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東京電力

2013年9月26日 (木)

高濃度汚染水流出問題: 東電は嘘をついたのか/ルモンド紙 & AFP(9月19日)

そして東電が嘘をついていたとしたら、どうだろうか。

事故を起こした福島原発の事業責任者である東京電力は、事故発生から遅くとも2ヶ月後には放射性汚染水の土壌流出を把握していた。しかし汚染水対策に資金を投入し金融市場での優良企業のイメージを損なうことを恐れ、意図的に問題を放置した。2人の民主党衆議院議員が証言した。


● 参考記事「東電が2年前に遮水壁見送り、債務超過との見方懸念か」ニューズウィーク
http://www.newsweekjapan.jp/headlines/business/2013/09/110051.php?&sa=U&ei=3uY6UoP2OsXRigLzyoCwAg&ved=0CBwQpwI&usg=AFQjCNGG2EpDVQoEIzF73MUA4LtxwN4nEw


「東電は汚染水の集積と流出を食い止めるため、福島第一原発の周囲を巨大な鋼鉄の壁で囲うことを予定していました。しかし2011年6月に工事費用が10億ドル(約一千億円)かかると知り、実行を延期したようなのです。」

東電は当時の海江田産業大臣及び馬淵澄夫・原発事故担当首相補佐官に「後ほど工事を開始する」旨を宣言した。

「でも、東電は約束を守りませんでした。」

当時の産業大臣はこのように憤る。更に政府は、「政府が起こした事故では無い」として状況を看過した。

安倍首相は9月19日に福島原発を訪問。オリンピック委員会でのスピーチ同様、「汚染水は福島原発近郊の湾0.3キロ四方でブロックされている」と繰り返している。

(抜粋、一部編集)

●元の記事:「福島:東電は汚染水処理について嘘をついたのか」/ルモンド紙 & AFP(9月19日)
(« Fukushima : Tepco a-t-il menti sur la gestion des eaux contaminées ? », Le Monde avec AFP, 2013.09.19)
http://www.lemonde.fr/japon/article/2013/09/19/tepco-aurait-volontairement-neglige-la-gestion-des-eaux-contaminees-a-fukushima_3480314_1492975.html

2012年3月10日 (土)

東京電力、ついに法廷へ。株主ら、事故の被害者救済を求め5.5兆円の損害賠償請求/ラ・トリビューン(3月7日)

3月11日を前に、フランスでは様々な原発反対イベントや福島に関する報道が行われています。こちらは既に日本でも報道されている記事ですが、フランスではどのように報道されているのかを御紹介させて頂きます。

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福島原発事故の発生から1年が経過した。だが、福島原発事故の責任者である東京電力は以前と同じくずっと健在のままだ。一体いつまでこのような状態が続くのだろうか?福島での大惨事による被害額は540億ユーロ(約5兆5千億円)にものぼると推定されている。

しかし事故が起きて以来、東京電力に対する刑事訴訟、そして民事訴訟も起こされてはこなかった。この驚くべき沈黙に対して、福島原発が地震と津波に襲われてからほぼ1年がたつ3月6日、やっと終止符が打たれた。事故を引き起こした原発の事業責任者である東京電力に対し、42名の株主が訴訟を起こしたのである。

これらの株主らは東京電力の27名の幹部(旧幹部を含む)に対し、(安全対策を怠ったかどで、また)2011年3月11日に起きた原発事故の被害者に対し十分な補償を行うため、510億ユーロ(5兆5千億円)を会社に対して支払うよう、損害賠償を求めている。

日本政府が結成した専門家委員会によれば、福島原発事故の被害総額は同じく540億ユーロ(約5兆5千億円)と見積もられている。これは東京電力の1年分の取引額に相当する。5兆5千億円のうち、4兆5千億円は被害者への補償に、残りの1兆円は破壊された4基の原子炉の廃炉費用として使用されることが想定されている。

東京電力は、およそ150万人の人が今回の事故に関連して補償を請求する権利を有していると見積もっている。これは福島原発の周辺半径20キロメートルの地域から避難した10万人を大きく上回る数だ。東京電力がこの巨額の損害賠償に立ち向かうことは不可能であることから、同社は政府からの融資や電気料金の値上げ等を巡り今も交渉を続けている。

東京電力については、福島原発事故の発生以来、ほぼ毎週のように安全対策の不備や事実の隠蔽工作が明るみになっている。しかしそれにもかかわらず、清水正孝社長が昨年5月末に辞任した以外は全く何の処罰も受けていない。事故による放射性物質の放出量を意図的に小さく見せかけたことについても同様、何の処罰も受けないままだ。昨年10月、フランス放射線防御原子力安全研究所(IRSN)は、東京電力が当初発表した数値の20倍上回る放射性物質が、実際には排出されていたとの公式発表を行っている。

(抜粋、一部編集)

( « Fukushima : l’opérateur de la centrale à genoux », La Tribune, 2012.03.07)
http://www.latribune.fr/entreprises-finance/industrie/energie-environnement/20120306trib000686599/fukushima-l-operateur-de-la-centrale-est-a-genoux.html 

<参考> 「東京電力:株主、5.5兆円請求 代表訴訟、経営陣27人相手取り」毎日新聞 3月6日
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20120306ddm012040049000c.html

2012年1月22日 (日)

東電、10年間の国有化へ/ルモンド紙(1月21日)

3月11日に事故を起こした福島原発の事業責任者である東京電力は、今後少なくとも10年間の間、国有化を余儀なくされる。共同通信が内部筋の話として1月21日に公表した。日本政府は原発事故による被害への対策費用として1兆円の資金を東京電力に注入し、同社を国の監督下に置く。1兆円の資金は国と国内に原発を所有する企業がまかなう。

東京電力は株式を引き続き公開するが、公的機構の監督下に置かれる。共同通信によれば、東京電力の今後の経営計画は3月に最終案が作成される予定。東京電力側は問い合わせに対し「現時点では何も決まっていない」と回答している。

今回の公的資金受け入れは、枝野産業省大臣が12月の時点で東京電力に検討を求めていたもの。同社は既に日本政府の資金援助を受けているが、3月11日に起きた原発事故の被災者数万人への補償のみならず、福島原発の廃炉や今後40年にわたる高額な事故処理のために資金を必要としている。

(一部要約/編集)

( LeMonde.fr & AFP, « Fukushima : Tepco devrait être nationalisé pendant dix ans », Le Monde, 2012.01.22)
http://www.lemonde.fr/asie-pacifique/article/2012/01/21/fukushima-tepco-devrait-etre-nationalise-pendant-dix-ans_1632708_3216.html#ens_id=1493262

2012年1月12日 (木)

東電株価、24.27%高の急上昇/ロマンディ・ニュース(1月10日)

1月10日、(昨年3月に)事故を起こした福島原発の経営主体である東京電力の株価は、東京為替市場で24.27%の急上昇を見せ、215円にまで値を戻した。前日からの上げ幅では、42年ぶりの同社記録更新。

株式関係者によれば、東京電力が金融機関と行っている1兆円の借り入れ交渉を背景に短期的な投機的思惑が強まり、突如の買い戻しが起きたとみられている。3月11日に日本の東北部を襲った地震と津波により発生した福島原発事故以来、東京電力は苦境に陥っており、投資家は同社の株を価値の無いものと見なしてきた。

他方現地メディアによれば、東京電力が融資を求めている銀行側は、同社に対する融資の条件として

① 公的資金の注入受け入れ
② 電気料金の10%値上げ
③ 原発の再稼働

を求めているとみられる。

枝野経済産業省大臣は東京電力の経営責任者に対し、公的機関からの資金注入についての選択肢を検討するよう求めたばかりだ。日本政府はこうした公的資金の注入を現状の打開策として検討している。枝野大臣は「国有化」という言葉を否定しているが、こうした資金注入は東京電力の一時的に国有化することに等しい。東京電力の経営陣は、国の管理下に入ることを避けたいと考えているものと思われる。

(一部編集)

(AFP, « Fukushima : l’action Tepco bondit de 24,27%, négociations avec les banques », Romandie News, 2012.01.10)

http://www.romandie.com/news/n/_Fukushima_l_action_Tepco_bondit_de_2427_negociations_avec_les_banques100120120701.asp

2011年12月 8日 (木)

「福島原発事故の原因は地震」事故調査・検証委員会の報告案固まる/ルモンド紙(12月8日)

政府による「東京電力 福島原子力発電所の事故調査・検証委員会」(畑村洋太郎委員長)は、福島原発事故の原因を津波ではなく地震だったと結論している―同委員会が中間報告書を発表する12月26日を前に、報告書案の骨子が漏れ聞こえ始めている。これは、12月2日に発表した報告書で事故の直接的原因を13メートルに及ぶ津波だったと主張している東京電力にとって悪い知らせだ。

東京電力の主張は全く説得力がないと見なされている。委員の一人をつとめる九州大学の吉岡斉(ひとし)副学長は、「(東京電力の主張は)仮説以上の何者でもない」と考えている。委員会は中間報告書の中で、原発の配管に深刻な損害を引き起こしたのは、むしろ津波の前にやってきた地震だったと述べる予定だ。

「仮に津波への防御があったとしても、何も問題が起きなかったと証明する事実は何も無いのです。」

アエラ誌の記者、吉岡氏は言う。12人いる委員の大多数が同意見だ。

委員会は福島原発第四号基の設計にたずさわった技師の一人、田中三彦氏からの聞き取りを予定している。田中氏は9月に雑誌「科学」に発表した論文の中で、東京電力が5月15日にコンピューター上で行った事故のシュミレーション結果を分析している。この結果は日本政府を通じて国際原子力機関(IAEA)にも報告された。しかし、東京電力が報告した時系列による水位と圧力の変化は事故発生時のものと異なっていた。数ある情報源の中でも技術者の手によるノートを重視する田中氏は、実際のデータによれば、配管が津波の到達前に既にひどい損壊を受けていたとしか考えられない、と言う。大波の前に冷却装置の機能は既に失われていたのだろう。

1997年以来、大きな地震の後には原発事故が起きると予見して来た地震学者の石橋克彦も、同じ説を主張している。

「地震、そしておそらく液状化現象によって、原発の基礎と配管網に直接損壊が起きたと考えられます。」

石橋氏は4月、ルモンド紙にこう述べた。

東京電力は、耐震基準が見直され原発の設計自体を見直すことを余儀なくされることを恐れ、地震が事故の原因だと認めたがらない。もし耐震基準が見直されれば、原発の再稼働は数年先に延期されるからだ。

(要約・一部編集)

(Philippe Mesmer, « Séisme ou tsunami : quelle est la cause de l’accident de Fukushima ? », Le Monde, 2011.12.08)

2011年6月28日 (火)

「怒号の中でー東京電力、株主総会で原子力発電の継続を決定、幹部8名も留任」ルモンド紙(6月28日)

6月28日、東京電力の幹部達は福島原発事故をめぐり騒然となった株主総会で、株主の怒りに直面することとなった。

非難の叫び声、辞任要求、原子炉の停止要求—9000人以上という記録的な数の株主がつめかけた「ザ・プリンスパークタワー東京ホテル」はこの日、闘争の場と化した。

1986年に起きたチェルノブイリ大惨事以来の大事故となった福島原発事故は、2010年度だけでも東京電力に1兆2470億円の損失を引き起こした。同社の株は事故以来85%暴落し、ムーディーズやスタンダード&プアーズといった国際的な評価機関からも「投機的」と分類されている。

福島原発の周辺住民はこの日、総会が開かれたホテルの周辺で警官たちに囲まれながらデモを実施。

「事故は私たちの子どもたちから健康な人生を奪った。若者から福島での仕事を奪った。老人からはこれまで作り上げて来た財産を奪った。」

郡山市から参加したタキダ・ハルナは指摘する。

400名の株主は、東京電力に対し原子力発電をただちにやめるよう求める決議案を提案した。しかし大多数の株主はこれに反対。

何度も叫び声が飛び交った今回の総会では、東京電力の幹部が何度も謝罪を繰り返した。しかし、8名の幹部たちは報酬を受けないことに同意しつつも辞職には応じなかった。同社では今後、大規模な財政難に対応するために人員削減や所有財産の処分が予定されている。

(以上、要約です。)

(Le Monde & AFP & Reuters, « Fukushima : assemblée générale houleuse des actionnaires de Tepco » Le Monde, 2011.06.28)
http://www.lemonde.fr/japon/article/2011/06/28/fukushima-assemblee-generale-houleuse-des-actionnaires-de-tepco_1541769_1492975.html

2011年6月11日 (土)

「フランスが語る『原子力の真実』」(前編)「フクシマ」後に再燃する「国策」原子力への恐怖」ル・ヌーベル・オプセルヴァテール(6月2日)

雑誌「ル・ヌーベル・オブゼルヴァター」は6月1日~8日号で、現EU議会(EUの国会に相等)の環境委員会・副委員長を務めるコリーン・ルパージュの新刊『原子力の真実』を紹介する特集記事を掲載しました。

ルパージュは環境分野を専門とする弁護士で、現在は環境保護を中心に活動するEU議員。1995年から1997年にはフランス・シラク政権の元で環境大臣を務めた。その間、1996年に国家原子力安全委員会から出されたCreys-Malvilleのスーパーフェニックス原子炉(当時は技術面その他の問題で停止中)を再稼働させる要求を却下。その後、同原子炉は廃炉の決定がなされている。

このブログでは、この記事でとりあげられているルパージュの論点を2回に分けて紹介します。

前編では福島での原発事故を踏まえた現時点での現状理解と、国策として守られて来たフランスの原子力セクターへの考察を取り上げます。

後編では、原子力発電による約5兆円もの負債を抱え、経営が危ぶまれるフランス電力公社(EDF)、今後膨大な核廃棄物の処理費用を負担することが見込まれる中、脱原発の流れの中で原子力発電所の建設にかかる発注を失いつつあるアレバ社、12兆円以上の廃炉費用が必要となることが見込まれているフランス原子力セクター、の財政破綻状況について読んで行きます。(以下は要約です。)

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1.原子力への恐怖、再び

福島で起きた悲惨な原発事故は、わが国フランスの立場を全面的に変えてしまった。なぜならこの悲惨な事故は、テクノロジーの発展した民主主義の国、リスクをとらず安全を重んじる文化が深く根付いた国、日本で起きた事故だからだ。

「フクシマ」がフランスにもたらしたのは、原子力への恐怖である。日本政府は福島原子力発電所から20キロ・30キロ圏に住む13万人の住民に対し、圏外への退去もしくは自宅退去を勧告した。30キロメートル?フランスにあるブジェイ原子力発電所とリヨン市(注:フランス第二の都市)の距離は、5キロに満たない。

現実には、福島原発事故により放出された放射性セシウムは40キロを超える地域にまで汚染をもたらした。チェルノブイリ原発事故の際にベラルーシでセシウム137による汚染の被害を受けた子どもたちは皆、深刻な病に侵された。このことを鑑みると、日本政府は退避の対象地域を更に広げなければならないだろう。

しかしどこまで退避の範囲を広げれば良いのか?
そしてどう対処すればよいのか?

海も陸同様に汚染された。福島周辺で生産された農産物は通常の30から40倍もの放射能に汚染されているにもかかわらず、市場に並び売られている。食品に関する放射能汚染の許容量は、飲料水についての放射能汚染の許容量と同じく、福島原発事故の直後に、日本政府によって、すばやく見直しがなされたからだ。


2.「傲慢」という掟

2010年11月、東京電力は新潟工科大学に対し「わが国の原子力発電所における津波の影響評価に関する報告書」を発表、日本の原子力発電所は津波に対して完全な対策がなされていると報告した。この報告書では福島県における津波の高さが5.7メートルまでしか想定されておらず、これに従って福島原発への防御壁が設けられた。2006年、地震学者の石橋克彦は「日本の原子力発電所は地震の影響に対し脆弱すぎる」と日本政府および原子力分野の専門家に対して主張したが、政府や「専門家」に対して異論を述べる異端者として、その声はかき消された。

日本の原子力セクターでは、傲慢さが最後まで掟として貫かれた。これは、非常時の安全対策用発電機に問題があったにもかかわらず、2011年2月に福島第一原発第一号機の稼働を更に10年延長することを承認していた原子力安全・保安委員会の決定にも顕著に表れている。その後に何が起きたか、については私たち皆が知っていることだ。しかし、この悲劇を日本人や単なる一企業による失敗と結論づけるのは短絡的すぎる。これは原子力への国際的な制御、管理、規範に関するシステム全体に欠陥があった結果、起きた事故なのだ。


2.IAEAは我々を守ってくれるのか?

実は、国際原子力機関(IAEA)の唯一の本当の目的は、原子力の開発推進である。この目的は、他の国連機関、特に世界保健機構(WHO)が、IAEAの承認なしには原子力による健康被害に関心を持ち、原子力が原因で起きる健康被害についての情報を自由に公表することができない、という重大な問題を引き起こしている(ところで、「国連環境プログラム」(注:環境問題に関する国連専門機関UNEP)は原子力の話をすることすらできない)。

これは、1959年5月28日にIAEAとWHOの間で締結された、想像を絶する内容の協定(WHA12-40)によっている。この協定は情報の自由を制限していることから多くのNGOから批判を浴びており、複数のNGOが「WHOをIAEAから解放するよう」請願書を提出している。

福島での事故で私たちが目撃したのは、WHOが原子力発電による大惨事に際してもこの協定によってその影響力を弱体化され、本来の責務を果たすことができないという事実である。WHOの存在理由は、少なくとも理論上は、一般の人々の健康について調査を行うことにあるにもかかわらず、である。

この協定の内容は、知っておく価値がある。WHA12-40協定の第3条にはこう書かれている。

「WHOとIAEAは互いが所有する特定の極秘文書について、相手機関がこれらを外部公開しないように措置を取ることを要求できる。」

沈黙を守らせるための方策である。しかし明らかにこれでも足りないらしく、第7条には更にこう書かれている。

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2011年5月19日 (木)

「東京電力『福島原発第1号基の炉心溶融は人為的ミスが原因』と言及」ルモンド紙(5月18日)

Japan Times紙が入手した東京電力の内部文書によれば、福島原発第1号基の緊急冷却装置は、3月11日に巨大地震が日本を襲った直後の午後3時、東京電力の関係者によって手動で停止させられていた可能性が高いことが分かった。


津波は午後3時30分頃に福島原発を直撃。緊急冷却装置は、本来の冷却装置が停電で稼働しなくなった際に8時間の間継続して原子炉内に送水、炉の冷却を継続する仕組みになっていた。しかし手動で停止させられたために、その後更に3時間の間停止を継続。最終的に原子炉の炉心溶融が起きる原因となったと推定される。


東京電力側は「作業員が原子炉内の温度が急激に下がるのを防ぐために緊急冷却装置のバルブを閉めた可能性がある」と発言。これを受け、枝野官房長官は5月17日に記者会見を開き、原子力安全・保安院に対し本件に関する詳細な調査を指示したことを明らかにした。


東京電力は同じ5月17日、危機収拾に向けた工程表に変更はないと発表している。


( « Fukushima : Tepco évoque la piste d’une erreur humaine sur le réacteur 1 » Le Monde & AFP, 2011.05.18)

2011年5月15日 (日)

「福島原発事故、危機からの脱出は遠く」ル・モンド紙(5月15日)

5月14日土曜日、福島原発事故で最初の犠牲者が発生した。この技術者の死については、現時点ではまだ死因が特定されていないものの、同発電所での業務がいかに過酷な労働条件下で行われているかを示している。

発電所を制御する作業が進むにつれ、作業員たちはこの危機の初期に発生した本当の被害程度を知ることになる。5月12日、福島第一原発第1号基では、核燃料を冷却するのに無くてはならない冷却水の量が想定していたよりずっと少なかったことが確認されている。

さて、3つのポイントに沿って現状を分析しよう。


1、炉心から放射性物質が漏れているのか?

東京電力は当初から1〜3号機の炉心において燃料の一部が溶け落ちていることを指摘しており、圧力容器貫通の可能性がある。しかし、現時点でははっきりとした断定はなされていない。現在も複数の専門家が断定するにはまだ不確定な要素が残っていることを指摘している。


2、環境への汚染が起きる危険は?

状況に大きな変化がないとすれば、発電設備を冷却するために注入されている水(が高度の放射能物質によって汚染され、排出されること)によって起きる周囲への環境汚染が懸念される。


3、今回の危機を収拾するための手法を修正する必要があるか?

5月13日、海江田経産省大臣は、東京電力が既に発表している工程表の見直しが必要になるとの見解を示した。しかし発電所の冷却が将来可能となるにせよ、汚染水の排出が大きな問題として残る。


フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)のティエリー・シャルル所長は、「原子炉にアクセスできない限り、現状確認があいまいなまま物事が進む」と指摘、「圧力容器から放射性物質が漏れているとの情報がある一方で、同容器に大気以上の圧力がかかっているとされるなど、矛盾する情報が伝えられている」と指摘している。


東京電力は第2・3号基についても1号基と同様の危機的状況にあると公表している。特に心配されるのが第3号基の状況。第3号基は3月13日に核爆発とみられる激しい爆発を起こしている。5月11日に東京電力が発表したところでは、放射能に汚染された水が同基より海へと漏れ出していると言う。

(Pierre le Hir & Phlippe Messmer, « De nouvelles données remettent en cause la sortie de la crise à la centrale de Fukushima », Le Monde, 2011.05.15)

2011年5月 6日 (金)

「窮地の日本政府」ル・モンド紙(5月3日)

放射線防御を担当する小佐古アドバイザーが泣きながら「首相に自分の進言が聞き入れられない」と発言し辞表を提出したその2日後、菅首相は世論調査で、国民の76%が自らに対し「リーダーシップが欠如している」と非難している、との結果を知らされる事態となった(51日現在、共同通信調べ)。

311日に起きた東北大震災と津波の被害者への哀悼を示すため、多くの組合がデモ行進を見合わせた51日、脱原発デモには何千人もの市民が参加した。脱原発の

声は、福島原発事故以降どんどん強くなっている。

菅首相はこれに対し、「国民の理解」を求めたいとコメントしている。

現状では、日本政府は2つの大きな脅威に直面している。1つ目は建屋の床下に溜まった非常に放射性濃度の高い汚染水の扱いである。今後こうした汚染水は9万トンにまで達すると見られている。汚染水のために冷却装置や燃料保管庫の修繕に遅れが生じており、破損した炉心を制御できるかどうかはこの汚染水を処理できるかどうかにかかっている。

2つ目の脅威は、新たな事故の発生である。細野豪志首相補佐官は、311日に起きたような地震や津波が再び起きる可能性があるために、福島原発の復旧作業を遅れていることを認めている。

東京電力が既に工程表で示したように今後69カ月で事態の安定化を図るためには、東京電力の現職者・退職者を含む3000人の社員・元社員からの協力を募ることが考えられる。それは、現在1000人いる東京電力およびその下請け社員への負担を軽減することにつながる。

福島原発で事故処理にかかわる作業員のうち、2名は既に200ミリシーベルトを超える放射線によって被曝しており、30名余りが100ミリシーベルト以上の放射線を浴びたことが分かっている。この中には2名の女性が含まれており、法が定める5ミリシーベルトの上限を上回る量の放射線を受けた。これらの女性達は3月中旬に起きた当初の原発事故から数日の間に被曝したと見られる。この期間中、原発作業員の中には防御用のマスクを用いていなかった者がいたことが分かっている。

(« Le pouvoir japonais enlisé dans la crise de Fukushima », Le Monde, 2011.05.03)