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2012年6月

2012年6月30日 (土)

福島原発第一号機で毎時1万ミリシーベルトを突破:最大放射線量の記録を更新/ルモンド紙(6月27日)

東京電力は6月27日、昨年3月に事故を起こした福島原発事故第一号機の地下室で、これまでの最高放射線量を新たに上回る毎時1万300ミリシーベルトを記録したと発表した。福島原発の事故処理は、これまで考えられて来た以上に非常に困難となる可能性が出て来た。

今回の発表は、東京電力が原発内の配管にカメラと放射線量測定器を入れて計測した結果に基づくもの。地下室に溜まった汚染水のすぐ下で測られた放射線量は、毎時1万300ミリシーベルトにのぼった。これは、人が数分のうちに疾病におかされ短時間で死に至る高レベルの放射線量に相当する。

東京電力によれば、第一号機で高い放射線量が記録されているのは、昨年3月に原発の電源と冷却機能が失われた際に核燃料が溶融したことによる。第四号機を含むこれらの原子炉の処理は非常に複雑な作業となると見られ、今後は事故処理のための新技術の開発と40年の歳月が必要となる。

昨年の事故で財政困難に陥った東京電力は、日本政府の出資により資本の立て直しをはかった後、今週水曜日に国有化された。

(抜粋、一部編集)

(LeMonde.fr avec AFP, « Fukushima : niveaux records de radiations dans le bâtiment du réacteur n°1 », Le Monde, 2012.06.30)
http://www.lemonde.fr/planete/article/2012/06/27/fukushima-niveaux-records-de-radiations-dans-le-batiment-du-reacteur-n-1_1725442_3244.html

2012年6月29日 (金)

仏政府、国内原子力企業に対し、2018年までに1兆円規模の安全強化対策を指示/ルモンド紙(6月28日)

経済危機を受け、政府省庁の厳しい歳出削減を公言するオランド新政権。しかし昨年の福島原発事故の発生を受けて決定した原子力施設の安全対策強化については実施されるようです。

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フランス原子力安全局(ASN)は国内の主要な原子力企業に対し、今後2018年までに千以上の具体的な安全強化対策の実施を指示した。今回の安全対策は、昨年3月11日に起きた福島原発事故の発生を受け、地震、洪水、電源および水源喪失などの事態に対応するために取られるもの。これらの対策にかかる費用は総額で約100億ユーロ(約1兆円)と見られている。

安全対策強化の指示を受けたのは、ヨーロッパ内外の原子力産業の中核を担うフランス電力公社(EDF、仏最大の電力会社)、アレバ社、及び原子力庁(CEA、民生・軍事の両面で核エネルギー開発を推進する公共事業体)。フランス原子力安全局のアンドレ-クロード・ラコステ代表とジャン-クリストフ・ニエル部長は、福島原発事故の発生を受けて実施されたストレステストの結果を受け、300ページにわたる詳細な安全対策の指示を発表した。その中で、フランス電力公社は稼働中の58基の原発と建設中のフラマンヴィルにある第三世代型原発、アレバは原発にかかる機材調達と核燃料の再処理、原子力庁については原子力にかかわる研究機関について対策を取ることになっている。

これらの安全対策が全て適用されれば、我が国の原子力施設の安全は確保されたことになるのだろうか。

「福島で起きた原発事故は、私がいつも言っていたことを証明しました。事故の可能性は、決して排除することができないのです。」

フランス原子力安全局のラコステ代表は述べる。すなわち、

「フランスで原発事故が起きないとは、誰も保障できません。」

原子力業界の警備隊である原子力安全局の代表はこのようにも述べる。

「今日私たちは、『多分起きない』だろうことが、実際に『起きうる』ことを知っているのです。」

(抜粋、一部編集)

(Pierre Le Hir, « Nucléaire : les injonctions de l'ASN pour améliorer la sûreté du parc français », Le Monde, 2012.06.28)
http://www.lemonde.fr/planete/article/2012/06/28/nucleaire-les-injonctions-de-l-asn-pour-ameliorer-la-surete-du-parc-francais_1725632_3244.html

2012年6月28日 (木)

「他人の犠牲の上に成り立つ原発は、仏教の倫理に反している」中島哲演住職/The Asahi Shimbun(6月15日)

今日、原発の無い社会の実現を訴えて全国の原発を巡り歩いている僧侶たちがいます。

<参考>「命の行進」で石川県を訪れた日本山妙法寺の僧侶たち。(「僧侶ら行進『脱原発』訴え 石川県などに要請文」朝日新聞 6月7日)http://www.asahi.com/news/intro/OSK201206060129.html 

昨年の福島原発事故以降、仏教界からは原発の廃止を求める強い声が噴き出しました。これらの声に共通するのは、「他人の苦しみを自分の苦しみとして生きる」という根本的な考え方、そして原子力という「国策」に黙って従うことは先の戦争で日本の仏教界が犯した過ちを繰り返すことである、という歴史観です。

今日は多くの原発を抱える福井県若狭湾の小浜にある真言宗の寺、明通寺(みょうつうじ)の中島哲演(なかじま てつえん)住職へのインタビューを御紹介します。
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「日本は、原子力政策を隅々まで見直さなければならない」 中島哲演

私が学生だった頃、私は文学や芸術にしか興味がありませんでした。それが1963年に、友人に連れられて核兵器反対の平和行進に出かけたのです。そこで、広島での原爆投下で被爆された被爆者に出会いました。戦争の前線から広島に戻ってこられた方でした。御自分で作られた詩について話してくださったのですが、その詩の中では、死ぬことを覚悟して戦地に赴いた末に、結局は日本に戻り被ばくによる病に打ちのめされることになった経験が語られていました。私はその被爆者が胸の中に抱える葛藤に深く心を動かされました。そして、平和運動に参加するようになったのです。

広島と長崎への原爆投下は、国策として進められた戦争の終わりに起きた出来事です。

昨年、福島第一原発での事故が、それまで国策とされてきた原子力推進政策の終わりに起きました。私にとって、これらの二つの出来事は重なっています。どちらも一晩のうちに起きたことではありません。なぜこれらの二つの出来事が起きたのかについて考えるためには、歴史の感覚が必要です。

もし大飯原発の拙速な再稼働を許せば、第二の福島事故が引き起こされることにつながるでしょう。そうして初めて、原子力ムラの人びとはやっと原子力推進政策を諦めることでしょう。多くの人びとが、まだ原子力から離れるための明確な決断を下すには至って居ません。でも、第二の福島事故が起きた後で皆が罪を悔いても、遅すぎるのです。

原子力の安全神話は、福島原発事故で崩壊したのではありません。原発が日本各地の人里離れた村々に押しつけられたその時から、既に崩壊していたのです。なぜなら、原発の隔離は、これらの発電所は主要都市の近郊には立てることができない危険な施設だとの理解に基づいていたからです。

関西地域の知事たちは、一時は大飯原発の再稼働に反対しました。事故が起きれば彼らの府県も被害を受けるという理由からです。しかし、彼らは素早く態度を変えて再稼働を事実上承認しました。これらの知事の議論は、全く的外れです。50年にわたる原子力の歴史を包括的に考え直すことができていないからです。

仏教で教える倫理の説法の一部に、他人の痛みや苦しみを学び、自らのものとして受け入れよ、というものがあります。そうした意味では、人は他人を犠牲にして自らの幸せを追求してはならないのです。私は、原子力への依存から脱却するための議論は、原子力政策全体の枠組みと大量生産・大量消費の社会システムについて総合的かつ根本的な再検討を行って初めて始まるものだと思います。

(抜粋・一部編集)

(Kentaro Isomura,“Tetsuen Nakajima: Japan must thoroughly re-examine nuclear energy policy”, The Asahi Shimbun, 2012.06.15)
http://ajw.asahi.com/article/0311disaster/opinion/AJ201206150082

2012年6月26日 (火)

「福島原発事故による癌の発生は少数。たとえ発生しても関連は証明不可能」/国連科学委員会・ネイチャー(5月23日)

1986年に起きたチェルノブイリ原発事故の際、世界保健機構(WHO)や国際原子力機関(IAEA)といった国連機関は、英語による限られた文献にのみ基づき、被曝による犠牲者を約4千人と推定しました。今日、米国科学アカデミーは現地語による5千以上の文献を参照し、犠牲者を100万人以上と推定しています。

福島原発事故では、事故直後の被曝データの多くが測定を行なわないことによって失われました。チェルノブイリの間違いを繰り返さないために、被害者への補償を保障するために、私たちは何をすべきでしょうか。そして未来の事故のために、どのようなデータの収集体制と分析手法が考えられるのでしょうか。医療者、疫学者を含めた科学者の倫理が問われています。

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「福島原発事故で放射性物質にさらされたことによる癌の発生は少数にとどまり、癌が発生した場合にも、その原因は決して解明されないだろう。」

「原子放射線の影響に関する国連科学委員会」(UNSCEAR、注)と世界保健機構(WHO)は福島原発事故で被ばくした市民および原発作業員の被ばく量を分析、このように結論した。これらの機関による2冊の報告書案は5月末にウィーンで開かれるUNSCEARの年次会合で議論され、最終案を2013年の会合で承認する予定。UNSCEARの報告書作成にかかわった科学者達は、この一年で高まりつつある放射性降下物への恐怖を一掃するのに、この報告書が役立てば、と期待している。

UNSCEARが作成した報告書は、ネイチャー誌にのみ事前に公開された。UNSCEARによれば、福島原発で作業を行っていた原発作業員のうち167名が100mSv以上の被曝を受けており、うち6名は250mSvの被曝、第三号機と第四号機の制御室にいた2名の作業員は600mSv以上の被曝を受けた。しかしUNSCEARによれば、これら作業員が癌にかかる確率は、被ばくにより多少上昇した程度だと言う。WHOは政府が定める被ばく上限を超える被ばくを受けた市民がいたことを報告している。浪江町にいた乳児は高度の放射性ヨウ素131にさらされ、甲状腺に100〜200mSvの被曝を受けた。この子どもは甲状腺癌になる確立が通常より高まったと言える。

UNSCEARのウォルフガング・ヴァイス議長は次のように述べている。

「健康へのリスクがあるとすれば、大量の放射能を浴びた作業員に問題が生じるだろう。しかしこれらの作業員にしても、たとえ将来癌になってもその原因が今回の事故に(因果関係によって)関連づけられることは決して無い。日本のような先進国ではもともと癌になる率が高く、今回被ばくの被害を受けた関係者は少数にとどまるからだ。」

福島医学大学で教授を務める山下俊一教授は、今回の調査結果を「福島原発事故による被害者のストレスを和らげるのに役立つだろう」と考えている。他方、東京大学アイソトープ総合センター長の児玉龍彦教授は今回の報告書の質を疑問視し、次のように述べている。

「国際機関は、現地で何が起きているかを理解するにはあまりにも短い期間での日本訪問に基づいて、性急な報告書の作成を行うことを慎むべきだ。」

(抜粋、要約)

(注)国連科学委員会の報告書は国際放射線防護委員会(ICRP)の基礎資料として使用されている。ICRPはイギリスの民間団体。その勧告は、日本政府が福島原発事故の発生後に設定した被ばく量の上限、年間20mSvの根拠とされている。

●ネイチャー誌によるオリジナル記事(英語です)
(Geoff Brumfiel, “Fukushima’s doses tallied”, Nature, 2012.05.23)
http://www.nature.com/news/fukushima-s-doses-tallied-1.10686 

●ネイチャー誌による記事の和訳はこちら(片瀬久美子さんのブログから)
http://d.hatena.ne.jp/warbler/20120604/1338777534 

●参考:ジャパンタイムスによる報道(英語です)
“Radiation didn’t cause Fukushima No.1 deaths: U.N.”, The Japan Times, 2012.05.25
http://www.japantimes.co.jp/text/nn20120525a2.html#.T-W2QXjwjgE

2012年6月23日 (土)

福島から世界へ「原子力で失うもの、伝えたい」福島県より6名が「リオ+20」に参加/The Asahi Shimbun(6月13日)

6月20日〜22日にブラジルのリオデジャネイロで開催された「国連持続可能な開発会議(リオ+20)」に、福島からも6名の方が参加、原子力の被害に警鐘を鳴らしました。(この記事は朝日新聞の英語版にだけ掲載されていますが、日本語版にもぜひ掲載して頂きたいと思います。)
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ブラジルで開かれる「国連持続可能な開発会議(リオ+20)」に福島県より6名の住民が参加、世界各国の代表団に対し原子力発電の影の側面を目に見える形で示そうとしている。今回参加する6名は、福島県に住む市民団体メンバー、主婦、学生など。大部分の人が福島原発事故のために避難を余儀なくされている。


<参考>福島からのリオ+20参加者によるメッセージ「福島:その土地に残る意味」(動画)
http://vimeo.com/44083244


「日本政府は(世界に対して、昨年震災と津波に襲われた)東北地方の経験を強調する一方で、(原発事故に苦しむ)福島の問題を隠しています。」

(同じく「リオ+20」に参加する)ピースボートの川崎哲(あきら)は述べる。


<参考>福島市民とは対照的に、外務省は東北・福島の復興と食品をアピール(ウォール・ストリート・ジャーナル日本版、5月31日より)
http://jp.wsj.com/Japan/Politics/node_452407


「原子力に魅力を感じている途上国がまだあります。彼らに私たちの声を届け、原子力発電がもたらす被害について知らせたいと思います。」

避難者のための市民グループの一つ「負げねど飯舘」から参加する佐藤健太は次のように述べる。

「福島から参加する目的は、福島に世界の同情を引きたいからではありません。」

「世界の人たちに、厳しい状況にある日本の姿を見てほしいのです。放射能による健康被害だとかすぐ目に見えるような被害ではなく、原発事故が引き起こした様々な被害に目を向けてほしい。」

彼らの問題意識は、世界に日本の災害対策の知見と最新のエネルギー技術を提供しようとしている日本政府代表団の目標とは食い違っている。

6月8日、野田政権は日本国民の大部分による反対にもかかわらず、福井県大飯原発の再稼働を宣言した。6月11日、福島市では福島原発事故を起こした東京電力に対する告訴を求める市民グループらがデモを行った。 

(抜粋、一部編集)

(« RIO+20: Fukushima nuclear victims to attend new Earth Summit », The Asahi Shimbun, 2012.06.13)
http://ajw.asahi.com/article/special/rio20/AJ201206130037

○安全な農業について考えるアメリカ人のブログ、「About Harvest」でも取り上げられています(英語です)。
http://aboutharvest.com/2012/06/rio20-four-fukushima-farmers/

2012年6月20日 (水)

原子力発電の隠された犠牲者たち:誰も知りたがらないウラン鉱山の真実 その2/ル・タン(5月23日)

(その1から続きます)
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●40年の採掘がもたらしたもの:汚染された村々と癌で死にゆく労働者たち

今日、アレバ社が過去40年間にわたってウランの採掘を行ってきたニジェール共和国(注1)のアルリ地方(注2)は、放射性の塵によって完全に汚染されてしまった。土地と同様に水も汚染されており、じきに一部の水源が枯れて水が不足すると見られている。アレバ社が、その再生に500年もの年月を要する地下の化石帯水層からウランを採掘したために、水が枯れつつあるのだ。明らかに、このフランス企業は自分たちが去った後のことはどうでも良いと考えている。

アルリのウラン鉱山で働く労働者たちはウランがどんな物質なのか全く知らない。そしてその危険性については更に知らされていない。ウラン鉱山の幹部たちがやっと労働者たちに「食事の前には手を洗うように」と言い、最小限の安全対策を取り始めたのは、チェルノブイリ原発事故が起きた後のことだった。ウランを含むかたまりを運ぶ時の安全対策にしても同様である。つい最近まで、ウランのかたまりは単にトラックの荷台の後ろに置かれ、何のカバーもせずに首都まで運ばれていた。(ウランの危険性を知らない)運転手は、よく友達へのお土産に食料品の詰まった袋を一緒にトラックで運んで行ったものだった。

ウラン鉱山の幹部たちはよく鉱山で使っていていらなくなった金属類を労働者たちに与える習慣があった。労働者たちはもらった金属類を売り、売られた金属は料理用の鍋や窓枠や家の資材に形を変えた。CRIIRAD研究所の調査によれば、こうして作られた窓枠や調理器具は放射能に汚染されており、全国各地に流通し売られている。そしてニジェール共和国内の全ての国民が深刻な放射能の危険にさらされている。アレバ社は過去30年の間、ニジェールのウラン鉱山における労務災害は一件も起きていないと言う。しかしこうした発言は、過去に癌で亡くなった労働者のことを考慮していない。


●ウラン鉱に苦しむ人びとと私たちの関係

このウラン鉱の話は私たちスイス人に何の関係があるのだろうか。あなたは私たちの原子力発電所で使われているウランがどこから来たのか、考えたことがあるだろうか。あなたは、もしかしたら私たちがアフリカやどこか別の場所で起きている惨状を知らないままに、放射能による汚染を引き起こしている鉱山会社の共謀者になっているのではないか、と自分に問うたことがあるだろうか。答えは簡単ではない。でも確かなのは、我が国の原子力発電所で使われているウラン燃料の一部はアレバ社から購入されているということだ。

巨大なウラン鉱をかかえるオーストラリアやカナダの会社はなぜ自国のウラン鉱を開発せずにアフリカへ向かうのだろうか。オーストラリアの鉱山会社「パラディン社」の部長はこう述べている。

「オーストラリア人やカナダ人はウラン鉱の開発に関係する問題にあまりにも意識が高くなりました。これからはアフリカに行かなければなりません。」

少なくともはっきり言うだけましだ。                

イザベル・シュバリー                         (了)                                 

(抜粋、一部編集。小見出しはフランスねこがつけました。)

(注1) ニジェール共和国は、西アフリカに位置する人口1500万人の最貧国。一人当たりの国民総所得(GNI)は641米ドル(約6万4千百円)。日本政府は毎年多くの若者たちを青年海外協力隊員としてニジェールの村々に派遣している。彼らは汚染の事実を知らされているのだろうか。

○ニジェール共和国関連の画像(フランスのNGO「Rail」のホームページから)
http://www.railniger.net/index.php?option=com_xegallery&Itemid=69 

○ニジェール共和国の概要
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%AB

(注2) アルリ市はニジェール共和国の北部に位置する人口約7万人の砂漠の町。

○アルリ市の様子(画像)
http://www.google.co.jp/search?q=arlit&hl=ja&prmd=imvns&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ei=z03hT9fjEaqimQXM8fHFAw&sqi=2&ved=0CGcQsAQ&biw=1331&bih=644 

○アルリ市の概要(英語です)
http://en.wikipedia.org/wiki/Arlit 

(Isabelle Chevalley, « Mine d’uranium, ce scandale que l’on refuse de voir », Le Temps, 2012.05.23)
http://www.letemps.ch/Facet/print/Uuid/390924be-a43a-11e1-8393-1fc615131f93/Mine_duranium_ce_scandale_que_lon_refuse_de_voir

2012年6月19日 (火)

原子力発電の隠された犠牲者たち:誰も知りたがらないウラン鉱山の真実 その1/ル・タン(5月23日)

大飯原発を含む我が国の原発で燃料として使用されるウランは、どのように採掘されているのだろうか。またウランの採掘は現地の人びとの生活にどんな影響を与えているのだろうか。

現在、世界の原発に燃料を供給しているのは、最貧国が集中する西アフリカの国々である。スイスの代表紙「ル・タン(時代)」が、ウラン鉱を抱えるアフリカの村々での現状を記事にして掲載しました。

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私は西アフリカのマリ共和国(注1)で開かれた「ウラン鉱開発による健康リスク」についてのシンポジウムから戻ったところだ。この会議は、「核兵器に反対する国際医師会」と西アフリカの最貧国マリ共和国の首都、バマコ市の西に位置するファレア(注2)の住民達が作る住民組織によって開催された。ファレアでは今後カナダの鉱山会社「ロックゲート・キャピタル社」(注3)がウランの採掘を予定している。シンポジウムには、アレバ社が過去40年以上にわたってウランの採掘を行なっている近隣のニジェール共和国アルリ鉱山や南アフリカからも代表者が駆けつけた。

私はこの会議で人々の証言に耳を傾けながら、ウラン鉱山を抱える地域に住む住民たちに対して、まともで科学的な情報を共有することがいかに重要であるかを改めて痛感した。


●汚染された井戸、死にゆく動物たち

カナダの鉱山会社ロックゲート・キャピタル社は、今後ファレア市でウラン鉱山を開発するための事前の調査として、400箇所以上にのぼる穴を市内のあちこちに掘った。これらの穴は深さ100メートルから300メートルにも及び、その過程で掘り出された土壌の量は、全長100キロメートルの穴を掘った場合に出る土壌量に相当する。掘り起こされた土は、そのままあちこちに放置されている。しかしこの試掘は深刻な汚染を引き起こした。

地中深くにあるウランが発する放射性ラドンは、試掘によってできた穴をつたってのぼってゆき、地上の放射線量を上昇させるとともに全ての地域を放射能で汚染した。今日いくつもの井戸で、地下からくみ上げた水から放射能による汚染が見つかっている。ある場所では、人口千人以上の住民が使っていた井戸が汚染され、人々は何キロも離れた場所に水を探しに行かなければならなくなった。鉱山会社は新しい井戸を掘ると約束したが、約束は守られていない。水を飲むのは人間だけではない。家畜たちは放射能に汚染された水を飲み、牛が何頭も死んでいった。鉱山会社が堀った穴は地下水の流れに影響を与えたが、調査は何もなされていない。将来干上がってしまう井戸があるのか。答えは誰も知らない。

マリ政府の鉱物資源大臣は、

「ウランは(貧困にあえぐ)ファレアの住民達にとって心の慰めです。」

と述べる。

「神は私たちにウランを授けました。ですからこのウランを開発しなければなりません。」

しかしアレバ社が過去40年にわたりウランの採掘を行なう隣国のニジェール共和国は、国連開発計画(UNDP)が2012年3月に発表した人間開発指標(注4)の世界ランキングで187ヵ国中186位にある。ウランの採掘は地元を豊かにする、との約束は守られていない。アレバ社はニジェール共和国アルリ鉱山でとれるウラン酸塩に、この何十年もの間、1キロ当たり32ユーロ(約3千2百円)しか払ってこなかった。この値段が1キロ当たり106ユーロ(約1万6百円)に引き上げられたのは最近のことだ。

(続く)

(抜粋、一部編集。小見出しはフランスねこがつけました。)

(注1) マリ共和国は西アフリカに位置する最貧国の一つ。一人当たりの国民総所得(GNI)は677米ドル(約6万7千7百円)

○マリ共和国の地図
http://www.luventicus.org/chizu/afurika/marikyouwakoku.html

○マリ共和国に関する画像
http://www.google.co.jp/search?q=%E3%83%9E%E3%83%AA%E5%85%B1%E5%92%8C%E5%9B%BD&hl=ja&prmd=imvns&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ei=w7DeT76XNaTGmAWkvbytDA&sqi=2&ved=0CH0QsAQ&biw=1344&bih=693 

(注2)ファレアはマリ共和国カイ州に位置する人口約1万8千人の町。

(注3)ロックゲート・キャピタル社はカナダのバンクーバーに2005年に設立された鉱山会社。
http://www.rockgatecapital.com/s/Home.asp(同社のホームページ)

(注4)人間開発指数は、国民の購買力のみならず、健康な生活、教育へのアクセス、富の公平な分配、人間らしい生活水準といった基本次元における各国の平均達成度を総合的な視点で測るための指標。国選開発計画(UNDP)が毎年各国のランキングを発表している。

<参考>2011年の人間開発指数概況
http://www.undp.or.jp/hdr/global/pdf/111102Press_Release_HDI.pdf

(Isabelle Chevalley, « Mine d’uranium, ce scandale que l’on refuse de voir », Le Temps, 2012.05.23)
http://www.letemps.ch/Facet/print/Uuid/390924be-a43a-11e1-8393-1fc615131f93/Mine_duranium_ce_scandale_que_lon_refuse_de_voir

2012年6月16日 (土)

野田首相、福島原発事故以来初めて原発の再稼働を命令/ルモンド紙(6月16日)

野田佳彦首相は6月16日、昨年3月11日に起きた福島原発事故の発生以来初めて、大飯原発にある二基の原子炉の再稼働を命令した。

「我々は再稼働を決定した。現在、適切な再稼働のための準備を行っている。」

枝野幸男経済産業大臣は記者会見でこのように述べた。

今回の再稼働は、福島原発事故の教訓を踏まえ経済産業省からより独立した機関として新たに設置予定だった「原子力規制庁」の発足を待たずに決定されたもの。野田首相は今回の決定に関し「日本の経済と国民の生活を守るため」に再稼働が必要、との正当化を行なった。

前日の6月15日、ノーベル文学賞受賞者の大江健三郎氏は他の著名人および数千人の市民たちとともに日本政府を訪れ、政府に対し原子力の使用をやめるよう求める市民約700万人分の署名を提出した。

これに対し枝野大臣は、

「国民の間で意見が分かれていることは承知しているが、政治家の役目は全ての人が賛成でなくとも決断を行うことだ。」

と述べている。

(要約)

<参考> 6月15日夕刻、首相官邸前に集まり野田首相に対し原発再稼働への反対を訴える市民達の様子。この日、1万人以上の人が原発の再稼働反対のメッセージをたずさえて集まった(tkimura6502さんによるYutube動画です)。
http://www.youtube.com/watch?v=1YkSUrDqxKU

(LeMonde.fr & AFP, « Le Japon relance deux réacteurs nucléaires, les premiers depuis Fukushima », Le Monde, 2012.06.16)
http://www.lemonde.fr/japon/article/2012/06/16/le-japon-relance-deux-reacteurs-nucleaires-les-premiers-depuis-fukushima_1719568_1492975.html

2012年6月15日 (金)

NY近郊で原発が故障事故、急停止/ラ・ヴワ・ド・ラ・リュシ&インディアン・ポイント・エネルギー・センター(6月7日)

ニューヨーク市の北50キロの地点にある「インディアン・ポイント原子力発電所」第2号機で、6月6日早朝、主要発電機が機能しなくなるトラブルが起き、原子炉が急停止する事故があった。同原発を管理・運営するエネルギー・コーポレーション社(Energy Corporation)が明らかにした。

インディアン・ポイント原発はニューヨーク市が消費する電力量の25%~30%を発電している。ニューヨーク市は800万人以上の人口をかかえる米国内最大の都市。事故による放射能漏れは観測されていない。

(一部編集)
※リア・ノヴォスティ紙の記事を元に作成し、インディアン・ポイント・エネルギー・センターによるプレスリリースに基づく情報でアップデートしました。


○インディアン・ポイント原子力センターによるプレスリリース(6月7日)
http://www.safesecurevital.com/newsroom/press-releases/entergy-returns-indian-point-2-nuclear-power-plant-to-service-3.html 

(« Un réacteur s’arrête dans une centrale nucléaire aux USA », La Voix de la Russie, 2012.06.07)
http://french.ruvr.ru/2012_06_06/Etats-Unis-centrale-nucleaire-reacteur/

2012年6月13日 (水)

「3.11後の民主主義とは」フランス・日本・福島の科学者と市民がつくるシンポジウム/日仏会館(6月22日)

「3.11後の原子力社会における政治・知・民主主義」

東日本大震災から1年以上が過ぎたのを機に、日仏会館フランス事務所とフランス国立日本研究センターはフランスと日本から科学者と市民団体の関係者たちを招き、3.11後の科学の役割と民主主義、原子力による疫学上のリスクについて考えるシンポジウムを開催します。当ブログで御紹介したCRIIRAD研究所のブリュノ・シャレロン所長はじめ様々な立場からの発表と議論が行なわれる予定です。

御関心のある方は下記の詳細プログラムを御覧ください。

日時: 6月22日(金)9:00 - 18:30
場所:日仏会館 1階ホール
同時通訳有り

※参加は無料ですが、事前の申し込みが必要です。(申し込みはこちらからどうぞ:contact@mfj.gr.jp)

●詳細プログラムはこちら
http://www.mfj.gr.jp/web/sympo_2012/2012-06-22_sympo-prog.pdf 
 

●日仏会館のホームページにもお知らせが掲載されています。
http://www.mfj.gr.jp/agenda/2012/06/22/colloque_fj_politique_savoirs/index_ja.php

2012年6月12日 (火)

「政府は私たちが死ぬのを待っている」仏核実験の被曝者720人のうち、補償認定は4名のみ/ルモンド紙(5月29日)

南太平洋に浮かぶ美しいサンゴ礁の島、ムルロア環礁(フランス領ポリネシア諸島、注1)。フランスが1960年から1996年にかけ実施した210回にわたる核実験(注2)のうち、193回が南太平洋にある小島、ムルロア環礁とファンガトファ環礁に集中している。

<参考>ムルロア環礁と核実験(画像)
http://www.google.co.jp/search?q=Mururoa&hl=ja&prmd=imvns&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ei=603ET_u-O8L6mAWViJnQCg&ved=0CF0QsAQ&biw=1344&bih=693 

今日に至るまで、被曝した市民と軍人の多くが癌で亡くなった。しかし救済を求め「被曝者補償委員会」に提出された720件の申し立てのうち、認定されたのは4件のみにとどまっている。認定された補償額は1万6千〜6万ユーロ(約160万円〜600万円)。高齢化する被曝者たちは、政府への不信を強めている。


●「雑務係」の死

ターラ島出身の農民ルシアン・ファーラは1968年、タロイモ畑での農作業よりも安定した収入源を求め、ムルロア環礁に移り住んだ。その後8年の間、ルシアンはムルロアにあるフランスの政府機関「太平洋核実験センター」と「原子力センター」の核実験サイトで雑務係として働いた。

2004年、ルシアンは気管支と肺に癌を患いこの世を去った。そして2005年以来、ルシアンの妻は、夫の病気と死亡の原因が放射能汚染であることを認定するようフランス政府に求め続けてきた。2010年1月に制定された通称「モラン法」(核実験の被害者への認定と補償に関する法律)により設置された被曝者補償委員会による認定に望みを託していたが、無駄だった。


● 閉ざされた道

5月29日、フランス領ポリネシア諸島(海外県)の首都パペーテ(注3)の行政裁判所はルシアンとムルロアの核実験サイトに勤務していた他の6名の元作業員について、被曝者補償委員会が補償を拒否する決定を行なったことに対する不服申し立てについて検討を行う。元作業員らは、原子力センターが放射能汚染を防御するための十分な安全措置を怠ったと批判している。労働裁判所と控訴院(高等裁判所に相当)は既に元作業員らによる申し立てについての精査を終了しており、今回が最後の裁判となる。

モラン法は当時の防衛大臣の言葉によると「長くでたらめな裁判を避けるため」に制定された。しかし被曝者補償委員会は、核実験が引き起こした放射性被曝により発生する疾病のリスクが「無視できるレベルである」としてこれら作業員の申し立てを排除してきた。更には、ポリネシア系市民による補償の申し立ては今日まで一切認定されていない。

「もうほとんど何も期待していません。病気のリスクが私の子どもたちにまで及ぶのか、それだけが知りたい。」

ムルロア環礁で同じく雑用係として働いていたロベール・ヴォワランは1998年に足に結節腫ができ、リンパ腫と診断された。

「政府は私たちが一人また一人と死んでいくのを待っているのです。補償を払う対象者が減るようにと考えてね。屈辱です。」

「ムルロアの元労働者を守る会」のロラン・オルダムは言う。

被曝者の苦難の現状を変えるために2002年に被曝者救済法案の提出を行なったマリー=エレン・オベールは、フランソワ・オランド新大統領の政策アドバイザーとなった。人びとは待ちつづけている。

(抜粋・要約)

(注1)
○ムルロア環礁(英語)
http://en.wikipedia.org/wiki/Moruroa 

○ムルロア環礁(日本語)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A0%E3%83%AB%E3%83%AD%E3%82%A2%E7%92%B0%E7%A4%81

(注2)フランスの核実験は、植民地統治下のサハラ砂漠と南太平洋ポリネシア諸島で実施された。

(注3)美しい海岸町、パペーテ(画像)。
http://www.google.co.jp/search?q=Papeete&hl=ja&client=safari&rls=en&prmd=imvns&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ei=_i_XT7huyO-YBenm-Y0D&ved=0CHMQsAQ&biw=1277&bih=633

(Christine Chaumeau,« Mururoa, la plaie toujours à vif des essais nucléaires », Le Monde, 2012.06.07)
http://www.lemonde.fr/planete/article/2012/05/28/mururoa-plaie-toujours-a-vif-des-essais-nucleaires_1708479_3244.html

2012年6月 9日 (土)

「震度7でチェルノブイリの10倍の放射能を放出」:第四号機の終わり無き「緊急事態」/ルモンド紙(6月8日)

《訂正と御詫び》ア―ニー・ガンダーセン博士の発言で当初「核反応」と訳していた箇所につきまして、元の記事では「反応」となっていたことに気づいたため、正確を期すために修正させて頂きます。誤解された方、申し訳ありませんでした。(6月9日)
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日本国内外の原子力関係者が最も危険を危惧する福島原発第四号機。心配の元凶である第四号機の使用済み燃料プールには、現在も計1535本の使用済み核燃料が残されている。震度7以上の地震や冷却装置の停止が起き、核燃料棒が空気に触れれば、チェルノブイリ原発事故の際に放出された量の10倍にあたる量の放射性セシウムが空気中に放出される危険があるという。こうした危機への解決策が見出されない中、日本政府は国民の大多数による反対を押し切って大飯原発の再稼働を急いでいる。


●福島原発 第四号機

昨年3月15日に起きた大規模な水素爆発で建物の骨組みが大きく破壊され、強度が脆弱となった福島原発第四号基の使用済み核燃料プール。大多数の原子力専門家は、強い地震が再び起きる、もしくは冷却装置が停止した場合には、現在ある建物の残骸が完全に崩壊すると見ている。6月6日、東京電力は、使用済み核燃料プールの冷却装置に取り付けられた2つのポンプのうちの一つが故障したと発表した。幸い故障は解決したが、福島第四号機が現在置かれている極限の状況と深刻な危険が改めて浮き彫りになった形だ。

第四号基の使用済み核燃料プールにある使用済み核燃料棒が(地震などで)空気にさらされれば、深刻な惨事に至ると見られている。米国エネルギー省の元幹部ロバート・アルバレスは、こうした事態が起きれば

「チェルノブイリ原発事故の時に放出されたセシウム137の、10倍にあたる量のセシウムが放出されるだろう。」

と述べる。エネルギーに関する専門家集団、フェアウィンズ・アソシエートのア―ニー・ガンダーセン博士は言う。

「一度核燃料棒が空気に触れて反応が始まれば、止めることは容易ではありません。(プールにある)全ての放射性物質が空気中に放出されるでしょう。」

<参考>ガンダーセン博士による4号機の現状解説/Youtube(5月24日、英語です)「自然災害は私たちを待ってはくれません。しかし日本政府は十分迅速な対応を行なっているように見えません。」
http://www.youtube.com/watch?v=cXjlRbh7dxk 

最悪の事態が起きた場合、日本政府は東京都の住民全員を退避させることを想定している。

今年2月に日本を訪れたフランス原子力庁のベルナール・ビゴ長官もこうした危険を認識、使用済み核燃料プールから核燃料棒を取り出すことを「緊急の最重要課題」と指摘している。

これに対し東京電力は、使用済み核燃料プールには十分な水があり、補強工事により震度6強の地震にも耐えられようになったので安全、と主張している。他方で日本政府は、5月25日に原子力事業に関する規制に基づき、現在大きく破壊され変形している第四号機の建物西側の内壁の強度を再度確認するよう指示を行なった。翌日の5月26日に現場を視察した原子力行政を担当する細野豪志大臣は、

「(福島原発第四号基が)不安定な状況にあるとは思わない」

と述べている。しかし昨年3月11日には福島で既に震度7の地震が発生している。村田光平元駐スイス大使(注)は「国家の安全保障にかかわる緊急問題であり、一企業に任せるべきではない」と指摘する。


●野田政権による再稼働に非難集中

このような緊迫した状況にもかかわらず、野田政権は全力で福井県の大飯原発再稼働に邁進、地元福島県を含む全国の国民から強い非難の声が噴出している。政府は再稼働を推進する表向きの理由として、関西での電力不足を理由に挙げているが、実際には現在停止している50基の原発を再稼働させるための一貫とも見られている。しかし福島原発事故の検証は終了しておらず、事故を踏まえた新たな安全規準も施行されていない。

6月6日、東京ではノーベル文学賞受賞者の大江健三郎氏を含む約3千人の市民が集まり再稼働反対の声を上げた。同じ日、広島と長崎の被爆者団体「日本原水爆被害者団体協議会」は、野田政権に対し大飯原発の再稼働と原子力の使用をやめるよう求める特別決議を採択した。大飯原発で事故が起きた場合の放射能による被害についての調査は手つかずのままだ。ワシントンにベースがあるピュー・リサーチ・センターによる世論調査によれば、80%の国民が政府による原発事故への対応に「不満」と答えている。

(抜粋・一部編集)

(注)
○村田光平元駐スイス大使が野田首相に送った書簡/Various Topics(5月2日)
http://afternoon-tea-club.blog.ocn.ne.jp/blog/2012/05/post_0a58.html 

○村田光平元駐スイス大使による参議院での証言/Youtube(3月22日)
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=Q5oniO6TG-U 

(Philippe Mesmer, « A Fukushima, état d’urgence pour le réacteur 4 » & « Les Japonais très mécontents de la politique nucléaire de leur gouvernement », Le Monde, 2012.06.08)

2012年6月 5日 (火)

「10万年後の安全」フランス、放射性廃棄物の地下埋蔵処理を計画/クーリエ・アンテルナショナル(5月29日)

10年ほど前まで電気すら無かったムーズ県ビュール村(注1)。アブラナ畑と小麦畑に囲まれた高原に、細いくねくね道が伸びている。建物の入り口にあるエレベーターに乗り込むと、エレベーターは8分で地下500メートルの深さまで降りてゆく。

イギリス南部からフランス・ドイツ国境に至る広大な地下空間に広がる最先端の科学実験室(注2)では、過去50年近くにわたり、放射性廃棄物を10万年以上の間地下に埋蔵処理するための実験が進められている。

今日のフランスでは、原発などから出る使用済み放射性廃棄物は50年から100年の間中間貯蔵庫に仮置きされている。しかし放射性廃棄物には、100万年もの長期にわたって放射性物質を放出し続ける成分が含まれている。そのためフランス放射性廃棄物管理公社(ANDRA、注3)はビュール村の実験室で、10万年以上の間地下に放射性廃棄物を埋めておくことができるかどうかについての研究を続けて来た。

世界初の地下埋蔵処理施設は、2015年にフィンランドでの稼働を予定している。その後、2020年代の初頭にはスウェーデンで、そして2025年にはフランスでの埋蔵処理開始が予定されている。

(抜粋、一部編集)

(注1)ビュール村(画像)
http://www.leuropevueduciel.com/consultation.php?site=1098

(注2)ビュールの地下実験室訪問の様子(画像)
http://www.earth.lsa.umich.edu/relw/album/bure-france/bure.htm 

(注3)フランス放射性廃棄物管理公社(ANDRA)
http://www.numo.or.jp/press/2001/andra_info.html 


( « Lorraine : le nucléaire pour l’éternité », Courrier International, 2012.05.29)
http://www.courrierinternational.com/article/2012/05/31/le-nucleaire-pour-l-eternite

2012年6月 3日 (日)

アフリカ大陸征服を目指す南ア原子力産業、抗議の市民らを殴打・逮捕/アフリック・ジェット他(5月29日)

福島原発事故が起きた約1週間後、アフリカ大陸の西端にあるセネガル共和国はロシアからの原発輸入を急遽中止しました。震災後の日本に義援金と励ましの言葉を送った赤道直下の国々で、原子力の是非が議論されています。
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南アフリカ政府と原子力産業がアフリカ各国の政府高官を招いて開催する「アフリカ原子力国際会議」が南アフリカの首都ヨハネスバーグで開幕、アフリカ全土での原発推進を目指す同会議に抗議する市民団体の関係者ら5名(注)が、会場入り口で警備員らに殴打され拘留された。

●画像:会議場前での抗議と警備員らによる排除の様子/Eye Witness News
http://ewn.co.za/en/2012/05/29/Greenpeace%20protests%20nuclear%20energy%20conference.aspx


今回の会議は南アのコンサルタント会社「オメガ・インベストメント・リサーチ社」が主催、産業開発コーポレーション・グループ(Industrial Development Corporation、IDC)があるオフィスビル内で開催された。会議冒頭でクガレマ・モトランセ南ア副大統領は

「原発は地元に重要な経済的利益をもたらす大事業です。我が国は原発の建設を進め、将来は他国にも広げたい。」

との演説を行なった。

アフリカでの原子力拡散に反対する市民団体グリーンピースの関係者らは、原発事故による緊急事態の際に作業員が着用するつなぎ姿で登場、「核廃棄物」と書かれた袋と放射性物質を格納する樽型容器の模型を会議会場となった建物の入り口に置いて原子力の危険を訴えた。5名の関係者らが会場の入り口に自らを鎖で縛り付けて抗議を行ったところ、建物を警備するガードマンらが市民らを殴打、逮捕した。市民らはその後釈放された。平和的な抗議行動に対し暴力的な排除があったとして、アフリカ大陸の内外から非難の声があがっている。

(抜粋、一部編集)

(注)アフリック・ジェットでは「4名」と報道していますが、他の大多数の記事が5名と報じていることから、こちらに統一しました。

(« Energie nucléaire : Protestation en Afrique », AfriqueJet, 2012.05.29)
http://www.afriquejet.com/energie-nucleaire-protestation-en-afrique-2012053139517.html

2012年6月 1日 (金)

ドイツ、原発20基分を太陽光で発電:世界記録を更新!/アクチュアリテ・オンヴィロンモン(5月28日)

ドイツは先週の金曜日から土曜日にかけて毎時22ギガワットを発電、太陽光による時間当たりの発電量で世界記録を更新した。毎時22ギガワットは20基の原発をフル稼働させた場合の発電量に相当する。ドイツでは土曜日に工場やオフィスが閉まることから、先週土曜日には国内で消費される電力の約半分を太陽光発電でまかなうことができた。ドイツにおける太陽光発電の能力は、世界中の太陽光発電設備の容量を合わせた量に相当する。

ドイツ政府は1年前に発生した福島原発事故の後、原子力の利用を廃止することを決定した。以来、8基の原発が閉鎖され、現在まだ稼働している9基についても2022年までに閉鎖することが決まっている。閉鎖予定の原発による発電量は、風力、太陽光、バイオマスなどによる再生可能エネルギーでまかなわれる予定。ドイツはすでに電力の約20%を再生可能エネルギーで発電している。

「再生可能エネルギーは不安定で大多数の先進国が必要とする電力をまかなえない」との批判も一部にある。しかしアンゲラ・メルケル独首相は、「ドイツは、先進国が再生可能エネルギーによる発電でやってゆくことが可能であることを証明したい」と宣言した。政府による代替エネルギーの利用促進政策により、ドイツはこの分野で世界を牽引するリーダーとなっている。

(抜粋、一部編集)

(« L’Allemagne bat un record de production d’énergie solaire », Actualité Environnement, 2012.05.28)
http://www.actualites-news-environnement.com/28470-Allemagne-energie-solaire.html

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