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2013年6月23日 (日)

ICRPとフランス原子力ロビーが作る「NGO」エートス:チェルノブイリの教訓と福島への警告(その3)/原子力ロビーからのWHO独立を目指す会(4月1日)

2.NGO「エートス」

「エートス」は1976年にフランス電力公社(フランス最大の電力会社)とフランス原子力庁が設立した「放射線防御に関する評価調査センター」(CEPN)から派生してできた団体でした。フランスの原子力推進派勢力を直接代表する組織だったのです。

エートスの目的の一つは、「将来フランスやEU諸国で原発事故が起きた場合に、事故処理と重度汚染地域の管理を行うにあたり、人々が政府や原子力に対する信頼を維持し続けるための長期的に持続可能な管理体制、そしてそのために必要な程度の放射線医学を提供するための持続可能な管理体制」を定義した調査報告書をEUに提出することにありました(注3)。

1998年までの3年間、エートスはベラルド研究所の収集データを蓄積するとともに、研究所の関係者を使って自分たちの研究の為の追加データを収集しました。自ら調査への対価を払うことなく、こうしたデータの収集を行ったのです。ネステレンコ教授らがエートスが拠点としていたオルマニー村を含む5つの村からベラルーシ政府によって追い出されるまでは。

エートスには健康や医療についての専門家がいませんでした。しかしネステレンコ教授による研修や指導を受けたことで、エートスはヨーロッパにおいて「チェルノブイリにおける放射線医学分野を専門とする科学者集団」と名乗ることができるようになっていました。こうしてエートスはフランス政府やEU、国連、世界銀行などが参加する「チェルノブイリ原発事故によるベラルーシ汚染地域での生活環境再生のための協力プログラム(CORE)」のコーディネーターになることができたのでした。COREプログラムはプログラム実施期間中の5年間の間、住民への健康調査を先延ばしを行い、現地で活動するチェルノブイリ支援関係者らの非難を浴びました。


3.「興味深い実験」

エートスを率いるジャック・ロシャール氏に対し、ウクライナ緑の党の指導者で医師・作家のユリ・チチェルバックが「チェルノブイリ原発事故において最も重要だと考えることは何か」、と尋ねたことがありました。ロシャール教授は次のように答えました。

「非常に興味深いよ!私の実験室ではこんな実験は絶対にできないことでしょう。でも今私は不可能だと思っていた実験の結果を実際に観察することができるのですから。」

                                      (了)

(注3)ロシャール氏の論文によれば、原発事故による重度汚染地域において「持続可能」な住民の健康管理体制を作るためには次の四つのステップが必要だと言う。

第一段階では住民たちの悩みや希望を聞き関係者らによる協力体制を築いた上で、
第二段階では地元関係者らと共に放射線医学データの計測を実施、
第三段階では(政府予算などの)必要経費を最小限に抑えつつ地元にあるものを用いて実施できる放射線防御対策を検討し、
第四段階で初めて住民と自治体、専門家らが一緒に協力して物事を進める体制にもってゆく。

こうすることにより、最小限の政府予算でかつ政府と協力する形で住民が満足する放射能対策の体制が完成する。
(次の論文の3.2を参照。原文は英語です。)http://irpa11.irpa.net/pdfs/KL-9b.pdf 


●元の記事:「チェルノブイリにおける犯罪―福島へのモデル」ブラディミル・チェルトコフ/原子力ロビーからのWHO独立を目指す会(4月1日)
http://independentwho.org/fr/2013/04/01/crime-tchernobyl-fukushima/

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