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フランス政府の対応

2015年8月11日 (火)

「フランス政府、経済成長法案の強行決議直前に高度放射性廃棄物貯蔵庫の設置承認をねじ込み」/ルモンド紙(7月10日)

放射性廃棄物の処理はどう考えても困難だ。フランス政府は違法な手段を用いて経済成長促進法(通称「マクロン法」)にこっそりとこの問題を忍び込ませ、葬り去ることに成功した。7月10日、オランド政権は国会議員による議決を経ずに法案を可決することができる49-3条項を再度用いて強行突破をはかる直前、ブールにある放射性廃棄物貯蔵庫の設置承認に関する修正を追加した。

(抜粋、一部編集)

(記事の写真は同法を提案したマクロン経財相)

●元の記事:「マクロン法への放射性廃棄物処理条項のねじ込みに怒号」/ルモンド紙(7月10日)
“Tollé après l’irruption des déchets radioactifs dans la loi Macron”, Le Monde, 2015.07.10
“Tollé après l’irruption des déchets radioactifs dans la loi Macron”, Le Monde, 2015.07.10
http://www.lemonde.fr/energies/article/2015/07/10/tolle-apres-l-irruption-des-dechets-radioactifs-dans-la-loi-macron_4678426_1653054.html

2015年2月 7日 (土)

ドイツ環境大臣からフランスの環境大臣へ:「フェッセンハイム原発を今すぐ廃炉に」/ドイツ環境大臣書簡&原発をやめる会(1月12日)

ドイツのバーバラ・ヘンドリクス環境大臣は1月12日、フランスのセゴレーヌ・ロワイヤル環境大臣に対し独仏の国境にあるフランス最古の原発フェッセンハイム原発を迅速に廃止するよう求める書簡を送り、具体的な廃炉日程を示すよう要求した。フェッセンハイム原発は2基の原子炉を抱えており2基とも1978年より37年にわたり稼働している。オランド大統領は大統領選挙の際、フェッセンハイム原発を2017年までに廃炉することを約束し勝利した。しかしロワイヤル大臣は原発推進派の影響を受けているとされ廃炉には前向きでは無いとの観測が出ている。

ヘンドリクス環境大臣はその書簡の中で、「原発の周辺住民は原発の安全性について強い不安を抱いています。オランド大統領の公約どおり、可能な限り早くフェッセンハイム原発を廃止してくださるよう強く望みます」と述べた。又、同時に今後の具体的な廃炉日程を知らせるよう求めている。

(要旨、一部編集)

●元の記事:「ドイツ環境大臣、セゴレーヌ・ロワイヤル仏環境大臣にフェッセンハイム原発の廃止を要求」/原発をやめる会(1月12日)

http://www.sortirdunucleaire.org/spip.php?page=article_dossier&id_article=41197

2015年2月 2日 (月)

原発推進派ロワイヤル環境大臣の矛盾発言:オランド大統領の公約を無視し「新規建設が必要」―緑の党は反発/カナール・アンシェネ(1月21日)

セゴレーヌ・ロワイヤル仏エネルギー・環境大臣は危うく危険な連鎖反応を引き起こすところだった。1月13日、マダム・ロワイヤルはユジーン・ヌベル紙にて「新世代型の原発の建設を計画しなければ」と発言しセシール・ドゥフロ前住宅大臣(緑の党)の怒りを買った。しかしその後ロワイヤル大臣は「これまでの方針から変更は無い」と緑の党に電話をかけている。

しかしなぜロワイヤル大臣はこんな爆弾発言をしたのだろうか?その次の日からは上院でオランド大統領が選挙で公約した「原発の使用を2025年までに50%以下に削減する」という目標を掲げたエネルギー転換政策の議論が予定されていたのに、である。

ロワイヤル大臣は原発推進派ロビーに味方し、フランス電力公社の株が上がることを期待している。実際、マダム・ロワイヤルの発言の後、フランス電力公社の株価は5%上昇した。つまりこういうことだろう。エネルギー転換政策は原発をゼロにするとは言っていない。減るけれども無くならない。原発の寿命とて永遠に続く訳ではないから、新しい原発が必要になるということなのである。

(抜粋、一部編集)

●元の記事:「原発推進派のロワイヤル環境大臣、原発維持を主張」/カナール・アンシェネ(1月21日)
« Atomic Royal défend le nucléaire durable », Le Canard Enchaîné.

2014年10月21日 (火)

原発推進派 プログリオ仏電力公社社長、新エネルギー転換政策の導入で「退場」:「新社長は老朽化原発への対応を」/ルモンド紙社説(10月17日)

新エネルギー転換政策法案に関する議会での審議が開始した翌日、オランド大統領はフランス電力公社(EDF、仏政府が85%の株を保有するフランス最大の電力会社)の社長をアンリ・プログリオ氏からジャンベルナール・レヴィ―氏に交代させた。これはオランド大統領が選挙で原子力の割合を現在の75%から50%にまで下げることを公約して当選したこと、議会が新たな電力政策を審議していることを考えると筋の通った対応である。前社長のプログリオ氏はオランド大統領が同じく選挙で廃炉を公約したフェッセンアイム原発(1978年稼働、オランド大統領の公約で2017年に閉鎖予定)の廃炉に後ろ向きな態度を取ったばかりか、フランス国内の老朽化した原発への対応に着手せず、原子力との見切りをつけようとしなかった。

フクシマ後のフランスには数多くの老朽化した原発が残されている。今後これらを使い続けるためには、福島原発事故の発生を受けてより厳格化された安全基準を満たすための膨大な予算が必要となる。「原発は安い」という時代は終わった。新社長の手腕が問われている。

(抜粋、一部編集)

●元の記事:「フランス電力公社:プログリオ後に控える新社長への試練」/ルモンド紙社説(10月17日)
« EDF : après proglio, les défis du nouveau PDG », Le Monde, 2014.10.17
http://www.lemonde.fr

2014年8月 4日 (月)

フランスのエネルギー転換政策:原発については多くの「宿題」/ルモンド紙(7月29日)

7月30日、セゴレーヌ・ロワイヤル環境大臣は「緑の成長に向けたエネルギー転換プログラム」法案を内閣に提示した。フランスは同法案を通じ、3年で100億ユーロ(約1.4兆円)の予算をかけて自然エネルギーを推進し、地球温暖化ガスを削減しつつ雇用を創出する「緑の成長」を目指す。

オランド大統領は2025年までに原子力の使用を電源の75%から50%にまで削減することを公約している。しかし今回の法案は主要エネルギー源である原子力には深く踏み込まず、廃炉にあたっては政府が政治的な観点からこれを決定するのではなく、あくまで民間の電力会社に判断をゆだねる形となっている。同じく老朽化が進むフェッセンハイム原発の廃炉についても今回の法律では言及されていない。ロワイヤル環境大臣はオランド大統領とバルス首相に挟まれ裁量を振う余地が無かったと見られるが、原子力がフランスエネルギー政策において非常に重要な位置を占めていることを考慮すると、限られた内容の法案になったと判断せざるを得ない。

(抜粋、一部編集)

●元の記事:「エネルギー政策の転換:『緑のフランス』に向けて100億ユーロ」/ルモンド紙(7月29日)

(« Transition énergétique : 10 milliards d'euros pour « verdir » la France », Le Monde, 2014.07.29)
http://www.lemonde.fr/planete/article/2014/07/29/segolene-royal-promet-10-milliards-d-euros-pour-verdir-la-france_4464092_3244.html

2014年6月23日 (月)

フランスにおける原子力・至上主義の「終わりの始まり」/ルモンド紙社説(6月19日)

6月18日、セゴレーヌ・ロワイヤル環境大臣はフランスのエネルギー転換法案を発表、自然エネルギーの活用拡大とエネルギー利用の効率化により現在電力生産の75%を占める原子力を2025年までに50%にまで削減することを確認した。フランス政府が85%の株式を保有するフランス電力公社(仏最大の電力会社)は自然エネルギーの活用を促すこの新たな政策を実行することを求められる。

これは「歴史的な方向転換」、それとも「原子力の削減を放棄する中途半端なエネルギー政策」なのか。ロワイヤル環境大臣の案には賛否が拮抗している。今回の法案には、オランド大統領が選挙で公約したフェッセンハイム原発の2016年末までの廃炉が明記されていないなどの問題も指摘されている。しかしこの法案がフランスにおける政策の大きな方向転換を示していることは明白だ。フランスは初めて、これまでの「原発が全て」という自らの原子力至上主義の立場を公式に批判したのである。

この政策転換が今起きていることは偶然では無い。政策は経済の動きに沿って変化する。原子力産業は斜陽の時代を迎えている。厖大な費用がかさむ一方で、利益は先細るばかりだ。原発の運営維持にかかる費用は秘密にされている。しかし会計検査院はフランス国内にある58の原発を40年以上稼働させるためには2033年までに1100億ユーロ(約15兆3千億円)が必要になると指摘している。

ロワイヤル環境大臣が提出した法案は重要な最初の一歩だ。フランスは原子力への隷属から逃れるべく最初の一歩を踏み出したのだ。住宅や交通機関における自然エネルギーの活用拡大や電力使用の効率化に挑み、石炭火力発電に頼らざるを得なかったドイツの轍を踏むこと無く、である。

(抜粋、一部編集)

●元の記事:「エネルギー政策の転換:適切な出発点」/ルモンド紙社説(6月19日)
(« La transition énergétique : un bon départ », le Monde, 2014.06.19)
http://www.lemonde.fr/idees/article/2014/06/19/la-transition-energetique-un-bon-depart_4441151_3232.html?xtmc=transition_energetique&xtcr=4

2014年6月12日 (木)

仏オランド大統領は安倍首相への「もんじゅ」再稼働要求をやめよ/原発をやめる会フランス(5月2日)

安倍首相がフランスを訪問するのに合わせ、フランスのオランド大統領は安倍首相に対し高速原子炉「もんじゅ」の再稼働を要求した。両国は合意協定に調印の予定(現時点では調印済み)。

オランド大統領による要求の背景には、フランス原子力庁(CEA)が開発中の新型原子炉ASTRID(高速中性子炉)の実用化に向けた再処理核燃料試験を「もんじゅ」で実施したい、という思惑がある。

<参考> 新型原子炉ASTRIDと「もんじゅ」の関係は?
経済産業省が2013年に作成した広報パンフ「将来のための有用な技術」
http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2014/02/25/1344598_13_1.pdf 

しかし「もんじゅ」の再稼働と新型原子炉ASTRIDの開発継続は、日本人のみならずフランス国民にとっても環境破壊と国費の浪費という壊滅的なダメージを引き起こすことが予想される。過去にフランス政府が開発に失敗した「新型原子炉フェニックス」は120億ユーロ(約1.7兆円)の国家予算が費やされたが200日しか稼働しなかった。フランス政府は財政立て直しを理由に増税や行政サービスのカットで国民に厳しい犠牲を強いる一方で、議会の承認も得ずにASTRID開発に巨額の予算を投入しこうした方針を既成事実化しようとしている。これは原子力の使用削減を含め今後議論が予定されている新たな「国家エネルギー転換政策」の策定手続きにも逆行するものだ。

「原発をやめる会」はこれを受け、オランド大統領と安倍首相によるもんじゅ再稼働協定への署名に反対するよう国会議員への呼びかけを行っている。

(抜粋、一部編集)

●元の記事:「安倍晋三首相のフランス訪問:『原子力をやめる会』は日本人のみならずフランス人にとっても言語道断の協定を非難」/原発をやめる会フランス(5月2日)

(« Visite de Shinzo Abe en France : le Réseau “Sortir du nucléaire“ dénonce un projet d’accord scandaleux pour les Français comme pour les Japonais », Sortir du nucléaire, 2014.05)
http://www.sortirdunucleaire.org/article32849

2014年3月29日 (土)

フランス政府、「2025年までに原発20基が不要に」/ルモンド紙(3月28日)

電力使用の効率化と自然エネルギーの利用拡大により、フランス国内にある58基の原発のうち約20基が2025年までに不要になる。3月26日、フランス環境省のロロン・ミシェル エネルギー・気候問題局長は仏国会の「原子力に関する調査委員会」による質問への答弁の中でこのように示唆した。20基は現在フランス国内にある全58基のうち3分の1以上に相当する。

フランスのオランド大統領は公約として原子力の利用を2025年までに75%から50%に削減することを掲げている。ミシェル エネルギー・気候問題局長は、現在の原子力発電量63ギガワットに対し、将来必要になる電力量は36〜43ギガワットにとどまると指摘した。同局長の発言は電力政策の転換にかかる新たな法律制定に向けた議論に一石を投じる見込み。

(抜粋、一部編集)

●元の記事:「フランス、20基の原発の有用性について自問」/ルモンド紙(3月28日)
(« La France s’interroge sur l’utilité de 20 réacteurs », Le Monde, 2014.03.28)
※紙面のみの掲載で電子版への掲載はありません。

2013年6月12日 (水)

「仏政府による安倍原発政権への支援、政策と倫理に反する行為」ブルゴーニュの市民団体、オランド政権とアレバ社に抗議/テレビ・フランス3(6月9日)

「フランスは日本が原発を再稼働するように圧力をかけることはありません。」

6月8日、オランド大統領は東京での記者会見でこのように述べた。フランス大統領による今回の訪日には、アレバ社を含む40社以上の主要企業代表とアルノー・モントブール産業復興大臣を含む7名の大臣が同行、オランド大統領は3日間の間に原子力分野における二国間協力に向けた数々の合意文書に調印した。大統領は他方で、2025年までに原子力の使用を現在の75%から50%にまで削減することを公約している。

「原発の再稼働を目指す日本政権の原発事業にフランスが支援を行うことは、遺憾です。」

ブルゴーニュ地方(注)で活動する市民団体CAP21のジャン・ラペンヌ代表は、フランス政府に対し抗議の声をあげた。

ラペンヌ代表はオランド政権が原子力推進政策へと転換することを心配する。

「このような協力は、原子力の使用を削減するフランス政府のエネルギー転換政策に矛盾しています。福島原発事故で原子力の危険性が証明され、事故による健康被害が進行する中でこのような支援を行うことは、人間の倫理に反する行為です。」

同代表はこのように結論している。

(抜粋、一部編集)

(注1) ブルゴーニュ地方は豊かな自然と質の高いワインやチーズで知られるフランスの東部地域。

http://www.google.co.jp/search?q=Bourgogne&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ei=UDe4UbDwDsW6lAWRpIHoCQ&ved=0CF0QsAQ&biw=830&bih=527

●元の記事「CAP21、アレバ社による日本への原子力開発協定に抗議」/テレビ・フランス3(6月9日)
"CAP21 dénonce les accords d'Areva de développement du nucléaire au Japon", France 3, 2013.06.09
http://bourgogne.france3.fr/2013/06/09/cap21-denonce-les-accords-d-areva-de-developpement-du-nucleaire-au-japon-266607.html

2012年6月29日 (金)

仏政府、国内原子力企業に対し、2018年までに1兆円規模の安全強化対策を指示/ルモンド紙(6月28日)

経済危機を受け、政府省庁の厳しい歳出削減を公言するオランド新政権。しかし昨年の福島原発事故の発生を受けて決定した原子力施設の安全対策強化については実施されるようです。

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フランス原子力安全局(ASN)は国内の主要な原子力企業に対し、今後2018年までに千以上の具体的な安全強化対策の実施を指示した。今回の安全対策は、昨年3月11日に起きた福島原発事故の発生を受け、地震、洪水、電源および水源喪失などの事態に対応するために取られるもの。これらの対策にかかる費用は総額で約100億ユーロ(約1兆円)と見られている。

安全対策強化の指示を受けたのは、ヨーロッパ内外の原子力産業の中核を担うフランス電力公社(EDF、仏最大の電力会社)、アレバ社、及び原子力庁(CEA、民生・軍事の両面で核エネルギー開発を推進する公共事業体)。フランス原子力安全局のアンドレ-クロード・ラコステ代表とジャン-クリストフ・ニエル部長は、福島原発事故の発生を受けて実施されたストレステストの結果を受け、300ページにわたる詳細な安全対策の指示を発表した。その中で、フランス電力公社は稼働中の58基の原発と建設中のフラマンヴィルにある第三世代型原発、アレバは原発にかかる機材調達と核燃料の再処理、原子力庁については原子力にかかわる研究機関について対策を取ることになっている。

これらの安全対策が全て適用されれば、我が国の原子力施設の安全は確保されたことになるのだろうか。

「福島で起きた原発事故は、私がいつも言っていたことを証明しました。事故の可能性は、決して排除することができないのです。」

フランス原子力安全局のラコステ代表は述べる。すなわち、

「フランスで原発事故が起きないとは、誰も保障できません。」

原子力業界の警備隊である原子力安全局の代表はこのようにも述べる。

「今日私たちは、『多分起きない』だろうことが、実際に『起きうる』ことを知っているのです。」

(抜粋、一部編集)

(Pierre Le Hir, « Nucléaire : les injonctions de l'ASN pour améliorer la sûreté du parc français », Le Monde, 2012.06.28)
http://www.lemonde.fr/planete/article/2012/06/28/nucleaire-les-injonctions-de-l-asn-pour-ameliorer-la-surete-du-parc-francais_1725632_3244.html

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