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2011年7月 5日 (火)

CRIIRAD研究所による日本訪問にかかる報告書/暫定版(2011年5月24日〜6月3日) その3

以下、「その2」に続いてCRIIRADによる報告書の内容を御紹介します。訳は、EX-SKF-JPさんのブログに掲載された「東京茶とら猫」さんの訳によります。(東京茶とら猫さんの訳のうち、下線部分については訳の微調整をさせて頂いています。小見出しは、読みやすいようにこちらで多少訳を変更させて頂きました。ご了承ください)。

<出典>
EX-SKF-JPさん掲載、東京茶とら猫さん翻訳 
<パート1>http://ex-skf-jp.blogspot.com/2011/06/ngocriirad.html 
<パート2>http://ex-skf-jp.blogspot.com/2011/07/ngocriirad.html

CRIIRADによる報告書(オリジナル、英文)
http://www.criirad.org/actualites/dossier2011/japon_bis/en_anglais/criirad11-47ejapan.pdf

尚、最後にCRIIRAD研究書からIRSNに対する非難の言葉が記されていますが、これはフランスおよび日本で発表されているIRSNによるデータへのCRIIRAD研究所による批判を反映したものとなっています。尚、このブログでは現状に関するデータ自体が不足している現状を踏まえ、どちらの組織についても有用と思えるデータについては掲載する方針を取っていることを申し添えます。また、IRSNはCRIIRAD研究所による批判に対しそのホームページその他を通じて反論を行っており、こうした「対話」が政府研究機関とNGOの間になりたっていること、NGOが政府の発表するデータをきちんと監視する機能を担っていることについては評価に値すると考えます。

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3.福島第一原発から新たな放射線放出が起きた場合の不十分な備えとモニタリング・ネットワーク

福島第一原発では、3基の原子炉と複数の使用済み燃料プールが甚大な損傷を受けている。

東電は原子炉を「安全な状態」に戻す期限を延ばし続けている。原発からは通常レベルをはるかに上回る放射性核種が大気中に放出され続けている。このような状況であれば、継続的な放射能の大気放出の影響を評価するためのモニタリング・ネットワークは高性能で、放出量が増加した場合には警報を発してくれるものと普通は予想する。

5月30日の東電記者会見の場で、CRIIRADの研究所長であるシャレイロンは原発周辺の空気汚染モニタリングの手順について質問した。東電の説明によると、モニタリング・ポストは原発西門の一箇所にしかなく、毎日20分程度使用されるだけだという。つまり、残り98.6%の時間は原発周辺の空気汚染レベルが測定されていないことになる。CRIIRADのような小さいNGOですらフランスの5箇所にモニタリング・ポストを設置しているのに、なぜ東電が一箇所しか設置できないのだろうか。東電の回答は、資金の問題ではなく測定器のフィルターを交換することの出来る作業員が不足しているため、というものだった。

福島県県庁で、CRIIRADは県の緊急時対策担当者と面会した。空中放射線量の増加を早期発見するためにどのような測定装置を設置しているのかとCRIIRADが尋ねたところ、福島市内の空中線量モニターは原発事故によって汚染されたためにもう使用されていないとの回答があった。原発の周辺には空中線量を測定する装置のネットワークがあるが、自動操作できるものではなく、実際に誰かが行って手作業でフィルターを交換しなければならないという。そのような仕組みであるため、残念ながら測定は毎日15~20分しか行なわれていない。

担当者にもうひとつ尋ねたのは、放射性ヨウ素が新たに大放出される場合に備えてせめて安定ヨウ素剤を住民や学校に配布したのかどうか、である。そうしておけば、汚染が通告されたら住民はすぐにヨウ素剤を飲むことができる。県の担当者は、その種の決定は国が下すものなので、そのような計画はない、と答えた。

さらに担当者は、原発からの放射性ヨウ素で被曝するよりも、安定ヨウ素剤の副作用のほうがはるかに深刻だと言ったが、その情報をどこから得たのかは語らなかった。CRIIRADはそれに対し、チェルノブイリの事故を受けてポーランド政府は国民に安定ヨウ素剤を配布したが、大きな副作用は確認されていない、と伝えた。

4.CHIRIIRADから日本国民の皆さんへのお詫び

チェルノブイリ原発の事故から25年、原子力発電を行なう国家と電力会社は、原発事故の影響を低減させるために様々な手を尽くして迅速に対応できるようになっているのだろう、と普通は思う。しかし福島第1原発の事故で明らかなように、日本のような近代国家であってもそうはなっていない。事故が起きて汚染が広域に拡大すると、政府には自国の国民の安全を確保する能力もない。住民は次のよう
なきわめて難しい二者択一を迫られる。

(1)政府から「許容レベル」と宣言された汚染地域に留まる

(2)受けた被害や転居の費用や新しい仕事に対する十分な補償も得られないまま、汚染のない(または少ない)地域に逃れる

また、CRIIRADはフランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)の姿勢について日本国民の皆さんにお詫びしたい。IRSNは3月17日に発表した試算の中で、福島県近辺に住む子供の被曝量は50ミリシーベルト未満に留まると述べた。50ミリシーベルトは、日本で一時避難を勧告する基準値である。幸い、日本政府は半径20km圏内の住民の避難を決めた。けっして十分とはいえないものの、少なくとも一部の住民の安全を守ることはできた。IRSNは国の機関であるが、フランスでも原発事故が起きた場合に住民の健康保護にかかわる判断をここに任せていいのかどうか、CRIIRADは強い懸念を抱いている。(了)

<出典>
EX-SKF-JPさん掲載、東京茶とら猫さん翻訳 
<パート1>http://ex-skf-jp.blogspot.com/2011/06/ngocriirad.html 
<パート2>http://ex-skf-jp.blogspot.com/2011/07/ngocriirad.html

CRIIRADによる報告書(オリジナル、英文)
http://www.criirad.org/actualites/dossier2011/japon_bis/en_anglais/criirad11-47ejapan.pdf

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