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2012年5月23日 (水)

太陽エネルギー産業の再建:オランド新政権への期待と試練/ルモンド紙(5月22日)

「再生エネルギーの利用拡大を、関連産業への支援と合わせて強化する。」

フランソワ・オランド新大統領が選挙で掲げた60の公約のうちの一つだ。ニコル・ブリック環境・持続的発展・エネルギー大臣だけではなく、アルノー・モントブルク産業復興大臣も含めた閣僚たちが、ただちに取り組みを始めなければならない課題である。


●フランス太陽エネルギー産業の苦境

フランスで太陽光発電の先駆者的存在だった「フォトワット」社が、瀕死の状態から当時のサルコジ政権の介入で何とか息をとりとめた、という事実が示すように、そして再生可能エネルギー業界組合(SER)の関係者たちが述べているように、「フランスの太陽エネルギー産業は、再建を必要としている。」

他のヨーロッパ諸国同様、フランスの太陽エネルギー産業は、中国と台湾を中心とするアジアからの安価な光電池(光によって電力を起こす電池)の流入と、政府からの電力買い取り価格への補助金削減によって苦境に立たされている。

2011年、中国は世界の光電池生産量のうちの57%を、そして台湾は11%を占めていた(注:日本は6.9%)。反対にヨーロッパの生産量は9%にすぎず、そのうちの7%をドイツが占めている。中国はシリコンと光電池の生産に280億ドル(約2.8兆円)を投資したが、ヨーロッパ諸国による投資はその4分の1にも満たず、そのほとんどがドイツに集中していた。これと平行して、2011年にはフランスで業界数千人分の雇用が失われた。


●技術革新による打開戦略

しかしこうした状況とは裏腹に、フランスではかつてない勢いで太陽光発電設備への需要が拡大している。2011年には、2010年時の2倍にあたる1600メガワット分の太陽光パネルが新たに国内で設置された。

苦境の太陽エネルギー産業にも切り札が無い訳ではない。国内の関連研究所をとりまとめる国立太陽エネルギー研究所(INES)は、このセクターに関する研究所としてトップクラスの位置にある。

「新しい技術革新に投資し続けなければなりません。新しい技術を生むことによってのみ、私たちは他国に差をつけることができるのです。」

ヨーロッパ代替エネルギー研究所のジャン=フランソワ・バルは述べる。長期的には、「ポリマー」と呼ばれる高分子化合物素材による、より発電効率の高い電池を開発できる可能性もある。米国同様、ヨーロッパにはアジアの競争相手には無い技術力がある。技術力をうまく使うことができれば、素早くこれまでの遅れを取り戻せる可能性がある。しかしそのためには、研究開発への投資が必要だ。

政府の「原子力と原子力に代わるエネルギーに関する委員会」で科学研究部長と代替エネルギー部門の責任者をつとめるジャン・テルムは次のように述べる。

「発電は地域に密着した活動です。発電を行なう場所は消費地に近くなければならないのです。ですから、巨大な太陽光パネルの工場が中国その他にできたとしても、そのまま電力の世界市場に供給を行うということは考えられません。フランスに光電池分野で活躍する望みが全く無い訳ではないのです。」


●エネルギー政策の転換に向けたステップ

このシナリオに従えば、フランス産業界が太陽光発電産業の立て直しを求めるのは必然のことだ。そして今現在、政府は再生エネルギーの支援により前向きだ。オランド新政権は今後エネルギー政策転換に向けて国家レベルでの議論を行い、2013年の春に新たな法律の制定を目指している。 

「私たちは2013年の夏まで、(代替エネルギー)産業全体が安定し、人目を集め、前向きな体制に落ち着くのを待つ気はありません。」

仏大統領選挙の際、フランソワ・オランド新大統領のチームで環境問題を担当していたマリーヌ=エレン・オベールは言う。太陽光発電産業の斜陽に歯止めがかかるだろうか。新大統領の手腕が問われている。

(要約・抜粋)

(Pierre Le Hir, « Les industriels du solaire comptent sur la relance promise par François Hollande », Le Monde, 2012.05.22)
http://www.lemonde.fr/planete/article/2012/05/21/les-industriels-du-solaire-comptent-sur-la-relance-promise-par-francois-hollande_1704756_3244.html

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