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2012年3月14日 (水)

フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)「日本政府の被ばく調査は福島事故の健康被害を計測せず」(2)/IRSN(2月28日)

その(1)からの続きです。

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。


3.福島原発事故の処理にあたる関係者の被曝

 東京電力によれば、これまでに250mSvを超える被曝を受けたのは東京電力社員6名のみ(最大678mSv)。また、公式には6名が死亡している。

 しかし東京電力が発表したデータには、消防士、警察官、(自衛官)、民間会社の警備員、自治体関係者等が全く含まれていない。これらの関係者の被ばく量については全く明らかになっていない。

 また、死亡した6名については、85%がマスクを着用していなかったためにヨウ素131を吸い込んだことが原因とされているが、こうした事実を確かめることは不可能であり、データの計測方法についても明らかにされていない。

 今日、「東電フィルター」(東京電力による情報隠し)のせいで事故処理に当たる関係者の被ばく量、および被ばくによる健康への影響を正確知ることは非常に難しい状況である。東京電力に問い合わせなければ情報を得られない上、同社は十分な情報を提供していない。特に、公表データの計測方法等が明らかになっておらず、データの信憑性を科学的に確かめることができない。


4. 結論

 日本政府は今後、780億円という巨額な予算を投じ、30年という長期にわたって4つの調査を実施する予定である。

 しかしこうした疫学(統計)手法による調査では、今回の事故で起きた100mSv未満の被ばくについて事故と健康被害の因果関係を明確にすることは不可能である。

 但しこれらの調査は、住民に安心感を与え、かつ低線量被爆の影響についての新しいデータを得るためには有用であると考えられる。

 事故発生直後に周辺地域の住民、特に子どもへの放射性ヨウ素による外部被ばく量が計測されておらず、子どもたちの被ばく量は計測が不可能となってしまった(被ばくの被害を知るために重要な情報であり、計測を行わなかったことは大きな損失であると考えられる)。放射性セシウムによる被ばく量の計測は現在でも実施可能だが、日本政府はこれを実施することを予定していない。「健康診断」による(後追いの)調査のみとなっている(不十分であり残念)。

 「東電フィルター」によって事故処理に関わった関係者の被ばく量やその影響を知るために必要な情報を得ることができず、憂慮すべき事態が起きている。(こうした東電の対応に対し、今回の報告書の発表者として)「非常に気分を害している」。


●出典: ジャン・ルネ ジュルダン放射線防護副局長による記者会見(パワーポイントによる解説、フランス語)

http://www.irsn.fr/FR/base_de_connaissances/Installations_nucleaires/La_surete_Nucleaire/Les-accidents-nucleaires/accident-fukushima-2011/fukushima-1-an/Pages/5-consequences-sanitaires.aspx?dId=c08bb96e-cf42-4798-a34b-f647bdd05dea&dwId=ff994e1f-9e94-41b6-ac38-4877daa3b796

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コメント

フランスねこさんへ
東電も日本政府も同じ穴のムジナで 事故後のお互い議論をされているようですが、結果が決まっているのに国民に努力しているかを見せて、馴れ合いの猿芝居には腹立たしく思っています。
日本国民を多くは同じ見方でしょう。
ただ 何も出来ない事に苛立ちを持っております。

こんにちは。フランスねこさん『人間の鎖』参加なされたんですね。きっといい経験だったんでしょう。

IRSNの資料日本から見ると厳しい事かかれてますがCriiradの方でよくIRSNの資料の批判があるのでその事も考えながらよく見てます。

此間もコメントしましたが日本語字幕のアドレスArteの方に載せてあったのでこちらにも載せておきます。
『福島の物語』 Alain de Halleux 監督

日本語字幕つき           http://www.crescendofilms.fr/Fukushima/Japan.php 
Arte テレビ局ドイツサイト     http://fukushima-geschichten.arte.tv/#!/4891
Arte テレビ局フランスサイト    http://fukushima.arte.tv
英語 字幕つき           http://www.crescendofilms.fr/Fukushima/index.php

奥田さん、ユキさん

メッセージをありがとうございました。少し穿った見方を致しますと、疫学がある程度分かる人であれば、現在の日本政府による調査が事故と被ばくの因果関係を検証するにはあまり意味がないということをすぐに理解できるはずだと思います。ですから、もしかすると最初からそのつもりで、こうした調査を実施することにしたのだろうかという気も致します。被ばくがなかったというこになれば、補償も必要ありませんから。。 体内に取り込まれたセシウムの量が計測できれば、被ばくさせられたことの直接的な証拠になります。将来何かあったときには、より確実な証拠データになると思います。

以前話に出ました瓦礫の広域処理に関しまして、既にこうした問題について意識の高い方だけではなく、あまりこうした話題に普段関わりの無い方で九州や沖縄にお住まいのお友達などに、率直に話をしたり手紙を書いて科学的なデータや自分の気持などを伝えてゆくのも重要ではないかという気が致します。西日本に住む私の知人たちは皆自分たちの住まいは安全だと考えていますし、事故の影響についてそれほど深い関心を寄せていない人も多いです。そういう知人たちにも、これからどんなことが起きるのかを具体的に知らせる必要があるのではないか、と言う気が致します。

引き続きどうぞよろしくお願い致します。

フランスねこさんへ
私の居住している所は関東より西方面ですが、東北地方に地震が起きると発生時間がずれて放射能の数値が高くなっています。
福島原発現場は収束していないのが実感を受けます。

奥田さん

御連絡ありがとうございました。そうですか。。私も昨年の関東の放射線量一覧を数日前に見た時、5月以降も放射線量が通常以上に高い日が何十日もあったという記録を見て愕然としました。こんな場所に多くの人が住んでいて今後どのような影響を受けるのか、大変心配です。

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