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2013年8月

2013年8月31日 (土)

映画『グランド・セントラル(中央駅、大型発電所)』: 放射能汚染と労働者使い捨て時代の「禁断の恋」/ルモンド紙(8月28日)/ガーディアン紙(5月19日)

レベッカ・ズロトウスキー監督の映画『グランド・セントラル』(注:「中央駅」に「大型発電所」を掛けている)は、トレーラーで原発から原発へ渡り歩く下請け原発作業員の青年ギャリと監督作業員の妻カロルの間に芽生えた禁断の恋と、放射能汚染の最前線で死を目前に過酷労働を強要される「除染作業員」の姿を軸に展開する。カンヌ国際映画祭の「ある視点賞」受賞作品。

●出会い(動画、フランス語)
作業員同士の夕食会で談笑するギャリの前に現れたカロル。挑発的なカロルにギャリは戸惑う。
http://www.youtube.com/watch?v=f0NJ8TuHBMw 

●原発という仕事場(動画、フランス語)
被ばく量が上限に達すれば解雇が待っている。危険な被ばく労働と仕事を失う恐怖の板挟みになりながら働くギャリ。
http://www.youtube.com/watch?v=X-e0B1e9dss&feature=endscreen

資格を持たない無学の青年は下請け原発作業員の仕事に応募する。強く惹かれあう二人。しかし女の肌には罪悪感と羞恥がつきまとう。対する男は決して出身を明かそうとしない。傷つき、先の見えない、決して表に出すことのできない関係は、原発による汚染の悲劇の奥底に消えてゆく。情熱と危険、愛と死が同居する。

被ばくした身体を放射性廃棄物と見なし、即座に命を奪うことを厭わない巨大権力に搾取される労働者が体現する原子力時代の現状には背筋が凍る思いだ。しかし同時に私たちは、若い二人を結ぶ愛の力を讃えるのである。煙草臭い息と汗の匂いに満ちた、労働搾取の現状に切り込む今日稀な作品。

● 参考記事
「必見『グランド・セントラル』。原発の奥で展開する情熱」ルモンド紙(8月28日)
« Grand central à voir. Une folle chamade sur fond de radioactivité », Le Monde, 2013.08.28
http://www.lemonde.fr/culture/article/2013/08/26/grand-central-une-folle-chamade-sur-fond-de-reactivite_3466685_3246.html

「2013年カンヌ映画祭 『グランド・セントラル』 初見レビュー」/ガーディアン紙(5月19日)
« Cannes 2013 : Grand Central – first look review », The Guardian, 2013.05.19
http://www.theguardian.com/film/2013/may/19/cannes-2013-grand-central-review

2013年8月27日 (火)

アイナメ 15万ベクレル/キロ、カサゴ 25万4千ベクレル/キロ:福島近海と食物連鎖の汚染、続く/テレビFrance24(8月21日)

福島原発での大惨事から2年以上が経過した。しかし福島周辺の海域は高濃度の放射性物質に汚染されたままだ。日本の海産物における食物連鎖を通じた汚染は今も続いている。非常に深刻な健康被害を引き起こしながら。

アイナメ、1キロあたり15万ベクレル。カサゴ、1キロあたり25万4千ベクレル。福島原発の浜辺での釣りはお勧めできない。

もちろん、2011年3月以降、私たちはこうなることを知っていた。事故を起こした原発周辺の海底は壊れた原子炉から出る放射性物質を免れることはできない。毎月日本人関係者が実施している調査でも、周辺海域に生息する動物や魚介類から異常に高濃度のセシウム134と137が検出されている。

これまで事故の被害を過小に見せていた東京電力は8月21日、初めて公式に300トンの高度汚染水の流出と環境被害を認めた。極めて憂慮すべき事態である。

日本政府は福島原発の周辺海域で取れる魚の40%が放射能汚染により消費に適さないとしており、36種の魚介類を販売禁止に指定している。日本政府は更に、福島原発周辺の海底に高さ2メートルの壁を建設し、高濃度の放射性物質に汚染された海の動物たちが海岸に近づくのを妨害しようとしている。こうした対策は海中に放射性物質が拡散するのを防ぐのに適切な方法なのだろうか。

「いいえ、そんなことはありません。」

市民団体「原子力監視所」のステファン・ロム代表はFrance24の取材に対し、このように述べた。

「日本ではこれから数年のうちに癌にかかる人が爆発的に増加するでしょう。魚は日本食の基本です。何世代にもわたる人々が汚染された食品を摂取することになります。日本政府が一般への販売を許可している比較的少量の放射性物質に汚染された食品であっても、摂取すれば肝臓、胃、その他の内蔵に蓄積されます。そして年月の経過とともに深刻な健康被害を及ぼすのです。」

(抜粋、一部編集)

● 元の記事:「原発事故:高濃度放射線に汚染され続ける福島の魚」/テレビFrance24(8月21日)
(« Accident nucléaire : les poissons de Fukushima toujours hautement radioactifs », France24, 2013.08.21)
http://www.france24.com/fr/20130821-accident-nucleaire-fukushima-poissons-contamination

2013年8月23日 (金)

レベル3高濃度汚染水流出事故:「日本政府と東電、その場しのぎに終始」「行き詰まりは間近」 フランス放射線防護原子力安全研究所ジョリー副所長が指摘/ルモンド紙(8月21日)

2011年3月11日の福島原発事故発生以来初めて、日本の原子力規制委員会は国際原子力事象評価尺度(INES)に基づく「レベル3(非常に深刻)」原子力事故の発生を警告した。300トンにのぼる高濃度汚染水の流出が発表された福島原発の現状について、フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)のジェローム・ジョリー副所長に聞いた。


ルモンド紙: 今回の汚染水流出はどんな性質のものでしょうか。

ジョリー副所長: 

2011年に起きた福島の原発惨事では、敷地内全ての排水設備が破壊され機能不全に陥りました。この状況は現在も放置されています。通常であれば原子炉を冷却する水が原子炉直下の地下水層に染み込まないよう、分離する形で排水されますが、福島原発事故の発生以来こうした分離はなされなくなりました。こうして過去2年半にわたって汚染水が地下に漏れ続け、大きな問題となっているのです。

ルモンド紙: どんな対策が可能でしょうか。

ジョリー副所長:  

東電は破壊された排水設備の代わりに常時汚染水をくみ出す方法を取っていますが、これを将来に渡って続けるのは不可能です。最終的には敷地内に汚水処理設備を設置して、原発から日々排出される大量の放射性汚染水を浄化処理して海に捨てる体制が必要となります。

海に汚染水を放出するにあたっては、政府が安全規準を定め、浄化プロセスが十分であるかどうかの検証、リスク評価、環境への影響調査、監視体制などを整えて、汚染水の放出には政府の許可が必要な体制にして監視を行います。

東電は原発の周囲に障壁を設けて地下水の流出を抑えることを考えていますが、この方策はかえって原発周辺の地下水の水位を上げることにつながり、東電はより多くの汚染水を常時汲み上げなければならなくなります。日本政府は福島原発の周囲を氷結させて汚染水の流出を防ぐことを予定していますが、本当にうまく行くのか、環境や健康への危険は無いのか、疑問が残ります。どちらにしても、非常に困難なプロセスになることは間違いありません。

(抜粋、要旨)

●元の記事:「福島における汚染水対策はその場しのぎに過ぎない」/ルモンド紙(8月21日)
(« A Fukushima, les solutions mises en oeuvre sont qu’un pis-aller », Le Monde, 2013.08.21)

2013年8月20日 (火)

カナダの電力会社、北米ヒューロン湖に原発のゴミ投棄を計画―立ち上がる米・カナダの市民と国会議員たち/エア・ウォーター・ランド(8月15日)

【御詫びと訂正】五大湖の一つヒューロン湖を当初誤ってオンタリオ湖と記載していたため、御詫びして訂正致します。申し訳有りませんでした。8月21日

カナダ電力企業「オンタリオ・パワー・ジェネレーション」はカナダと米ニューヨーク州を隔てる五大湖の一つ、ヒューロン湖に低〜中レベル放射性廃棄物の貯蔵施設建設を計画。計画の詳細を明らかにしない一方で、周辺の自治体には今後30年にわたり「迷惑料」3570万ドル(約36億円)の支払いを約束した。飲み水の水源が汚染されるとして、米国・カナダの両岸で地元住民と国会議員らによる反対運動が起きている。

●美しいヒューロン湖の自然
http://www.google.co.jp/search?q=lake+huron+photos&client=safari&rls=en&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ei=xWgTUqbML8TCkwXE0IGQDA&sqi=2&ved=0CCwQsAQ&biw=1280&bih=635

<参考記事>
●「オンタリオ・パワー・ジェネレーション社、放射性廃棄物を受け入れるよう自治体に支払い」/エア・ウォーター・ランド(8月15日)
http://www.airwaterland.ca/article.asp?id=733 

●「米ミシガン州ホープグッド上院議員、カナダによる放射性廃棄物の投棄に反対するビデオと請願書を発表。住民集会を予定」/原子力を超えて(8月15日)
http://www.beyondnuclear.org/radioactive-waste-whatsnew/2013/8/15/mi-state-senator-hopgood-releases-video-and-petition-against.html

2013年8月18日 (日)

続く汚染水流出、でも海水浴場はオープン/ユーロ・ニュース(8月12日)

福島からそう遠く無い距離にある四倉(福島県いわき市)では、今も海水浴が許可されている。ただし、条件付きだ。条件は、気温や風の強さでは無い。海水中の放射性物質濃度である。

<四倉海水浴場の様子(画像)>
http://fr.euronews.com/2013/08/12/japon-des-plages-encore-ouvertes-pres-de-fukushima/

日本政府は8月7日、福島原発から一日300立法メートル以上の汚染水が近郊の海へと流出していると発表した。

「これほど高い放射性濃度の汚染水が海に捨てられていた事実は、これまで一般に知られていませんでした。」

東京大学のブレア・トーントン教授は指摘する。

「この状況を踏まえて、今後は海底の状態と海底生物についてより一層の調査が必要となります。」

1月、福島原発の近郊で捕獲された魚からは、法律が認める放射性物質含有量の2500倍を上回る放射能汚染が見つかった。

東京電力は汚染された地下水をポンプで汲み上げる作業を開始したと公表している。

(抜粋、一部編集)

<参考>東京電力の発表では、海水中の放射性物質は検出されていない。
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/f1/smp/2013/images/seaiwaki_130801-j.pdf 

●元の記事:「日本:福島近郊の海水浴場は今もオープン」/ユーロ・ニュース(8月12日)
(« Japon : des plages encore ouvertes près de Fukushima », Euro News, 2013.08.12)
http://fr.euronews.com/2013/08/12/japon-des-plages-encore-ouvertes-pres-de-fukushima/

2013年8月15日 (木)

「史上最悪の高濃度汚染水、今後30年以上太平洋へ」「日本政府、節約のために対策を2年以上放置」米専門家が指摘/ヴォイス・オブ・ロシア(8月7日)

2011年の原発事故により機能不全となった福島原発から高濃度の放射性汚染水が流出し続けている問題で、日本の経済産業省は8月7日、汚染水が当初の想定以上に早い速度で流出していることを認めた。こうした状況を受けて、ヴォイス・オブ・ロシア紙は同日、米国の民間原子力専門組織「ファイヤー・ウィンズ・アソシエーツ」の創立者で代表を務めるアーニー・ガンダーセン研究員に現在起きている危機的状況とその解決策についてインタビューを行った。


ヴォイス・オブ・ロシア紙/エフゲニー・スホイ記者
「放射性汚染水の漏出を制御することは可能なのでしょうか。」


ガンダーセン代表 「既に手遅れです。汚染水は過去2年間にわたり漏れ続けて来ました。そしてついに放射性汚染水は海に到達したのです。海から遠い場所は更に深刻な汚染に見舞われています。日本関係者は遮蔽壁を設けることを提案していますが、2年遅すぎます。そして壁ができる頃には汚染水が原発内に滞留し原子炉を不安定にする、という別の問題を引き起こすことになります。」


ヴォイス・オブ・ロシア紙 「そうならないように何とかならないでしょうか。」


ガンダーセン代表 「2年前、私はゼオライト製の堀で福島原発を囲うことを日本関係者に提案しました。ゼオライトというのはただの火山灰です。火山灰は放射性物質を非常によく吸収するのです。しかし日本関係者はその必要経費を出す気がありませんでした。彼らは私に「東京電力はそのための資金が無い」と言ったのです。でもそのために私たちは今、太平洋が汚染される、という非常に深刻な問題に直面しているのです。」


ヴォイス・オブ・ロシア紙 「海が汚染されないように何かできないでしょうか。」


ガンダーセン代表 「率直に言って、無理だと思います。少なくとも20年か30年の間放射性物質を海に放出し続けることになるでしょう。東電関係者らは原子炉の周りに溢れる汚染水を外へくみ出さなければなりません。しかしこの汚染水は、私がこれまで見た中で最も高濃度の放射性汚染水です。稼働中の原子炉の上を直接流れる汚染水に比べても更に1000倍汚染されています。

日本政府は国民に対して福島原発の汚染除去にかかる本当の額を伝えていません。私の試算では、福島原発の事故現場を整理するのに一千億ドル(約10兆円)、福島県全体ではこれに加えて更に四千億ドル(約40兆円)必要です。

もし日本の人々が原発が引き起こす被害の実情を知ったなら、再稼働を考え直すことでしょう。福島原発のような事故は他でも起きうるのです。日本は地球上で最も地震の多い地域です。そんな場所に原発を作るなんて、馬鹿げています。」

(抜粋、一部編集)


●元の記事「福島原発から太平洋への放射性汚染水の流出阻止は不可能」/ヴォイス・オブ・ロシア(8月7日)
http://fairewinds.org/media/in-the-news/there-is-no-way-to-stop-fukushima-radioactive-water-leaking-into-the-pacific

2013年8月10日 (土)

電力会社はなぜ電気料金を上げるのか?―年4300億円の利益を上げても原子力維持のために値上げするフランス電力公社/ハフィントン・ポスト(7月9日)

フランス国内最大の電力会社、フランス電力公社(EDF)は2012年、手取りで約4300億円(33億ユーロ)の利益を計上した。しかし他方で1年以内に電気料金を10%値上げすることを決定している。

なぜなのか?
原因は家庭向け電気料金の27%を占める原子力にある。

フランス電力公社を監督する原子力安全委員会によれば、特に1975年から1995年の間に建設された原子力施設の安全管理体制を維持・強化するための費用捻出のために電気料金の値上げが必要となっている。特に同委員会は2012年に76件の事故(うち13件は国際原子力関連事故評価尺度のレベル1に相当)を起こしたパルエル原発について、「安全規則を厳格に適用する体制が不十分」としてフランス電力公社に対し改善命令を行っている。

(抜粋、一部編集)

●元の記事:「原子力問題:フランス電力公社、30億ユーロの利益にもかかわらず電気料金を値上げ」/ハフィントン・ポスト(7月9日)
(« Nucléaire : EDF augmente ses tarifs malgré 3 milliards de bénéfices », Le HuffPost, 2013.07.09)
http://www.huffingtonpost.fr/2013/07/09/nucleaire-edf-tarifs-benefices-epr-flamanville-proglio_n_3565391.html

2013年8月 7日 (水)

「サヨナラ核兵器、サヨナラ原発」―8月6日から9日まで、パリ・エッフェル塔前で50人の市民が抗議のハンスト/テレビ「フランス3」(8月6日)

本日8月6日の8時15分ちょうど、原子力に反対する約50人の市民らがパリの「シャン・ド・マルス」(エッフェル塔の周辺地域)に集合、核と原子力の利用に抗議して、長崎に原爆が落とされた8月9日までの4日間にわたるハンガーストライキ(ハンスト)を開始した。

今回の行動を組織したのは、核と原子力に反対する「原子力をやめる会」、「ストップ核兵器」、「警戒センター」の3つの市民団体。市民らは、米軍が広島に原爆投下を行った1945年8月6日から今年で68周年を迎えるのを機に集会を実施。各国の政治指導者に対し、核と原子力による人類滅亡を肯定する主義・主張を見直すよう求めた。今回のハンストは、広島・長崎の被ばく者および世界で2000回にものぼる核実験被害者への敬意を表する意味でも実施されている。

こうした抗議行動が実施されているのはパリだけではない。核兵器が配備されているドイツ・ビュッヒェルの北大西洋条約機構(NATO)軍基地やイギリスのバーグフィールド・アルダーマストン核武装基地(注)前でも実施されている。

(注)周辺では子どもの白血病患者が多数報告されており、統計上も有意なデータが提出されている。

●元の記事:「広島記念日:原子力に反対する市民ら、パリで4日間のハンスト」/テレビ「フランス3」(8月6日)
http://paris-ile-de-france.france3.fr/2013/08/06/anniversaire-d-hiroshima-des-militants-anti-nucleaire-jeunent-paris-pendant-quatre-jours-298601.html
(« Anniversaire d’Hiroshima : des militants anti-nucléaire jeûnent à Paris pendant quatre jours », France 3, 2013.08.06)

2013年8月 3日 (土)

高濃度汚染水流出問題:「東電はやっていることの深刻さが分かっていない」元米国原子力規制委員長と英原子力公社会長、東電を強く非難/エッセンシャル・オンライン(ルクセンブルク)& AFP(7月26日)

「東電、あなた方は日本国民に状況を知らせていなかったようですね。」
「これは非常にお粗末なコミュニケーションだ。」
「あなた方は自分が何をしているのか分かっていない」
「こんな風に放射性汚染水に対応するなんて、東電内の意思決定プロセスは欠如している。」

東京電力が福島原発から大量の汚染水が漏れ出ていることを公表していなかった問題で、東電の改革を監視する第三者委員会である「原子力改革監視委員会」の委員をつとめる元米国原子力規制委員会の委員長デール・クライン氏は東電幹部らをこのように強く非難する発言を行った。

同じく委員をつとめるバーバラ・ジャッジ英国原子力公社会長も

「東電の汚染水問題に関する対外公表はお粗末で遅かった」

と指摘した。

(抜粋、一部編集)

●元の記事「東電、あなた方は自分が何をしているのか分かっていない」/エッセンシャル・オンライン(ルクセンブルク)& AFP(7月26日)

(« Vous ne savez pas ce que vous faites », L'essentiel On Line - Luxembourg -, 2013.08.02) http://www.lessentiel.lu/fr/news/monde/story/10656451

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