無料ブログはココログ

« 「ベルギー、2015年より原発を廃止」/リベラシオン(10月28日) | トップページ | 原発輸出の最前線(4)「インド・ジャイタプールの原発反対運動」その3/ルモンド・ディプロマティーク(4月19日) »

2011年11月 2日 (水)

原発輸出の最前線(3)「インド・ジャイタプールの原発反対運動」その2/ルモンド・ディプロマティーク(4月19日)

10月29日、野田首相は訪日中のインド外務大臣に対し、12月頃を目処にインドを訪問したい意向を伝えました。背景には、福島原発事故の発生により頓挫していた原子力協力協定(原発輸出や技術協力の前提となる協定)締結を加速させたい両国の思惑があります。

昨年12月、フランスのサルコジ大統領はアレバ社の社長(当時)とともに、ジャイタプール原発の建設加速に向けインドを訪問しました。フランスとインドが進める「世界で最も安全」な「最新型」の原発建設計画については、科学者からも疑問の声があがっています。

フランスによるインド訪問の1年後、野田首相もまた、同じ道を行くのでしょうか。

「原発輸出の最前線、インド・ジャイタプール(1)」に続き、インドの西海岸ジャイタプールに再び目を向けたいと思います。前回その一部を掲載した「インド・ジャイタプールの原発反対運動」の続きを掲載します。

(もうこの記事を読んでしまった方、ごめんなさい。大事な記事ですので、読んでいらっしゃらない方向けに掲載します。)
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

「インド・ジャイタプールの原発反対運動」

プラフル・ビドワイ(Praful Bidwai、ジャーナリスト、ムンバイ在住)
訳:木田剛(ルモンド・ディプロマティーク日本語・電子版2011年4月号)

<前回のお話はこちら>
http://franceneko.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/2419-fb00.html


3. 原発のリスクと「金めっき」の電力

 原発反対派は、この計画が住民の必要性から出てきたものではないと主張する。放射性物質が日常的に排出されることを心配する。フクシマのような惨事への懸念は言うまでもない。北部ラジャスタン州の原発や東部ジャルカンド州のウラン鉱山の周辺ではがんや先天性欠損症の発生率が異常に高いことも、スレンドラ・ガデカルのような政府から独立した国内研究者のデータを通じて住民たちは知っている。数世紀にわたり、危険の消えない高レベル放射性廃棄物が施設内で生み出され、貯蔵されることも不安の種だ。

 「頭が小さかったり、足が無かったりする子供や孫が生まれてくるのは嫌だ」。地域最大の村マドバンに住むプラヴェーン・ガヴァンカルはこう語り、計画に反対することが「われわれの生活と五体の満足を守る唯一の方法だ」と言う。

 原発の抱えるリスクや費用について、村人たちは数年がかりで調べてきた。アレヴァがフィンランドで進めるEPR型原子炉、オルキルオト3の計画が難航していることも、ガヴァンカルは知っていた。チェルノブイリ原発事故後に欧州で初めて着工された原子炉だが、いまだに工事が続いている。工期は42カ月遅れ、予算は90%超過し、アレヴァと現地電力会社が泥沼の訴訟で争っている。もともとは、建設費は30億ユーロで確定、欧州で初めて「市場原理に基づいた」原発計画という触れ込みだった。超過費用を誰が払うかの決着は付いていない。

 ガヴァンカルは憤慨する。「インドの恥さらしだ。どこでも試されたことも、認可を受けたこともない。フィンランド、英国、米国、さらにはフランスの検査官が、3000件あまりの安全上の問題点を指摘している。そんな原子炉を輸入するだなんて」。原子力省の下で原発施設の安全性検討に当たる機関、原子力規制委員会(AERB)のゴパラクリシュナン前委員長の発言もそれを裏付ける。「EPRは規模が大きいため、大量の中性子が生成される。ヨウ素129など腐食性と有害性のある放射性核種が、通常の50万から100万キロワット級よりも大量に生み出され、放射能漏れが起きた場合には、燃料棒の健全性にも住民の健康にも多大な影響を及ぼす。EPRには極めて深刻な安全性の問題があるようだ。インドには、この技術の評価と安全性認証をできるような機関はないのではないか。少なくとも原子力規制委員会にはそうした能力はない」

 インドの原発で用いられているのは、米国やカナダ、近年ではロシアから輸入した型の原子炉だ。ゴパラクリシュナンによれば、EPRの初期投資コストは(オルキルオト3の価格に上乗せがなかったとしても)1000キロワット当たり2億ルピー(約3億6000万円)を超える。国産炉なら8000から9000万ルピー(約1億4000万から1億6000万円)、石炭火力発電所なら5000万ルピー(約9000万円)に収まるところだ。「EPRは『金めっき』の電力を生産し、下流産業を破綻に追い込むだろう。さらに悪いことに、インドは当初、技術を獲得済みのカナダ式天然ウラン重水炉を原発計画の中心に据えていたのに、この方針を転換することになる。EPR路線の採用は、軽率で非合理的ではなかろうか」とゴパラクリシュナンは語る。この見解は原子力委員会のイエンガル元委員長をはじめ、他の有力な原子力関係者にも共有されている。

(続く)

この記事は、ルモンド・ディプロマティーク日本語・電子版のサイトからは既に削除されていましたので、リンクは張っていません。フランス語版の出典記事はこちらです。
http://www.monde-diplomatique.fr/2011/04/BIDWAI/20396

« 「ベルギー、2015年より原発を廃止」/リベラシオン(10月28日) | トップページ | 原発輸出の最前線(4)「インド・ジャイタプールの原発反対運動」その3/ルモンド・ディプロマティーク(4月19日) »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 「ベルギー、2015年より原発を廃止」/リベラシオン(10月28日) | トップページ | 原発輸出の最前線(4)「インド・ジャイタプールの原発反対運動」その3/ルモンド・ディプロマティーク(4月19日) »