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2011年9月30日 (金)

「食品の汚染に注意」在日フランス人向け公報・IRSN(9月22日)

フランス放射線防護原子力安全研究(IRSN)は9月22日、日本在住のフランス人向けに「福島第一原発事故に関する公報(7)」を発表しました。福島県をはじめとする4県(茨城、栃木、福島、宮城)周辺における放射能汚染への注意喚起については前回の公報(6月8日)の内容からは大きく変わっていませんが、今回は特に食品汚染の広がりに対する注意喚起が中心となっています。

尚、本公報はフランス政府が自国民あてに発表しているものではありますが、一般の目に触れることを意識し日本政府への外交的配慮のもとに作成されています。「日本政府による放射能汚染の基準」に多く言及しているのは、こうした配慮の表れと見ることができます。また、一部の食品については、本公報に記載されているものより高い汚染が既に公表されていますが、発表当時の原文そのままの訳とさせて頂きました。ご理解の上、お読みいただければと思います。

(以下、食品汚染および提言の部分を中心に要点のみまとめました。)

1. 食品汚染の状況

今日、放射能による汚染の可能性があるのは次の食品群である。

・ 放射性降下物が降った3月の時点で葉がついていた植物からなる食品類(例えば、茶、柚子、刺のある小低木になる果実類)、および事故当時に花が付いていた果実類(梅、桃、あんずなど)。

「刺のある小低木になる果実類」にはブルーベリー、ラズベリー、レモンなどが含まれます。参考写真はこちら
http://www.google.co.jp/search?q=arbuste+épineux&hl=ja&client=safari&rls=en&prmd=imvns&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ei=F7iFTrzzBoncmAXKyfUE&ved=0CB4QsAQ&biw=1259&bih=636


・ 汚染された土壌で育成された野菜類

・ 汚染された草や藁で育成された動物による食品(特に、牛乳および肉)


海産物については、海底に蓄積した放射性物質が海藻類や魚介類への汚染を引き起こしている。
8月1日以来、下記の食品についての汚染が報告されている。

・ 福島県において育成された、柚子・かりん・イチジクなどの果物

・ 千葉県および群馬県で生産された茶葉

・ ワカサギ、エイ、メバル、マコガレイなどの海の魚、および福島県にある真野川で取れた鮎などの川魚(注:「キュリウオ類」については「ワカサギ」に該当すると思われますので、記載を修正しました。本来は川魚ですが、間違って海魚に分類されているようです。フランスにはいない魚なのでしょうか。以下、同様です。)

・ 海藻、ウニ

・ 福島県の杉茸原木栽培によるナメコ、チチタケなどのキノコ類

・ 福島、宮城、岩手、栃木、秋田県産の牛肉、およびイノシシ肉


米については、福島県と茨城県産の米について低い濃度のセシウムによる汚染が見つかっている。

・ 福島県産の米については、現在に至るまで、福島第一原発から50〜100キロ地点にある田から収穫された米についての9件の検査しか行われていない。このため、福島県産の米の汚染度については判断することができない。

・ 日本政府は土壌におけるセシウムの汚染が1キロあたり5000ベクレル未満の場合にのみ稲作を認めている。国際的な文献によれば、このレベルの汚染がある土壌から籾(もみ)に移行するセシウムの最大値は理論上1キロあたり300ベクレルとされている。しかし、事故が起きた原子力発電所の近辺で栽培された籾に理論値以上の汚染度のものが現れる可能性は否定できない。

・ 米における放射能の汚染は主に籾殻(もみがら)に溜まる。従って、白米への精製の過程で汚染度はより低くなる。

・ 一般に、米は精製の過程で種々のものが混ぜられるため、汚染度の検査を受ける段階での白米は異なる田から収穫された米が混ざったものである可能性がある。このため、米全体の汚染度は下がる可能性がある。

・ 栗やその他の食品について、日本における食品の汚染基準に近いレベルでの汚染(1キロ当たり500ベクレル)が見つかっている。

・ 以前、基準値を超える汚染が見つかったタケノコや梅についての検査結果は発表されなくなっているが、生、乾燥、缶詰などの形で市場に出回る可能性がある。


2. 日本に住むフランス人一般への食品についての勧告

食品への放射能汚染は低下してきているが、福島第一原発における事故によって発生した放射性降下物の被害を強く受けた県においては、引き続き厳重な注意が必要である。IRSNは下記を勧告する。

・ 3月11日以降、基準値を超える放射能汚染が見つかっている県(福島、栃木、茨城、宮城、群馬、埼玉、東京、神奈川、千葉の各県)で生産された、柚子やイチジクなどの果物、およびキノコ類を避ける。もしくは、汚染度が基準値を超えないことが確認されている食品のみを摂取する。

・ 缶詰や乾燥食品などの保存食のうち、特に茶、タケノコ、梅を含む食品については、生産日が原発事故の発生前であることを確認する、もしくは出荷制限のかかっている地域外で生産されたものであることを確認してから摂取する。

・ 生産地や放射線濃度が分からない食品については、日常的な摂取を控える。

・ 穫れたばかりの生産物は市場に出たばかりで汚染値に関する検査が発表されていないことから、摂取をさけること。

・ 海産物については、特にイカナゴ、ワカサギ、エイ、メバル、マコガレイなどの海魚、および鮎、鮭などの川魚、海藻、その他の魚介類について、汚染度が基準値を超えていないことを確認する、もしくは西日本の海でとれたものであることを確認してから摂取すること。

・ 牛肉については、検査を経たもののみを摂取する。また、可能な限り生産者が全ての製品について検査を行っている質の高い肉を選ぶこと。


3. 放射性降下物の影響が最も高い地域(福島周辺の4県)に渡航する可能性のある者への勧告

・ IRSNは、宮城、茨城、栃木、そして特に福島県が福島原発事故による放射性降下物の深刻な被害を被ったと考えている。立ち入り禁止区域を除く福島、宮城、茨城、栃木については、業務上の渡航および重要な所用がある場合には、下記の注意事項を全て遵守することを条件に渡航することができる。しかし不要に放射能による被曝を受けることを避けるため、趣味や旅行などの重要な所用以外での渡航は控えること。

・ 日本政府が立ち入りを禁止している、福島原発から半径20キロメートルの地域、及び葛尾村、浪江町、飯舘村、川俣町、南相馬市等に立ち入らないこと。


4. 宮城、茨城、栃木、福島の4県に居住するフランス人への勧告事項

・ 汚染度に関する検査が実施されていない自宅の家庭菜園から収穫した野菜や、家庭で飼っている家畜動物を食用に用いるのを最大限に控える。

・ 土壌に触れた野菜や果物については、食べる前に注意してよく洗うこと。

外部から建物の内部に汚染物質を持ち込まないよう、家庭での衛生状態を良好に保つようつとめること。特に、下記に注意する。

・ 雨の日は靴を家の中に持ち込まない。

・ 濡れた雑巾で床を定期的に拭く。

・ 家具、カーペット、敷物の表面に定期的に掃除機をかける。掃除機の中袋を定期的に交換する。

・ 無意識に手が口に触れて汚染が起きないよう、ポンプ式容器に入った液体石けんで手を定期的に洗う。

・ 幼い子どもが遊んでいて戸外の土や砂を口にいれないよう、常に見張っていること。


IRSN「福島第一原発事故に関する公報(7)」 9月22日号(仏文)

http://www.irsn.fr/FR/Actualites_presse/Actualites/Documents/IRSN_Residents-Japon_Bulletin7_22092011.pdf

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コメント

大変参考になりました。ありがとうございます。原発事故以前と以後は、見た目は同じでも、多くの国土がまったくちがう国土になってしまったという事実を冷静に受け止めて、子供達の健康を守るため、個人レベルでも、頑張っていかなくてはいけないのだと思います。長い道のりですが。

カルメンさん
ご無沙汰しています。お元気でお過ごしでしたでしょうか。
原発事故で私たちの国土が全く違ったものになってしまった、というのはおっしゃる通りだと思います。また、事故を起こした企業、国民を守り企業を指導する立場にある行政、個人、のそれぞれに違ったレベルでの責任があると思います。企業や行政がきちんと責任を果たして初めて個人の努力が生かされる側面があり、日々の生活では可能な限り自衛しつつも、手遅れにならないタイミングで企業や行政が責任を果たすよう、声をあげてゆく必要があると思います。長い道のり、一緒にがんばりましょう。

「福島」(他の3県も含む)とひとくくりにする姿勢は、間違いだと言わざるを得ません。しかし残念ながら、きめ細かい区別をフランスに求めようもございません。
フランスの今回の指針は、チェルノブイリ時、輸入食品に非常に厳しくした日本、疑わしきを遠ざけた日本人とまったく同じ構図ですよね。

そのフランスのやり方を、日本国民が踏襲するならば、それは福島(他の3県を含む)の第一次産業を殺すことだということは、皆様が自覚された方がよいかと存じます。
地続きの福島に対し、完全な外国人としての態度をとれるのか、否か、その方の生き方の問題でしょう。

また、国や東電だけでなく、だれもが責任があるし、やれることはあると私は思っております。

今後も、フランス紙の発信を、お待ちいたします。ありがとうございました。

原発反対派です。
いつも情報をありがとうございます。
転載させてください。
今、国が情報を開示しないこの状況で、必要な情報は、どんどん拡散されるべきだと思うからです。

Kさん

コメントをありがとうございました。福島に強い繋がりを持っていらっしゃるKさんなら、どんな風に考えられるだろう、と思っていたところでした。複雑な問題が多く絡み合っており、私も各々の記事についていろいろと考えるところがありますが、みなさまの考える足しになれば、と考えて、できるだけ記事の内要がそのまま伝わるような訳になるよう心がけて掲載させて頂いています。これからもコメントをお寄せ頂ければ幸いです。今後ともどうぞよろしくお願い致します。


原発反対派さん

御連絡ありがとうございます。このブログにある記事の転載・リンクは御自由です。どうぞ御自由にお使いください。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

ご苦労様です。こういう翻訳で助かる人もたくさんいると思います。

éperlan ですが、これがキュウリウオ科の魚類として、ワカサギ、シシャモ、キュウリウオなどが含まれるようです。調べてみたのですが、ワカサギは基準値越えが報告されていますが、シシャモは ND、その他、カラフトシシャモ、キュウリウオ、チカなどははそもそも検査なしのようです(あまり食用にしない)。ワカサギは淡水魚ですが、IRSN が海産と誤認したのではないでしょうか。

通りすがりさん

コメントをありがとうございました。
改めて確認致しましたところ、おっしゃる通り「ワカサギ」が該当するのではないかと思います。詳しく調べて頂きありがとうございました。

はじめまして、いままで自然の山歩きや森林浴など環境保全のサイトを十年間もやっていて、3.11がおこりました。特に尾瀬にちからをいれていたのですが、十月はじめの政府のモニタリング結果でも栃木、群馬の汚染がひどく、もはや尾瀬ハイキングどころではないとおもいます。いまおもうと、カーボンオフセットとか、二酸化炭素とか、こうした問題は原発推進から眼をそらすための戦略ではなかったかと勘ぐってしまいますね。それが一般自然の反応でしょう。さらに、3.11のあと、まったく情報が公表されずに政府自身が放射線被曝の第二次災害を引き起こしているこの現状は、先の大戦以上にひどいものじゃないでしょうか。戦争時は味方をおもてだっては殺戮しなかったでしょう。もちろん沖縄戦では民間をそして南方では軍隊をみごろしにはしていますが、こんにちのようなあからさまな見殺しはなかったとおもってしまいます。こうなったら外国の民主的情報を頼っていくしかないですね。このブログには感謝しています。ありがとうございます。

初めまして、とても参考になりました。
ミクシイ内のブログに転載させていただいてよろしいでしょうか。
それと、ご指摘にあったとおり、éperlan japonaisは料理用語ではワカサギ。
間違いないと思います。海の魚との誤解でしょうね。

ネイチャルさん

コメントをありがとうございます。私もいつか尾瀬にハイキングに行きたいと思っていたのですが。。残念です。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。


hirominkokさん

御連絡ありがとうございます。転載・リンクは御自由になさってください。
「キュリウオ」の記載については、注釈とともに「ワカサギ」と追記・修正させて頂きました。フランスにはこの魚はいないのかもしれませんね。これからもどうぞよろしくお願い致します。

大変ためになりました。
mixiに転載させてください。
たくさんの「迷えるママ友」たちにも読んでほしいと思うので

はじめまして。
とても参考になる記事の掲載ありがとうございました。
拙サイトでも転載させていただきたいと存じます。
(NGであればお知らせいただきたく)

yasuさん、inagakiさん、

コメントありがとうございます。
転載・リンクは御自由にどうぞ(他の皆様も、転載されたい方はどうぞ御自由になさってください)。

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