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2011年11月 2日 (水)

原発輸出の最前線(5)「インド・ジャイタプールの原発反対運動」その4/ルモンド・ディプロマティーク(4月19日)

ルモンド・ディプロマティークによる記事の最終回です。長い記事ですが、各節に多くの情報が凝縮されています。ゆっくりどうぞ。

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「インド・ジャイタプールの原発反対運動」

プラフル・ビドワイ(Praful Bidwai、ジャーナリスト、ムンバイ在住)
訳:木田剛(ルモンド・ディプロマティーク日本語・電子版2011年4月号)


5. 社運をかけたロビー攻勢

 原発反対派の団結を崩そうと、マハラシュトラ州政府は宗教まで持ち出した。ムスリムの利害は多数派のヒンドゥー教徒とは一致しないと吹聴して、イスラム指導者たちを賛成に回らせようとしているのだ。最近では、高名な市民が相次いで現地入りを阻止された。元最高裁判事や元海軍元帥、共産党書記長、社会科学系の著名な研究者などだ。州政府は3月上旬には、現地で予定されていた民衆法廷の公聴会を禁止し、参加予定の法律家1名を含む活動家数名に退去命令を出した。

 「ジャイタプールはアレヴァの存続に関わる案件だ。アレヴァは経営危機に陥っており、大量の資本投下を必要としている。ジャイタプールの計画が流れれば、経営危機はさらに深刻になる。だから同社は、住民の意に反して計画を続行するために、インド政府に猛烈なロビー攻勢をかけている」。同社の軌跡を追ってきた物理学者ヴィヴェク・モンテイロはこう解説する。

 インドの環境大臣が原発建設に「環境上のゴーサイン」を出したのは、サルコジ仏大統領のインド訪問を間近に控えた2010年11月26日のことだった。他方、インド政府は、同年10月に原発事故時の外国企業の責任を規定した原子力損害賠償法を可決させている。アレヴァが大きな圧力をかけていた法案だ。原発関係者の念頭には、1984年にボパールで起きた化学薬品工場の爆発事故があった。少なくとも2万人の死者が出たが、犠牲者にはいまだに賠償金が支払われてはいない。

 ジャイタプールの原発計画にかかっているのは、アレヴァの採算だけではなく、原子力分野における世界の主導権争いだ。新星のインドと中国は、国内のエネルギー生産を原子力によって3倍、4倍に引き上げるつもりでいる。もし両国の原発計画が頓挫すれば、原子力産業の世界的凋落が一気に加速することになろう。

(了)

この記事は、ルモンド・ディプロマティーク日本語・電子版のサイトからは既に削除されていましたので、リンクは張っていません。フランス語版の出典記事はこちらです。
http://www.monde-diplomatique.fr/2011/04/BIDWAI/20396

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コメント

フランスねこさま
ディプロ日本語版の和訳記事がもうない、という意味かと思ってコメントしたんですが、原典が削除されているという意味だったのですね。失礼しました。本家ディプロで検索したら出てきましたよ。こちらです。

http://www.monde-diplomatique.fr/2011/04/BIDWAI/20396

今後もよろしくお願いします。

midiさん、こんにちは。
いつもありがとうございます。早速記事に反映します。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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