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2012年5月26日 (土)

「福島原発事故を繰り返してはならない」米国・原子力規制委員長、原発の安全対策強化を求め辞任に追い込まれる/ラ・プレス(5月21日)

米国・原子力規制委員会(NRC)のグレゴリー・ヤツコ委員長は今年2月、東芝とその傘下にある米国ウエスチングハウス社が申請した2基の新規原子炉建設に対し、福島原発事故の教訓を踏まえた安全対策の強化を求めてただ一人反対し、原子力業界関係者から非難を浴びた。そしてその3ヶ月後にあたる5月21日、辞意を表明した。

「福島での事故がまるで無かったかのように新たな原発の建設を認めることに、私は賛成できません。」
「私から見れば、今回の新規の原子炉建設を認めることは『フクシマ』がまるで起きなかったと言っているのと同じことなのです。」

今年の2月、ヤツコ委員長は東芝とウエスチングハウス社が申請したボーグ州(注)とジョージア州での新たな2基の原子炉建設について、昨年3月11日に福島で原発事故を起こした原子炉と同型の施設に関し、福島事故で明らかになった欠陥を直すことを承認の条件に挙げ、原子力業界に改善を求めていた。

ヤツコ委員長は原子力セクターに身を置きつつも、事故の危険を予防するという原則を非常に厳しく貫き通したある種の「自由人」だったと言えるだろう。

ヤツコ委員長は

「信じられないほど生産的な3年間でした。」

と自らの業務を前向きに振り返りつつ、

「しかし、別の場所に移って国民の安全を守る努力を続けて行く時がきました。」

と述べた。同委員長は、次期委員長が決定するまで現職にとどまる予定だ。

原子力に反対する民主党のエド・マーキー議員はヤツコ委員長について、

「原子炉への厳しい安全規準の適用に反対する原子力業界の中でも特に強攻な原子力推進派に対して、非常に困難な戦いを挑んでいた」

と見る。

ヤツコ委員長は1年以上前、職場でモラルハラスメントを行なったとして一部の職場関係者から非難を受けた。しかし委員長は本件を一貫して否定している。この件については、現在に至るまで政府内で特段の対応はなされてこなかったが、最近になって再び脚光を浴びている。

(抜粋、一部編集)

(注)ボーグ州ではすでに、東芝とウエスチングハウス社による新規原子炉の建設が進められている(画像あり)。スリーマイル島原発事故以来、30年ぶりの新規建設となった。
「米原子力規制委、東芝傘下の新型原子炉を認可」エクール(2011年12月23日) http://www.ecool.jp/foreign/2011/12/westinghouse11-ap1436.html

<参考>「ヤツコ米原子力規制委員長が辞任へ 在任中業界や委員と衝突」ウォールストリート・ジャーナル日本語版(5月22日)
http://jp.wsj.com/US/Politics/node_446528 

(AFP, « Désavoué, le directeur de la sécurité nucléaire américaine démissionne», La Presse, 2012.05.21)
http://www.lapresse.ca/international/etats-unis/201205/21/01-4527198-desavoue-le-directeur-de-la-securite-nucleaire-americaine-demissionne.php

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コメント

フランス猫さん
ニューヨークから今日は。
メルアドがわからなかったので、コメントの方から失礼します。
ヤツコ委員長辞任日本語訳記事拝見しました。有難うございました。

違う主題で申し訳ないのですが、実は、Horiwaki Kosaku(北九州出身で現在ニューヨークで映像関係の仕事をされている方。小出助教講演会、記者会会見映像などもこのリンクのホームページから入って頂きますとご覧頂けます。)さんが、北九州瓦礫処理反対のためオンライン署名運動を始められたのですが、フランス語訳を作成されました。恐れ入りますが、フランス猫さんのほうで、お知り合いなどにご協力をお願い頂く事が出来ればと思い、失礼を承知でご連絡をさせて頂きました。

(写真をクリックするとオンライン署名リンクに繋がります。フランス語が読めないのですが、確認させていただきました。)

宜しくお願い申し上げます。

Riko

http://cinemaforumfukushima.org/2012/05/27/now-french-translation-of-the-kitakyushu-petition/

フランスねこさんへ
いつも情報をありがとうございます。
日本政府は外国からの警鐘を馬耳東風か馬の耳に念仏かして 全く原発の危険性や福島原発事故の内部被爆した子供達を未だに避難させないとは……
事故調査委員会にて菅,枝野、海江田,細野らの言葉を見ていると日々刻々と内部被爆の被害が及ぼしているのが理解していないのかと…
日本政府(官僚、政治家)は放射能に対して考える脳ミソが有るのかと疑いますね。
放射能だけでなく政治哲学 政治の理念さえも持ち合わせていない単なるウジ虫かと……
叩き潰してやりたい気持ちです。

Rikoさん

御連絡ありがとうございました。
拝見させていただきます。(通常は基本的に記事に関係するコメントのみ掲載させて頂いておりますが、フランス語圏の読者の方もいらっしゃいますので共有させて頂きます。)

奥田さん

コメントをありがとうございました。
被曝対策については、事故から1年が経っても遅々として進んでいない感がいたします。先日発表されたWHOによる報告書の編集委員にはIAEAの関係者の名前も含まれており、内容の精査が必要だと思います。

フランス猫さんへ

お願いした署名をコメントとして掲載頂いて恐縮しおります。有難うございました。
主題、ヤツコ委員長の辞任、米国原発の安全性、Indian Point Renewal等に関し、PBS Newsohour テレビ番組の録画(インタビュー収録含むスクリプト付き)を発見しましたので、ご連絡させて頂きます。
PBS Newshour REPORT AIR DATE: May 25, 2012 
"Are U.S. Nuclear Plants Ready for a Fukushima-Like Meltdown?"
http://www.pbs.org/newshour/bb/science/jan-june12/nrc_05-25.html

貴重な、フランス、ヨーロッパの状況をお伝え頂いて本当に有り難うございます。

Riko

Rikoさん

貴重な動画をお知らせ頂きありがとうございました。
署名の件はどうかお気になさらないでください。いろいろな方から様々な御連絡を頂くため、ある程度お返事を一貫させなければならない部分がありまして、杓子定規な対応で申し訳ありません。又、こちらもメールアドレスを掲載しておらず申し訳ありませんでした。今度時間があるときに載せておきます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。

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