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2012年10月

2012年10月31日 (水)

頻発する原発事故―インド政府、IAEAに事故基の査察を要請/ロマンディ・ニュース(10月29日)

国際原子力機関(IAEA)は10月29日、インド北東部のジャイプール州にあるラジャスタン原発の査察を開始した。今回の査察はインド政府による初の要請に基づくもので、IAEAがインドの原発を査察するのは今回が初めてとなる。同原発は今年に入り複数回にわたる放射能漏れ事故を起こしており、数十名以上の原発作業員が被ばくの被害を受けている。

12人のメンバーからなるIAEA査察団は、11月15日まで事故を起こした原発の査察を行う予定。特に、原発内での作業の状況、安全管理の手順、各種機材の稼働状態の確認に力点を置く。

ラジャスタン原発では6月23日に最初の放射能漏れ事故が発生、原子炉の冷却管路でメンテナンス作業を行っていた作業員38名が被ばくした。ラジャスタン原発の幹部によれば、被ばくした作業員のうち2名はインド政府が定める一年間の被ばく許容量の上限に相当する量の放射線を浴びたが、全員職場に復帰したという。二回目の事故は7月19日に発生、不具合が発生した管のつなぎ目の修理にあたっていた4名の作業員が新たに被ばくした。

インドは主な発電源を石炭に頼っており、新たな電力源を積極的に探し求めている。原子力は現在インドにおける発電量の3%を占めるが、インド政府は今後2050年までに原子力の割合を25%にまで増加させたいとしており、日本を含む複数の国々の技術的支援を得た原発の新規建設事業が検討中もしくは進行中だ。他方インドでは人為ミスや維持管理の不備による事故が相ついでおり、環境問題に取り組む関係者らはインドにおける原発の安全基準について懸念を表明している。

(抜粋、一部編集)

●元の記事:「IAEA、最近起きた2件の事故を受け、インドの原発を査察」/ロマンディ・ニュース(10月29日)
http://www.romandie.com/news/n/_Inde_l_AIEA_inspecte_une_centrale_nucleaire_apres_deux_incidents_recents85291020121326.asp

2012年10月28日 (日)

太平洋岸で魚介の放射能汚染が悪化 米国研究者が「サイエンス誌」で発表/ルモンド紙(10月26日)

福島原発事故から17ヶ月が過ぎた今も、日本の太平洋岸で穫れる魚介類の放射能汚染濃度は福島沿岸を中心に上がり続けている。10月26日、米国マサチューセッツ州にあるウッズ・ホール海洋学研究所のケン・ブエスレー研究員(化学専攻)が「サイエンス誌」に発表した(注)。

ブエスレー研究員は日本政府が測定した放射能汚染に関するデータを分析、事故を起こした福島原発事故の原子炉から漏れ出す放射性物質、もしくは事故に関連して汚染された海中の堆積物に含まれる放射性物質が太平洋を汚染し続けていると示唆している。

同研究員は又、ほとんど全ての魚介類において放射性物質による汚染濃度が以前と比べて減少していないと指摘、日本政府が発表しているデータによると福島近海で穫れる魚のおよそ40%が日本政府の放射能汚染基準値に照らし安全でないと推測している。

ブエスレー研究員は、「福島沿岸の魚介類における放射性物質の汚染濃度をこれほどまでに高く上昇させ続けている汚染源を見つけ出す必要がある」と指摘している。

(抜粋、一部編集)

(注)「福島沖にある答えを求めて」サイエンス誌(10月26日版)/ケン・ブエスレー ウッズ・ホール海洋学研究所研究員
http://www.sciencemag.org/content/338/6106/480.summary 
「2011年3月11日に起きた地震、津波、福島第一原発からの放射線の放出、という3重災害は、海および社会にとって前代未聞の出来事でありつづけている。福島原発から放出される放射能の80%以上が沖の大気中へと吐き出されるか、もしくは使用済みの冷却水として直接海に投棄されている。沖の海水は国際規準に照らして安全だが、福島原発は放射性の汚染水を海に流しつづけている。事故を起こした原発の近隣にある多くの漁場は閉鎖されたままだ。将来の復興の見込みはどのような状況にあるのだろうか。」

●元の記事:「福島における魚の放射性物質濃度が上昇」/ルモンド紙(10月26日)
http://www.lemonde.fr/planete/article/2012/10/26/radioactivite-elevee-pour-les-poissons-de-fukushima_1781486_3244.html

2012年10月25日 (木)

日本政府、福島の放射線量を過少に測定/ラジオ・カナダ&AFP(10月23日)

環境団体グリーンピースは、日本政府が福島県で実施している放射線量の測定に関し、測定値が過小に報告されていると公表した。グリーンピースはまた、福島原発の周辺地域に住む住民たちが、政府が定める被ばく許容量の上限を13倍も上回る量の放射線にさらされていると指摘した。


● グリーンピースによる詳しい調査結果はこちら
http://www.greenpeace.org/japan/monitoring/13th/ 


今回の発表は、グリーンピースが先週4日間をかけて福島県内で実施した放射線量の測定結果に基づくもの。福島市内の公園および学校の敷地内では毎時3マイクロシーベルトを上回る放射線量が検出された。これに対し、日本政府は被ばく量の上限を毎時0.23マイクロシーベルトと定めている。福島市は昨年事故を起こした福島原発から約50キロの距離に位置している。

「私たちは、日本政府が設置した放射線測定器が周囲の放射線量を一貫して低く検出するように設定されているのを発見しました。」

グリーンピースの放射線防護アドバイザー、リアナ・トゥールは述べる。この専門家によると、日本政府が設置した放射線測定器は金属やコンクリートの覆いで覆われているために、測定値が誤って実際より低く表示されていた。

「これらの放射線測定器は、除染が行われた地域に設置されています。しかし私たちが実施した測定では、これら測定器から少し離れるだけで放射線の数値が大きく跳ね上がりました。」

トゥール氏は「除染作業は深刻なまでに遅れを重ねており、多くの場所が今だ高い放射線量のままで放置されている」と指摘する。

政府が住民の帰還を計画する飯舘村では、政府が定める被ばく量の上限を上回る放射線量が測定された。

「山がちで深い森林に覆われた(福島のような)地域の放射線量が下がり安全になるまでには、少なくとも数年が必要です。」

グリーンピースのメンバーである鈴木かずえは述べる。

「日本政府は原発事故の被災者に誤った希望を与えています。」

(抜粋、一部編集)

●お詫びと訂正●
大変申し訳ありませんが、以下の箇所につきまして後日訳の間違いに気づきましたので、下記のとおり訂正させて頂きました(ユキさん、御指摘をありがとうございました)。つきましては、ブログ記事を転載された皆様におかれましても御訂正を頂けますと幸いです。

(誤)政府が住民の帰還を計画する飯舘村では、政府が定める被ばく量の上限を下回る放射線量が測定された。
(正)政府が住民の帰還を計画する飯舘村では、政府が定める被ばく量の上限を上回る放射線量が測定された。

大変申し訳ありませんでした。どうぞよろしくお願い致します。


●元の記事:「福島:グリーンピース、放射線量の誤りを非難」/ラジオ・カナダ&AFP(10月23日)
http://www.radio-canada.ca/nouvelles/International/2012/10/23/008-greenpeace-fukushima-radiation.shtml

2012年10月23日 (火)

スイスへと向かう再処理済み放射性廃棄物/ラ・コート(10月17日)

アレバ社が再処理を行ったスイスの高放射性廃棄物は水曜日の午後、ラ・マンシュ県ボモン・アーグ(フランス北西部、注)からスイスに向けて出発した。ボモン・アーグにあるアレバ社の放射性廃棄物再処理工場の広報担当者によると、放射性廃棄物を載せた列車は「一日か二日かけて」目的地に到達する見込み。

3つの列車車両に搭載された放射性廃棄物は、「(スイスの首都)チューリヒと同規模の都市で使用される電気約12年分を発電するのに必要な放射性燃料」から生じたもの。アレバ社によれば、厚さ40センチの金属に包み移送することになっている。

フランスの原子力に反対する市民団体によれば、今回の輸送は2001年以来8回目、308個目の放射性廃棄物返却にあたる。これまでに全体の71%にあたる放射性廃棄物がフランスの再処理工場からスイスへと返却されており、2015年には完了する見込み。今回スイスへと輸送された放射性廃棄物は、放射性廃棄物一時貯蔵庫に保管される。

アレバ社は放射性廃棄物の96%について、プルトニウムとウランなどの物質を含んでいる事から核燃料として再利用可能であると主張している。しかし環境保護を訴える関係者らは再処理により作られた放射性燃料について、燃料としてそれほど適していない他、より深刻な汚染を引き起こすことからほとんど使用されていない、と指摘している。

(注)ラ・マンシュ県ボモン・アーグはフランス北西部の大西洋岸にある港町。
http://fr.wikipedia.org/wiki/Beaumont-Hague
ボモン・アーグにあるアレバ社の放射性廃棄物再処理工場
http://fr.wikipedia.org/wiki/Usine_de_retraitement_de_la_Hague


●元の記事:「フランス:放射性廃棄物列車、スイスへ出発」/ラ・コート(10月17日)
http://www.lacote.ch/fr/en-continu/france-depart-d-un-convoi-de-dechets-radioactifs-vers-la-suisse-0-1052134

2012年10月20日 (土)

中国政府、国内の原発安全体制を厳しく自己批判「最も老朽化した原発は廃炉」/ルモンド紙(10月18日)

中国の環境省は10月16日、国内の原発に関する安全体制を自ら強く批判する報告書を公表した。今回の報告書は、昨年3月に日本で起きた福島原発事故を受けて実施された原発の安全性に関する調査結果をまとめたもの。特に、原発の安全性を評価するための共通規則が存在していないことによる危険性を指摘している。

「楽観的な状況ではありません。」

環境大臣はこのように述べ、今後、安全体制強化に向けた施設・設備の改修を実施するにあたり、798億元(約1兆円)の予算が必要との見通しを示した。

中国国内にある稼働中の原発は現在16基。これに加え26基が新たに建設中だが、中国政府は福島事故を受け新規建設事業の承認を停止している。中国国内の電力は70%が石炭でまかなわれており原子力の占める割合はそれほど多くないが、産業界は政府の新規建設許可を心待ちにしている。こうした状況にも関わらず、今回の報告書では将来の原発事業再開に向けた日程や増設が予定される原発の数については言及していない。

環境大臣はまた、最も老朽化した原発を予定通り廃炉にする必要があるだろうとの見通しを示した。中国では原子力分野における技術者不足に加え、全電源喪失に備えた設備の改善等が必要と見られている。中国政府は更に、一般市民が原子力の安全に関する情報を知る権利を守るための仕組みについても改善が必要と言及している。

(抜粋、一部編集)

●元の記事:「中国政府、原発の安全体制における無能を認める」/ルモンド紙(10月18日)
(Harold Thibault, « Pékin reconnaît des défaillances dans sa sûreté nucléaire », Le Monde, 2012.10.18)
http://www.lemonde.fr/planete/article/2012/10/17/pekin-reconnait-des-defaillances-dans-sa-surete-nucleaire_1776675_3244.html

2012年10月18日 (木)

「原発、いらない」フランス各地で抗議行動/ルモンド紙(10月13日)

東京・日比谷野外音楽堂で「さようなら原発集会」(参加者6500人)が開かれた10月13日、フランスの各地でも市民らによる原発への抗議集会が開かれました。フランス・ドイツの国境を越えた市民活動が、地元に根付いた形で息長く続けられています。

<参考>「10.13さようなら原発集会in日比谷」(レイバーネット)
http://www.labornetjp.org/news/2012/1013kuro 
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原発に反対するフランスの市民団体「原子力をやめる会」(Sortir du nucléaire)は10月13日、国内10以上の都市で原発の廃絶を求める一斉抗議集会を行った。

EU議会が置かれている仏独国境の町ストラスブールでは、原発に反対するフランス人とドイツ人の市民たちが合同で、巨大な「STOP」の文字を描いた。

○ 巨大な「STOP」の画像はこちら
http://www.lemonde.fr/planete/article/2012/10/13/manifestations-anti-nucleaires-dans-plusieurs-villes-francaises_1775154_3244.html 

ラヴァル市の集会にはロワール、ノルマンディー、ブルターニュの3つの地方から2300〜4000人の市民が参加、原発廃止と建設中のフラマンヴィル原発に接続が予定されている高圧送電線の建設中止を求めて行進を行った。上院で環境保護グループの委員長をつとめるジャン-ヴァンサン・プラセ議員、ヨーロッパ緑の党のフランス委員長をつとめるパスカル・ドゥラン議員も行進に加わった。

フランス第二の都市リヨンでは「原子力をやめる会」より約300名の市民らが集会に参加、市の中心街で除染のデモンストレーションや原子力の危険を呼びかける活動を行った。

(抜粋、一部編集)

●元の記事:「フランスの複数の都市で原発反対の抗議行動」/ルモンド紙(10月13日)
(« Manifestations anti-nucléaires dans plusieurs villes françaises », Le Monde, 2012.10.13)
http://www.lemonde.fr/planete/article/2012/10/13/manifestations-anti-nucleaires-dans-plusieurs-villes-francaises_1775154_3244.html

2012年10月15日 (月)

韓国でフッ化水素酸爆発事故―死亡5名、重軽傷18人、重度汚染地域からの避難は2週間後も進まず/ルモンド紙(10月12日)

韓国で起きた大規模産業事故の状況です。原発事故についての記事ではありませんが、多くの共通点があると思いますので載せておきます。

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死亡作業員5名、重軽傷18名。呼吸器障害、眼科疾患、肺・神経系統への障害―有毒なフッ化水素酸ガス8トンは、これらの健康被害を撒き散らしながら大気へ放たれた。何百ヘクタールもの農地、葡萄畑、水田に惨憺たる被害を及ぼしながら。

9月27日、ソウル市の南東200キロの距離にあるグミ市の化学工場で起きた大規模な爆発事故は、深刻な汚染被害が起きているにもかかわらず、2週間近くがたってやっと政府による対応が始まった。被害額は約12.3億円と推定されている。あまりの遅々とした対応ぶりに李明博大統領は10月9日、責任者の確定を命じた。

政府同様、地方自治体は事故の深刻さを無視しているかのような態度をとっており、汚染地域からの住民の退避は遅々として進んでいない。政府寄りの報道と保守派の思想で知られる中央日報ですら、10月10日付の社説で「国民の安全を脅かす危険な状況に対し、政府はあまりにも軽々しい対応をとっている」と強い遺憾の意を表明している。同紙は危険物質を扱う場所での安全対策措置を怠っていたとして、労働災害を所管する政府機関への処罰を求めている。

韓国では頻繁に化学産業分野の工場で深刻な事故が起きている。今年の8月にはLG化学社(LGグループに属する韓国の総合化学メーカー最大手)の工場で工業用溶剤ジオキサンが入った容器が爆発、作業員8名が死亡した。韓国には化学セクターにおける災害対策のための法律が80にものぼり、国内にある化学物質4.3万トンのうち86%について流通状況が把握されていない。国内での高まる非難を受け、政府はやっと重い腰を上げつつある。被災地域は特別災害区域に指定され、付近の住民には被害への賠償を求める道が開かれた。韓国政府は今後、危険物質の取り扱いに関する法律の見直しに着手する予定。

(抜粋、一部編集)

●元の記事:「韓国での環境汚染にかかわる大惨事で高まる政権への圧力」/ルモンド紙(10月12日)
(Philippe Mesmer, « En Corée du Sud, un drame écologique gêne le pouvoir », Le Monde, 2012.10.12)

2012年10月12日 (金)

ポーランドへの原発輸出狙うGE‐日立、ワルシャワ技術工科大学に「原子力人材の養成支援」/世界原子力ニュース(10月8日)

10月8日、初の原発建設を計画するポーランドで原発の受注を目指すGE‐日立は、ワルシャワ技術工科大学に対し原子力分野の人材育成と技術開発支援を行うための協力協定を締結した。今回の協力協定は、ポーランド政府が実施を予定する原子力事業の受注を狙って実施されるもの。GE‐日立社は今回の協力について、同社が掲げる「(自社事業を通じた)現地の専門人材育成と社会基盤強化」の考えを実現する最良事例であると述べている。同日、同じくポーランドでの原発建設の受注を目指すアレバ社とフランス電力公社は、ポーランドの電力会社「エネルゴ・プロジェクト社」およびポーランド国内にある複数の製造業各社と、原子力産業に貢献する産業技術力の強化に向けた支援のための協力協定を締結した。

(抜粋、要旨)

●元の記事: 「ポーランドでの受注をねらう原発メーカー」世界原子力ニュース(10月8日)
http://www.world-nuclear-news.org/C-Vendors_look_to_Polish_localization-0810128.html

2012年10月10日 (水)

スイス 核廃棄物最終処分場の選定問題:極秘の「決め打ち」に高まる非難の声/20ミヌート(10月8日)

スイス国内の放射性廃棄物に関わる処分業務を所管する「放射性廃棄物管理共同組合」(通称「ナグラ」、注)が、核廃棄物最終処分場の選定を目的として現在実施されている公式事前調査の対象6候補地のうち、チューリヒ北東部とベーツベルクの2ヵ所を事実上の最終処分場決定地として内部文書の中で言及していた問題で、組織としての信頼を損なったとしてナグラ幹部の辞任を求める声が高まっている。

「ナグラの執行部そのものを交代させなければならないと思います。」

ヴァルター・ヴィルディ教授(地理学)は10月8日、スイスのドイツ語圏向けに放映されているラジオ番組の中でこのように述べた。原子力に批判的な同教授は今年8月、ナグラの「安全問題に対する無責任な組織文化」を批判し、同組織が所管する「核廃棄物処理に関する諮問委員会」を辞任した。

スイス連邦・原子力安全監視機構(IFSN)とナグラの間にある癒着・共謀関係を批判して6月に原子力安全委員会の委員を辞任した原子力と地理学の専門家、マルコス・ビュゼール氏は、ナグラ幹部の交代に加え、核廃棄物の最終処分場選定プロセスの状況が明らかになるまで選定プロセス自体を停止させることを主張している。

(抜粋、一部編集)

(注1)放射性廃棄物管理共同組合/「ナグラ」の概要
http://www.numo.or.jp/press/2001/nagra_info.html

●元の記事:「ナグラ幹部の辞任を求める声、高まる」/20ミヌート(10月8日)
http://www.20min.ch/ro/news/suisse/story/Des-voix-s-elevent-pour-demander-des-t-tes-11113933

2012年10月 7日 (日)

ドイツ環境・原子力安全対策大臣へのインタビュー「原発廃止に向け国内外で連携を強化」「困難、必ず乗り越える」/ルモンド紙(9月21日)

フランス政府は9月14・15日の2日間にわたり、電力問題から適切な政府の役割に至る環境の主要テーマを議論するための「環境会議」を開催、国会議員、市民団体、労働組合など300名の国内関係者と14名の閣僚が出席して活発な議論が行われた。オランド大統領はこの席で、フランスとドイツが先頭に立ち「エネルギーに関するヨーロッパ共同体」を立ち上げる構想を提言。ルモンド紙はこの機会にドイツのピーター・アルトマイヤー環境・自然保護・原子力安全対策大臣に対し電力政策に関するインタビューを行った。


● ルモンド紙:オランド大統領の提言についてどのようにお考えですか?

アルトマイヤー大臣:
私はもちろん、ドイツとフランスがお互いの強みを尊重しあいながら協力関係を強化してゆかなければならないと考えています。発電量全体の25%を占める原子力を廃止するドイツと、発電量に占める原子力の割合を75%から50%に減らそうとしているフランスの間には、通常考えられている以上に多くの共通点があります。


● ヨーロッパの太陽光発電産業を救う事は、まだ可能でしょうか。

フランスとドイツが共同で実施してきたエアバス航空機開発事業の成功について考える時、私はいつも深い感銘を覚えずにはいられません。この共同事業があったからこそ、ヨーロッパはそれまで活躍の望みが全く無かった民間航空機産業において、世界的な当事者になることができたのです。

太陽光発電について言えば、太陽エネルギーがこの先何十年にもわたって、特にアフリカやアジアにおいて非常に大きな役割を担うであろうことを、私は確信しています。ですから、ヨーロッパの主要な関係者は太陽光発電の装置の開発構想やその実現に何としても参加しなければなりません。この市場を中国一人に独占させることは許されないのです。


● ドイツは2022年に原子力を廃止することを決定しました。次期選挙まで残すところ14ヶ月となりましたが、あなたの優先事項には何が挙げられますか?

原子力の廃止という目的と、この目的を達成するための主なステップについて、国内関係者の合意を形成することが私の優先事項です。連邦国家政府、各州政府、電力会社、配電会社、企業主や組合関係者といった関係者全てを集めて話し合いたいと思います。


● エネルギー政策における難点としてどのようなものが挙げられるでしょうか。

困難な問題はいくつもあります。しかし私たちはこれらを乗り越えてゆくつもりです。ドイツは各自治体や州に大きな権限を委譲している地方分権国家です。ですから地方関係者との連携は欠かせません。電力料金の値上げ、という難点については、石油・石炭価格の上昇によりこれまで以上の料金値上げが見込まれます。しかしドイツ人はクリーンな電気の恩恵を受けるために、これまでより高い電気料金を払うことを受け入れようとしているのです。

(抜粋、一部編集)

●元の記事:「太陽光発電産業においてヨーロッパのアクターを養成しなければならない」ルモンド紙(9月21日)
(« Il faut créer un acteur européen dans l’industrie photovoltaïque », Le Monde, 2012.09.21)
http://www.lemonde.fr/planete/article/2012/09/21/il-faut-creer-un-acteur-europeen-dans-l-industrie-photovoltaique_1763662_3244.html

2012年10月 3日 (水)

米下院で原発の稼働延長認可を遅らせる「原子炉の安全が第一」法が成立/ロイター(9月26日)

米国は今後、40年の稼働期間を超えた原発の稼働延長認可について、申請対象となる原発が稼働期間の満了直前となるまで、また安全状況がより詳細に把握されるまで、その承認を延期する。これまでは稼働期間の満了間際になる前からあらかじめ稼働の延長認可を受けることが可能だった。

「原子炉の安全が第一」法と名付けられたこの法律は、9月26日、マサチューセッツ州のジョン・ティエルニーとエドワード・マーキーの両国会議員(民主党)によって米国下院で成立した。2名の国会議員らは「今回の法律の成立により、年月を経た原発の安全性がこれまでより確実になる」と述べている。

米国では原子炉の稼働が40年までと定められており、原子力規制委員会の認可により最大60年まで延長できる。現在原子力規制委員会に稼働期間の延長申請を行っている13の原発のうち、稼働期間の満了までに10年以上の期間が残されているものは9基にのぼる。これらについては認可が見送られるとともに、残りの4基についてもより厳しい規準に基づいた審査がなされることになる。

(抜粋、一部編集)

●元の記事:「米国の下院議員ら、原発の稼働認可を遅らせる試み」/
ロイター(9月26日)
http://in.reuters.com/article/2012/09/26/utilities-nuclear-idINL1E8KQCA420120926

2012年10月 1日 (月)

原発廃止を目指すスイス、電気暖房の「追放」へ/エコノミー・マタン(9月26日)

今日フランスでは、全世帯のうち31%の家庭が電気による暖房を使用している。又、2009年に着工した新築住宅の80%に電気暖房が設置されている。他方、理論上は「地球に優しい」とされるヒートポンプ(外部の空気や地表の熱を使った発電装置)もまた、熱狂的な人気を誇っている。

<参考>「ヒートポンプとは」(「ヒートポンプ備蓄センター」HPより)
http://www.hptcj.or.jp/study/tabid/102/Default.aspx

「地球に優しい」というのは、ヒートポンプもまた電気で動く、という点を別にすればの話だが。

その一方で、私たちの隣人であるスイス人たちは「コードを切る」(フランス語で「独立する」という意味も含む)ことを決めた。コード、というのは電気コードのことだ。スイス連邦議会は今後15年以内に電気による暖房をスイス国内から「追放」することを目指す法案を可決した。スイスでは全国330万世帯のうち25万世帯が電気暖房を使用している。政府は今後これらの世帯に経済的な支援を行い、暖房の電力源を転換するよう促す予定だ。

今回の決定が実際に施行されるまでには、今後更に国会内の審議を経て正式に法律として公布されなければならない。最終的な法律はスイスが既に実施を決定している原子力廃止のための実施計画に添付される。スイスは今後20年以内に原子力発電を廃止し、国内に豊富にある水を利用した水力発電へと切り替えることを予定している。

(抜粋、一部編集)

●元の記事:「原発廃止を目指すスイス、電気暖房を「追放」」エコノミー・マタン(9月26日)
(« Pour sortir du nucléaire, la Suisse bannit le chauffage électrique », Economie Matin, 2012.09.26)
http://www.economiematin.fr/eco-digest/item/1495-chauffage-electrique-utilisation-france-suisse

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