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2012年4月

2012年4月30日 (月)

被ばくと癌に苦しむ原発下請け作業員:「私たちには、苦しみしかない」/バスタ!(4月23日)

フィリップ・ビラールはその昔、原発の下請け作業員と働いていた。現在は、「原子力・化学産業における下請け従業員の健康を守る会」のスポークスマンを務めている。フィリップは次の記事で、高度の放射能被ばくを伴う作業を専門にしていたかつての同僚との再会について詳しく語っている。癌にかかった以前の同僚は、それでも労災認定の申請を行うことを躊躇していた。疲れ切った孤独な男の姿がそこにある。

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今日、私は釣りに出かけた。釣り場を出たところで、以前フランス電力公社(仏最大の電力会社、EDF)の下請けで原発の仕事をやっていた昔の同僚に出会った。私たちはあれこれいろんな話をした。特に、庭いじりの話で盛り上がった。というのも、私が苦労して手入れをしている農園があるバルモン川の土手に、彼も最近「秘密の花園」(理想的な自分だけの農園)を買ったばかりだったから。

それから、私たちは昔の仕事の話をした。私たちはパルエルにある同じ原発の中で何年も一緒に働いていた。それからその同僚は、重い癌が二つできて死にそうになった話をした。膀胱癌にかかり、それから前立腺と周りの臓器に転移した。でも、労災認定の手続きはしなかった。申請はしていない、病気で疲れていたから、そして今もまだ疲れているから、と男は言った。


●下請け作業員が浴びる膨大な年間被ばく「許容量」

しかし私の同僚が労災の手続きをとらなかった本当の理由はむしろ、「癌になったのは被ばくのせいであるはずがない」、「(放射性の塵を吸い込んだことによる)内部被ばくのせいでもありえない」、「でも石綿のせいかもしれない」と言われたからだった。そのせいで彼は、労災を申請しても認定されることは難しいだろう、と考えて手続きをするのをやめてしまった。そしてたった一人で病気と戦わなければならなくなった。そして、助けるどころか、被ばくによる癌への補償を要求する権利を行使するのを思いとどまらせようとする医者たちにも立ち向かわなければならなかった。2008年のことだった。私はその同僚に、労災申請の手続きを手伝いたいと申し出た。でも彼は私を信用していない風だった。でも彼の妻は、より熱心に私の話に耳を傾けていた。

私たちは原発内の労働条件について話し合った。同僚の話を聞きながら、私は私たちが一緒に働いていた頃のことを思い出した。当時の年間被ばく許容量(「許容」だなんて、なんと言う恥ずべき言葉だろうか?)は50ミリシーベルトだった。しかし同僚はひどい被ばくにさらされた。というのも、彼は原子炉と蒸気発生装置をつなぐ管にもぐり込んで、導管の維持管理ができるよう栓をする「ジャンパー」の係(「ジャンプ係」)だったのだ。この作業はとても高い放射線にさらされるために1分半以上かかってはならないことになっていた。「ジャンパー」は数秒で一年分の被ばく許容量を浴びてしまうのだ。

同僚はまた、人間と思えないようなひどい扱いを受けた経験を私に話した。不安定な契約で働く他の作業員たちが、わざと彼の線量計を蒸気発生装置の外においたままにする、というよくある嫌がらせをやったのだ。


●日々起きる原発内での事故

その後私は別の「元原発作業員」に出会った。彼もまた、病気だった。フェカンの町(注)の中だけでも、癌になった同僚に会うのは3回目だった。そのうちの一人は、ルーエン病院で働く放射線医の助けを得て労災認定の申請を行っていた。他の二人は、疲れ切って今のところは何もしたくない、と言った。

原発ロビーというこの産業は、そこで働く作業員たちから本当に多くのものを奪っている。私が「下請け作業員は問題の痕跡を消すための道具だ」と言うとき、私は馬鹿げたことを言っているわけではない。私は本気だ。私たちが原発で働いたことのある作業員たちの健康状態を調べ、治療を行い、手を差し伸べて補償を行うために作業員に関する調査を要求するのは、原子力産業のお陰でたくさんの被ばく者が生み出されていて、彼等がたった一人で病気に立ち向かわざるを得ないからだ。作業員にはたった一つの権利しかない。苦しみを味わう権利だ。

原子力産業のおかげで、どれだけの人が被ばくによる病気に悩まされているのか。この人たちをこれからもたった一人にしておくのか。これもまた、原子力についての重要な問題の一つだ。いつになったらフランス人は、原発作業員や下請け作業員たちが日々さらされている、日常的な原発内での事故に対処しようとするのだろうか。

(一部編集)

(注)フェカン市はイギリスを対岸に臨むフランス北端の港町。
●地図と写真はこちら(仏語です)http://en.wikipedia.org/wiki/Fécamp

●フェカンの港町(画像のみ)http://www.google.co.jp/search?q=Fécamp&hl=ja&client=safari&rls=en&prmd=imvns&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ei=2ZqeT4mvLLGNmQWE7dHLDg&ved=0CEUQsAQ&biw=1142&bih=633

(Philippe Billard, « Nomade du nucléaire : Nous n’avons qu’un seul droit, souffrir », Basta !, 2012.04.23)
http://www.bastamag.net/article2331.html

2012年4月28日 (土)

「危険すぎる原発、劣悪すぎる労働条件」事故続発の仏カットゥノム原発で、下請け作業員がスト決行中/テレビ「フランス3」(4月23日)&ロマンディ・ニュース(4月22日)

●事故続発に我慢限界―下請け作業員によるストライキに派遣社員も参加

カットゥノム原発(注)で働く作業員たちによるストライキは4月23日、第2週目に突入した。関係者は毎朝6時半に同原発周辺の道端に立ち、今回の抗議行動を説明するビラの配布を行っている。最近カットゥノム原発内で立て続けに起きた事故の後、同原発の維持管理を担当する下請け会社「パリ電力産業会社(SPIE)」の従業員の70%〜90%(日によって変動)が安全性の強化を要求する抗議行動に参加している。4月19日には、同社で働く派遣社員らも抗議に加わった。同様の抗議行動はカットゥノム以外の原発にも広がっており、フッセンハイム原発(4月25日に火事が発生)でも実施されている。

抗議に参加している関係者たちが一貫して非難しているのは次の点だ。業務に必要な技能を持たない従業員が現場に配属され、作業能率に関するノルマが強制されているために、安全管理が犠牲になっている。作業員たちは又、給与の引き上げと、親会社であるフランス電力公社(フランス最大の電力会社)の社員に認められている、夜間・休日労働への加算、出張中の日当宿泊費を下請け会社の従業員にも認めるよう要求している。

フランス国内最大の組合組織CGTによれば、原発を渡り歩く下請け作業員の給与は最低賃金レベルにある。原発から原発への移動中は、広さ9平方メートルの部屋に3名の作業員が同宿させられ、年間4万5千キロの距離を移動するのに使用する自家用車のガソリン代も払われていない。

ストライキによるカットゥノム原発の運営への支障は無い。


● 相つぐ原発内での事故

カットゥノム原発では3月10日、導水管の仕切り弁が閉まり原発が自動停止する事故が起きた。フランス電力会社は3月12日、同原発を再稼働したと発表している。カットゥノム原発で事故による自動停止が起きたのは、今年に入ってからこれが3回目。


● 近隣国も安全対策の強化を要求

国際的な専門家らはカットゥノム原発の稼働を継続しても問題ないと述べている。しかしフランスの原子力安全局が発表したカットゥノム原発の安全強度に関する報告書は(同原発の安全対策の不備を露呈し)、ドイツとルクセンブルクという近隣の2カ国に不安を引き起こした。同報告書は、福島原発事故が発生した直後に実施されたストレステストの結果を受けたもの。

ドイツ関係州とルクセンブルクの経済・エネルギー大臣、環境大臣、保健大臣の3名は、同原発のコントロール・ルームにおける放射能への耐性が不十分であり、豪雪への対策が想定されていない等、数々の不備をフランス原子力安全局に指摘し、対策の強化を要求した。フランス原子力安全局はフランス電力公社に対しこれらの対策を指示したが、テロリストによる攻撃や原子炉に飛行機が墜落した場合の対策は考慮されていない。

「このストレステストは安全対策強化への第一歩です。でもまだ更に強化してゆかねばなりません。」

ルクセンブルクのマース・ディ・バルトロメオ保健大臣はエッソンシエル誌にこう語った。大臣たちは、今年中に関連する専門家およびフランス電力公社への面会を希望している。カットゥノム原発の廃炉には、まだ2025年まで待たねばならない。

(抜粋、一部編集)

(注)カットゥノム原発。事業主は、国内最大の電力会社であるフランス電力公社(EDF)。4基の原子炉を備え、一番古いものは1987年より稼働。カットゥノムの町はフランス東端の国境に位置し、ドイツから40キロ、ルクセンブルクからは35キロの距離にある。
http://www.panoramio.com/photo/51151125 

(François Carretier, « Cattenom – La grève de sous-traitants de SPIE », France 3, 2012.04.23)
http://lorraine.france3.fr/info/cattenom---la-greve-de-sous-traitants-de-spie-68469278.html 

(« Nucléaire : grève de salariés d’un sous-traitant dans plusieurs centrales », Romandie News, 2012.04.22)
http://www.romandie.com/news/n/_Nucleaire_greve_de_salaries_d_un_sous_traitant_dans_plusieurs_centrales80190420121938.asp

2012年4月25日 (水)

豪政府、アボリジニーの聖地に放射性廃棄物処理場の建設を計画:高まる抗議の声/ヌーベル・カレドニエンヌ(4月10日)

アボリジニーの聖地マカティ―(「マカティ―牧場」)の伝統的所有者たちは4月10日、彼らの聖地に放射性廃棄物の処理場を建設するというオーストラリア政府の計画に反対し、北部地域にある「テンナンの小川」の近くで高速道路を占拠、交通を遮断する抗議行動を行った。

抗議を行ったのは、身体に伝統的な絵柄をまとったアボリジニーの女性たち。マカティーは、アリス・スプリングスとダーウィンの間に位置する「テンナンの小川」から更に120キロ離れた場所にある。オーストラリア政府は人里離れたこの場所を、シドニー郊外にある国内唯一の原子炉「ルーカス・ハイツ」での研究および医療行為にから出たウラン等の放射性廃棄物を保管する処理場の候補地として有力視している。放射性廃棄物は現在、フランスのラ・アーグ放射性廃棄物処理工場で管理されている。しかし2014年から2015年にかけて本国に返還される予定となっていることから、オーストラリア政府はこの廃棄物の保管場所を決定するためのプロセスを加速させている。

マカティ―はアボリジニーたちにとって、男性の通過儀礼を行う聖なる場所と位置付けられてきた。この場所を守るため、アボリジニーの住民たちは政府および北部地域の半分にあたる地域を管轄する北部土地評議会に対して裁判を起こした。最後の弁論が先週メルボルンの最高裁判所で開かれた後、審理は5月まで延期となっている。

マカティ―を放射性廃棄物の処理場にする計画に反対する関係者の一人、テッサ・ドウデルは、「この聖なる場所が守られるよう、政府に引き続き圧力をかけ続けなければなりません」と説明する。2週間前、オーストラリア政府はマカティー以外の他の建設候補地を考慮の対象としない旨を公言した。政府は2006年より処理場の建設候補地を探し続けており、当初は2011年に最終決定を予定していた。従って、決定の日は近いと見られている。テッサは、アボリジニー関係者たちによる抗議運動が成功しているお蔭で、これまでのところマカティ―が候補地に選定されていないと考えている。

また、テッサの呼びかけにより、オーストラリア国内で活動する56人のアーティストたちが、マカティーを守る運動を支援するためのアート展を開催している。展示されているアートを売って得られる収益金は、反対運動を続けるための資金にあてられる予定だ。

(抜粋・一部編集)

(« Non aux déchets nucléaires », Nouvelles Calédoniennes. 2012.04.10)
http://www.lnc.nc/article/australie/non-aux-dechets-nucleaires

2012年4月23日 (月)

今、改めて振り返る:「自分と子どもを放射能から守る」調理法とは/ウラジーミル・バベンコ

昨年3月に福島原発事故が起きた直後には、「どうすれば食品に含まれる放射能から身を守れるか?」という問題を真剣に考えられた方も多かったのではないでしょうか。事故の発生から1年以上が経過しましたが、今月も各地の竹の子から基準を上回る放射能が検出されるなど、放射能による食物連鎖への汚染は今後も長く続くことが見込まれます。

昨年5月にこのブログでも御紹介した(注1)ベラルーシのベルラド放射能安全研究所による『自分と子どもを放射能から守るには』の日本語版が京都大学原子炉実験所の今中哲二助教の監修で出版されています。

●『自分と子どもを放射能から守るには』(世界文化社、840円)
http://www.sekaibunka.com/book/exec/cs/11318.html 

美しい色使いでイラスト満載のこの本は、「知って守る」、「食べて守る」、「この地で生きる」の3部構成になっており、特に2章の「食べて守る」では食材別に放射能による汚染を減らすための簡単な調理法と、手軽なお勧めレシピが紹介されています。既にご覧になった方も多いかと思いますが、これまでに得た知識を整理し、普段の生活を少し振り返る意味で有用な本だと思います。

ブログではポイントとなる部分に絞ってご紹介させて頂きますが、内容に御関心のある方は是非書店で実際にご覧になってみられることをお勧めします(お値段も840円と比較的お手頃です)。
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0.基本の考え方
原則として、汚染度の高い食材を避けなければなりません。食材に含まれる放射能の量が多ければ、調理法を工夫しても十分に放射能を減らすことができません。

1. 野菜・果物・穀類
○どんな野菜や果物も、表面を水で良く洗う。
○キャベツは表面の葉を3、4枚捨てる。長ねぎも外側の1枚を剥いて捨てる。
○大根、にんじん、かぶは地上部分に出ている茎や葉を1〜1.5cm大きめに切り落とす。
○長ねぎ、玉ねぎなどの根の部分は、も1〜1.5cm大きめに切り落とす。
○トマト、キュウリ、なす、アスパラガス、パプリカなども皮を向く(トマトであれば、湯むきをすれば簡単ですね)。
○穀類は脱穀してもみ殻を取り除く。米の場合は白米にする。(p.48〜51)


2. 乳製品
原則は、「乳清(ホエー)は絶対に摂取しないこと」。ヨーグルトは水切りをすれば簡単に乳清を取り除くことができます。普通のヨーグルトとはひと味違う濃厚な味わいです。

○「ヨーグルトの水切り」の方法
「ガーゼかキッチンペーパーを敷いたざるにヨーグルトを入れて、冷蔵庫へ。一晩水切りすればでき上がり。でき上がりの量は、およそ半分になります。」(p.64〜66)

3. 肉
○「セシウムは肝臓(レバー)や腎臓などの内蔵に、ストロンチウムは骨に、それぞれ蓄積しやすい性質があります。そのため内蔵や骨付き肉を購入するときは、放射能測定をしたものにしてください。また、そうして買ったものでも、骨を似出したスープやだし汁は飲まないほうがよいでしょう。」(p.70)
○「豚肉は、鶏肉、牛肉より比較的汚染率が低いことが報告されました。」(p.69)

4. 魚
「骨や軟骨には放射性ストロンチウム、内蔵には放射性セシウムの蓄積が心配されます。まずは水で洗い、内蔵や骨を取り除いておろし、きれいな身だけにしてから調理します。皮も必ずむき、その皮は食べないようにしましょう。」(p.72)


(注1)
「放射能汚染に負けない食品の選び方、調理法、解毒法 ~ベラルーシに学ぶ~」放射能防護研究所ベルラード/辰巳雅子訳(フランスねこ2011年5月8日掲載)
http://franceneko.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/post-40df.html 

<参考>
「ベラルーシの部屋ブログ」by辰巳雅子さん
http://blog.goo.ne.jp/nbjc/e/9cdd28c3bb9abcd03b434e98fa63a509

2012年4月21日 (土)

アレバ社、福島原発から出た核燃料の再処理をフランスで行うことを提案/ルモンド紙(4月20日)

昨年3月に事故を起こした福島原発の核燃料プールに仮置きされている核燃料が、フランスのラ・アーグ使用済み核燃料再処理工場で再処理される可能性が出て来た。東京を訪問中のアレバ・グループ、ルーク・ウルセル代表が4月20日に発表した。

「核燃料の取り出しをどうするかは、福島原発の事業責任者に任されている。しかし我々は再処理に際しフランスが一定の役割を担うことを提案した。」

「もし日本側が希望すれば、この核燃料の一部をラ・アーグ再処理工場の再処理工場で処理することも考えられるだろう。」

ウルセル代表は仏語紙ジャーナリストとの会見でこのように説明した。

「ラ・アーグ再処理工場については、日本やその他の国で使用された核燃料の再処理を行うことも、その使命に含まれている。」

ウルセル代表はこれからフランスで沸き起こるであろう強い反対に、あらかじめ備えるかのうようにこのような正当化を行った。

「もちろん、限定的に何らかのうまくいかないケースもあるだろうし、学ばなければならないこともあるだろう。しかし理性的なアプローチを取らねばならない。」

福島原発から出た使用済み核燃料のうち、その一部については、東北地方にある六ヶ所村の再処理工場で再処理が行われる可能性がある。もっとも、何年にもわたって同工場の稼働を阻んでいる数々の問題が解決すれば、の話だが。六ヶ所村の再処理工場はそれ自体が一部ラ・アーグ再処理工場をモデルに建設されている。同工場は1993年に建設が開始され2000年に稼働が予定されていたが、最終段階になってからいくつもの困難にぶつかり、今に至っている。

アレバ社は日本側に対し、核燃料の再処理以外に原子炉内に立ち入り作業を行うためのロボット技術と原発外での除染技術の提供も提案した。

「私たちは既存の原子炉の安全性強化をはかることにも関心があります。」

ウルセイ代表はアレバ社が既に関西電力に対し、新たに建設される原子炉に設置するための水素噴射装置(事故発生時に水素が自動的に噴射される装置)45個を売却したことに触れながら、このように述べた。こうした装置が福島原発に設置されていれば、昨年3月11日以降に起きたような原子炉が破壊される爆発事故は防げたと見られている。

(注)仏ラ・アーグ使用済み核燃料再処理工場。大気・海ともに周辺地域の放射能汚染が大きな問題となっている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ラ・アーグ再処理工場 

(« Areva propose à Tokyo de retraiter le combustible usé de Fukushima à La Hague », Le Monde, 2012.04.20)
http://www.lemonde.fr/planete/article/2012/04/20/areva-propose-a-tokyo-de-retraiter-le-combustible-use-de-fukushima-a-la-hague_1688630_3244.html

2012年4月18日 (水)

東電・国有化の陰に潜む「暴力団との切れない関係」/ル・ポワン(3月16日)

1. 暴力団による「汚染」と東電国有化

「やくざと原子力マフィア」。スリラー映画の題名にでもなりそうだ。しかし、ああ、これはフィクションでは無い。福島原発事故から1年が経つ今日、ジェイク・アデルスタイン記者は日本を拠点に調査と取材を行ってきた。同記者による記事は、(原発事故の)悲劇の背景にある、私たちの知らなかった影の世界を明らかにしている。

アデルスタイン記者によれば、今後予定されている日本原子力業界の巨大企業「東京電力」の国有化は、同社の破産リスクのみが理由ではない。非公式には、何十年にもわたり暴力団との関係に「汚染」され続けてきた同社の経営を、国が引き受け改革する、という意味なのである。アデルスタイン記者は特にある自民党参院議員の発言を引用している。

「原子力発電はやくざの支配下に置かれるべきではありません。東京電力が反社会的勢力との関係を持ち、業務を行う上でこれらの勢力を遠ざけることができないのであれば、国家の安全保障にとって重大な問題であります。」


2. 被ばくを強要される「素直」な下請け作業員

これらの事実は何も新しいことではない。(東京電力が)やくざに原発労働者の手配を頼るようになった経緯は1990年代にさかのぼる。又、この数か月のうちに、非常に高い放射能汚染の中にさらされながらほとんど「自殺的」とも言えるような労働 ー破壊された原発の中心部分の洗浄― を行った労働者たちがいたことについては、特に言及しなければならない。

彼等には、(被ばく労働を行うか否かの)選択の余地が無かった。「労働者」の大部分がやくざとの何らかの関係のために現場に配置されている。彼等は借金まみれであるがゆえに、借金を返すために命じられた仕事全てを強制される。東京電力が選んだ「下請け作業員」として、命じられるがままに動く「素直な」労働者として。

やくざによる「業務」は下請け労働者の派遣にとどまらない。やくざと政治家の間にある闇の汚職は、建設許可の認可を取り付けるのに有利に働く。そして一部の暴力団組織、特に日本国内で最も強い影響力を持つ上位10組の一つである松坂会は、東京電力の傘下で瓦礫処理を引き受けていた可能性がある。

福島原発事故以来、そして東京電力自身がこうした「黒い関係」を自ら認めて以来、同社は警察庁と共に暴力団対策のための様々な会議に出席してきた。しかし、何も変わらないだろう。昨年6月、東京電力グループはやくざと共に業務を実施するそれまでの流儀を全くやめた訳ではないことを露呈した。(同グループの傘下で)復興事業の現場に配属された約140名の労働者が、偽の身分証明書で働いていることが明らかになったからである。

(抜粋・一部編集。小見出しは訳者によるものです)

( « Japon : Tepco et les yakuzas », Le Point, 2012.03.16)
http://www.lepoint.fr/monde/japon-tepco-et-les-yakuzas-16-03-2012-1442147_24.php

2012年4月15日 (日)

福島原発事故による放射性ヨウ素、海中からも米国西海岸に到達/フィガロ紙(4月10日)

アメリカ合衆国西岸全域に生息する海藻から、昨年3月に発生した福島原発事故によるものと見られる放射性ヨウ素が検出された。放射性物質は事故発生後、津波によって海中を西海岸まで運ばれたと見られている。放射性ヨウ素131については、昨年3月11日以降の数日間のうちに大気を通じて太平洋を横切ったことが既に確認されているが、海中を通じて西海岸に到達していたことを指摘した研究はこれが初めて。米国カリフォルニア大学ロングビーチ校の海洋生物学研究者チームが雑誌『環境科学研究』(Environmental Science & Study)に発表した。

カリフォルニア大学の海洋生物学研究者のスティーブン・マンレーとクリストファー・ロウイーのチームは、放射性ヨウ素をもっとも蓄積しやすい植物の一つである海藻類のうち、大型海藻(Macrosystis pyrifera)の繊維質から、福島原発事故発生から一ヶ月たった後にもヨウ素が蓄積されているのを発見した。マンレーは、今回検出された放射性ヨウ素の量が重要なレベルのものであるとは言え、健康には害が無いと見られる、とした上で、

「海藻に見られる放射性物質のレベルがたとえ低くて人間に害の無いレベルであるとしても、この海藻を食べる魚類には影響があったと考えられる」

と指摘している。

昨年3月11日に日本で発生したマグニチュード9の地震は日本の東北地方で巨大な津波を引き起こした。この津波は福島原発にも損傷を及ぼし、1986年に起きたチェルノブイリ事故以来最大の原発事故を引き起こした。約2万人の人が、この災害で死亡もしくは行方不明となっている。

(一部編集)

(« Tsunami : iode radioactif détecté aux USA », Le Figaro, 2012.04.10)
http://www.lefigaro.fr/flash-actu/2012/04/10/97001-20120410FILWWW00443-tsunami-iode-radioactif-detecte-aux-usa.php

2012年4月12日 (木)

炉心溶融事故から40年:スイス・リュサンス原発で続く放射能汚染/スイス・ニュース(4月7日)

※訂正と御詫び
いつも御愛読ありがとうございます。下記の記事につきまして、リュサンス原発で炉心溶融事故が発生した1969年と、廃炉が完了した時期にはずれがあることが確認されましたので、当初「廃炉」と記載していた箇所の一部について、事故直後の場合には「廃止」との記載に訂正させて頂きました。誤訳につき改めてお詫び申し上げます。

尚、実際に廃炉に至った時期について調べてみましたところ、事故の後に原子炉の取り壊しや放射性廃棄物の運び出しが行われた後、2004年にスイス連邦政府が公式文書にて、同原発を「原子力施設」との定義から外す決定を行っています。正式にはこの辺りを「廃炉」と見なすのではないかと思います(4月18日追記)。

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1969年に炉心の完全溶融を起こしその後廃炉となったスイスのリュサンス原発(注1・2)で、事故から40年が経った現在、環境への悪影響が出始めている。

リュサンス原発では、連邦政府・公衆衛生局が毎月、排水経路における放射能検査を実施している。ところが2011年末、同原発からの排水に含まれるトリチウム(放射性同位体の一種。注3)の含有量に急激な増加が観測された。1リットル当たり15ベクレルだったトリチウムが230ベクレルに増加したのである。政府が定める上限1万2千ベクレルには達していないものの、関係者は事態を緊張感を持って見守っている。

連邦政府環境放射線科のシビール・エスティエール課長は、

「(リュサンス原発が位置する)ボー州(の下水設備)では(原発の排水から)検出されている放射性物質を薄めるのに十分な流水量を確保しており、地下水が汚染される心配はありません。」

と発表し、当面国民の不安を沈静化しようとしている。

しかしトリチウムの急増は昨年の10月、12月に続き今年の1月になっても観測されている。旱魃によりこれまでトリチウムを薄めていた水の量が減り、濃縮が起きたとの見方もあるが、連邦政府・公衆衛生局は監視の強化を決定、今後1ヶ月間の間は毎日、水、植物、魚類における放射能汚染の観測を実施することを決めた。

2011年11月、連邦政府は今後の同原発における廃炉処理について、現在は連邦政府・公衆衛生アドバイザーをつとめるアレン・ベルセからの質問に答え、次のように回答した。

「(今後)追加の予算が必要になるようなことはありません。」

しかし、排水中のトリチウム濃度が上がり続ければ、汚染水を取り除くために容器に入れて保管する必要が出てくる。

「この原発は40年前に廃止になったが、今になって(汚染の)問題が表面化している。リュサンス原発は、ミュールベルク原発を廃炉にした後に私たちが子どもたちにどんな遺物を残すことになるか、の実例だ。」

当時、ボー州で緑の党の党員をつとめていたロマン・アプカは、連邦政府の回答に驚きを隠せない。

「一国における原子力の安全がこれほどまでに軽く扱われるなんて、到底信じられません。」

(注1)リュサンス原発が位置するリュサンス村(仏語ですが、写真をご覧ください)。10世紀の書物に引用された歴史ある村で、かつて司教が住んだ古い城で知られる。http://fr.wikipedia.org/wiki/Lucens

(注2)廃炉時のリュサンス原発内部。
http://blogs.rts.ch/passe-present/le-mauvais-depart-du-nucleaire-en-suisse/

(注3)トリチウム(原子力情報資料室)
http://cnic.jp/modules/radioactivity/index.php?cat_id=1 

(« La centrale nucléaire de Lucens commence à montrer des signes inquiétant », Suisse News, 2012.04.07)
http://www.suissenews.net/index.php/95-07042012-la-centrale-nucleaire-de-lucens-commence-a-montrer-des-signes-inquietant

2012年4月10日 (火)

モロッコ政府、ガスによる発電政策へ転換/アジャンス・エコファン(4月2日)

無事に帰宅しました。
引き続きマイペースで、週2回程度を目標に更新してゆきたいと思います。
新年度もどうぞよろしくお願い致します。

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石油価格は異常な値上がりを見せており、先行きが見えない。石炭は環境破壊を引き起こす難点がある。原子力については、ぞっとするような恐ろしい危険が明らかになっている。

モロッコのフアド・ドゥイリ産業・エネルギー大臣は、国内で開かれたモロッコ企業総連盟による電力フォーラムで、自国における将来の電力政策への解決策を示した。「ガス」である。

「競争に基づく価格で購入でき、多様な目的に使用可能で、クリーン。それに加え、量もふんだんにある。ガスという燃料源は他に比べて条件が良い。」

ドゥイリ大臣は「今後(我が国が)200年間使用できるだけの量のガスが存在する」と付け加えながらこう宣言した。

国際社会では、ガスは発電需要の約25%を担っているが、モロッコでは現在ガスの利用は4%にとどまっている。

モロッコ政府は石油とガスの利用に関する新たなエネルギー政策のための法制度と同セクターにおける監督官庁の設立を準備している。モロッコの隣国であるアルジェリアでは新たなガス田が発見されており、モロッコ政府とアルジェリア電力公社ソナトラックは6.4億立方メートルにおよぶ天然ガスの売買契約を結んだばかり。

(抜粋、一部編集)
( « Le Maroc prépare sa conversion au gaz », Agence Ecofin, 2012.04.02)
http://www.agenceecofin.com/hydrocarbures/0304-4191-le-maroc-prepare-sa-conversion-au-gaz

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