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2014年4月

2014年4月25日 (金)

原子力施設と癌:「原子力ムラと軍事産業ムラを怒らせる質問」と答え(その2)/テレビ放送「ヨーロッパ1」(4月22日)

「健康被害の不正な隠蔽」

●アナウンサー:「私たちは被ばく被害の不正な隠ぺいを目の当たりにしているのでしょうか。今日、何十万という人が放射性物質に触れ被ばくにさらされる業務にたずさわっています。たとえばフランス国内にある58基の原発で働く人々のことが思い浮かびますが。。原発についても、被ばくによる健康被害が不正に隠ぺいされている可能性があるのでしょうか?」

テボード=モニー教授:「全くその通りです。私は原発の維持管理にたずさわる下請け労働者について10年以上調査を行ってきました。これらの人々は、無視することのできない大量の被ばくに見舞われながら働いています。今日20年を経て、これら下請け作業員たちには癌の兆候が現れています。放射能は深刻な健康被害を引き起こします。私たちは石綿被害問題以来の、新たな健康被害に関する隠蔽と不正に直面しているのです。」


●「あなたが政府関係者に被ばくの危険性を警告した時、政府は問題を隠そうとしたのですか?」

テボード=モニー教授:「私は2000年に職場での被ばく被害と癌の関係に関する研究論文を発表しました。その中で被害を防ぐための予防策、監視や健康状態に関するモニター制度の設置を提言しました。どんな回答が寄せられたと思いますか?ゼロ回答です。」


放射能による癌―どう対処するのか

「アルビオン核兵器工場や原発から数キロの距離に住んでいる人たちは放射能による健康被害について心配するべきなのでしょうか?」

テボード=モニー教授:「被ばくは放射能による汚染を伴います。被ばくの瞬間から私たちは発癌性物質にさらされます。そして被ばくによるしきい値(これ以下であれば安全であるという水準)はありません。」


●「多少の発がん性を持つものは私たちの身のまわりにたくさんあります。私が原発の横に住んでいたとしたら、急いで引っ越しするべきなのでしょうか?」

テボード=モニー教授:「急いで引っ越しするべきかどうか、については私は分かりません。ただ、労働法はいかなる発がん性物質であれ、労働者を発がん性物質にさらすことを禁じています。そういう決まりになっているから私は指摘しているのです。原発だろうが核兵器工場だろうが、同じです。私たち研究者が長い間警告してきたとおり、今非常に深刻な状況が展開しているのです。ブレストの兵器庫で労働者らに線量計が導入されたのは1996年になってからのことでした。労働者たちが健康被害を恐れるようになったために導入されたのです。被ばく量を測定しなければ、政府や軍に『私たちじゃない。私たちには関係ない。』と言わせ続けることになるのです。」

(抜粋、一部編集)

●元の記事:「原子力施設と癌の関係は?」あなたもこれで全てが分かる/テレビ放送「ヨーロッパ1」(4月22日)
http://www.europe1.fr/MediaCenter/Emissions/Vous-allez-tout-comprendre/Videos/Un-lien-entre-cancers-et-sites-nucleaires-2099267/#

原子力施設と癌:「原子力ムラと軍事産業ムラを怒らせる質問」と答え(その1)/テレビ「ヨーロッパ1」(4月22日)

仏アルビオンの核兵器生産工場で長年核ミサイルの生産にたずさわったフランス軍兵士たちは、放射能被ばくによって癌に冒された。テレビ「ヨーロッパ1」では4月22日の朝7時15分から「怒りを招く質問:フランス軍はアルビオン核兵器工場で働いた退役軍人の癌発生に責任があるか?」と題し、フランス国立公衆衛生研究所で「労働災害による癌の発生に関する科学的分析チーム」を指揮する医療社会学の専門家、アニー・テボード=モニー教授(パリ第13大学)を招き原子力施設における被ばく労働と癌発生の関係について話を聞いた。


「私たちには関係無い」兵器工場での癌患者発生を否定する政府

アナウンサー:「原子力を扱う施設で働くことと癌の発生には因果関係があるのでしょうか?イエスかノーかでお願いします。」

テボード=モニー教授:「もちろんあります。放射能に発がん性がある以上、原子力関連施設と癌の発生の関係には疑いありません。」


「でもそれは理論上そうだ、ということですよね。アルビオン核兵器生産工場に限らず、あなたは科学的なデータに基づいてそれを証明されたのですか?」

テボード=モニー教授:「2つの原子力施設の比較を例に挙げましょう。最初のケースは、ブレストの兵器庫で国との契約で雇われた労働者が25年間、放射能による被ばくについて全く何も知らせられずに核ミサイルの弾頭に触れる業務を行っていたケースです。彼等は癌を発症し、労務災害を認められました。防衛大臣も自らの責任を認め、決して許されない過ちを犯したと認めたのです。」


「しかしフランス軍はアルビオン核兵器工場での労働者被ばく問題については、こう言いました。『私たちじゃない。私たちには関係ない。』国のこうした対応に驚かれましたか?」

テボード=モニー教授:「ええ、とても!驚きました。なぜなら2つのケースは同じ原因によって同じ結果が生じたケースであると思われるからです。どちらの兵器工場の労働者も、各弾頭に触れる業務を行っていました。核弾頭を取り換えたり維持管理をしたり、全く同じタイプの業務を行っていたのです。(それなのに、一方については被ばくによる労災を認め、他方には認めないという対応には説明がつきません。)」

(その2に続く)

(抜粋、一部編集)

●元の記事:「原子力施設と癌の関係は?」あなたもこれで全てが分かる/テレビ放送「ヨーロッパ1」(4月22日)
http://www.europe1.fr/MediaCenter/Emissions/Vous-allez-tout-comprendre/Videos/Un-lien-entre-cancers-et-sites-nucleaires-2099267/#

2014年4月17日 (木)

脱原発を放棄する日本/ルモンド紙(4月13日)

日本は原発の廃止を放棄した。安倍政権は原発の新規建設すら否定していない。

4月11日、日本政府は新たなエネルギー基本計画を発表し、この中で原子力を「最も安定しかつ最も経済的なエネルギー源」として推進する意向を明確にした。


<参考>エネルギー基本計画(経済産業省HP)
http://www.meti.go.jp/press/2014/04/20140411001/20140411001.html


同基本計画は3年ごとに見直しが行われ、今後20年間にわたる電力政策の方向性を提示するもの。日本政府はまた、同基本計画の中で、原子力を「ベースロード電源」(「電気を安定的に供給する安価な電源」)の一つと見なしている旨を記載した。この新方針によって、日本政府は民主党・野田政権が2012年に示した「2040年までに原子力を廃止する」という政策目標を、国民の3分の2が支持しているにも関わらず亡き者にした。

今回の方向転換は経団連と電力会社の要請に応えたものだ。安倍政権は「原発の再稼働に本気で力を尽くす」と述べており、新基本計画は新たな原発の建設を否定していない。国内で激しい物議を醸している核燃料サイクル戦略についても継続の方針を明確にしている。

他方で、ロイター通信は4月に発表した調査結果において、現在日本国内にある48基の原発のうち3分の2は今後再稼働の見込みが無いと指摘している。その理由は、これら原発の老朽化、活断層の存在、法定の安全規準を満たすのに必要な追加工事が未完成であること、住民の避難計画が未策定であること、地元自治体からの同意取り付けが困難であること、などである。

これに加え自然エネルギーの導入が進行しており、原発への需要はますます減少しつつある。2012年以降、日本国内では5.8ギガワット分もの自然エネルギーによる電力供給能力が新たに加わった。電力会社間の競争も激しさを増しており、2013年10月には中部電力が東京電力の管轄地区内で電力供給を行うためダイヤモンドパワー社の株の80%を買収した。政府の新方針とは裏腹に、日本の電力セクターでは確実な変化が進行している。

(フィリップ・ミュズマール東京特派員)
(抜粋、一部編集)

●元の記事:「日本、ついに原発再稼働を選択」/ルモンド紙(4月13日)
(« Le Japon choisit finalement de relancer ses centrales nucléaires », Le Monde, 2014.04.13)
http://www.lemonde.fr/economie/article/2014/04/12/le-japon-choisit-finalement-de-relancer-ses-centrales-nucleaires_4400247_3234.html

2014年4月13日 (日)

「俺たちはグリルであぶられるソーセージみたいなもんだった」:原発下請け作業員という名の現代の奴隷労働/ルモンド紙(4月10日)

ジェラール・テイッシエーは原発労働がいかに「汚い」ものかを身を以て知っている。この頑丈そうな五十男は原発の下請け作業員として、そして主には土壌の除染作業員として過去10年働き続けてきた。本来、除染はブラシ付の掃除機で行うことになっている。しかし実際には、ジェラールが放射線防御用の覆面、紙のつなぎ、ビニール製の手袋を付け四つ這いになって素手で除染を行わなければならないことがしばしばだった。

今日フランスでは、フランス電力公社(EDF、仏最大の電力会社)所有の原発19基に関する維持管理業務の4分の3を2万2千人の下請け作業員が行っている。そして福島原発事故を踏まえた政府による原発の安全性強化命令を受け、原発の維持管理作業は今後2025年までの間に70%増加することが見込まれている。

「原発を長く止めることはできません。しかし原発関係の仕事に応募する人はほとんどいません。だから電力会社は応募者の要件を下げます。そして事故の危険が増すのです。」

政府の「原子力の安全に関する透明性と情報公開に関する高等委員会」で業種を超えた仏最大の労働者組合CGTの代表として委員を務めるミシェル・ラリエールは指摘する。


●「奴隷係」

ジェラールが原子力を悪く言うことはまずない。しかしジェラールら下請け作業員たちの言葉からは、彼らがありとあらゆる危険にさらされていることが伺える。

「俺は1995年に『奴隷係』としてこの仕事を始めたんだ。『奴隷係』って言うんだよ。皆が嫌がる仕事は全部やったもんさ。俺が初めて蒸気式発電機の中から這い出してきたのは2000年のことだった(注:最も被ばく量が高いとされる、原子炉と発電機を繋ぐ管に栓をする業務。30秒で1〜2ミリシーベルト被ばくする)。トリカスタン原発(注:過去に多くの事故が指摘されている)だったな。あそこで俺は線量計を置いてくようになったんだ。」

ジェラールが原発の下請け作業員を始めたのは、原発で働く知り合いの「手がきれいだった」からだった。知り合いたちは、当時コンクリートの床を建設する仕事をしていた自分より疲れが少ないように見えた。働いていた会社が倒産し、妻の妊娠を知った時、そして電力会社の人事担当者が「原発での仕事はテレビを見るより安全だ」と言うのを聞いた時、ジェラールは原発で働くことを決めた。


●「あの人は自分の仕事が好きだった」

原発内での被ばく労働による労働災害(主には癌)の認定件数は過去一貫して年16~20件にのぼる。また、下請け作業員が労働事故に巻き込まれる時間当たりの確率は電力会社社員の2.7ポイントに対し4.2ポイントにもなる(2012年)。電力会社の社員が事故に遭う確率は年々減少に向かっているが、下請け作業員に関しては増大のカーブを描いている。

クリスチアン・ベロノは原発で30年働いた後、57歳で被ばくによる肺癌と診断された。労災が認められたが、会社を訴える間もなく亡くなった。残された妻のユージェニーは言う。

「あの人は自分の仕事が大好きでした。癌になったと分かったときも、原発の職場に戻りたがっていました。いつも戦っていました。最後は会社が補償金を払うようにと残されたエネルギーの全てを費やしました。でも一つ分からないことがあるの。なぜフランス電力公社は責任者なのに全くこの話に出て来ないのかしら。」

下請け作業員の作業時間はどんどん短縮され、以前は1ヶ月で行った作業を3週間で行うことを求められるようになっている。電力会社の指導で線量計を外しての作業が横行しているが、上司に刃向かえば遠い別の原発に異動させられる(「ツール・ド・フランスに出される」)生活が待っている。フランスの原発は、現代の奴隷労働によって成り立っている。


●元の記事:「俺たちはグリルであぶられるソーセージみたいなもんだった」/ルモンド紙(4月10日)
(« On était les saucisses à griller », Le Monde, 2014.04.10)

2014年4月 4日 (金)

「今後10年で、福島にいる女児の10人に1人が癌に」米ガンダーセン博士/MédiaPart(3月30日)

今日、福島には36万人の子どもたちが居住している。しかし日本政府が「安全」と主張している年20mSVの被ばく環境で育つ福島の子どもたちのうち、被ばくの影響を特に受けやすい女児(通常の5倍)は、今後毎年100人に1人の割合で癌に罹患し、10年後には福島に居住する女児の10人に1人が癌に罹ることが予想される。また、複数国の原発作業員に関する疫学を用いた健康追跡調査によれば、原発作業員らは平均年2mSVの被ばくで癌を発症していることが分かっており、年20mSVの被ばくによる危険性が懸念される。米国の民間情報提供組織フェアウインズ・エナジーのイアン・ガーター研究員が米国国立科学アカデミーによる調査結果はじめ複数の調査研究結果を総合的に分析した結果指摘した。

今後女児を中心に多数の癌の発生が予想されることから、同じくフェアウインズ・エナジー所属のアニー・ガンダーセン博士は「原発事故はコントロールされている」と発言した安倍首相に対し、人々の健康を守るために早急な対策を取るよう求めている。

又、ビデオの冒頭でアニー・ガンダーセン博士は、昨年首都圏の放射線量の10倍にものぼる高放射線量が指摘された杉花粉の飛散による健康被害について、公衆衛生問題として一般の人々の健康を守る対策の実行に取り組むよう日本政府に求める発言を行った。酒の肴として食されている放射性のイナゴについても、その危険性を指摘している。

(要約)

● 元の記事:「10年後、福島にいる女児の10人に1人が癌に」
( « Fukushima dans 10 ans, une fillette sur 10 sera cancéreuse », MédiaPart, 2014.03.30)
http://blogs.mediapart.fr/edition/japon-un-seisme-mondial/article/300314/fukushima-dans-10-ans-une-fillette-sur-10-sera-cancereuse 

英語による要約版/子どもを放射能から守る世界ネットワーク(World Network for Saving Children from Radiation、3月28日)
http://www.save-children-from-radiation.org/2014/03/27/cancer-risk-to-young-children-near-fukushima-daiichi-underestimated/

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