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2012年3月 5日 (月)

グリーンピース報告書「仏政府の原発耐性評価は老朽化と事故発生リスクを過少評価」/ル・テレグラム(2月20日)

1月3日、フランス原子力安全局(ASN)は、管轄下にあるフランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)が作成した国内の原発についての原発耐性評価(ストレステスト)の結果を公表しました。結果は、「過酷事故への対応を強化すべく安全性を高める必要はあるものの、全ての原発はテストに合格」というものです。

しかしグリーンピースが外部の専門家に委託して実施した分析によれば、フランス政府機関が電力会社の協力を得て実施した「原発耐性評価」では、福島原発事故で起きたような全電源喪失や炉心溶融による水素爆発等の事態を想定していませんでした。原発耐性評価の内容を再確認する必要とともに、本当の安全性確保に向けた更なる努力が望まれています。

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「グリーンピース報告書『仏政府の原発耐性評価は老朽化と事故発生リスクを過少評価』」

「フランス電力公社(仏最大の電力会社、EDF)、アレバ社、フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)は、フランスの原発内部で起きる過酷事故への脆弱性を過少評価している。」

自然保護団体グリーンピースは2月20日、フランス原子力安全局の管轄下にあるIRSNが電力会社と協力して作成した原発耐性評価に関する報告書に対し、外部の第三者専門家が同じ問題について作成したもう一つの報告書を発表、このように指摘した。今回の調査を担ったのは、エネルギーに関する独立情報調査機関、ワイズ(WISE)の代表を務めるフランソワ・イヴ・マリニャックと米国エネルギー・環境調査機関の代表を務めるアルジュン・マクヒジャーニの2名。

グリーンピースが政府と電力会社による原発耐性評価についての報告書に対し行った指摘のポイントは下記のとおり。


●原発内部で起きる危険事故への脆弱性、分析されず

最近作られた原発ほど、福島で起きたような原子炉内部での水素爆発等の事故の危険性がある。これは、原子炉の外部を強化する代わりに内部の防御壁を2枚から1枚に減らす措置がとられているからだ。フランス電力公社はフランス政府が発表した報告書において、こうした設計がどのような影響を引き起こすかについての分析を行っていない。


●原発老朽化の影響、考慮されず

政府と電力会社が発表した報告書は、2011年半ばの時点での原発の状態を理論的に仮定した上で安全性を計算した結果に基づいており、原発の老朽化による安全性への影響、特に原子炉の格納容器や原子炉内部への疲弊の影響を考慮していない。


●炉心溶融と水素爆発対策:ジルコニウムの取り換え、考慮されず

ジルコニウムは福島原発やスリーマイル・アイランドでの事故で起きたような炉心溶融や水素爆発で中心的な役割を果たす物質だが、政府と電力会社による報告書では、燃料カバーに使用されているジルコニウムを別の物質に取り換えることを検討していない。


●「福島のような事故は起きない」という前提での「原発耐性評価」

グリーンピースの報告書を作成した2名の専門家たちは、フランス電力公社は深刻な原発事故が起きる可能性を報告書の記述から全てシステマチックに削除していると指摘している。2人はまた、(福島原発事故で起きたような)

「フランス政府は炉心溶融による水素爆発が起きた場合、電源を全て喪失した場合、冷却プールから急に水が無くなった場合の影響についても分析すべきだ」

と指摘している。

「これらの問題への最も効果的な対応策は自然エネルギーに転換することだが、暫くは時間が必要だ。当面はフランスの原子力施設の安全性を強化する必要がある。」

アルジュン・マクヒジャーニはこう報告書を結んでいる。

( J.B. avec AFP, « Sûrté nucléaire. Des risques d’agressions et un vieillissement mal évalués selon Greenpeace », Le Télégramme, 2012.02.20)
http://www.letelegramme.com/actualite-en-direct/ 

<参考>
フランス原子力安全局が原発ストレステストの結果を公表/フランス原子力安全局・フランス大使館(1月3日)
http://www.ambafrance-jp.org/spip.php?article5170

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コメント

フランスねこさん、いつもありがとうございます。
だいぶ前から、このサイトを知っていて(どうやってたどりついたのかわからないのですが)、
ときどき見させてもらってます。(最近はよく見てます)

フランスねこさんがどこの国に住んでらっしゃるかはわかりませんが、僕の住んでいるこの日本では
情報隠ぺいがあまりにひどい状況が続いています。ネットや信頼できる著者の本から情報を得ている状況で、大手のテレビと新聞の情報隠ぺいはもうひどい状況です。なので、いつも情報を掲載していただきありがとうございます。(あと、猫が好きなので、いつもフランスねこかわいいなぁと思ってます。)

ところで、ひとつお願いしたいのですが、ネットで検索して「iran Japanese Radio」というサイトの情報みたいなのですが以下のような記事がありました。↓

「フランスの調査機関が、「福島原子力発電所の放射能汚染レベルは、事故発生時からは大幅に低下したものの、数年先まで残るだろう」と発表しました。
フランス通信によりますと、IRSN・フランス放射線防護原子力安全研究所のシャンピオン危機管理局長は、28日火曜、パリで記者会見し、「福島原発事故の汚染は事故当初からは大幅に減少したが、それは完全に消えたことを意味しない」と語りました。
また、「環境汚染は数年先まで消えることはない。低濃度の放射性物質に晒される危険は存在し、もし警戒しなければ、それは時の経過と共に高まる危険もある」としました。
さらに、「放射能漏れは、昨年3月12日から25日までに15回発生し、そのうち最大のものは、15日以前に起きたと見られる。この事故で空中に放出した放射性物質の量は、1986年のチェルノブイリ原発事故よりは少ない」としました。
このフランスの機関はまた、福島原発事故では、チェルノブイリ原発事故の3倍のセシウムが放出したとしました。
さらに、これまで、福島原発事故と直接関連のある病気や死亡の例は報告されていないとしながら、「この事件が、一般の人々、福島原発の職員や作業員に及ぼす長期的な影響は明らかではない」と強調しました。」

という情報(特に福島原発事故では、チェルノブイリ原発事故の3倍のセシウムを放出したということ)を、
フランスの調査機関が発表したみたいなのですが、この情報はフランスでは発表されているのでしょうか?
ちなみにもしフランスで発表されていたら、どこの新聞などで発表されているか教えてもらえるとありがたいです。
お手数おかけしますが、急ぎではありませんので、都合よい時にどうぞよろしくお願いします。

また同じような記事で今みつけたのですが、↓

「【2月29日 AFP】フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)は28日、昨年3月の東京電力(TEPCO)福島第1原子力発電所事故について、放射能汚染レベルはこの1年間に急激に低下したものの、汚染は慢性化し、長期にわたって続くとの見解を示した。

 IRSNによると、主な放射能漏れは3月12~25日の計約15件の事故で発生したが、最大の放射能漏れは恐らく3月15日以前に発生した。

 セシウムの総放出量は推定で5万8000テラベクレル(テラは1兆)。これは1986年のチェルノブイリ(Chernobyl)原発事故における放出量の3分の1弱にあたる。なお、セシウム137の総放出量は推定2万1000テラベクレル。

 セシウム137に汚染された約2万4000平方キロのうち、1平方メートルあたり60万ベクレルの安全基準を上回ったのは600平方キロに過ぎず、これもチェルノブイリ事故の場合を大きく下回る。

 ただし、福島第1原発から最大250キロ離れた場所でも、雨などにより放射性物質が蓄積された「ホットスポット」が依然として残っている。

 これまで、事故が直接的な原因となった死亡例や病気の報告はないが、市民や救急隊員や福島原発作業員への長期的な影響については不明だとIRSNは強調している。

 IRSN危機管理部門のディディエ・シャンピオン(Didier Champion)氏は、慢性的な低線量の被曝が続く恐れがあり、注意しなければ累積被曝量は増えていくと指摘し、日本は果物、ミルク、キノコ類、狩猟した動物、魚介類の厳重な監視を継続することが死活的に重要だと述べた。(c)AFP/Laurent Banguet

という記事もありました。おそらく同じ記事だと思うのですが、3倍なのか、3分の一なのか、もし情報があれば教えてください。

atsunekoさん

コメントを頂きありがとうございました。フランスのいくつかのメディアで報道されていますが、IRSNは福島原発事故から1周年を迎える今月、福島原発事故に関する報告書の発表を予定しています。その中のポイントとなる部分が最近事前に発表されたことから、ご覧になった記事等で報道されたものと想像致します。尚、私が読んだ記事では福島原発事故におけるセシウム放出量はチェルノブイリ事故より少なかったという記述になっていました。IRSNより報告書が発表され何か有用な情報の記載がありましたら、こちらのブログで御紹介させて頂きたいと思います。引き続きどうぞよろしくお願い致します。

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