無料ブログはココログ

« フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)による「土壌の放射能汚染に関する情報の要旨」その(1)〜「汚染対策には詳細かつ広範囲にわたる汚染地図が必要」(7月13日) | トップページ | 「福島原発事故の発生から4ヶ月—汚染牛650頭に出荷停止命令」ルモンド紙/AFP(7月19日) »

2011年7月16日 (土)

フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)による「土壌の放射能汚染に関する情報の要旨」その(2)(7月13日)「梅の実の汚染は数年にわたり続く」

先に掲載した「その(1)」に続き、7月13日に発表されたフランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)による「土壌の放射能汚染に関する情報の要旨」のポイントについて御紹介します。

後半では、埼玉県を含めた広い地域で、大気、土壌、水道水の汚染が継続していることを指摘しています。また、特に汚染されている食品として梅の実、茶葉、竹の子の3つの食品をとりあげ、汚染された食品を摂取しないよう今後数年間に渡って監視が必要、と述べています。

尚、「その(1)」で言及されている詳細な土壌汚染地図の必要性は「その(2)」で述べられている食品汚染への監視の必要性と直結しています。現在公表されている福島原発周辺のみについての大づかみなデータでは、茶葉などへの汚染を引き起こすレベルの放射能汚染を特定することができない他、現在食品汚染の被害を受けている広範な地域に関する情報が網羅されていません。農家にとっても消費者にとっても、自らを守るために必要な情報の公開が求められています。

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

2.2 3月以降の土壌における放射能汚染の推移

文部科学省が発表している土壌への放射能汚染データによると、3月以降も大気中に継続して低濃度の放射性物質が見られる。これは福島原発からその後も継続して放射性物質が放出されていること、場合によっては以前放出された放射性物質が大気中に残存していること、が考えられる。

4月18日、19日の時点で福島県より南部に位置する2県で測定された放射性物質による土壌汚染の状況は下記の通りである。

茨城県 ひたちなか市 ヨウ素131: 290ベクレル/平方メートル
セシウム137: 160ベクレル/平方メートル

埼玉県 さいたま市 ヨウ素131: 368ベクレル/平方メートル
セシウム137:137ベクレル/平方メートル

その後、土壌に降下する放射性物質の量は減少しており、ヨウ素131については5月末時点においてどの県でも検出されなくなっている。6月時点でセシウムが観測されているのは、福島市、ひたちなか市、さいたま市の3つの観測地点である。


3. 食品における放射能汚染の変化

野菜類の中で、現時点においてもセシウム134と137による深刻な汚染が見られるのは、竹の子、茶葉(荒茶、製茶の両方を含む)、梅の実、の3つである。これは、原発事故で放射性降下物が放出された際(特に3月)に、竹の子や茶葉の葉が放射性降下物、特にセシウムを取り込んだために汚染されるに至ったことが考えられる。汚染は一番茶で1キロ当たり1000ベクレル、竹の子で1キロ当たり2000ベクレルを越えており、2番茶になると汚染の度合いは低下すると思われる。

尚、茶葉を使用した際に、それぞれの放射性物質が茶に溶け出す比率は下記の通りである。

セシウム137 92%
セシウム134 80%
ポタッシウム 82%

こうした茶を毎日1リットル摂取した場合、体内には一日当たり0.6マイクロシーベルト、年0.2ミリシーベルトに相当する被曝が起きる。また通常のこの種の茶を飲む際に行われている通り、6グラムの茶を300mlの湯で淹れ、放射性物質が湯に溶け出す率等を考慮に入れて計算した場合、毎日一リットルづつこうした茶を飲んだ場合、一日0.24マイクロシーベルトの被曝が起こり、年0.1ミリシーベルトに相当する被曝が引き起こされる。

しかし、こうした食品の汚染はすぐになくなるものではない。また、初物は今後数ヶ月に渡って市場に出回ることが考えられる。今後収穫されるものについても、基準を越える深刻な放射能汚染が観測される可能性がある。従って、今後数ヶ月、場合によっては数年にわたって、これらの食品群については引き続き監視を続ける必要がある(強調は原文どおり)。

梅については、3月中旬には既に花がついていたことが考えられる。直近の計測データによると、福島県でとれた梅の実におけるセシウム(134と137の放射線量を足し合わせた数値)は一キロ当たり137から700までとなっている。茶葉や竹の子と違い、梅の実については、放射能による汚染は初物に限らず、今後も続くと思われる。

他の食品で汚染が報告されているのは、椎茸、卵、牛肉、乳製品、水道水である。乳製品については、宮城、埼玉、栃木、群馬の各県で、一リットル当たり0.34(群馬、6月29日現在)から42ベクレル(栃木、6月22日)までの間で汚染が観測されている。水道水については、埼玉県でセシウムが観測されている。(了)

<出典>
IRSNによる「福島原発事故によって起きた日本の土壌環境における放射能汚染に関する情報要旨」

http://www.irsn.fr/FR/Actualites_presse/Actualites/Documents/IRSN-NI_Fukushima-Consequences_environnement_Japon-13072011.pdf 

<参考>
IRSNによる「福島原発事故によって排出された放射性降下物による海洋への影響に関する最新情報の要旨」

http://www.irsn.fr/FR/Actualites_presse/Actualites/Documents/IRSN-NI-Impact_accident_Fukushima_sur_milieu_marin_11072011.pdf 

« フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)による「土壌の放射能汚染に関する情報の要旨」その(1)〜「汚染対策には詳細かつ広範囲にわたる汚染地図が必要」(7月13日) | トップページ | 「福島原発事故の発生から4ヶ月—汚染牛650頭に出荷停止命令」ルモンド紙/AFP(7月19日) »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)による「土壌の放射能汚染に関する情報の要旨」その(1)〜「汚染対策には詳細かつ広範囲にわたる汚染地図が必要」(7月13日) | トップページ | 「福島原発事故の発生から4ヶ月—汚染牛650頭に出荷停止命令」ルモンド紙/AFP(7月19日) »