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2011年7月 5日 (火)

CRIIRAD研究所による日本訪問にかかる報告書/暫定版(2011年5月24日〜6月3日) その1

以前御紹介したCRIIRAD研究所による調査報告書について、EX-SKF-JPさんが「東京茶とら猫」さんの訳を掲載してくださっていますので、一部訳されていなかった部分については当方の訳を追記し、全体を御紹介します(一部要約しています。また、東京茶とら猫さんの訳のうち小見出しについては、読みやすいようにこちらで多少訳を変更させて頂きました。ご了承ください)。

少し長いので、3回に分けて掲載します。

EX-SKF-JPさん掲載、東京茶とら猫さんの翻訳はこちら 
http://ex-skf-jp.blogspot.com/2011/06/ngocriirad.html

CRIIRAD研究所による報告書(オリジナル、英文)はこちら
http://www.criirad.org/actualites/dossier2011/japon_bis/en_anglais/criirad11-47ejapan.pdf

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「CRIIRAD研究所による日本訪問にかかる報告書/暫定版(2011年5月24日〜6月3日」

今回の調査で得られた暫定的結果の主なものについては、すでに福島市(5/29に講演、5/30に記者会見)と東京(5/31と6/1に記者会見、6/1に会議出席、6/2に放射線モニタリングに関する講演とワークショップ)でのさまざまな公開イベントで発表してきた。それらの調査結果とわれわれの見解を以下にまとめる。

CRIIRADの研究所に持ち帰った土や食品のサンプルの分析が終わったら、数週間のうちにより詳細な科学報告書を発表する予定である。

1.福島第一原子力発電所事故による放射能被害への適切な情報および防御策の欠如(主な調査結果)

事故直後の日本政府による対応と説明

3月12日、福島第一原発の原子炉と使用済み燃料プールは事故で損傷し、以後そこから膨大な量の放射性物質が空中と海中に放出されている。公式発表されたデータによると、空気中への放出が最も甚大だったのは3月12日から3月30日までの期間である。

日本政府は半径20km圏内に住む住民の避難を指示し、半径20~30km圏内の住民を屋内退避とした。しかしこの対策は不十分だったことが明らかになっている。



(1)20km圏外の住民についても、風向きと気象条件に応じて避難させるべきであった。風や放射性粒子が政府の施策に従ってくれるわけではない。



(2)屋内退避が有効なのは、空気の汚染が短期間で収まって放射線量が小さい場合に限られる。福島第一原発の場合、放射性物質の空中放出は数日にわたって継続した(しかも線量ははるかに低くなったとはいえ現在も続いている)。このような状況下では、屋内と屋外の空気が入れ替わることにより、屋内退避は有効とは言えない。屋内の空気も屋外の空気に匹敵するほど汚染されてしまう。



(3)安定ヨウ素剤は、放射性ヨウ素が甲状腺に取り込まれるのを減らすため、とくに幼い子供の甲状腺がんリスクを低減させる効果がある。甲状腺がんのリスクについては、チェルノブイリ原発の事故以来よく知られている。効果を十分に発揮させるためには、放射能汚染が始まる数時間前に安定ヨウ素剤を服用する必要がある。日本では、安定ヨウ素剤の配布が適切に実施されなかった。

CRIIRAD調査団が日本滞在中に得た証言から判断すると、いくつかの自治体はヨウ素剤の配布に踏み切った。たとえば三春町の町長は3月15日に住民へのヨウ素剤配布を決め、実際に飲むように指示した。福島県の当局はこの取り組みを非難した。いわき市では、担当者が3月12日からヨウ素剤の配布準備を進めていた。市は3月18日に住民へのヨウ素剤配布を実施したが、住民に対しては「当局の明確な指示があるまでは服用はしないように」と命じた。結局、ヨウ素剤の服用が指示されることはなかった。それ以外の地域(飯舘村など)で多量の被曝をした住民に対しては、今に至るまで安定ヨウ素剤は配布されていない。



(4)空中に放出された放射性物質は、放射性降下物として地面に落ち、食物連鎖を急速に汚染する。とりわけ汚染されやすいのが葉物野菜と牛乳だ。日本政府は3月18日になってようやく特別な食品検査プログラムを開始した。初回の検査では数種類の食品サンプルから多量の放射能汚染が確認された。たとえば、3月18日に茨城県で採取されたほうれん草からは、ヨウ素131が1kg当たり54,000ベクレル検出されている。

CRIIRADの試算によれば、2~7歳の幼児がこのほうれん草を200g食べれば年間被曝許容量の1ミリシーベルトを超える被曝をする。その後発表された新たな検査結果によれば、飯舘村(福島第一原発から40km北西)で採取した草からキロ当たり250万ベクレルものヨウ素131が検出された。この地域の野菜の汚染レベルは間違いなくきわめて高いものである。注目してほしいのは、2~7歳の幼児の場合、そうした食物をたった5グラム食べるだけで1ミリシーベルトを超える被曝をするということだ。

政府は3月12日の時点で迅速に、ガンマ線量計で放射性降下物が検出された高リスク地域(福島第一原発の北100kmにある女川や、南230kmにある東京も含む)の食物を食べないように勧告すべきであった。日本政府はそれをしないばかりか、そうした汚染食物を食べてもCTスキャンを1回受けるのと同程度しか被曝しないと主張した。




私たちの被曝量を計測するために日本政府と東京電力に請求すべきデータ

(以下、2.までの部分については、フランスねこによる訳を追記)

多くの日本人が、放射線被曝への防護策が無いために高い放射線被曝にさらされている現状をふまえ、CRIIRADは放射線にさらされている市民に対して、東京電力と日本政府に対し下記のデータを要求するよう助言した。こうしたデータがあれば、これら市民がさらされている被曝量をより正確に計算することができる。

(1)空気中に放出された放射性物質の完全なリスト。原子炉内には100種類以上の放射性物質が存在する。東京電力はこれまでのところ、3月19日分の大気中放射性物質濃度しか発表していない。これによれば、5種類の放射性物質しか言及されていない(ヨウ素131、132、133、セシウム134、137など)。

(2)福島原発事故が起きた後の最初の数週間の間に排出されたこれら全ての放射性物質の大気中濃度(立方メートル当たりのベクレル数)。このデータによって、次の数値を計算することが可能になる。

• 空気中の放射性物質による外部被曝量。これには、β線による皮膚の被曝と呼吸器系統の内部表面への被曝が含まれる。
• 汚染された空気を吸い込んだことによる内部被曝。

(3)風向き、降雨、降雪量を含む詳細な気象データ。こうしたデータは土壌の汚染を計算するのに役立つ。こうして計算されたデータを現状のセシウム137およびセシウム134による土壌汚染のデータと比較し、短期間にのみ存在した放射性核種の落下量を再現することができる。

(4)日本全国におけるセシウム137とセシウム137の落下状況に関する詳細な地図。現状では、文部科学省は福島原発から半径80キロの地域においてのみこうしたデータを発表している。しかし、現在の一平方メートル当たり30万ベクレル、毎時1マイクロシーベルト、といった表示データの下限よりも更に詳細な、平方メートル当たり1000ベクレル、毎時0.1マイクロシーベルト、といった詳細な汚染データを含む地図を公表すべきである。こうしたデータは食品の汚染を監視するにあたり、土壌に残留する実際の放射能汚染の度合いを考慮するのに役立つ。

「2.汚染地域の住民に対する不十分な防護策

」へ続く)

<出典>
EX-SKF-JPさん掲載、東京茶とら猫さん翻訳 
http://ex-skf-jp.blogspot.com/2011/06/ngocriirad.html

CRIIRAD研究所による報告書(オリジナル、英文)
http://www.criirad.org/actualites/dossier2011/japon_bis/en_anglais/criirad11-47ejapan.pdf

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コメント

フランス猫さま

欠けていた部分を補足してくださってありがとうございます!
自分でも、いったいなぜあそこを抜かしたのか、さっぱりわかりません。
急いで訳したので、生来の粗忽が顔を出してしまったようです。
(でも、それを気づかなかったEX-SKFさんも粗忽仲間ですね、ナイショですが・笑)

ともあれ、フランスのニュースというのはなかなか触れる機会がないので、また是非
こちらを覗かせていただきます。よろしくお願いいたします。
(お名前にも親しみを感じて、何か他人とは思えません!)

東京茶とら猫さん

御連絡ありがとうございました。
こちらこそ、この大作を翻訳して頂き本当にありがとうございました。多くの時間を費やされたのではないかと想像致します。私も当初から「重要な報告書。。」と思っていたのですが、とても全訳する余裕がなく。。重要な記事ほど、きちんとした日本語でより多くの方と共有して行くことが重要だと思っています。

同じ「猫」仲間として、今後ともどうぞよろしくお願い致します。

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