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2011年11月23日 (水)

福島原発事故から8ヶ月―IAEAが提言する「効率的な除染」は可能か?/IAEA(11月16日)

国際原子力機関(IAEA)は11月15日、日本政府による福島原発20キロ圏外における除染への提言を、81ページの調査報告書として発表しました。この報告書は、IAEAが10月7日から15日にかけ派遣した調査団の報告に基づいたものです(一部公表済み)。日本政府による除染の努力を認めつつも、たまり続ける大量の放射性廃棄物の処理に不安を示し、「効率性」を重視した除染へと更なる改善を求める提言を行っています。

原子力の推進を任務とするIAEAは、原子力産業との強い結びつきをかねてから指摘されてきました。従って、今回の報告書の内容についても精査の必要があります。また、今回の提言と矛盾する事実や指摘も、チェルノブイリ原発事故後に専門家が行った報告等に複数見られます。しかし、日本政府による今後の除染政策に大きな影響を与える提言の一つとして、今回その要旨を御紹介します。
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1. 除染の対象地区
・ 除染の対象となっているのは、次の二種類の地区である。なお、本報告書が調査の対象としたのは福島原発から20キロを超える地域である。

➢ 年間被曝量が20ミリシーベルト以上の500km2
➢ 年間被曝量が5〜20ミリシーベルトに上る1300km2


2. 日本政府の取り組みと進捗
日本政府は福島原発事故の被災者を対象とした除染プログラムにおいて子どもを優先した活動を実践している。学校の除染については、生徒の親を中心としたボランティアによって除染が実施されており、効果的な自助努力と評価する。


3. 改善に向けた提言

● 除染については、(限られた投入により)最大限の放射線量低減を実施することを念頭に、慎重になりすぎないことが望ましい。また、特段の放射線防御手段を必要としない廃棄物については、「放射性廃棄物」と分類することを避けることが重要。日本政府は、現実的かつ信頼に足りる形での放射性廃棄物の廃棄承認レベルの上限について再検討すべき。承認レベルを満たす廃棄物の残骸については、建設資材に混ぜるなどしてリサイクルが可能である。

<参考>20年以上にわたり水と土壌の除染を研究するべラルーシのソスヌイ研究所 ユーリー・ダビドフ研究員
「最も簡単で効果的なのは、当時も今も、表土をはいで人の少ないところに持って行くこと。でも、畑や森林など広い面積には対応できない。経済的に見合わないから。」
(朝日新聞 11月23日「汚染大地から チェルノブイリ原発事故25年(上)森も畑も除染断念」)

● 都市部の廃棄物については、大部分の放射線量は比較的低いと考えられることから、一時的、もしくは中間貯蔵庫を設置することを検討すべきと思われる。産業廃棄物については、自治体による既存の施設を活用すべきである。

<参考>現在日本政府が焼却可能としている「1キロあたり8000ベクレル」という放射能汚染の基準については、「米国であれば放射性廃棄物と定義され、燃焼させるには危険なレベル」と一部の海外の学者から指摘されている。

「ガンダーセン博士 8月21日 がれき 焼却で 汚染拡大 」
http://www.youtube.com/watch?v=LoEC7Tph9OM

● 計画的避難区域については、市民が区域に立ち入り不要な被曝を受けることを避けるため、明確な標示を行うべき。

<参考>「計画的避難区域」
http://www.meti.go.jp/press/2011/04/20110422004/20110422004-5.pdf

● 森や比較的外部被曝が少ないと思われる地域については、被爆線量を下げるのに最適な除染対象箇所にフォーカスをあてるよう留意すべき。

● 来年以降の収穫期には、汚染された地域の農業生産に関する現在のような慎重な態度を改めるべき。

<参考>チェルノブイリ原発事故から数年がたっても、周辺地域での生産物には強い放射能汚染
デビル-カベリンG.他『農業における対策:チェルノブイリ事故後15年における効率の評価とその教訓』(2001年キエフ国際会議のプロシーディング)(国連人道問題調整部、ニューヨーク(2001)118-128、翻訳責任:国際医療福祉大学 鈴木元)(国立保健医療科学院生活環境研究部によるサイトに掲載されています)http://trustrad.sixcore.jp/kiev_proceedings.htmlfd

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●IAEAによる報告書はこちら(英文)
« Final Report of the International Mission on Remediation of Large Contaminated Areas Off-site the Fukushima Dai-ichi NPP » (7 – 15 October 2011) http://www.iaea.org/newscenter/focus/fukushima/final_report151111.pdf 

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