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2012年6月26日 (火)

「福島原発事故による癌の発生は少数。たとえ発生しても関連は証明不可能」/国連科学委員会・ネイチャー(5月23日)

1986年に起きたチェルノブイリ原発事故の際、世界保健機構(WHO)や国際原子力機関(IAEA)といった国連機関は、英語による限られた文献にのみ基づき、被曝による犠牲者を約4千人と推定しました。今日、米国科学アカデミーは現地語による5千以上の文献を参照し、犠牲者を100万人以上と推定しています。

福島原発事故では、事故直後の被曝データの多くが測定を行なわないことによって失われました。チェルノブイリの間違いを繰り返さないために、被害者への補償を保障するために、私たちは何をすべきでしょうか。そして未来の事故のために、どのようなデータの収集体制と分析手法が考えられるのでしょうか。医療者、疫学者を含めた科学者の倫理が問われています。

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「福島原発事故で放射性物質にさらされたことによる癌の発生は少数にとどまり、癌が発生した場合にも、その原因は決して解明されないだろう。」

「原子放射線の影響に関する国連科学委員会」(UNSCEAR、注)と世界保健機構(WHO)は福島原発事故で被ばくした市民および原発作業員の被ばく量を分析、このように結論した。これらの機関による2冊の報告書案は5月末にウィーンで開かれるUNSCEARの年次会合で議論され、最終案を2013年の会合で承認する予定。UNSCEARの報告書作成にかかわった科学者達は、この一年で高まりつつある放射性降下物への恐怖を一掃するのに、この報告書が役立てば、と期待している。

UNSCEARが作成した報告書は、ネイチャー誌にのみ事前に公開された。UNSCEARによれば、福島原発で作業を行っていた原発作業員のうち167名が100mSv以上の被曝を受けており、うち6名は250mSvの被曝、第三号機と第四号機の制御室にいた2名の作業員は600mSv以上の被曝を受けた。しかしUNSCEARによれば、これら作業員が癌にかかる確率は、被ばくにより多少上昇した程度だと言う。WHOは政府が定める被ばく上限を超える被ばくを受けた市民がいたことを報告している。浪江町にいた乳児は高度の放射性ヨウ素131にさらされ、甲状腺に100〜200mSvの被曝を受けた。この子どもは甲状腺癌になる確立が通常より高まったと言える。

UNSCEARのウォルフガング・ヴァイス議長は次のように述べている。

「健康へのリスクがあるとすれば、大量の放射能を浴びた作業員に問題が生じるだろう。しかしこれらの作業員にしても、たとえ将来癌になってもその原因が今回の事故に(因果関係によって)関連づけられることは決して無い。日本のような先進国ではもともと癌になる率が高く、今回被ばくの被害を受けた関係者は少数にとどまるからだ。」

福島医学大学で教授を務める山下俊一教授は、今回の調査結果を「福島原発事故による被害者のストレスを和らげるのに役立つだろう」と考えている。他方、東京大学アイソトープ総合センター長の児玉龍彦教授は今回の報告書の質を疑問視し、次のように述べている。

「国際機関は、現地で何が起きているかを理解するにはあまりにも短い期間での日本訪問に基づいて、性急な報告書の作成を行うことを慎むべきだ。」

(抜粋、要約)

(注)国連科学委員会の報告書は国際放射線防護委員会(ICRP)の基礎資料として使用されている。ICRPはイギリスの民間団体。その勧告は、日本政府が福島原発事故の発生後に設定した被ばく量の上限、年間20mSvの根拠とされている。

●ネイチャー誌によるオリジナル記事(英語です)
(Geoff Brumfiel, “Fukushima’s doses tallied”, Nature, 2012.05.23)
http://www.nature.com/news/fukushima-s-doses-tallied-1.10686 

●ネイチャー誌による記事の和訳はこちら(片瀬久美子さんのブログから)
http://d.hatena.ne.jp/warbler/20120604/1338777534 

●参考:ジャパンタイムスによる報道(英語です)
“Radiation didn’t cause Fukushima No.1 deaths: U.N.”, The Japan Times, 2012.05.25
http://www.japantimes.co.jp/text/nn20120525a2.html#.T-W2QXjwjgE

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コメント

はじめまして。

とても参考になる情報ばかりでありがとうございます。

よろしければ拙ブログにリンクと一部転載してもよろしいでしょうか。

突然で失礼ですがよろしくお願いします。


星月夜さん

御連絡ありがとうございます。リンク・転載等につきましては、どうぞ御自由になさってください。
先ほどブログにお邪魔して坂本龍一さんの大飯原発の「再稼働反対」の声で作った音楽を拝聴致しました。タイトルも含め、とてもアーティスティックで驚きました。一人一人、自分の場所で末永く頑張ってゆくしかないと思います。これからもどうぞよろしくお願い致します。

 ブログ拝見しました。私も、福島原発事故の後に放射線医学などを勉強する前は、あなたと同じで、そのように思わされていたのですが、最新の科学的事実は、そうではないことが最新科学によって証明されています。

現実には存在しない 【 福島、東北、日本の 放射能 被害 】

 稲 恭宏博士が一貫して解説してくださっている通り、 福島原発から放出された 【 ストロンチウム、放射性ヨウ素、セシウム、プルトニウムのすべて、元々、自然界に存在している物質 】 です。 これらの物質は、 ウラン系列、 ラジウム系列 の生成物ですから、 温泉からも常に 1 リットル中に 数マイクログラム ( 非科学的な 反原発運動家 が 致死量 と言っている量の 10 倍以上の量 ) という大量の量が含まれ ( ミリグラムになると肉眼でもはっきりと見えます )、 湧き出て、 多くの方々が、 その湯に浸かって 【 全身外部被曝 】、 呼吸でたくさん吸入し、 そのお湯を飲んで 『 飲泉療法 』 を行い 【 ともに 全身循環 内部被曝 】、 世界中からの湯治客で日本の温泉は予約が取れないほどです。 そのお湯の中の含有量も、 鉄 や 銅 などと 数倍から 10 倍程度しか違いがありません。

お名前の無い方へ

当ブログを読んで頂きありがとうございます。尚、大変長いコメントを頂きましたので、恐縮ながら一部を割愛させて頂きました。御了承頂けますと幸いです。御参考までに、ラドンによる低線量被曝の影響につきましては、最近新しい分析が発表されているようです。

http://franceneko.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/1113-f23e.html

次回からは御自分のお名前も記載して投稿して頂けますと幸いです。引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。

日本の復興には科学的な戦略が必要ですね。有難うございます。
専門家の科学的見解を勉強すべきですね。下記の動画もぜひご覧ください。

【 国連科学委員会、国際放射線防護委員会も 稲 恭宏博士と同様の見解に到達 】

国連原子放射線影響科学委員会( UNSCEAR ) も 国際放射線防護委員会( ICRP )も、稲博士の福島原発事故直後の講演、テレビニュースから1年後、チェルノブイリの四半世紀以上に及ぶ多くの国際学術調査の結果をまとめ、稲博士と同様の科学的見解に達しています。
「今後も福島では、放射線・放射能の影響による健康被害は何も発生しない」と明言しています。
次の動画で確認できます。

http://www.youtube.com/watch?v=HczJtRkfX1I

稲博士の動画は下記にまとめられています。

http://www.youtube.com/user/TheWorldTV21

JMさん

御連絡ありがとうございました。低線量被曝が体に良いという稲博士及び低線量被曝の影響を低く見積もるUNSCEAR、ICRPの見解には、御存知のとおり多くの異論も寄せられているようです。私たち市民にとりましても、「国際機関」の名前に惑わされず科学データの内容を読み取るリテラシーが求められていると思います。

(1/2)フランスねこさんがおっしゃるように、『低線量』放射線の人体、動植物への影響は、高線量率 低線量 放射線(線量率が毎時数十シーベルト以上の高線量率の放射線にごく短時間被曝すること)の場合は見解が分かれています。

しかし、低線量率放射線、とくに≪線量率(Dose-Rate)≫が毎時マイクロシーベルトレベル(=毎時100万分の1シーベルトレベル)の(放射線医学でいう)極低線量率放射線域では、それらの放射線とその放射線を放出する放射性物質が人体や動植物に有害であるという科学的証拠は、内部被曝、外部被曝とも存在しません。

(2/2)そもそも人体は、胎児で数百ベクレル、成人なら 5,000 ~ 10,000 ベクレルくらいの放射能体です。遺体を火葬しても、遺骨、遺灰に同程度の放射能が残っています。満員電車は1両で数百万ベクレル、10両編成なら数千万ベクレルの放射能体(放射性物質)輸送中という現実があります。

あとは、あの国際学術組織も政治的な組織だから、また日本人を騙そうとしているとか言い出すと、永遠に日本は復興できないでしょうね。それが狙いの人たちも多いのが実情のようです。困ったものですね。フランスねこさんのような冷静で理知的な方に期待するしかないですね。

JMさん

御連絡ありがとうございました。暫く留守にしておりました関係で、頂いたコメントの掲載とこちらからの御返事が遅れ申し訳ありませんでした。現時点での科学的手法によって証明できないからといって必ずしも「正しい」もしくは「安全」とは言えない、という点が議論になっているのではないかと考えますが、いかがでしょうか。

引き続き御示唆を頂ければと存じます。どうぞよろしくお願い致します。

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