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2012年2月 1日 (水)

原発労働者を裏切り続ける日本政府(3)―「契約の無い仕事」/Rue 89(1月15日)

これまで2回にわたって掲載して来ました「Rue 89」紙ティエリー・リボー記者による「なすび」さんへのインタビューの最終回です。被差別部落の出身者からフィリピン人まで、福島で働く原発作業員への差別と搾取の現状を伝えています。

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●臨時雇用の原発労働者たちは、会社と契約を結んでいるのですか?

原発労働者で契約がある人は非常にまれです。ですから、予定外の勤務地に送られるということが起こります。契約無しの仕事は、下請け労働の一つの特徴です。一次請け、二次請けであれば契約があるかもしれませんが、それ以上の下請けになるとありません。

こうした契約無しでの雇用は現在社会の批判を浴びており、雇用者の中にはこれまでの態度を改めて契約を結ぶ人も出てきています。ただし、労災の申し立てをしないという約束をしなければ、労働者は契約をもらえない条件になっています。たくさんの労働者たちが、このような非合法的な契約取り引きについて証言しています。

こうした状況にも関わらず、(福島原発事故が発生した)2011年3月11日以来、日雇い労働者たちは自らの労働条件の改善を求める運動に取り組み始めました。私は『被ばく労働自己防衛マニュアル』というパンフレットを出版しました。でも、(現場で働く原発労働者による)ストライキが一番効果的な抗議行動であることには変わりありません。


●このパンフレットには何が書いてあるのですか?

(原発労働者を雇用する)企業には原発で働くための基本情報を原発労働者に伝える義務があります。でも、企業はきちんとこうした情報を伝えていません。このパンフレットでは、労働者が雇用者に契約を求めることができること、労働者が浴びた放射能の被ばく量を企業が記載する被ばく手帳を手に入れることができること、について説明しています。企業は労働者と労働契約を結び被ばく手帳を配布する義務がありますが、大概はそのことを労働者に伝えていません。また、労働者もそうした権利について知らないのです。

パンフレットでは、つなぎ服を正しく着用する方法、マスクにフィルターを設置する方法を説明しています。企業の側はつなぎ服もマスクのフィルターも、たいがい準備していません。基本的には昔から原子力分野で働いている古株の労働者たちがこうしたことについて説明できるのですが、現在の福島では原発で働いた経験を持たない初心者の労働者がたくさんいます。


●どんな人が労働者として福島原発に来ているのでしょうか。

労働者は日本全国からやってきます。外国人もいます。現在はたくさんのフィリピン人労働者たちが福島原発で働いています。日本人の原発労働者たちによれば、フィリピン人労働者たちは日本人が手を出さない最も危険な仕事をまかされています。被差別部落出身の人たちもいます。大雑把に言えば、貧しい家出身の労働者たちがやってくるのです。


●今後はどんな活動をする予定ですか。

福島に原発労働者のための常設相談窓口を開きたいと考えています。被ばくした原発労働者のためだけのものではありません。たとえば、公共事業の現場で働く他の労働者たちにも(彼等を守るために必要な情報提供を行うという意味で)同じように関係があります。

また、政府の関連省庁や福島に(違法な形で)労働者を送っている人材派遣会社と交渉して、(福島原発以外の)他の分野に労働者を送るよう交渉しなければなりません。

たとえば、東京の山谷で集められた日雇い労働者たちが福島市の下水処理施設に送られたケースがありました。労働者たちが現場に到着すると、被ばく対策のためのつなぎ服や防御マスク、原子炉の中で使用する作業道具が渡されました。でも労働者たちは仕事場の放射線量を知らされませんでした。常設の相談窓口を開くことができれば、たくさんの人が相談に来ると思います。

原発事故の被害に対する損害賠償を定めた法律では、(原発に関連する被害については原発事業の責任者である)企業に最終的な責任があると定められています。ですから、私たちは原発作業員を福島原発に送っている派遣会社に対して(作業員を違法な形で派遣しないよう)交渉し、次に東京電力と交渉するつもりです。今に至るまで東京電力は(被曝労働者に対し)全く賠償を行っていません。他の原発に関わる電力会社も同様です。そして労働組合は決して裁判を起こそうとして来ませんでした。私たちはこのような状況を変えてゆきます。

    (了)

(Thierry Ribault, « Nucléaire au Japon : « L’Etat est un traître pour les travailleurs », Rue 89, 2012.01.15)

http://www.rue89.com/rue89-planete/2012/01/15/nucleaire-au-japon-letat-est-un-traitre-pour-les-travailleurs-228381

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コメント

フランスねこさんへ
福島原発作業員のTwitterでの叫びで(ストレステストは妥当って どんな意味なんだろう?
完璧で絶対に事故は起こらないって?
事故が起きたらどうすんの?
誰が責任を取るの?
この期に及んでも尚、新たな安全神話を作るの?
福島の原発事故原因は津波? 地震? ヒューマンエラー? いやいや、きっと一番の原因は原子力発電所があることだよ。)
以上 引用です。彼は自分の寿命が短いのを判ってのTwitterで 遺言とも受けとれるような感じを受けとれます。
色々と判断すると原発を完全に管理は無理だとの内容もあり、原発は廃止すべきではと切実に訴えておられます。
Twitterでの名前はプライバシーなので公にできません。
御参考までに

奥田さん

貴重な情報をありがとうございました。原子力は現場の声無しには十分な理解が難しい分野だと思います。原発にかかわり働く人たちの声がもっと私たちの耳に届くようになれば、具体的な問題点や解決の方向性が見えて来るのではないでしょうか。

今回の福島の事故の後でもう一つ感じたのは、原子力工学科を持ついくつもの名門大学の責任です。科学者としての社会的責任を果たせない人たちを教授として雇い、政府の要職に派遣し、学生の教育にあてていることは大きな問題ではないでしょうか。一つ一つの問題について取り組んでゆく必要があるのだと思います。寒い日が続きますが、どうかお体に気をつけてお過ごしください。

フランスねこさんへ
返信 ありがとうございました。 私も原発では ありませんが、過去に現場経験がありましたので 作業員の方々の気持ちが手に取るように判ります。
フランスねこさんもインフルエンザ等に気をつけて下さい。

フランスねこさんへ
原発従業員は設置場所で電力会社社員はほとんどが現地の方々らしいですね。 本店の従業員は危険な現場には配属されないようです。
また、高額な機械を理解せずに購入して 使い方や何かトラブルなどあれば購入先に総てを任せると無責任な体質らしいですね。
これでは現場は堪ったもんじゃないです。
今回 国土を無くす事故の原因は国(経済産業省、文科省等々と与野党の政治家)と電力会社の上層部に責任が大でしょうかね。
被害者は何も知らされない人々と原発の現場で働いている方々です。
私も その中の一人だけに……punch

岡田さん

メッセージをありがとうございました。
同じことを繰り返さないために、一つ一つの問題についてきちんと責任を明らかにしてゆかなければならないのでしょう。原子力が安全な科学だったのなら、と思います。

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