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2012年6月20日 (水)

原子力発電の隠された犠牲者たち:誰も知りたがらないウラン鉱山の真実 その2/ル・タン(5月23日)

(その1から続きます)
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●40年の採掘がもたらしたもの:汚染された村々と癌で死にゆく労働者たち

今日、アレバ社が過去40年間にわたってウランの採掘を行ってきたニジェール共和国(注1)のアルリ地方(注2)は、放射性の塵によって完全に汚染されてしまった。土地と同様に水も汚染されており、じきに一部の水源が枯れて水が不足すると見られている。アレバ社が、その再生に500年もの年月を要する地下の化石帯水層からウランを採掘したために、水が枯れつつあるのだ。明らかに、このフランス企業は自分たちが去った後のことはどうでも良いと考えている。

アルリのウラン鉱山で働く労働者たちはウランがどんな物質なのか全く知らない。そしてその危険性については更に知らされていない。ウラン鉱山の幹部たちがやっと労働者たちに「食事の前には手を洗うように」と言い、最小限の安全対策を取り始めたのは、チェルノブイリ原発事故が起きた後のことだった。ウランを含むかたまりを運ぶ時の安全対策にしても同様である。つい最近まで、ウランのかたまりは単にトラックの荷台の後ろに置かれ、何のカバーもせずに首都まで運ばれていた。(ウランの危険性を知らない)運転手は、よく友達へのお土産に食料品の詰まった袋を一緒にトラックで運んで行ったものだった。

ウラン鉱山の幹部たちはよく鉱山で使っていていらなくなった金属類を労働者たちに与える習慣があった。労働者たちはもらった金属類を売り、売られた金属は料理用の鍋や窓枠や家の資材に形を変えた。CRIIRAD研究所の調査によれば、こうして作られた窓枠や調理器具は放射能に汚染されており、全国各地に流通し売られている。そしてニジェール共和国内の全ての国民が深刻な放射能の危険にさらされている。アレバ社は過去30年の間、ニジェールのウラン鉱山における労務災害は一件も起きていないと言う。しかしこうした発言は、過去に癌で亡くなった労働者のことを考慮していない。


●ウラン鉱に苦しむ人びとと私たちの関係

このウラン鉱の話は私たちスイス人に何の関係があるのだろうか。あなたは私たちの原子力発電所で使われているウランがどこから来たのか、考えたことがあるだろうか。あなたは、もしかしたら私たちがアフリカやどこか別の場所で起きている惨状を知らないままに、放射能による汚染を引き起こしている鉱山会社の共謀者になっているのではないか、と自分に問うたことがあるだろうか。答えは簡単ではない。でも確かなのは、我が国の原子力発電所で使われているウラン燃料の一部はアレバ社から購入されているということだ。

巨大なウラン鉱をかかえるオーストラリアやカナダの会社はなぜ自国のウラン鉱を開発せずにアフリカへ向かうのだろうか。オーストラリアの鉱山会社「パラディン社」の部長はこう述べている。

「オーストラリア人やカナダ人はウラン鉱の開発に関係する問題にあまりにも意識が高くなりました。これからはアフリカに行かなければなりません。」

少なくともはっきり言うだけましだ。                

イザベル・シュバリー                         (了)                                 

(抜粋、一部編集。小見出しはフランスねこがつけました。)

(注1) ニジェール共和国は、西アフリカに位置する人口1500万人の最貧国。一人当たりの国民総所得(GNI)は641米ドル(約6万4千百円)。日本政府は毎年多くの若者たちを青年海外協力隊員としてニジェールの村々に派遣している。彼らは汚染の事実を知らされているのだろうか。

○ニジェール共和国関連の画像(フランスのNGO「Rail」のホームページから)
http://www.railniger.net/index.php?option=com_xegallery&Itemid=69 

○ニジェール共和国の概要
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%AB

(注2) アルリ市はニジェール共和国の北部に位置する人口約7万人の砂漠の町。

○アルリ市の様子(画像)
http://www.google.co.jp/search?q=arlit&hl=ja&prmd=imvns&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ei=z03hT9fjEaqimQXM8fHFAw&sqi=2&ved=0CGcQsAQ&biw=1331&bih=644 

○アルリ市の概要(英語です)
http://en.wikipedia.org/wiki/Arlit 

(Isabelle Chevalley, « Mine d’uranium, ce scandale que l’on refuse de voir », Le Temps, 2012.05.23)
http://www.letemps.ch/Facet/print/Uuid/390924be-a43a-11e1-8393-1fc615131f93/Mine_duranium_ce_scandale_que_lon_refuse_de_voir

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コメント

フランスねこさんへ
おはようございます。
元官僚の古賀氏の説明で 原子力規制庁についての法案が総て骨抜きで何の意味がなく 先にある核兵器を持つ事を前提に考えて進めているらしいです。 民主党 自民党 公明党は核兵器保有国に向かっています。
一昨日 民主党を離党した平議員を考えると やはり原発再稼働反対だけでなく先にある核兵器に反対理由だったのでしょう。
今の倫理観もない見せかけの民主主義のNaziのような日本政府には原発だけでなく核兵器も含めて持たせる資格などありません。
最悪なシナリオです。

奥田さん

御連絡をありがとうございました。廃炉の年限が40年となるのかどうかを含め、新しい法案については疑問がつきませんね。しかしこれまで何十年もの間、組織や国をこえて非常に強固な原子力のネットワークが築かれて来たことを考えますと、これらの人びとがすぐに既得権を手放すことは考えにくいと思います。六ヶ所村で核燃料の運び込みに抵抗する運動を続けて来られた菊川慶子さんがある時、女性達による抗議行動で燃料の運び込みを2時間遅らせることができたと喜びを語っていらっしゃったのを思い出します。菊川さんのように、小さな一歩でも前に進んでいることを喜びながら、とてもゆっくりの歩みになるかもしれませんが、あきらめないで続けて行くことが実は一番確実な方法なのではないかという気がいたします。

奥田さんからの以前のご質問に答えきれていなくて恐縮ですが、現在仕事に追われていてなかなか十分な時間がとれないため、取り急ぎお返事に代えさせて頂きます。どうか良い週末をお迎えください。

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