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2015年3月23日 (月)

眠りに落ちた村:旧ソ連のウラン鉱跡で広がる謎の「眠り病」/英ガーディアン紙(3月18日)

●「謎の眠り病」

昨年の最後の夏の日、ビクトール・カザチェンコはカザフスタン(ロシアと中国に挟まれた中央アジアの小国)北部の自分の村から、ちょっとした用で近くの村へと車を走らせていた。ビクトールは草原を横切ろうとしていた。しかし、目的地に着くことはなかった。

「私の脳のスイッチが切れてしまったんです。」

ビクトールはこう述べる。

「そうとしか言えません。覚えていないんです。」

ビクトールはカザフスタンの首都から300マイル西にあるカラチ村を襲ったいわゆる「眠り病」にやられたのだった。

この不可解な病にかかった住民は昏睡状態に陥る。そして時に数日間・数週間にわたり眠り続けるのだ。

「私が町へ行こうとしていたのは8月28日のことでした。」

ビクトールはまだ自分の不可解な経験のせいで方向感覚を失ったかのようにインターネット誌「ユーラシア・ネット」からのインタビューに答えた。

「目が覚めたら9月2日でした。病院で目が覚めてやっと眠っていたことを知りました。」

ビクトールが突如昏睡状態に陥った時、彼は妻を後ろに乗せてバイクを運転していた。

「乗りなれていない乗り物でなくて良かった」

ビクトールは自分の車のそばに立って冗談めかしてこんな風に言った。ユーモアのセンスが無ければやっていけない。しかしビクトールが昏睡状態の発作に見舞われたのはもう二回目だった。


●様々な衰弱症状

しかし昏睡状態から覚めた後、ビクトールは原因不明の高血圧とひどい頭痛に襲われた。

「頭痛などという生易しいものではありません。6週間の間、どうすることもできませんでした。頭を働かすことができなかったのです。」

過去2年間、村の住民たちは突如として起きる昏睡状態の発作とめまい、吐き気、目の前が真っ白になるようなひどい頭痛、記憶喪失といった重篤な衰弱症状に悩まされている。被害者は152名、村全体の25%以上にのぼる。


●汚染と住民移転

旧ソ連時代のウラン鉱後が残るカラチ村では、放射線量の高まりと重金属を含む塩の集積が医師や科学者らによって確認されている。科学者らはこれらについて「許容範囲」だと述べている。しかし国立原子力センターのセルゲイ・ルカシェンコ所長は今年の1月、一部の被害者宅では一酸化炭素が通常の10倍以上にものぼっていたことを認めた。所長はまた、高い濃度の一酸化炭素が発生することにより「眠り病」のような症状が現れることも可能だと指摘している。

住民たちは村の入り口にあるウラン鉱後が原因不明の病の原因だと考えている。ここで採掘されたウランは、原発や核兵器に使われた。1990年代に閉山となった後は、だんだんと打ち捨てられゴーストタウンのようになっている。

カザフスタン政府とカラチ市の市長は住民移転を提案している。「自発的な移転」とは言っているが、実際のところは不透明であり、強く反対している住民もいる。

ビクトールは言う。

「私はどこにも行きません。なぜ出て行かなければならないのでしょうか。私はここに40年住んでいるのですよ。私はここで死ぬ覚悟です。」

ビクトールの妻ライザも言う。

「私はこの界隈にもう60年住んでいるのですよ。」

住民たちは眠り病の原因をウラン鉱跡から発生する有害物質だと考えている。

(抜粋、一部編集)


●元の記事:「眠りに落ちた村:カザフスタンの科学者を戸惑わせる『不可解な病』」/英ガーディアン紙(3月18日)
http://www.theguardian.com/world/2015/mar/18/kazakhstan-sleeping-village-mystery

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