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2012年9月 2日 (日)

行き場を失ったフランスの放射性廃棄物: 裁判所による貯蔵庫の建設許可差し止めと、強まる周辺住民からの「反対」の声/ルモンド紙(8月29日) 

フランスの電力政策を支える原子力。しかし放射性廃棄物の保管場所は確保されていない。そして隣国のスイスからも、国境地域での中間貯蔵庫の建設に反対する姿勢が公式に打ち出されつつある。

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目の前に、打ち捨てられた工事予定地らしき場所が広がる。背景にはビュジェー原発の4つの原子炉から伸びる冷却塔の煙突。

「ここに放射能のゴミ捨て場はいりません!」

「ビュジェー原発を止める会」のメンバー、ジャン‐ピエール・コレが叫ぶ。

ここはリヨン市(フランス第2の都市)から約30キロの距離に位置するアン県(注1)ビュジェー原発(注2)に通じる道の円形交差点。約100人強の周辺住民が結成する「ビュジェー原発を止める会」は、毎月1-2回、この場所を占拠して抗議行動を行っている。ジャン‐ピエールは地元の学校につとめる教員だ。白のつなぎを着た市民らが円形交差点に横断幕を揚げる。

「もうすぐ何千トンもの放射性廃棄物が、全フランスからビュジェーに運び込まれ貯蔵されます。イセダ(ICEDA)反対」

「イセダ(ICEDA)」とは何だろうか?イセダは、フランス電力公社(フランス最大の電力会社)がビュジェー原発の敷地内に建設を開始した放射性廃棄物の中間貯蔵施設を指している。フランス電力公社は廃炉の時期を迎えた9つの原子炉(増殖炉を含む)から出る放射性廃棄物を、ここにまとめて貯蔵することを予定している。

●建設許可の差し止め

合計8千平方メートルにわたる巨大な3つの広間からなるこの建物は、2千トンにのぼる放射性廃棄物を貯蔵できるように設計されている。持ち込まれる予定の廃棄物の放射線量は中程度だが、300年以上の長きにわたって管理する必要がある。

フランス電力公社は、建設中の施設を「貯蔵庫」ではなくて「経由施設」だと説明する。これらの廃棄物は、現在建設中で2025年から開設が予定されているビュール県の地下貯蔵施設に退避させられる予定だからだ。しかしそれでも、中間貯蔵庫は50年間の間廃棄物を保管し続けなければならない。

1億5千万ユーロ(約150億円)をかけて建設されたこの施設は、あと機材を搬入すれば良いだけの状態にある。そして2014年の初めには開所のはずだった。しかし、今年の1月にリヨンの行政裁判所から建設許可の取り消し判決が出て以来、全ての工事は止まったままだ。

●高まる反対の声

工事の差し止めに成功したのは、「ビュジェー原発を止める会」の活動家たちではない。近隣で果樹や野菜、花を栽培する園芸農家、レオナール・ルーゼンである。ルーゼンは原発から廃棄される水を使って、ヤシの木などの熱帯植物を育てる温室の保温を行って来た。しかしルーゼンの弁護士はこう述べる。

「発電所の近くで(野菜や果物を)栽培しているというのと、放射性廃棄物の中間貯蔵庫の近くで育てているというのでは、与える印象が異なります。」

今回、放射性廃棄物の中間貯蔵庫建設の差し止めを命じた裁判官たちは、中間貯蔵庫が本来「ビュジェー原発に関連する活動しか行ってはならない」との規定に反していると指摘した。

ビュジェー市の市長、マルセル・ジャキンは言う。

「もともと2006年に計画が立ち上がった時、私達は反対しました。それが2010年になってアン県の知事が建設許可を出し、当時の首相だったフランソワ・フィヨンが許可を出すための命令に署名を行ったのです。今日では、国が私たちの代わりに物事を決めるより、私たち自身が私たちの要求事項に従って直接物事をコントロールする方が良いと考えています。」

それでも中間貯蔵施設の完成をもくろむフランス電力公社の前に、別の障害がもちあがっている。ビュジェーから100キロほどの距離にある隣国スイスのジュネーブ市とジュネーブ州が、フランス議会に施設の建設反対の訴えを起こしたのである。ジュネーブ州は、

「州はいかなる法的・政治的手段を用いても、中・高度の放射性廃棄物を貯蔵する施設や再処理工場を敷地内および近隣に建設することに反対する。」

と定めている。

それだけではない。7つの原発に反対する市民団体も同じく議会に対し訴えを起こした。彼らは放射性廃棄物が鉄道や道路を使ってビュジェーに運搬されることの問題点を指摘している。

一つの質問が頭をもたげる。フランスにある原発を廃炉にした後、その放射性廃棄物をどうするのか?答えは見つかっていない。


(抜粋、一部編集)


(注1)ビュジェーが位置するアン県は、フランス東部に位置する自然と花に囲まれた緑豊かな地域。人口57万人のこの県はスイス国境に位置し、ジュネーブ市からの距離は110キロ。

アン県の風景はこちらです。
http://www.google.co.jp/search?q=ain+france&hl=ja&prmd=imvns&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ei=Hes-UJv8J67nmAXNoICIDA&sqi=2&ved=0CDAQsAQ&biw=1120&bih=577

(注2)ビュジェー原発(仏語ですが、写真をどうぞ)
http://fr.wikipedia.org/wiki/Centrale_nucléaire_du_Bugey

●元の記事:「原子力:廃炉で発生するフランスの放射性廃棄物をどうするのか?」/ルモンド紙(8月29日)
(Pierre Le Hir, « Nucléaire : que faire des déchets français de démantèlement ? », Le Monde, 2012.08.29)

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コメント

フランスねこさんへ
《緊急、重要》福島原発事故現場での核燃料冷却の水量低下の原因は熟練した原発作業員の方によると(藻)が詰まっているのではとの情報です。
東電はメンテナンスを考えずに経費削減ばかり考えて行っている為に色々な事故を起こしているようです。

奥田さん

情報をありがとうございます。
さしつかえなければ、情報元も御教示頂けますか?

情報源は信頼性のある福島原発事故現場の原発プロ作業員ハッピーさんのTwitterです。

奥田さん、ありがとうございました。

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