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2011年7月 5日 (火)

CRIIRAD研究所による日本訪問にかかる報告書/暫定版(2011年5月24日〜6月3日) その2

以下、「その1」に続いてCRIIRADによる報告書の内容を御紹介します。訳は、EX-SKF-JPさんのブログに掲載された「東京茶とら猫」さんの訳によります。(東京茶とら猫さんの訳のうち、下線部分については訳の微調整をさせて頂いています。小見出しは、読みやすいようにこちらで多少訳を変更させて頂きました。ご了承ください)。

<出典>
EX-SKF-JPさん掲載、東京茶とら猫さん翻訳 
<パート1>http://ex-skf-jp.blogspot.com/2011/06/ngocriirad.html 
<パート2>http://ex-skf-jp.blogspot.com/2011/07/ngocriirad.html

CRIIRADによる報告書(オリジナル、英文)
http://www.criirad.org/actualites/dossier2011/japon_bis/en_anglais/criirad11-47ejapan.pdf

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
2.汚染地域の住民に対する不十分な防護策



米国エネルギー省と日本の文部科学省が発表した公式の土壌汚染地図を見ると、半径20kmの避難区域圏外でも汚染レベルの高い地域がある。CRIIRADはいくつかの地点で地上1mの線量を計測した。

その数値を自然放射線量と比較すると、日立(福島第一原発から南100km)で2~3倍以上、郡山(西60km)で9倍、福島市(北西60km)内の学校や公園を含む複数地域で20倍、飯舘村長泥地区で130倍だった。測定後1年間のあいだに、それぞれの地域でわずか12時間、4時間、等々を屋外で過ごすだけで、住民の被曝量は年間被曝許容量の1mSvを超える。しかも、セシウム134とセシウム137が放出するガンマ線は高エネルギーなので、家や学校やビルの外の土壌が汚染されていると、建物内部の線量も増加する。

たとえば、CRIIRADが福島市内の一軒の民家で線量を計測したところ、居間の床上1mでは通常の線量の6倍、子供部屋の畳の上では4倍高かった。この家の場合、福島市内の他地域の線量も勘案すると、適切な防護策が講じられなければ子供たちの被曝量は1年間で約7~9ミリシーベルトに達するとCRIIRADは推定した。

この試算は外部被曝だけを計算したもので、汚染食物を摂取したり土壌から放射線粒子を吸い込んだりして生じる内部被曝は含めていない。日本政府は避難の目安としてICRP勧告の年間20ミリシーベルトを採用している。だが、年間20ミリシーベルトという被曝許容量は、下記の理由によりあまりにも高すぎる。



(1)ICRPは安全な基準値などないと考えている。将来的にがんで死亡するリスクは被曝量に比例し、「これを下回れば発がんしない」という閾(しきい)値は存在しない。福島第一原発の事故後最初の数日間から数週間のあいだにすでに高レベルの被曝をした人たち(大人も子供も)に対しては、以後の期間は被曝レベルを1ミリシーベルト未満に抑える必要がある。



(2)にもかかわらず日本政府は、一般に許容される発がんリスクを20倍も高めるような線量を追加で被曝しても構わないと考えている。住民にこのリスクを受け入れさせるため、政府は100ミリシーベルトまでは実際の健康影響がないとするデマを広めるキャンペーンを開始した。これはでたらめである。比較的最近の疫学研究からも、室内でラドンを吸い込むことによる被曝量と肺がんで死亡するリスクとのあいだに直接的な関連が確認されている。このリスクは年間被曝量がわずか2ミリシーベルトでも生じるものであり、これを下回れば発症しないという閾値は存在しない。



(3)年間20ミリシーベルトという基準値は主に外部被曝を念頭に置いて定められたものである。このことは、日本政府がこの数値を読み替えて1時間あたりの許容被曝量を毎時3.8マイクロシーベルト(外部被曝)と定めたことからも明らかである。これはきわめて高いレベルであり、自然放射線量(通常は約0.1マイクロシーベルト時)の約38倍に当たる。日本政府はこの数値を計算するのに、8時間を屋外で、16時間を屋内で過ごすことを前提としており、屋内の線量は屋外の線量に減衰率の0.4を掛けた数値としている。これで計算すると1日あたりの被曝量は54.7マイクロシーベルトとなり、年間被曝量は19.98ミリシーベルトになる。しかしこれ以外に、汚染された土を吸い込んだり、汚染された土を食べたり(とくに子供)、汚染地域で生産された汚染食物を食べたりする内部被曝の線量も加えなくてはならない。文科省は自身のウェブサイトに、子供が校庭にいるあいだの内部被曝の影響は全体の2.5%未満だと記載している。この値は、4月14日に13の学校の校庭で測定した数値を平均したものだが、これが正当な数値であるかどうかは独立機関の科学者によって検証する必要がある。


<備考>
CRIIRADのチームが福島県滞在中に複数の農家から聞いた話では、政府は水田の土壌の汚染レベルがキロ当たり5,000ベクレルまでであれば作付けを「許容」するという案を示しているそうだ。汚染された水田から米自体に移行する放射性セシウムは全体の10%にすぎないというのがその根拠である。

かりにそうだとすれば、その汚染地域で栽培される米の放射能量は穀物の暫定規制値であるキロ当たり500ベクレル以下となる。しかしCRIIRADが強調したいのは、あらゆる食品がそのレベルまで汚染されていたら、汚染食品を毎日1kg食べると年間被曝量は3ミリシーベルトとなり、がん死を許容できるかできないかを分ける基準値の3倍に達するという事実である。

CRIIRADの今回の訪日の目的は、放射線に対する市民の理解を高めることにより、避難や除染や十分な補償について政府や東電とより有利な交渉ができるようにすることである。[「測定器47台プロジェクト」[放射線量計計測データの集計および公表を行なっている全国の有志による団体]47プロジェクトとCRIIRADが、「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」などのNGOと協力して様々なワークショップや講演、記者会見を開催したのはそのためだ。

食品サンプルの放射線測定を独自に実施したいという「測定器47台プロジェクト」の願いを受け、CRIIRADは特別な測定器(LB200)を持参して、5月29日に福島市内で測定ワークショップを実施した。このワークショップでは、参加者が各自好きな食品を一品ずつ持ち寄り、約30品目の食品(玉ねぎ、長ねぎ、鶏肉、アスパラガス、じゃがいも、えんどう豆、大豆、豆腐など)についてセシウムの放射線量を実際に測定した。

結果は検出限界である30~40ベクレル/kgから200~300ベクレル/kgの間であった。これらの食品のほとんどは温室栽培されたと見られるので、茶葉、たけのこ、しいたけといった最も危険度の高い品目[つまり、野外で栽培されている作物]にも、汚染を防護する対策を拡大すべきである。たとえば、CRIIRADの技術者が福島市の渡利地区で「すぎな」(食べられる植物)を採取して測定したところ、セシウムが3,600ベクレル/kg含まれていた。

3.福島第一原発から新たな放射線放出が起きた場合の不十分な備えとモニタリング・ネットワークに続く)

<出典>
EX-SKF-JPさん掲載、東京茶とら猫さん翻訳 
<パート1>http://ex-skf-jp.blogspot.com/2011/06/ngocriirad.html 
<パート2>http://ex-skf-jp.blogspot.com/2011/07/ngocriirad.html

CRIIRADによる報告書(オリジナル、英文)
http://www.criirad.org/actualites/dossier2011/japon_bis/en_anglais/criirad11-47ejapan.pdf

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コメント

フランスねこさん、いつも貴重な情報ありがとうございます。

さて、昨日(7/4)のJ-castに、『千葉の劣化ウラン管理倉庫 震災コンビナート火災で「危機一髪」』という記事がありました。
http://www.j-cast.com/2011/07/04100426.html

3月11日以降、「千葉の石油コンビナート火災で、化学物質の混じった雨が降る」というチェーンメールが出回り、政府はこれを否定していましたが、噂の出所はこの件だったのですね。

今回の記事を読んでも、一応大きな被害はなかったということですが、千葉県の数ヶ所で比較的高い放射線量が観測されているので、これも疑心暗鬼になってしまいます。

Yukariさん
こちらこそ、貴重な情報をありがとうございます。しかし劣化ウラン。。怖いですね。。
CRIIRADが指摘している被曝量を計算するための基礎データについても、政府と東電がすぐに開示してくれるとよいのですが。日本の国土が汚染されたのであれば、各所でそれなりの対策を行えるような現状の周知が必要だと感じます。

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