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2011年9月 7日 (水)

「ルーマニア、サリニー:放射性廃棄物の貯蔵施設建設に揺れる村」ルモンド紙(9月6日)

東欧ルーマニアの奥深くに位置する、ごくありふれた村、サリニー。雑草だらけの道。水道も電気も、ここには通っていない。黒海のすぐ近くに位置するこの田舎町は、10キロほど離れたところにあるチェルナボーダ原発から出る放射性廃棄物を、地下深くに迎えることになっている。


8月2日、村長は放射性廃棄物処理機構が提案する廃棄物処理施設の建設計画に同意した。しかし、福島で起きた日本の原子力発電所事故の記憶は、農民たちを苦しめている。


「私たちは村のすぐ横に本物の爆弾をかかえてるんだ。」
サリニーの住民、フロラン・ゲオルグは言う。
「チェルナボーダの二つの原子炉にもしものことがあったら。日本で起きた事故よりもひどいことになる。」


村長のガブリエル・タトゥレシュクは村人たちのように心配してはいない。
「(放射性廃棄物の処理場を受け入れれば)たくさん有利なことがあります。道路も上水道も下水道も、電気もつきます。」
村長は強調する。
「私達は簡単には折れません。この地区のために最大限の施設を手に入れられるよう交渉します。どちらにしても、村人による意思決定のための一斉投票をやるつもりです。」


貧しいが歴史あるこの村は、19世紀にまで遡るその歴史を誇りにしている。19世紀末に橋や車道建設の先駆者となったアンゲル・サリニーは、チェルナボーダに橋を建設した。しかしルーマニア政府は廃棄物処理場の建設に3.4億ユーロ(約370億円)の予算を見込んでいる。


「村人たちは処理場が頑丈で安全であることを理解すべきです。私たちは将来の世代に危険な場所など残しません。」
放射性廃棄物処理機構の所長であるイオン・ナスタシェスクは言う。しかし、村人たちは諸手を挙げて賛成しているわけではない。


「僕は反対だ。」
村人のミルセア・イオンは言う。
「原発のせいでもう十分ひどい目に遭ってるんだ。木には実がならなくなったし、庭はだめになった。子どもたちは原発のせいで体を壊している。(処理場を作ろうとする人たちは)放射性廃棄物のゴミ箱と一緒に悪魔のところへ行けばいい。」


福島で起きた大惨事にもかかわらず、ルーマニア政府は今後数十年にわたる原子力事業を見直す気配はない。民間セクターと合同で今後チェルナボーダに更に2基の原子炉を建設することを予定している。

(一部要約)

(Mirel Bran, « La Roumanie veut se doter d’un centre de stockage de déchets radioactifs », Le Monde, 2011.09.06)

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