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2012年5月16日 (水)

心を蝕む被ばくの代償は:被ばく後の不安にさいなまれる元原発作業員、フランス電力公社を提訴/マ・ヴィル.com(4月28日)

被ばくの体験は、身体のみならず精神的にも大きな負担をもたらします。大量の放射線を浴びた一人の原発作業員は、電力会社に対し精神的な被害への保障を求める最初の声を上げました。

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パリの急速審理裁判所(注1)は6月4日、フランス電力公社(EDF、フランス最大の電力会社)が運営するグラブリンヌ原発(仏北部の町。注2)で原子炉の維持管理を行なっていた元原発作業員が、作業中に大量の放射能による被ばくを受けた後に不安に悩まされるようになったのは、同社が原因による「精神的損害」である、として起こした最初の裁判について判決をくださなければない。4月28日、この訴えを起こした被害者を代表するエマニュエル・ルド弁護士が明らかにした。

ルド弁護士はこの日、原発作業員だったフィリップ・クリブリ氏52歳に対し心理分析の専門家による診断を行うよう、裁判所への訴えを起こした。訴えが受理されれば、特に重要な訴訟を選んで扱うパリ大審裁判所で判決が言い渡されることになる。

クリブリ元原発作業員は1986年から1989年にかけてフランス電力公社の下請け企業に所属して原発での業務に従事していた。しかし今では極度の不安や悪夢にさいなまれているという。


「数年前のことを考えるのです。あの時私たちが浴びた放射線量のことと共に。あの放射能で、私たち作業員の体のどの部分がやられたのだろう、ってね。もしあの時会社が、

『気をつけなさい、普通の人の20倍以上の確率で癌になる可能性があるのだから。』

と言ってくれていたら。私は

『親方、もうこの仕事は結構です!』

と答えていたでしょう。考えないように努力しているのですが、何度も考えてしまいます。私は(まだ病気になってはいないけれど、病気になっても当然の状態にある)『執行猶予付きの病人』なのです。」


クリブリ元原発作業員はRTLラジオに対し、このように述べた。

クリブリ元作業員は、フランス電力公社の下請け企業で働いていた。しかしルド弁護士は下請け企業の代わりにフランス電力公社を訴えることを決めた。ルド弁護士は、


「フランス電力公社は当時、危険な被ばく作業の実態を知っていたにも関わらず、法を隠れ蓑にして黙っていたからです。」


と述べる。

フランスにも適用されるEUの新しい規準によれば、当時クリブリ元作業員が浴びた放射線量は危険なレベルに相当する。当時フランス電力公社は、作業員が浴びる放射線量の上限が、作業期間内に浴びた瞬間の放射線量のうち、最も高いものを基準に定められていたことを知りながら、作業員が一日に浴びた平均放射線量のみを考慮の対象としていた。

クリブリ氏は自らが浴びた放射線量を証明する放射線量手帳を保存していたことが決め手となり、今回の裁判を起こすことができた。不安による精神的損害への補償については、既に石綿による公害被害者の一部に対し認定されている。

(抜粋、一部編集)

(注1)急速審理裁判所:緊急の事件や執行の困難な事件を審査し、対処を命ずる裁判所。我が国の行政処分に相当する暫定的措置を命ずることができる。

(注2)グラブリンヌ市は、イギリスを望むフランス北端の海岸町。

○グラブリンヌ市の画像
http://www.google.co.jp/search?q=Gravelines&hl=ja&prmd=imvns&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ei=ziWzT7uaCIXJmQWTmZGgBQ&ved=0CIQBELAE&biw=1344&bih=693 

グラブリンヌ原発は1980年より運転を開始。6基の原子炉をかかえる。周囲1キロの地域では海水温度の上昇等が報告されている。

(« Un ex-employé du nucléaire à Gravelines assigne EDF pour préjudice d’anxiété », Ma Ville.com, 2012.04.28)
http://www.valenciennes.maville.com/actu/actudet_-Un-ex-employe-du-nucleaire-a-Gravelines-assigne-EDF-pour-prejudice-d-anxiete_fil-2146380_actu.Htm

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