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2012年1月

2012年1月30日 (月)

コリンヌ・ルパージュ元フランス環境相からの緊急メッセージ「福島のお母さん方、そして枝野大臣へ」/EcoEchange France(1月28日)

枝野幸男経産相は1月24日、原発利用の廃止を求め130日以上にわたって経済産業省の建物前で座り込みの抗議行動を続けてきた日本市民らに対し、退去命令書を送付しました。市民らによるテント村「テントひろば」は、原発廃止に向けた署名活動や情報交換の要所として活用されてきました。しかし、経済産業省は火気の扱い等に不安があることを理由に退去を求めています。

<参考>「"脱原発テント村"退去期限迫る!」ニコニコニュース(1月27日)
http://news.nicovideo.jp/watch/nw185973

テント村が危機に瀕していることを耳にしたフランスの元環境相コリンヌ・ルパージュ氏は1月28日、抗議を続ける福島県の市民、および枝野経済産業省大臣に対し緊急メッセージを発表しました。

コリンヌ・ルパージュ元環境相によるメッセージ(動画、日本語字幕付き)
http://www.youtube.com/watch?v=9vCMMSQmy5M&feature=player_embedded

「枝野大臣、私は大臣の感受性の高さを理解しています。私たちは(...)大臣が何とか苦境に持ちこたえることを心から願っております。」
「日本が大惨事を経験した後、世界にお手本を示してほしいのです。(...)私たちは日本がどんな結論を出すのか、非常に注目しています。」

ルパージュ氏は環境相時代から積極的に原発問題に取り組み、昨年9月には福島を訪問しました。日本はどんな答えを出すのでしょうか。

(この情報はユキさんより御紹介頂きました。ユキさん、ありがとうございました。)

2012年1月28日 (土)

原発労働者を裏切り続ける日本政府(2)―「女は売春、男は原発」/Rue 89(1月15日)

前回に引き続き、Rue 89紙のティエリー・リボー記者が昨年12月に行った「なすび」さんへのインタビューの第二回目を御紹介します。

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●原発で働く日雇い労働者たちはどこからやってくるのでしょうか。

さまざまなところからやってきます。他分野が専門の人たちもいます。しかし大多数は仕事が無い地方からやってきます。原子力という分野では特定の資格や適正を持った人をそれほど必要としません。だからこそ、この分野で働く労働者たちは差別を受けるのです。

こうした労働者たちを集めるシステムは、売春婦の雇用体系に似ています。やくざが仕事の無い女性たちを売春に追いやり彼女たちの仕事を管理するように、やくざは男たちにこう言うのです。

「原発へ行け」

と。女性の場合は売春で、男性の場合は原発です。そしてフェミニストたちが性産業で働く女性たちを支援しないように、労働組合もまた、原発で働く男性労働者たちを支援しません。


●やくざはどんな役割を演じているのでしょうか。

19世紀の末以来、(日本の)労働界では表と裏の世界が存在してきました。裏の世界を支配するのがやくざです。19世紀の末、日本政府は国家の近代化という目的のもと国土の開発と整備を行うため、産業界および暴力団と手を組みました。国は社会の底辺層から輩出される労働者たちを手配する暴力団の働きを必要としたのです。

原子力はこうした慣行が行われている分野の典型です。政府と東京電力は公式には2次請け、3次請けまでしか下請けは無いと言っています。でも実際には8次・9次にまで下請けがなされていることをよく知っています。このように国と東京電力は、暴力団を介した労働者の雇用が行われていることを全面的かつ暗黙のうちに認めているのです。たとえそれが、当然ですが、法律で禁止されているとしても、です。

私たちが関連省庁と(原発労働者を守るための)交渉を行う中で、これら労働者の雇用手続きについて多くの情報が明らかになってきました。原発労働について記事を書いた記者もいます。政府は(もはや)暴力団が原発労働者の雇用にかかわっていることを否定できません。

でも私たちが現状を調査するよう政府に求めると、政府は「東京電力に調査するよう指示した」「でもその結果は『暴力団の関与はない』というものだった」と反論します。政府は東京電力のこんな回答を真に受けて、これまで一度も公式の調査を行って来ませんでした。

(昨年)4月、政府と東京電力は福島原発事故後の復興事業に非合法組織が参加するのを防止するための委員会を設置しました。背景にあるのはこんな理屈です。「今までやくざが公共事業に関わったことはなかった。しかし今やくざは復興事業に参入したい意向を示している。だからこれを防止しなければ。」

この論理で、国は自らがやくざと闘っているかのように見せかけて自分の体面を守ることができます。でも実際にはやくざは既にいるんです!このように、国は原発で働く労働者たちを裏切っています。


●原子力産業で働く労働者たちの中で労災に遭う人はいますか?

日本の原発は1966年に稼働を始めました。以来、50万人の労働者がこの分野で働いて来ました。その中で労災事故の申請を行ったのは、たったの20人に過ぎません。そしてそのうち10名の申請が認められています。

昨年6月まで、厚生労働省は決してこうした数字を公表してきませんでした。私たちが交渉する中で初めて明らかにされたのです。正確に言えば、7件の労災申請が認められていることが分かりました。そしてあとの3件については、厚生労働省が申請を行った労働者本人に(労災が認められたことを)全く通知していないことが分かったのです。

労災を申請するには、労働者は原則として働いた期間を証明する書類を提出しなければなりません。でも雇用者がそうした証明書類の提出を拒むことがあります。

労働者が強く書類を要求すると、会社側はしばしば労災証明を出す代わりに6百万円から3千万円の間での示談金の支払いを持ちかけます。


●こうした示談は多いのでしょうか。

たくさんあります。そして労働者たちがこのような示談を受け入れると、そのことを口外しないよう約束させられます。こんな風に労災が隠されているために、原子力のせいで亡くなった労働者は一人もいない、と豪語する政治家が現れるのです。

(続く)

(Thierry Ribault, « Nucléaire au Japon : « L’Etat est un traître pour les travailleurs », Rue 89, 2012.01.15)

http://www.rue89.com/rue89-planete/2012/01/15/nucleaire-au-japon-letat-est-un-traitre-pour-les-travailleurs-228381

2012年1月26日 (木)

原発労働者を裏切り続ける日本政府(1)―隠される差別と搾取の現実/Rue 89(1月15日)

福島原発事故直後の高度放射能汚染の中で事故処理にあたり、「フクシマ・フィフティー」と賞賛された原発作業員たち。日本政府はこれまで原発労働者にどのように接して来たのでしょうか。

仏リベラシオン紙の元記者たちが2007年に立ち上げたRue 89紙。マルクール原子力施設で起きた爆発事故の際には、事故処理に立ち会った警察官が同紙に投書を行ったことで、即死した移民原発労働者の悲惨な最期と放射能汚染の状況が明るみになりました。今回は、同紙のティエリー・リボー記者が昨年12月に日本を取材訪問した際に行った「なすび」さんへのインタビューを数回に分けて御紹介します。

なすびさんは長い間、原発労働者の問題にとりくんできました。密室で行われる危険な原発労働の実態、日本人が手を出さない高濃度の放射線に汚染された環境で作業に狩り出されるフィリピン人労働者たち。過酷な労働環境とともに、請負い制度による搾取と差別の構造が語られています。

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一人の女性が、「原子力反対」の声をあげながら歩いてゆく。手にした横断幕には「何が起るの、お母さん?」の文字。

なすびは1986年以来、日雇い労働者を守るための活動を行ってきた。特に、東京の山野や大阪の釜ヶ崎、横浜の寿を中心とする寄せ場―やくざが支配する日雇い労働者の市場ーが主な活動場所だ。

2011年7月、なすびは『被ばく労働自己防衛マニュアル』(注)を出版した。私たちは12月11日、東京で行われた原発反対デモの出発直前、経済産業省の建物の前で彼女へのインタビューの機会を得た。


なぜ原発労働者の問題にとりくむようになったのですか。また、どのような活動を行っているのですか。

私が原発反対運動にとりくんでいるのは、原子力分野で働く労働者の生活と労働環境、そして彼等を喰いものにする「下請け制度」の存在を社会に知らせるためです。私はもともと、日雇い労働者の権利を守るための運動に参加していました。日雇い労働者の多くが、昔も今も、原発で働くために集められ現場に送られています。

原発問題にとりくむ人たちは皆、原発労働者の問題について知っています。でも特定の問題をのぞいては十分な取り組みがなされていません。日本の労働組合もまた、原発労働者の権利を守ることに関心を示しません。原発で働く作業員の多くが癌で亡くなっています。それ以外の労働者たちは深刻な病気に悩まされています。それでも、労働組合は常に沈黙を守って来ました。

これまでで唯一、原発労働者の問題に取り組んだ組合運動は、1981年から1987年にかけて福井県の敦賀原発で行われたものだけです(注:敦賀原発第一号機の送水システムが故障し、高濃度の放射性汚染水16トンが冷却装置から流出した事故を指す。この事故は1981年4月、事故が起きてから40日を過ぎて初めておおやけにされた)。


なぜ労働組合は原発労働者を無視してきたのでしょうか。

原発労働の現状は常に隠されてきました。中で実際に何が起きているのか、(外からは)よく分からないのです。そして、原子力分野で働く労働者は差別に苦しめられてきました。差別をするのは、労働組合も例外ではありません。労働組合の活動が正社員の払うお金でまかなわれているから、という理由だけで差別が起きるのではありません。原子力という分野が、原発で働かざるをえない社会の下層階級の人々にかかわっているからです。

これは政治的かつ微妙な問題です。実際、全国規模の大きな組合は原発を推進しています。小さな組合は原発推進の立場に決して異を唱えませんでした。請負い作業員として働く原発労働者の状況や労働環境をあえて問題にしようとはせずにこれまでやってきたのです。

原発の分野で働く正社員たちの状況はどうですか?

(「原発労働者」の現状とは)全く違っています。東京電力(注:事故を起こした福島原発の責任事業者)の社員は、大企業のエリートですから、被曝するような仕事はしません。彼等は管理室でコンピューターを操る係です。原発労働者の大部分をしめる日雇いの労働者たちが原子炉の掃除をし、原子炉に直接入って仕事をするのです。

(注)『被ばく労働自己防衛マニュアル』http://2011shinsai.info/node/400

(続く)
http://www.rue89.com/rue89-planete/2012/01/15/nucleaire-au-japon-letat-est-un-traitre-pour-les-travailleurs-228381

2012年1月23日 (月)

日本政府、原発稼働年限の延長へ/ユズィン・ヌーベル(1月18日)

日本政府の藤村修(ふじむら おさむ)官房長官は1月18日、原子炉の稼働年限を60年に延長する旨を法律に明記する予定であることを明らかにした。これは米国で既に実施されている前例に従うもの。日本を代表する広報担当官である藤村氏は「稼働年限の延長は、原子炉の安全が保障される場合に限って特別に承認されるものです」とした上で、

「日本は世界基準の仲間入りを果たすのです」

と述べている。今回の藤村氏の発言は、福島原発事故への対応を担当する細野環境大臣が原発の稼働年限を40年に定めると宣言した直後になされたもの。

「原発の稼働年限を60年に延長することで日本人がさらされる危険は、とうてい受け入れられるものではありません。既に福島原発事故による被害を受け続けているというのに。」

環境団体グリーンピース・ジャパンの代表者である佐藤潤一は言う。日本にある54基の原発のうち、3基が既に40年を超えて稼働しており、16基は稼働30年を超えている。

(抜粋、一部編集)

( Barbara Leblanc, « Le Japon va revoir la durée d’exploitation des réacteurs », L’Usine Nouvelle, 2012.01.18)
http://www.usinenouvelle.com/article/le-japon-va-revoir-la-duree-d-exploitation-des-reacteurs.N166772

2012年1月22日 (日)

東電、10年間の国有化へ/ルモンド紙(1月21日)

3月11日に事故を起こした福島原発の事業責任者である東京電力は、今後少なくとも10年間の間、国有化を余儀なくされる。共同通信が内部筋の話として1月21日に公表した。日本政府は原発事故による被害への対策費用として1兆円の資金を東京電力に注入し、同社を国の監督下に置く。1兆円の資金は国と国内に原発を所有する企業がまかなう。

東京電力は株式を引き続き公開するが、公的機構の監督下に置かれる。共同通信によれば、東京電力の今後の経営計画は3月に最終案が作成される予定。東京電力側は問い合わせに対し「現時点では何も決まっていない」と回答している。

今回の公的資金受け入れは、枝野産業省大臣が12月の時点で東京電力に検討を求めていたもの。同社は既に日本政府の資金援助を受けているが、3月11日に起きた原発事故の被災者数万人への補償のみならず、福島原発の廃炉や今後40年にわたる高額な事故処理のために資金を必要としている。

(一部要約/編集)

( LeMonde.fr & AFP, « Fukushima : Tepco devrait être nationalisé pendant dix ans », Le Monde, 2012.01.22)
http://www.lemonde.fr/asie-pacifique/article/2012/01/21/fukushima-tepco-devrait-etre-nationalise-pendant-dix-ans_1632708_3216.html#ens_id=1493262

2012年1月21日 (土)

スイス市民、福島事故1周年を期に脱原発デモを企画/RJB(1月15日)&スイスinfo(1月12日)

スイスで原発に反対する市民たちは、福島原発事故の発生から1周年を迎える3月11日、ミューレベルクとベツナウにある原発の即時停止を求める「ミューレベルクへの行進」デモを実施すると発表し、大々的な参加者の募集を開始した。

スイスのベルン州北部にあるミューレベルク原発については、近隣のヴォーレン湖ダムの耐震性が確認されておらず 、大地震の際に決壊し原発事故を起こす可能性があるとして問題視されている。スイス連邦核安全監督局は同原発を運営するBKW社に対しダムの耐震性を立証する報告書の提出を求めてきたが、11月末の提出期限を過ぎても提出されていない。

デモの企画者たちは3月11日の行進を通じ、他の市民にミューレベルク原発の欠陥について情報提供を行う予定。特にヴォーレン湖ダムが決壊する危険を伝えることを計画している。

スイス政府は福島原発事故の発生後に段階的な原発の廃止を決定しており、ミューレベルク原発は2022年、ベツナウの二基の原発については2019年と2022年に廃炉が予定されている。

(抜粋、一部編集)

●「スイスの原発 ストレステストで再検査」(スイスinfo、1月12日)
http://www.swissinfo.ch/jpn/detail/content.html?cid=31928350 

● « Ils vont marcher contre le nucléaire », RJB, 2012.01.15
http://www.rjb.ch/rjb/Actualites/Regionale/20120116-Ils-vont-marcher-contre-le-nucleaire.html

2012年1月20日 (金)

「原子力税は合憲」ドイツ裁判所が判決/ロマンディ・ニュース(1月14日)

ドイツの地方裁判所は1月12日、原子力事業への課税はドイツ国憲法およびEUの欧州法に照らし合法であるとの判断を示し、「原子力税は違憲」とのドイツの大手電力会社EnBWグループの訴えを棄却した。

判決を行ったのは、財政問題を所管するバーデンヴュルテンベルク州裁判所。同様の訴えが起こされているバビエール州およびハンブルク州での裁判にも影響を与えるとみられる。

ドイツにおける原子力事業への課税は2011年1月より実施されている。電力業界は当初、原子炉の使用期間延長と引き換えに税の創設を受け入れた経緯がある。しかし2011年春にドイツ政府が原発の廃止時期を当初予定より早い2022年に前倒しすることを決めたことから、EnBW、EON、RWEなどの大手電力会社を中心に課税への反発が起きていた。

ドイツでは原子力税により年間130億ユーロ(約1兆3千億円)の税収が見込まれており、政府の予算不足を補う財源の一つとなる予定。

(一部編集)

(AFP, « Taxe sur le nucléaire en Allemagne : un tribunal n’y trouve rien à dire », Romandie News)
http://www.romandie.com/news/n/_Taxe_sur_le_nucleaire_en_Allemagne_un_tribunal_n_y_trouve_rien_a_redire120120121801.asp

2012年1月19日 (木)

お断り:「フランスねこ」によるサイトについて

いつも御愛読頂きありがとうございます。

「フランスねこ」の名前で他にもサイトが存在しておりますが、当方とは関係ありませんのでお知らせしておきます。同性同名の方のようです。

http://photozou.jp/user/top/1941925

それでは今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

フランスねこ

2012年1月17日 (火)

リヨン地方行政裁判所、放射性廃棄物貯蔵庫の建設許可を取り消し/ル・パリジャン(1月6日)

リヨン市の地方行政裁判所は1月6日、アン県ビュジェー地方(注)における放射性廃棄物貯蔵庫の建設許可を取り消す判決を行った。ビュジェー原発の近隣で果樹栽培をいとなむ農家が、「放射性廃棄物処理場の隣で生活することはできない」として許可の取り消しを求めていたもの。この農家は果樹栽培用の温室に地域の水資源を利用している。判決を受けフランス電力公社(EDF、フランス最大の電力会社)は工事の中止を公表した。

建設が予定されていたのは、放射性廃棄物の中間貯蔵庫。廃炉が予定されているビュジェー第一原発を含む9基の原発から出される放射性廃棄物の一部を仮置きする予定だった。アン県の知事が昨年2月に建設許可を出した後、フランソワ・フィヨン首相が中間貯蔵庫の建設許可を決定、昨年の夏以来工事が進められていた。

リヨン地方行政裁判所は12月上旬に公判を開き、(放射性廃棄物の中間貯蔵庫にかかる建設許可が)「原発の稼働に関連が無く、かつ必要ともされていない土地を原発関連の活動に使用することを禁ずる」という地元サン・ビュルバ市の都市計画に合致していないと判断した。

(注)ビュジェー原発(画像はこちらhttp://fr.wikipedia.org/wiki/Fichier:Centrale_nucléaire_du_Bugey_et_champ_de_tournesol.jpg)で知られる原発の町。フランス第二の都市リヨンから東に35キロの距離にあるサン・ビュルバ市に位置する。

<参考画像> ビュジェーってこんな町
http://www.google.co.jp/search?q=Bugey&hl=ja&prmd=imvns&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ei=0vIUT6apOuyVmQXd0cHIAw&ved=0CHEQsAQ&biw=1222&bih=651

(« Nucléaire : EDF suspend les travaux du centre du Bugey après décision de justice », Le Parisien, 2012.01.06)

http://www.leparisien.fr/lyon-69000/nucleaire-edf-suspend-les-travaux-du-centre-du-bugey-apres-decision-de-justice-06-01-2012-1801091.php

2012年1月14日 (土)

「原発5キロ圏内で子どもの白血病が倍増」フランス国立保健医学研究所が国際誌にて発表/ルモンド紙(1月12日)

反論できない危険信号が発せられた。フランスにある原発の5キロ圏内に住む子どもたちは、通常の2倍の割合で白血病にかかる、という指摘だ。フランス国立保健医学研究所(INSERM)のジャクリーヌ・クラヴェル氏が率いるフランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)の科学者研究チームが『国際がんジャーナル』(International Journal of Cancer)に発表した。これは過去にイギリスのセラフィールド原発、スコットランドのドーンレイ原発、ドイツのクルーメル原発において実施された調査で、原発の近辺に住む子どもたちに通常より高い率で白血病が発生することが証明されたのに続く調査結果である(注)。

クラヴェル氏の研究チームは、2002年から2007年までの期間における小児血液疾患についての国家記録をもとに、白血病にかかった15歳以下の子ども2753人と、同様の社会環境で生活する同年代の子どもたち総数3万人を比較する統計学的調査を実施した。また、フランス国内の19箇所の原子力発電所について、その5キロ圏内に住む子どもたちと一般の子どもたちにおける白血病の発生率の比較を行った。これによれば、同原発から5キロ圏内に住む15歳以下の子どもたちは他地域の子どもたちに比べ白血病の発症率が1.9倍高く、5歳未満では2.2倍高くなっている。

フランス原子力安全庁(ASN)は昨年11月、原発近辺に住む子どもたちにみられる白血病の増加について、複数の研究を比較した結果、統計上の関連性は薄く増加を断定できないとの見解を発表していた。しかし今回の調査結果はこの結論をくつがえすものだ(注:今回の調査を実施した科学者が所属するIRSNはASNの下部機関)。

今回クラヴェル氏が発表した調査結果については、使用されている手法の正確性について、著名な統計学者たちが高い評価を行っている。科学技術を所管する国立工芸院のウィリアム・ダブ教授は、「(今回の調査は)対象人口の規模が大きく、かつ公式記録データの99%以上を徹底的に分析して抽出した質の高いデータを用いていることから、保健医療分野での道しるべとも言える価値の高い調査結果だ。最も注目するに値する非常に重要な調査であり、ドイツで行われた他の調査結果とも符合している」と述べている。

(統計学は事象間の関連を証明する手法である性質上、原発からの距離と白血病の発生率の間に相関関係があることを証明するが、「なぜ」原発の近くに住む子どもたちに白血病が多く発生するのか、という因果関係については調査の対象外となる。)クラヴェル氏は、今回の調査対象地域における原発からの放射線被曝量は、自然にある放射線量の平均に比べ約千分の一ほど低いことから、調査結果の原因を突き止めなければならない、としている。同氏はまた、居住地に応じた被曝量を推定するためにより多くの研究が必要であるとして、ヨーロッパ内の他の研究者に協力を呼びかけている。

(要約、一部編集)
(※1月16日に「トリカスタン原発」を「フランス国内の19箇所の原子力発電所」に修正しました。お詫びして訂正致します。)

(注)(参考)「欧州放射線リスク委員会による2010年勧告」関連箇所

●「被ばくにともなうガンのリスク 最近の証拠」(「ECRR2010翻訳委員会」翻訳、「美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会」発行)イギリスのセラフィールド原発に関する調査では、クリストファー・バズビー教授らが関わり成果をあげた。
http://www.jca.apc.org/mihama/ecrr/chap11r.pdf 

●「欧州放射線リスク委員会による2010年勧告」全文和訳はこちら(訳者・発行者は上に同じ)
http://www.jca.apc.org/mihama/ecrr/ecrr2010_dl.htm

(Paul Benkimoun, « Plus de leucémies infantiles près des sites nucléaires », Le Monde, 2012.01.12)

2012年1月12日 (木)

東電株価、24.27%高の急上昇/ロマンディ・ニュース(1月10日)

1月10日、(昨年3月に)事故を起こした福島原発の経営主体である東京電力の株価は、東京為替市場で24.27%の急上昇を見せ、215円にまで値を戻した。前日からの上げ幅では、42年ぶりの同社記録更新。

株式関係者によれば、東京電力が金融機関と行っている1兆円の借り入れ交渉を背景に短期的な投機的思惑が強まり、突如の買い戻しが起きたとみられている。3月11日に日本の東北部を襲った地震と津波により発生した福島原発事故以来、東京電力は苦境に陥っており、投資家は同社の株を価値の無いものと見なしてきた。

他方現地メディアによれば、東京電力が融資を求めている銀行側は、同社に対する融資の条件として

① 公的資金の注入受け入れ
② 電気料金の10%値上げ
③ 原発の再稼働

を求めているとみられる。

枝野経済産業省大臣は東京電力の経営責任者に対し、公的機関からの資金注入についての選択肢を検討するよう求めたばかりだ。日本政府はこうした公的資金の注入を現状の打開策として検討している。枝野大臣は「国有化」という言葉を否定しているが、こうした資金注入は東京電力の一時的に国有化することに等しい。東京電力の経営陣は、国の管理下に入ることを避けたいと考えているものと思われる。

(一部編集)

(AFP, « Fukushima : l’action Tepco bondit de 24,27%, négociations avec les banques », Romandie News, 2012.01.10)

http://www.romandie.com/news/n/_Fukushima_l_action_Tepco_bondit_de_2427_negociations_avec_les_banques100120120701.asp

2012年1月11日 (水)

IAEAに忠告を求めてはならない―「子供を守るために重要なのは、食品による内部被ばくを避けること」/ミッシェル・フェルネックス博士&Peace Phylosphy Centre(11月30日)

フランスのNGO「チェルノブイリとベラルーシの子どもたち」の創設者であるスイスの医学博士ミッシェル・フェルネックス教授は2011年11月、福島原発事故後の被曝被害にかんする緊急声明を発表しました。カナダに本拠地を置く「平和主義センター(Peace Phylosophy Centre)」が日本語訳を発表していますので、ここに御紹介させて頂きます。

http://peacephilosophy.blogspot.com/2012/01/edr-michel-fernex-warns-health.html?spref=tw

2012年1月10日 (火)

元フランス電力公社社員&元フランス原子力庁の技術担当官が語る「原子力はやめられる」/その2:原子力をやめるには/ルモンド紙(1月4日)

「その1」に引き続き、元フランス電力公社(EDF)の技術者ベンジャミン・デュス氏と、元フランス原子力庁(CEA)の技術担当官ベルナール・ラポンシュ氏(注1)によるルモンド紙への寄稿記事の後半を御紹介します。

(1月11日に和訳を多少修正しました)
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3. フランスは今後20年で原子力をやめられるか?

ドイツ人は10年のうちに、ロウソク生活に戻ることなく、また国を滅ぼすこともなく原子力をやめようとしている。フランスでも、20年をかけてドイツ人のように原子力をやめることができるだろうか。答えは「イエス」だ。ただし、開発途上にある新興国を発展させ、化石燃料の採掘を最大限に抑え、世界的な二酸化炭素の排出量を二分の一に削減する、という3点を全て同時に可能にするためには、原発をやめるのに不可欠な電力供給体制の転換を、世界規模で行うことが前提となる。

電力供給体制の転換は、地球上の全ての国に適用されることになる。その核となるのは、電力使用量の抑制と効率化である。これは、石炭、石油、ガス、ウランといった化石燃料を、水力、風力、太陽光、バイオマス、地熱発電、潮力発電などの代替可能エネルギーにどんどん置き換えてゆくことにより達成される。こうした電力供給体制の転換は、電力や環境面での利点に加え、全ての国で新たな事業や雇用を生み出すことにも貢献する。


3.1.最新技術による電力使用量の削減

この転換をうながすためには、電力の節約が第一の優先事項となる。しかしフランスはこれまで、原子力発電のおかげで豊富でお買い得な電力が十分にあるという言い訳のもとに、最小限の節電努力すら行ってきていない。

あなたは知っているだろうか。私たちの隣人であるドイツ人たちは、1999年には私たちフランス人と同じだけの電力(注2)を消費していた。しかし2009年には、私たちフランス人より27%も電力の消費量を抑えることができるようになったという事実を?

また、現在使われている電熱式暖房機器の使用をできる限り早くやめて、より熱効率の高いヒートポンプや凝縮ボイラー(注3)などの暖房機器に転換する必要がある。そうすれば、私たちが必要とする電力量は現在の516兆ワット時(注4)から2020年には392兆ワット時に、そして2030年には338兆ワット時にまで削減することができる。

原子炉は使用後平均30年で廃炉になるが、その後の電力をどのように補えばよいだろうか。2009年にはフランス人消費者のために365兆ワット時の発電量を担っていた原子力は、2020年には180兆ワット時しか発電しないことになる。しかし、(サルコジ大統領が提唱する環境プロジェクト)グレネル環境円卓会議では、2020年までに代替エネルギーによる143兆ワット時の電力生産を目指している。これが実現すれば、エネルギー需要のほとんどを満たすことができる。

こうして、電力セクターから排出される二酸化炭素の量を現在のレベルより増やすことなく、天然ガスによる発電で70兆ワット時を補うだけで十分電力を確保できるということになる。代替エネルギーの開発を続ければ、2030年には原子力がなくとも同じく70兆ワット時の天然ガスによる発電で電力はまかなえるようになる。


3.2 原子力を続けるか、やめるか 〜費用面での比較〜

発電には、いくらかかるのか?計算によれば、同じ程度の経費で二つの選択肢がありえる。原子力を続けるシナリオでは、新しい原発の建設を行う場合の必要経費で全体の経費は上がって行く。他方、原発をやめるというシナリオでは、節電に必要な投資や電力生産や送電にかかる費用はそれほど多くない。

ところで、原発をやめる場合より、原発の維持管理にかかる費用の方がより大きくなる、という点を忘れてはならない。つまり、我が国の政府が何度も繰り返し言っているのとは逆に、20年後に大きな生活の変化をとげることなく原発をやめることは可能だ。原発をやめられるか否かは、私たちの意志にかかっているのだ。(了)


(注1)2人はスイユ出版より『原子力にさよなら』という本を出版している。

(注2)電化製品や電灯やオーディオ製品、コンピューターについての電力使用量。家庭用暖房に使用される電力を除く。

(注3)<参考>
ヒートポンプ(財団法人ヒートポンプ・蓄熱センターのHPから)
http://www.hptcj.or.jp/hp_ts/chikunetu_m/index.html

凝縮ボイラー
http://blogs.yahoo.co.jp/yjmailinglist/trackback/924399/14250492

(注4)「1ワット時」とは、1ワットの電力を1時間消費もしくは発電したときの電力量。

(一部編集。小見出しはフランスねこが付けました。)

(Benjamin Dessus & Bernard Laponche, « En finir avec l’atome, c’est possible ! », Le Monde, 2012.01.04)
http://www.lemonde.fr/idees/article/2012/01/04/en-finir-avec-l-atome-c-est-possible_1625544_3232.html

2012年1月 9日 (月)

元フランス電力公社社員&元フランス原子力庁の技術担当官が語る「原子力はやめられる」/その1:原子力は必要か?/ルモンド紙(1月4日)

フランス電力公社(EDF、フランス最大の電力会社)の技術者だったベンジャミン・デュスと、フランス原子力庁(CEA)の技術担当官を務めたベルナール・ラポンシュ。原子力を推進するフランス政府の手足としてこれらの組織を支え続けたかつての専門家たちは今日、政府から独立した電力分野の専門家集団「グローバル・チャンス」(世界的な機会)のメンバーとして、科学者の立場から脱原発に向けた発言を行っています。

今回は、1月4日にルモンド紙に掲載された2人の寄稿論文を、

「その1 原子力は必要か?」
「その2 原子力をやめるには」

の2回に分けて御紹介します。
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1. 「原子力は本当に必要か?」もうタブーは無い

フランスではこれまで常に、原子力は触れてはならない話題だと考えられて来た。しかし福島で起きた大惨事は状況を一変させた。最先端技術を持った国においてさえ、大事故は起きうるのだ。こうして、これまで念入りに避けられてきた全ての疑問が新たに沸き起こって来た。

●大規模な原発事故が起きる可能性

はもちろん、

●非常に危険な放射性廃棄物が(原子力発電をとおして)生み出されるという問題、

そして

●原子力兵器が(世界に)拡散する危険が増大するという問題

などがこれにあたる。

過去30年のうちに世界中にある450基の原子炉について深刻な被害を引き起こした大惨事は4例あったが(チェルノブイリ原発事故と福島の3基の原子炉が該当、約0.9%)、(フランス政府による)公式の事故発生の可能性は0.014%と実際の286倍も少ない数値を「想像」するにとどまっている。こうした状況から、私たちにはごく当然のこととして、原子力をやめることの正当性について問う権利がある。


2. 「原子力が必要」という3つの神話

こんな話をすると、原子力の信奉者たちは(原子力が必要であることを正当化するために)次の3つの議論を持ち出す。

① フランスがエネルギーを自給し他国からの自立を保つ必要性、
② 二酸化炭素の排出削減、
③ 原子力発電により非常に安価に抑えられている電気料金、

の3点である。これらの一つ一つについて検証してみよう。


神話(1)「原子力でエネルギーを自給」

フランスがエネルギーを自給しているというのは、全くの単純な思い違いだ。フランスは、石油や石炭やガスと同様、(原子力発電に使用する)ウランの供給についても他国に依存している。自給率50%どころか、我が国における実際のエネルギー自給率は8.9%でしかない。


神話(2)「原子力で二酸化炭素を削減」

また、フランスは原子力の利用により二酸化炭素を通常より40%も多く削減できているとされている。しかしこの数値は、原子力以外の電力を全て石炭で発電した場合を想定して計算されており、原子力の二酸化炭素削減効果を実際より非常に大きく見積もった上で算出されている。実際の削減効果は20%程度だ。


神話(3)「原子力で安い電気料金を実現」

原子力のお陰で、電気が破格の安値に抑えられている、ですって?ほとんどが使い古され老朽化した我が国の原子力設備を全て数に入れる現在の計算方法が正しい、というなら、それは本当だ。フランスの原発は使用耐用年数を30年に設定し建設されているが、全原発の平均使用年数はすでに26年にもなる。

また、現在の電気料金の計算方法では、必要不可欠な様々な必要経費が「注意深く」忘れ去られている。年月を経るに従い老朽化する原発に必要不可欠なリハビリ経費、福島原発事故の後で新たに見直された安全規定を満たすための安全対策費用、使用不能になった原発を廃炉にする費用、といった費用はこうした計算には含まれていない。これらを含めれば、原子力による発電経費は現在の2倍にまで膨れ上がる可能性がある。最新式の欧州加圧水型炉(EPR)に移行しても同じことだ。EPRについては、建設投資額の最高記録を日々更新しているが、これもまた電気料金に含まれることになる。

フランス原子力安全機関(ASN)は、福島原発事故の発生を受け追加的に実施した安全耐性評価(ストレステスト)に関する報告書の中で、安全対策のための膨大な命令事項のリストを示して我が国の原発が脆弱であることを明確にした。この命令を実行すれば、原子力発電による電気料金の値上げは避けられない。

フランス政府はこういい続けている。「我が国は約80%もの電力を原子力に頼っているのだから、これを続けるしか無い。」過去の悪い慣習は、こうして同じ悪習を正当化するために使われる。風が吹こうが、潮が満ちようが、新たな津波が来ようが、という訳である。

(その2に続く。一部編集。小見出しはフランスねこが付けました。)

(Benjamin Dessus & Bernard Laponche, « En finir avec l’atome, c’est possible ! », Le Monde, 2012.01.04)
http://www.lemonde.fr/idees/article/2012/01/04/en-finir-avec-l-atome-c-est-possible_1625544_3232.html

2012年1月 4日 (水)

「どんなに用心しても、原発事故が起きない保障はない。フランス電力公社は原発事故の危険を過小評価している」IRSN所長/ル・モンド紙(1月4日)

フランス原子力安全機関(ASN)は1月3日、福島原発事故の発生を受けフランス国内全58基の原発について実施した安全耐性検査(ストレステスト)の結果を発表しました。ASNはこの中で「ただちに停止しなければならない原発は無いが、安全対策を現在よりずっと強化する必要がある」と指摘、数百億ユーロ(数兆円)にのぼる安全対策を要求しています(ルモンド紙 1月3日、注1)。

これと平行して、ASNの技術部門である放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)のジャック・ルピュサー所長は1月4日、フランス最大の電力会社であるフランス電力公社(EDF)による原発の安全管理体制を厳しく批判する異例の発言を行いました。以下、抜粋を御紹介します。

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「原子力発電を続けるならば、最悪の事態にも耐えられるよう安全性を強化しなければなりません。」
「どんなに用心しても、原発事故が起きない保障はありません。私たちの行動は全て、こうした考えにのっとっていなければなりません。」

放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)のジャック・ルピュサー所長は1月1日、ジュルナル・ドゥ・ディマンシュ紙(「日曜日の新聞」)のインタビューにこう答えた。

「つまり、人々に原子力が完全な技術だと信じ込ませるべきではない、ということです。政府とフランス電力公社(EDF)は、原発事故の危険と(フランス)社会による原子力への拒絶を過小評価していました。」

理工科学と工学の最高峰を卒業し現職についたルピュサー所長は、原子力に関する情報の透明性を高めることを強く求めている。

「福島で原発事故が起きる前(のフランス)には、人々を怖がらせないために、原発の安全性に関する問題については口にしない、という『沈黙の掟』がありました。フランス電力公社もアレバ社も、情報を外に出せば自分たちに害が降りかかるのではないか、と恐れていたのです。でも、物事を隠しても何も前には進みません。私は、フランス人は真実を理解することができると思うのです。」

また、フランス国内で最も古いフッセンハイム原発(1977年建設)を廃炉にする可能性(注2)については、次のように述べている。

「私たちは数年前から、事故が起きた時に汚染水が漏れださないように基礎の強化が必要だと言い続けて来ました。フランス電力公社がこうした工事を行わないのなら、(フッセンハイム)原発を廃炉にするしかありません。安全のためには経済性すら犠牲にする必要があります。ただし、廃炉を神聖な印籠のように見なすべきではありません。フランスは原子力を使うことを選んだのですから、時期が来れば古い原発を廃炉にして、新しいものを建てるべきなのです。」

(抜粋、一部編集)

(注1) (« Nucléaire : l’ASN exige des « dizaines de milliards d’euros » d’investissement », Le Monde, 2012.01.03)
http://www.lemonde.fr/planete/article/2012/01/03/nucleaire-toutes-les-demandes-de-l-asn-seront-respectees_1625190_3244.html

<参考>読売新聞「仏で原発58基ストレステスト」(1月4日)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20120104-OYT1T00684.htm

(注2)福島原発事故の後、原発の安全性に世論の関心が集まっていることを受け、環境大臣は同原発を廃炉にする可能性についても否定しないという立場を取っている。

原文記事
(« Pour l’IRSN, « EDF sous-estime le risque d’un accident », Le Monde, 2012.01.04)

2012年1月 2日 (月)

オランダ第2基目の原発建設計画は凍結へ/ル・モンド紙(12月30日)

明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
今日は、オランダでの原発建設・凍結の動きについての記事を御紹介します。

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オランダ政府が南部のボルセレ市に建設を計画していた国内第2基目の原発、「ボルセレ第二原発」の建設計画が暗礁に乗り上げている。マルク・ルッテ首相率いる自由党を初めとする国内の主要政党はこれまで、電力の自給と二酸化炭素の排出量削減を理由に、この建設計画を支持して来た。しかし日本の福島原発で事故が起き、ドイツが原発の利用を廃止する決断を行ったことを受け、オランダでも、新たな原発の建設計画に対する疑問の声が再び突きつけられている。

ボルセレ第二原発の建設計画が凍結に至った原因は、資金の不足にある。オランダ政府は企業が原発建設を提案することは許可しているが、国家の予算を一切拠出しないことを決めている。ボルセレ第二原発の建設費は40〜45億ユーロ(約4千億円〜4千5百億円)と見積もられている。しかし、同原発の建設を計画していたデルタ社は過去2年間に多くの損失を重ねており、同社の株の半数以上を握るゼーラント州と複数の自治体は、この建設計画の実施可能性に疑問を投げかけている。

更に、デルタ社が資金面での協力をあてにしていたフランス電力公社やドイツのライン・ヴェストファーレン電力会社(ドイツ第二位の電力会社)は、政府への事前の建設許可申請にかかる2億2千万ユーロ(約220億円)の出資を拒否している。また、許可が得られた際にも、建設計画に参加するかどうかについては明言していない。オランダでは原発事故が発生した場合の補償に備え、電力会社があらかじめ7億ユーロ(約700億円)を準備することを義務づけているというハードルもある。

こうした事態を受け、デルタ社のペーター・ブールマ社長は12月12日に辞任に追い込まれた。同社は公式にはボルセレ第二原発の建設計画についての決定を6ヶ月延期するとしている。しかし今後は原子力セクターへの投資を1千万ユーロ(約10億円)に削減することを決めていることから、実質的には建設計画をあきらめる意向と見られている。

(抜粋、一部編集)

(Jean-Pierre Stroobants, « Le projet de construction d’une deuxième centrale nucléaire aux Pays-Bas est gelé », Le Monde, 2011.12.30)

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