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2013年7月 6日 (土)

オバマ政権が推進する「持ち運び便利なミニ原子炉」/ナショナル・ジオグラフィック(6月5日)

オバマ政権は「クリーン・エネルギー政策」の一貫として、今後5年間で4.52億ドル(約452億円)を「組み立て式小型原子炉」の開発推進に拠出することを決めた。

原子力企業とエネルギー省が「安くて安全」「貧しい開発途上国への輸出にも最適」と主張する組み立て式小型原子炉は、東芝の子会社ウエスチングハウス社はじめ韓国、フランス、イギリス、ロシアなどでも開発が進められている。しかし現在のところ米国政府の後押しを受けるB&Wエムパワー社(B&W mPower)が先陣を切っている。

<組み立て式小型原子炉(予想図)>
http://news.nationalgeographic.com/news/energy/2013/06/130605-small-modular-nuclear-reactors-tennessee/

小型原子炉は本当に「安くて安全」なのだろうか。原子力企業と科学者の間で意見は分かれる。


●推進派の主張

シカゴ大学所属の原子力専門家ボブ・ロスナーは新規の原発建設には約200億ドル(約2兆円)の費用がかかると指摘する。しかし原発建設後に費用に見合う電力需要がある保障は無い。

「損をする危険が高い事業に、企業がわざわざ大金を出すでしょうか?」

組み立て式小型原子炉の場合には、費用が10億〜20億ドル(約千〜2千億円)ですむ。そして世界中のどこにでも荷物として持ち運び、到着後すぐに簡単に繋いで使い始める(「プラグ・アンド・プレイ」)ことができると言う。

B&Wエムパワー(mPower)のクリストファー・モウリー社長によれば、小型原子炉の炉心は電源喪失の場合にも冷却水が還流し続ける形状となっており従来の原発より安全だ。したがって事故に備えるための緊急避難地域は従来の「原発から半径16キロメートル(10マイル)」とする必要はなく、半径800メートル(0.5マイル)で十分だと言う。


●警笛

しかし誰もがこうした意見に賛成している訳ではない。「憂慮する科学者連盟」に所属する科学者エドウィン・リーマンは「緊急避難地域を縮小してもよい」との主張は「机上の空論」だと指摘する。2011年に福島で起きた原発事故や1986年のチェルノブイリ原発事故では放射能汚染が周囲160キロ(100マイル)を大きく超えて発生した。

リーマン氏はまた、重要な原子炉部品を狭い場所に詰め込むのは原発をより脆弱にすると指摘する。一発の攻撃でより大きな被害が生じるからだ。また、原発自体の建設コストが下がったとしても、大量の発電を行う場合や安全対策の費用を考慮すると発電される電気の値段は通常の原発と同じかそれ以上になる可能性が高い。


米国エネルギー庁のモニズ長官も組み立て式小型原子炉にはまだ未確認の点が多いことを認めている。しかしそれでも研究を続けることが重要だと主張している。


(抜粋、一部編集)

元の記事:「初の組み立て式小型原子炉、テネシー州にて計画」/ナショナル・ジオグラフィック(6月5日)
(« First "Small Modular" Nuclear Reactors Planned for Tennessee », National Geographic, 2013.06.05)
http://news.nationalgeographic.com/news/energy/2013/06/130605-small-modular-nuclear-reactors-tennessee/

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