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2012年2月15日 (水)

福島で故郷を思う 〜原子力施設をかかえる仏自治体の首長らによる南相馬市訪問(3)/ルモンド紙(2月2日)

原子力施設をかかえるフランスの自治体代表者たちが1月末に行った福島訪問についての最終回です。

<前回までの記事はこちら>
その1 http://franceneko.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/122-d823.html
その2 http://franceneko.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/222-41c0.html

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●「復興できない」ということ

ストラスブール市を代表して訪問に参加したフランソワーズ・ビュッフェ副市長が気付いたもう一つの悲しい事実がある。

「日本人は原発が絶対に安全だと信じて暮らしてきました。福島での原発事故は、事実が正反対であることを証明したのです。」

ビュッフェ副市長は、飯舘村村長の証言が強く記憶に焼き付いたとつぶやいた。

「彼は津波によるひどいショックによる心の傷の方が、『放射能』という目に見えない永遠の苦しみよりかはまだ「まし」だ、と感じたのです。こういう状況では、「建て直せる」ことが重要なのです。でも、放射能という災禍の性質上、それができないのです。」


●「想定外」を想定する、という責任

原子力に最も親近感を抱いていた者たちですら、動揺しているように見えた。かつてアレヴァ社に勤め、現在はマンシュ県ボーモンアーグ市の市長を務めるミッシェル・ローラン。彼の町は最新式原子炉EPR(ヨーロッパ型加圧水型炉)の建設現場の近隣に位置し、ラ・アーグの放射性廃棄物再処理工場をも抱えている。ローラン市長は、

「事故の危険性について考える時には、常に『想定外』を想定する」

ことの重要性を大きな声で主張した。

「福島の惨事で、原発の安全対策予算を節約してはならないこと、そして原発を運営する電力会社を(政府が管理する)国営企業に留めておかなければならないことが明確になりました。」

ローラン市長は補償問題についてももっとよく知りたいと考えた。(この旅を企画した)フランス都市連合「CLI」の副代表で、ゴルフェック原発をかかえるタルヌ・エ・ガロンヌ県からやって来たピエール・ガイヤールは、(ゴルフェック原発を運営する)フランス電力公社が契約している保険会社の代表に会いたいと思った。ガイヤール副代表はこれまで何度も会見を申し込んできたが、まだ約束を取り付けることができずにいた。

ガイヤール副代表はまた、フランスで2年に1回行われている(原発事故に備えた)避難訓練のやり方についても自問した。

「バスの運転手や警察官や消防士に、こんな危険な状況下で出動を求めることができるのでしょうか。私たちには、彼らの身の安全を保障する手段があるのでしょうか。」

いくつかの懸念事項が明らかになった。ジャック・モーギャンは、ジロンド県にあるブライエ原発が1999年に水害で水浸しとなり、今もそのままであることを思い出した。

「水の力に対して、どんな安全対策をとることができるというのでしょうか。」

ストラスブール市のフランソワーズ・ビュッフェ副市長は、アルザス運河の側に位置し、この運河からの洪水の危険にさらされているフッセンハイム原発の老朽化を指摘しながら、自らの市がスイスやドイツにある多くの自治体と同じくこのフッセンハイム原発の即時停止を求めている事、そしてその要求が聞き入れられていないことに触れた。


●原子力をどうするか

最後に、関係者の関心は原子力の将来に向けられた。ビュッフェ副市長が「私たちにはその過程を制御することが不可能であり、大惨事を引き起こす可能性がある」と断定する、原子力技術の将来に、である。

シノン市副市長のイヴ・ドージュの答えは明確だ。

「今日、原子力をやめなければならないことは明らかです。そして、そのためには電力政策の見直しを行わなければなりません。原子力にかかる費用がどんどん高くなってゆく中、こうした見直しは必須です。」

ドージュは指摘する。ちょうど、フランス政府の会計検査院が発表した「原子力にかかる費用についての報告書」が示したように。1月31日に発表されたこの報告書は、原子力というセクターが持つ「大きな不確実性」を強調している。

(一部編集)

(Philippe Mesmer, « A Fukushima, des maires français face à « l’ennemi invisible », Le Monde, 2012.02.02)
http://www.lemonde.fr/planete/article/2012/02/01/a-fukushima-des-maires-francais-face-a-l-ennemi-invisible_1637285_3244.html

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コメント

奥田さん

コメントをありがとうございました。非公開のコメントにつきましては、もし差し支えなければメールアドレスを残して頂ければそちらにお返事を差し上げます。海外でも福島での原発事故を期に幾つかの原子力および原爆の被害に関するドキュメンタリーがフランス、スイス、ドイツなどで作成/放映/再放送されているようです。日本の状況についても、肥田晙太郎医師が出演した原爆症についての番組がフランス語圏で放映されているとのことでした。ご参考まで。

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