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2014年4月13日 (日)

「俺たちはグリルであぶられるソーセージみたいなもんだった」:原発下請け作業員という名の現代の奴隷労働/ルモンド紙(4月10日)

ジェラール・テイッシエーは原発労働がいかに「汚い」ものかを身を以て知っている。この頑丈そうな五十男は原発の下請け作業員として、そして主には土壌の除染作業員として過去10年働き続けてきた。本来、除染はブラシ付の掃除機で行うことになっている。しかし実際には、ジェラールが放射線防御用の覆面、紙のつなぎ、ビニール製の手袋を付け四つ這いになって素手で除染を行わなければならないことがしばしばだった。

今日フランスでは、フランス電力公社(EDF、仏最大の電力会社)所有の原発19基に関する維持管理業務の4分の3を2万2千人の下請け作業員が行っている。そして福島原発事故を踏まえた政府による原発の安全性強化命令を受け、原発の維持管理作業は今後2025年までの間に70%増加することが見込まれている。

「原発を長く止めることはできません。しかし原発関係の仕事に応募する人はほとんどいません。だから電力会社は応募者の要件を下げます。そして事故の危険が増すのです。」

政府の「原子力の安全に関する透明性と情報公開に関する高等委員会」で業種を超えた仏最大の労働者組合CGTの代表として委員を務めるミシェル・ラリエールは指摘する。


●「奴隷係」

ジェラールが原子力を悪く言うことはまずない。しかしジェラールら下請け作業員たちの言葉からは、彼らがありとあらゆる危険にさらされていることが伺える。

「俺は1995年に『奴隷係』としてこの仕事を始めたんだ。『奴隷係』って言うんだよ。皆が嫌がる仕事は全部やったもんさ。俺が初めて蒸気式発電機の中から這い出してきたのは2000年のことだった(注:最も被ばく量が高いとされる、原子炉と発電機を繋ぐ管に栓をする業務。30秒で1〜2ミリシーベルト被ばくする)。トリカスタン原発(注:過去に多くの事故が指摘されている)だったな。あそこで俺は線量計を置いてくようになったんだ。」

ジェラールが原発の下請け作業員を始めたのは、原発で働く知り合いの「手がきれいだった」からだった。知り合いたちは、当時コンクリートの床を建設する仕事をしていた自分より疲れが少ないように見えた。働いていた会社が倒産し、妻の妊娠を知った時、そして電力会社の人事担当者が「原発での仕事はテレビを見るより安全だ」と言うのを聞いた時、ジェラールは原発で働くことを決めた。


●「あの人は自分の仕事が好きだった」

原発内での被ばく労働による労働災害(主には癌)の認定件数は過去一貫して年16~20件にのぼる。また、下請け作業員が労働事故に巻き込まれる時間当たりの確率は電力会社社員の2.7ポイントに対し4.2ポイントにもなる(2012年)。電力会社の社員が事故に遭う確率は年々減少に向かっているが、下請け作業員に関しては増大のカーブを描いている。

クリスチアン・ベロノは原発で30年働いた後、57歳で被ばくによる肺癌と診断された。労災が認められたが、会社を訴える間もなく亡くなった。残された妻のユージェニーは言う。

「あの人は自分の仕事が大好きでした。癌になったと分かったときも、原発の職場に戻りたがっていました。いつも戦っていました。最後は会社が補償金を払うようにと残されたエネルギーの全てを費やしました。でも一つ分からないことがあるの。なぜフランス電力公社は責任者なのに全くこの話に出て来ないのかしら。」

下請け作業員の作業時間はどんどん短縮され、以前は1ヶ月で行った作業を3週間で行うことを求められるようになっている。電力会社の指導で線量計を外しての作業が横行しているが、上司に刃向かえば遠い別の原発に異動させられる(「ツール・ド・フランスに出される」)生活が待っている。フランスの原発は、現代の奴隷労働によって成り立っている。


●元の記事:「俺たちはグリルであぶられるソーセージみたいなもんだった」/ルモンド紙(4月10日)
(« On était les saucisses à griller », Le Monde, 2014.04.10)

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