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2013年3月22日 (金)

「福島だけじゃない。原発で、日本全国が被災したんです。」映画『希望の国』、フランスで初公開/ルモンド紙(3月10日)

黒い服に黒い帽子、黒いフレームのメガネ。全身黒づくめのその男は、煙草の入った「ホープ(希望)」の箱を机の上に置いて、それから自分の服と同じ黒色の眉をグッとしかめた。

「僕は災害映画とか、原子力時代の後の世界についてのSFはよく知りません。でも僕は福島で、まるでSF映画に出て来るような、捨てられて全く人を寄せつけない被災地を見て以来、フィクションをフィクションとして見ることができなくなりました。」

日本のカウンター・カルチャーを代表する映画監督で詩人でもある園子温(その しおん)は、4月24日よりフランスで公開される最新作「希望の国」の紹介に合わせてパリを訪れた。


●予告編はこちら
(トロント国際映画祭 最優秀アジア映画賞受賞作。DVDも発売中だそうです)
http://www.youtube.com/watch?v=zkxFrqK-ujg&feature

●映画の紹介はこちら
 http://www.kibounokuni.jp/


時は近未来の日本。「長島原発」(長崎、広島、福島を掛け合わせた名前)が爆発する。人々は福島原発事故が発生した2年前と同じ世界を再び体験し、同じ苦難に遭う。嘘で塗り固められた政府の発言、混乱。

「福島原発事故が起きたとき、日本全土が被災しました。全ての国土がやられたのです。僕は東京の自宅で、ガイガーカウンターを使って放射線量を測っていました。そしてある日、クーラーの近くの放射線量が高くなっているのに気づいたのです。フィルターを掃除したら、放射線量は下がりました。」

そして映画監督は福島から避難中の被災者たちに会いに出かけた。

「6ヶ月間、福島事故の被災地を車で走り続けました。そして被災地で原発事故の被害者についての映画を撮りたいという考えが湧いたのです。映画の観客には、理屈ではなくて、ハートでこの映画を理解してほしいと思っています。」

園は立ち入り禁止区域を何度も訪問し、農民たちの間に入ってカメラを回し続けた。いつもこっそり隠れて、事故を起こした福島原発に近づきすぎないように気を配りながら。

逃げるか、残るか。映画は特定の立場を取ろうとしない。今回の映画ほど資金集めが難しい映画は無かった、と園は振り返る。そして、映画業界が原子力業界と癒着していることを認める。

「私たちは2年前に起きたことを忘れようとしています。何万人もの人々が土地を失い、二度と自宅に帰れない人すらいるのに、です。日本政府は『全てうまく行っている』、『みんな幸せ』と言って日本が復興したというイメージを振りまこうとしているのです。」

(抜粋、一部編集)

(Laurent Carpentier, « « Land of hope », une fiction-catharsis sur la catastrophe », Le Monde, 2013.03.10)
http://www.lemonde.fr/japon/article/2013/03/09/land-of-hope-une-fiction-catharsis-sur-la-catastrophe_1845533_1492975.html

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コメント

フランスねこさんへ

堀潤さんがNHKの体質を先の大戦当時の報道機関と変わりが無いことを痛烈に批判したがために退職を促されたとは……
福島原発事故の報道のあり方を反省したコメントを各マスメディアは流したが 実際と異なる姿勢は本末転倒 論理が支離滅裂 マスコミ マスメディアも 今の日本政府と同じです。
福島原発事故問題 放射能汚染問題だけでなく 経済政策にても支離滅裂な政策に一部から疑問が上がっています。

今の政府の言動を見る限り 改善するのは根本的に元から立て直さなければならないと……
思いますね。

奥田さん
御連絡ありがとうございます。御退職は少し残念ですが、引き続きジャーナリストとして良い仕事を続けて行かれるよう期待したいと思います。

こんにちは。
映画の紹介有難うございます。
予告見てみました。
予告だけで涙出てきました。
映画館では見る勇気がいるな〜と思いましたが友達にもこういうのあるんだよと伝えようと思います。

知ってるかもしれませんがJanick Magneさん東京大学の教授が福島で撮った写真パリ2区の市役所3月25日から31日まで見れるそうです。

フランスねこさんへ
昨夜のETVのチェリノブイリ事故関連の番組を見ていましたが ウクライナの女性医師が《国の未来の子供達》との発言には新鮮さを感じました。
今の日本政府 文科省 厚労省 学校の教師からの発言を聞いた事が有りません。 如何に日本政府は人の生命を無視し人権を守ると言う事が欠如した政府なのかと地位のある長崎の大学の医師でさえも全く人の命を軽んじているのを見ると怒りを覚えます。
これが日本の国の姿かと……

正直 原発事故の放射能汚染の対応を見ているとソビエトの方が民主主義のように見えます。

それに比べて見ると日本政府は まるで独裁国家のようで義務ばかり強要して権利を無視 異議を述べれば抹殺するようでは外面は自由民主主義 内面は独裁主義
国連の人権機関から批判を受ける日本政府

自ら日本政府を変えなければと意識を持って欲しいです。
他力本願でなく自力によって変えないと

ユキさん
コメントをありがとうございました。是非お友達と一緒にご覧になって頂ければと思います。引き続きどうぞよろしくお願い致します。

奥田さん
コメントありがとうございます。子どもたちの未来を考え責任ある行動を取らなければ、という御意見に共感致します。尚、大変恐縮ながら、頂いたコメントが比較的長いものでしたので勝手ながら少々削らせていただきました。御了承頂ければ幸いです。引き続きどうぞよろしくお願い致します。

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