下に、ヒマワリが列をなし一面に芽吹いている。天気の良い日なら長泥の高いところからでも望める40キロ先にある福島原発で事故が起きた後、農民達に捨てられ休閑地となっていた土地である。

プロジェクトを率いるエガワ・コウジによれば、この試みは農林水産省、福島県、および飯舘村からの要望により、土壌に含まれるセシウムの量を減らすために実施されている。

飯舘村の土を回復するためには、たくさんのヒマワリが必要になるだろう。なぜならこの村は、気まぐれな天候によって、福島原発での爆発により発生した放射性の雲の通り道に当たってしまったのだから。折しも悪いタイミングで降ってきた雪によって、放射性の粒子は田に、家に、森に降り注いだ。飯舘村に一部の地域では、放射線量は毎時80マイクロシーベルト、年700ミリシーベルトにものぼる。年100ミリシーベルトの放射線を浴びれば癌になることが実証されているにもかかわらず、である。

こうして、6000人の住民が政府主導による退避を余儀なくされた。7月中旬現在、村役場の軒先にある電光掲示板は毎時4マイクロシーベルトを示しているが、今だ100人あまりの人が退避先の「住居待ち」で村に残っており、80名いた村役場の職員のうち5名が残って業務を続けている。

二枚橋では、土壌一キロ当たり3,334ベクレルのセシウムが検出されている。政府はアマランスや菜種と合わせ、ヒマワリによる(除染の)実証試験を飯館や隣接する川俣で実施している。これらの村では、汚染は3万ベクレル/キロにものぼっている。この実証試験では、セシウムを吸収するとされるゼオライトというミネラル分で加工した水で泥を吸い上げる試みも行われている。

「ヒマワリの花が咲いたら、それを引き抜いて吸収されたセシウムの量を調べるのです」とエガワ氏は言う。ヒマワリその他の植物を用いた除染はチェルノブイリ周辺地域でも実施されており、良い結果を生んでいると言う。

名古屋に本拠地を置くNGO「チェルノブイリ中部」は、2007年よりウクライナにあるナロディッチ地方でこうした試みを続けて来ている。

しかしこうした活動にも限界がある。土壌の除染を行っても、新たな大気の放射能汚染により土壌の放射能汚染の状況は刻一刻と変化して行く。また最終的には、従来とは別の形での放射性廃棄物が生み出されかねない。

飯舘村では同じ問題に直面している。収穫した植物を焼けば、新たに放射能を発生させることになってしまう。現在のところ、放射性廃棄物の容量をバクテリアで減らし最終的に残ったものを処理することが想定されている。しかし全ては実験の段階だ。飯舘村の住民が自宅に戻るという可能性は、まだ「仮定」でしかない。

(一部要約・編集)

(Philippe Mesmer, « A Iitate, des tournesols dépolluent les terres devenues radioactives », Le Monde, 2011.07.19)

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