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2012年1月 4日 (水)

「どんなに用心しても、原発事故が起きない保障はない。フランス電力公社は原発事故の危険を過小評価している」IRSN所長/ル・モンド紙(1月4日)

フランス原子力安全機関(ASN)は1月3日、福島原発事故の発生を受けフランス国内全58基の原発について実施した安全耐性検査(ストレステスト)の結果を発表しました。ASNはこの中で「ただちに停止しなければならない原発は無いが、安全対策を現在よりずっと強化する必要がある」と指摘、数百億ユーロ(数兆円)にのぼる安全対策を要求しています(ルモンド紙 1月3日、注1)。

これと平行して、ASNの技術部門である放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)のジャック・ルピュサー所長は1月4日、フランス最大の電力会社であるフランス電力公社(EDF)による原発の安全管理体制を厳しく批判する異例の発言を行いました。以下、抜粋を御紹介します。

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「原子力発電を続けるならば、最悪の事態にも耐えられるよう安全性を強化しなければなりません。」
「どんなに用心しても、原発事故が起きない保障はありません。私たちの行動は全て、こうした考えにのっとっていなければなりません。」

放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)のジャック・ルピュサー所長は1月1日、ジュルナル・ドゥ・ディマンシュ紙(「日曜日の新聞」)のインタビューにこう答えた。

「つまり、人々に原子力が完全な技術だと信じ込ませるべきではない、ということです。政府とフランス電力公社(EDF)は、原発事故の危険と(フランス)社会による原子力への拒絶を過小評価していました。」

理工科学と工学の最高峰を卒業し現職についたルピュサー所長は、原子力に関する情報の透明性を高めることを強く求めている。

「福島で原発事故が起きる前(のフランス)には、人々を怖がらせないために、原発の安全性に関する問題については口にしない、という『沈黙の掟』がありました。フランス電力公社もアレバ社も、情報を外に出せば自分たちに害が降りかかるのではないか、と恐れていたのです。でも、物事を隠しても何も前には進みません。私は、フランス人は真実を理解することができると思うのです。」

また、フランス国内で最も古いフッセンハイム原発(1977年建設)を廃炉にする可能性(注2)については、次のように述べている。

「私たちは数年前から、事故が起きた時に汚染水が漏れださないように基礎の強化が必要だと言い続けて来ました。フランス電力公社がこうした工事を行わないのなら、(フッセンハイム)原発を廃炉にするしかありません。安全のためには経済性すら犠牲にする必要があります。ただし、廃炉を神聖な印籠のように見なすべきではありません。フランスは原子力を使うことを選んだのですから、時期が来れば古い原発を廃炉にして、新しいものを建てるべきなのです。」

(抜粋、一部編集)

(注1) (« Nucléaire : l’ASN exige des « dizaines de milliards d’euros » d’investissement », Le Monde, 2012.01.03)
http://www.lemonde.fr/planete/article/2012/01/03/nucleaire-toutes-les-demandes-de-l-asn-seront-respectees_1625190_3244.html

<参考>読売新聞「仏で原発58基ストレステスト」(1月4日)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20120104-OYT1T00684.htm

(注2)福島原発事故の後、原発の安全性に世論の関心が集まっていることを受け、環境大臣は同原発を廃炉にする可能性についても否定しないという立場を取っている。

原文記事
(« Pour l’IRSN, « EDF sous-estime le risque d’un accident », Le Monde, 2012.01.04)

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コメント

tokumeiさん

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