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書籍・雑誌

2011年8月15日 (月)

「小出裕章著『原発のウソ』が売り上げ25万部を記録―政治家、官僚、専門家、メディアへの日本人の怒りは収まらない」ルモンド紙(8月14日)

福島原発事故の勃発から既に5ヶ月が経過し、私たちの生活は徐々に日常を取り戻しつつあるように見える。福島県その他の被災地を除いては、表面上は以前の通常の暮らしが戻りつつある―役所や企業の電灯が以前より減り、空調の温度が上がっていること以外は、特に変わりない。

しかしこうした印象は、人びとが居酒屋で友人たちや原発事故の被災者たちと交わす会話とは全く相容れない。ブログや動画には人びとの怒りが溢れている。多くは、「裏切られた」と感じている。そして彼等の怒りは、エリート層―政治家、官僚、専門家、メディア―に向いている。原発事故の背後にある共謀、陰謀、操作、工作。こうしたテーマについて、150冊以上の書籍がアマゾンのサイトに並んでいることすらも、人びとのこうした気持ちを代弁している。

最も売れているベストセラーの一つは、京都大学原子炉実験所の小出裕章助教による『原発のウソ』。既に25万部が完売した。著者は以前より地震国家日本で原発事故が起きる可能性をとなえて警告を発し、原発を抱える地域の住民たちが起こした訴訟のために証言を続けて来た。しかし以前出版した著作の売り上げは数千冊にとどまり、福島での原発事故以前は、その発言に耳を傾ける者は全くいなかった。

その他によく売れているのは、佐藤栄佐久元福島県知事による『福島原発の真実』。東京電力に対し正面から反対を唱えている。原発建設にかかわる技術者として働いた菊池洋一による『原発をつくった私が、原発に反対する理由』も良く読まれている。

まだ萌芽期にある原発事故の被災者による運動は、人びとに耳を傾けてもらうのにまだ苦労を重ねている。しかし今回の大惨事をきっかけに、被災者、ボランティア、そして未来について心配する人びとが、これまで日本に存在して来なかった民主主義の新たな結集と運動を体現しようとしている。この怒りの声は方々に響いている―しかし、まだ政治的な声としての形には落ち着いていない。

(要約、一部編集)
(Philippe Pons, « Après Fukushima, la colère rentrée des Japonais se lit dans les succès de librairie » Le Monde, 2011.08.14)