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空気の汚染

2014年7月28日 (月)

福島原発第三号機より毎時2800億ベクレルの放射性物質を噴射―東京電力、約1年後に「報告」/ルモンド紙(7月24日)

2013年8月19日、毎時2800億ベクレルのセシウム134及び137が福島原発第三号機より放出された。2011年に原発事故による大惨事を引き起こした東京電力が原子力規制委員会に報告した。福島原発からは普段毎時1000万ベクレルの放射性物質が放出されている。しかしこの日は事故現場の瓦礫を動かした際に大量の放射性物質が飛び散り、計1兆1200億ベクレル相当の放射性物質が拡散された。

福島第三号機の洗浄作業が行われた後、近隣の南相馬市で収穫された米からは1キロあたり100ベクレルを超える放射性物質が検出されている。この米の出荷は見送られた。農林水産省及び東京電力はこのような汚染を想定していなかったと述べているが、南相馬市の幹部は十分な説明を求めている。

(抜粋、一部編集)

●元の記事:「フクシマ:2013年8月に大量の放射性塵を放出」/ルモンド紙(7月24日)
http://www.lemonde.fr/japon/article/2014/07/24/fukushima-rejet-massif-de-poussieres-radioactives-en-aout-2013_4461867_1492975.html

2011年7月23日 (土)

「放射性物質の拡散予想〜外出時の風向きにご注意」ドイツ気象台(7月23日)

ドイツ気象台の予報では、この週末にかけて関東地方を含む広範な地域で放射性物質の拡散が予想されています。少し気になったので念のため載せておきます。(表示時間に9を足したのが、日本時間です)

ドイツ気象台自身、日本からの放射性物質放出にかかる詳細発表が無いため正確な予報はできない、と断っていますし、雨や風向きによっても変わってくると思われますが、とりあえずはご注意を。取り越し苦労で済むことを祈っています。

http://www.dwd.de/bvbw/appmanager/bvbw/dwdwwwDesktop?_nfpb=true&_pageLabel=dwdwww_start&T178400415551302522764483gsbDocumentPath=Content%2FOeffentlichkeit%2FKU%2FKUPK%2FHomepage%2FTeaser%2FJapan.html&_state=maximized&_windowLabel=T178400415551302522764483&lastPageLabel=dwdwww_start

2011年7月16日 (土)

フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)による「土壌の放射能汚染に関する情報の要旨」その(2)(7月13日)「梅の実の汚染は数年にわたり続く」

先に掲載した「その(1)」に続き、7月13日に発表されたフランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)による「土壌の放射能汚染に関する情報の要旨」のポイントについて御紹介します。

後半では、埼玉県を含めた広い地域で、大気、土壌、水道水の汚染が継続していることを指摘しています。また、特に汚染されている食品として梅の実、茶葉、竹の子の3つの食品をとりあげ、汚染された食品を摂取しないよう今後数年間に渡って監視が必要、と述べています。

尚、「その(1)」で言及されている詳細な土壌汚染地図の必要性は「その(2)」で述べられている食品汚染への監視の必要性と直結しています。現在公表されている福島原発周辺のみについての大づかみなデータでは、茶葉などへの汚染を引き起こすレベルの放射能汚染を特定することができない他、現在食品汚染の被害を受けている広範な地域に関する情報が網羅されていません。農家にとっても消費者にとっても、自らを守るために必要な情報の公開が求められています。

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2.2 3月以降の土壌における放射能汚染の推移

文部科学省が発表している土壌への放射能汚染データによると、3月以降も大気中に継続して低濃度の放射性物質が見られる。これは福島原発からその後も継続して放射性物質が放出されていること、場合によっては以前放出された放射性物質が大気中に残存していること、が考えられる。

4月18日、19日の時点で福島県より南部に位置する2県で測定された放射性物質による土壌汚染の状況は下記の通りである。

茨城県 ひたちなか市 ヨウ素131: 290ベクレル/平方メートル
セシウム137: 160ベクレル/平方メートル

埼玉県 さいたま市 ヨウ素131: 368ベクレル/平方メートル
セシウム137:137ベクレル/平方メートル

その後、土壌に降下する放射性物質の量は減少しており、ヨウ素131については5月末時点においてどの県でも検出されなくなっている。6月時点でセシウムが観測されているのは、福島市、ひたちなか市、さいたま市の3つの観測地点である。


3. 食品における放射能汚染の変化

野菜類の中で、現時点においてもセシウム134と137による深刻な汚染が見られるのは、竹の子、茶葉(荒茶、製茶の両方を含む)、梅の実、の3つである。これは、原発事故で放射性降下物が放出された際(特に3月)に、竹の子や茶葉の葉が放射性降下物、特にセシウムを取り込んだために汚染されるに至ったことが考えられる。汚染は一番茶で1キロ当たり1000ベクレル、竹の子で1キロ当たり2000ベクレルを越えており、2番茶になると汚染の度合いは低下すると思われる。

尚、茶葉を使用した際に、それぞれの放射性物質が茶に溶け出す比率は下記の通りである。

セシウム137 92%
セシウム134 80%
ポタッシウム 82%

こうした茶を毎日1リットル摂取した場合、体内には一日当たり0.6マイクロシーベルト、年0.2ミリシーベルトに相当する被曝が起きる。また通常のこの種の茶を飲む際に行われている通り、6グラムの茶を300mlの湯で淹れ、放射性物質が湯に溶け出す率等を考慮に入れて計算した場合、毎日一リットルづつこうした茶を飲んだ場合、一日0.24マイクロシーベルトの被曝が起こり、年0.1ミリシーベルトに相当する被曝が引き起こされる。

しかし、こうした食品の汚染はすぐになくなるものではない。また、初物は今後数ヶ月に渡って市場に出回ることが考えられる。今後収穫されるものについても、基準を越える深刻な放射能汚染が観測される可能性がある。従って、今後数ヶ月、場合によっては数年にわたって、これらの食品群については引き続き監視を続ける必要がある(強調は原文どおり)。

梅については、3月中旬には既に花がついていたことが考えられる。直近の計測データによると、福島県でとれた梅の実におけるセシウム(134と137の放射線量を足し合わせた数値)は一キロ当たり137から700までとなっている。茶葉や竹の子と違い、梅の実については、放射能による汚染は初物に限らず、今後も続くと思われる。

他の食品で汚染が報告されているのは、椎茸、卵、牛肉、乳製品、水道水である。乳製品については、宮城、埼玉、栃木、群馬の各県で、一リットル当たり0.34(群馬、6月29日現在)から42ベクレル(栃木、6月22日)までの間で汚染が観測されている。水道水については、埼玉県でセシウムが観測されている。(了)

<出典>
IRSNによる「福島原発事故によって起きた日本の土壌環境における放射能汚染に関する情報要旨」

http://www.irsn.fr/FR/Actualites_presse/Actualites/Documents/IRSN-NI_Fukushima-Consequences_environnement_Japon-13072011.pdf 

<参考>
IRSNによる「福島原発事故によって排出された放射性降下物による海洋への影響に関する最新情報の要旨」

http://www.irsn.fr/FR/Actualites_presse/Actualites/Documents/IRSN-NI-Impact_accident_Fukushima_sur_milieu_marin_11072011.pdf 

2011年7月14日 (木)

福島原発事故に関するIRSNによる調査報告会の要旨(7月7日)/Genpatsu

Genpatsuさんが7月7日にフランス大使館で開かれたIRSNによる報告会での模様を詳細に掲載してくださっていますので御紹介します。環境汚染の専門家および食品汚染の専門家、の2名が発表を行い、参加者からの質問に答えました。

4月1日から2日にかけての東京の大気における深刻な放射能汚染の状況、放射性の雲が3月15日と21日の2回にかけて通過していた事実、食品汚染についてのIRSNの見解など、参考になる情報がビジュアルで紹介されています。

GenpatsuさんによるIRSN報告会についての記事はこちら
http://genpatsu.wordpress.com/2011/07/10/isrn-conference-french-embassy/

2011年7月 5日 (火)

CRIIRAD研究所による日本訪問にかかる報告書/暫定版(2011年5月24日〜6月3日) その3

以下、「その2」に続いてCRIIRADによる報告書の内容を御紹介します。訳は、EX-SKF-JPさんのブログに掲載された「東京茶とら猫」さんの訳によります。(東京茶とら猫さんの訳のうち、下線部分については訳の微調整をさせて頂いています。小見出しは、読みやすいようにこちらで多少訳を変更させて頂きました。ご了承ください)。

<出典>
EX-SKF-JPさん掲載、東京茶とら猫さん翻訳 
<パート1>http://ex-skf-jp.blogspot.com/2011/06/ngocriirad.html 
<パート2>http://ex-skf-jp.blogspot.com/2011/07/ngocriirad.html

CRIIRADによる報告書(オリジナル、英文)
http://www.criirad.org/actualites/dossier2011/japon_bis/en_anglais/criirad11-47ejapan.pdf

尚、最後にCRIIRAD研究書からIRSNに対する非難の言葉が記されていますが、これはフランスおよび日本で発表されているIRSNによるデータへのCRIIRAD研究所による批判を反映したものとなっています。尚、このブログでは現状に関するデータ自体が不足している現状を踏まえ、どちらの組織についても有用と思えるデータについては掲載する方針を取っていることを申し添えます。また、IRSNはCRIIRAD研究所による批判に対しそのホームページその他を通じて反論を行っており、こうした「対話」が政府研究機関とNGOの間になりたっていること、NGOが政府の発表するデータをきちんと監視する機能を担っていることについては評価に値すると考えます。

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3.福島第一原発から新たな放射線放出が起きた場合の不十分な備えとモニタリング・ネットワーク

福島第一原発では、3基の原子炉と複数の使用済み燃料プールが甚大な損傷を受けている。

東電は原子炉を「安全な状態」に戻す期限を延ばし続けている。原発からは通常レベルをはるかに上回る放射性核種が大気中に放出され続けている。このような状況であれば、継続的な放射能の大気放出の影響を評価するためのモニタリング・ネットワークは高性能で、放出量が増加した場合には警報を発してくれるものと普通は予想する。

5月30日の東電記者会見の場で、CRIIRADの研究所長であるシャレイロンは原発周辺の空気汚染モニタリングの手順について質問した。東電の説明によると、モニタリング・ポストは原発西門の一箇所にしかなく、毎日20分程度使用されるだけだという。つまり、残り98.6%の時間は原発周辺の空気汚染レベルが測定されていないことになる。CRIIRADのような小さいNGOですらフランスの5箇所にモニタリング・ポストを設置しているのに、なぜ東電が一箇所しか設置できないのだろうか。東電の回答は、資金の問題ではなく測定器のフィルターを交換することの出来る作業員が不足しているため、というものだった。

福島県県庁で、CRIIRADは県の緊急時対策担当者と面会した。空中放射線量の増加を早期発見するためにどのような測定装置を設置しているのかとCRIIRADが尋ねたところ、福島市内の空中線量モニターは原発事故によって汚染されたためにもう使用されていないとの回答があった。原発の周辺には空中線量を測定する装置のネットワークがあるが、自動操作できるものではなく、実際に誰かが行って手作業でフィルターを交換しなければならないという。そのような仕組みであるため、残念ながら測定は毎日15~20分しか行なわれていない。

担当者にもうひとつ尋ねたのは、放射性ヨウ素が新たに大放出される場合に備えてせめて安定ヨウ素剤を住民や学校に配布したのかどうか、である。そうしておけば、汚染が通告されたら住民はすぐにヨウ素剤を飲むことができる。県の担当者は、その種の決定は国が下すものなので、そのような計画はない、と答えた。

さらに担当者は、原発からの放射性ヨウ素で被曝するよりも、安定ヨウ素剤の副作用のほうがはるかに深刻だと言ったが、その情報をどこから得たのかは語らなかった。CRIIRADはそれに対し、チェルノブイリの事故を受けてポーランド政府は国民に安定ヨウ素剤を配布したが、大きな副作用は確認されていない、と伝えた。

4.CHIRIIRADから日本国民の皆さんへのお詫び

チェルノブイリ原発の事故から25年、原子力発電を行なう国家と電力会社は、原発事故の影響を低減させるために様々な手を尽くして迅速に対応できるようになっているのだろう、と普通は思う。しかし福島第1原発の事故で明らかなように、日本のような近代国家であってもそうはなっていない。事故が起きて汚染が広域に拡大すると、政府には自国の国民の安全を確保する能力もない。住民は次のよう
なきわめて難しい二者択一を迫られる。

(1)政府から「許容レベル」と宣言された汚染地域に留まる

(2)受けた被害や転居の費用や新しい仕事に対する十分な補償も得られないまま、汚染のない(または少ない)地域に逃れる

また、CRIIRADはフランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)の姿勢について日本国民の皆さんにお詫びしたい。IRSNは3月17日に発表した試算の中で、福島県近辺に住む子供の被曝量は50ミリシーベルト未満に留まると述べた。50ミリシーベルトは、日本で一時避難を勧告する基準値である。幸い、日本政府は半径20km圏内の住民の避難を決めた。けっして十分とはいえないものの、少なくとも一部の住民の安全を守ることはできた。IRSNは国の機関であるが、フランスでも原発事故が起きた場合に住民の健康保護にかかわる判断をここに任せていいのかどうか、CRIIRADは強い懸念を抱いている。(了)

<出典>
EX-SKF-JPさん掲載、東京茶とら猫さん翻訳 
<パート1>http://ex-skf-jp.blogspot.com/2011/06/ngocriirad.html 
<パート2>http://ex-skf-jp.blogspot.com/2011/07/ngocriirad.html

CRIIRADによる報告書(オリジナル、英文)
http://www.criirad.org/actualites/dossier2011/japon_bis/en_anglais/criirad11-47ejapan.pdf

CRIIRAD研究所による日本訪問にかかる報告書/暫定版(2011年5月24日〜6月3日) その2

以下、「その1」に続いてCRIIRADによる報告書の内容を御紹介します。訳は、EX-SKF-JPさんのブログに掲載された「東京茶とら猫」さんの訳によります。(東京茶とら猫さんの訳のうち、下線部分については訳の微調整をさせて頂いています。小見出しは、読みやすいようにこちらで多少訳を変更させて頂きました。ご了承ください)。

<出典>
EX-SKF-JPさん掲載、東京茶とら猫さん翻訳 
<パート1>http://ex-skf-jp.blogspot.com/2011/06/ngocriirad.html 
<パート2>http://ex-skf-jp.blogspot.com/2011/07/ngocriirad.html

CRIIRADによる報告書(オリジナル、英文)
http://www.criirad.org/actualites/dossier2011/japon_bis/en_anglais/criirad11-47ejapan.pdf

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2.汚染地域の住民に対する不十分な防護策



米国エネルギー省と日本の文部科学省が発表した公式の土壌汚染地図を見ると、半径20kmの避難区域圏外でも汚染レベルの高い地域がある。CRIIRADはいくつかの地点で地上1mの線量を計測した。

その数値を自然放射線量と比較すると、日立(福島第一原発から南100km)で2~3倍以上、郡山(西60km)で9倍、福島市(北西60km)内の学校や公園を含む複数地域で20倍、飯舘村長泥地区で130倍だった。測定後1年間のあいだに、それぞれの地域でわずか12時間、4時間、等々を屋外で過ごすだけで、住民の被曝量は年間被曝許容量の1mSvを超える。しかも、セシウム134とセシウム137が放出するガンマ線は高エネルギーなので、家や学校やビルの外の土壌が汚染されていると、建物内部の線量も増加する。

たとえば、CRIIRADが福島市内の一軒の民家で線量を計測したところ、居間の床上1mでは通常の線量の6倍、子供部屋の畳の上では4倍高かった。この家の場合、福島市内の他地域の線量も勘案すると、適切な防護策が講じられなければ子供たちの被曝量は1年間で約7~9ミリシーベルトに達するとCRIIRADは推定した。

この試算は外部被曝だけを計算したもので、汚染食物を摂取したり土壌から放射線粒子を吸い込んだりして生じる内部被曝は含めていない。日本政府は避難の目安としてICRP勧告の年間20ミリシーベルトを採用している。だが、年間20ミリシーベルトという被曝許容量は、下記の理由によりあまりにも高すぎる。



(1)ICRPは安全な基準値などないと考えている。将来的にがんで死亡するリスクは被曝量に比例し、「これを下回れば発がんしない」という閾(しきい)値は存在しない。福島第一原発の事故後最初の数日間から数週間のあいだにすでに高レベルの被曝をした人たち(大人も子供も)に対しては、以後の期間は被曝レベルを1ミリシーベルト未満に抑える必要がある。



(2)にもかかわらず日本政府は、一般に許容される発がんリスクを20倍も高めるような線量を追加で被曝しても構わないと考えている。住民にこのリスクを受け入れさせるため、政府は100ミリシーベルトまでは実際の健康影響がないとするデマを広めるキャンペーンを開始した。これはでたらめである。比較的最近の疫学研究からも、室内でラドンを吸い込むことによる被曝量と肺がんで死亡するリスクとのあいだに直接的な関連が確認されている。このリスクは年間被曝量がわずか2ミリシーベルトでも生じるものであり、これを下回れば発症しないという閾値は存在しない。



(3)年間20ミリシーベルトという基準値は主に外部被曝を念頭に置いて定められたものである。このことは、日本政府がこの数値を読み替えて1時間あたりの許容被曝量を毎時3.8マイクロシーベルト(外部被曝)と定めたことからも明らかである。これはきわめて高いレベルであり、自然放射線量(通常は約0.1マイクロシーベルト時)の約38倍に当たる。日本政府はこの数値を計算するのに、8時間を屋外で、16時間を屋内で過ごすことを前提としており、屋内の線量は屋外の線量に減衰率の0.4を掛けた数値としている。これで計算すると1日あたりの被曝量は54.7マイクロシーベルトとなり、年間被曝量は19.98ミリシーベルトになる。しかしこれ以外に、汚染された土を吸い込んだり、汚染された土を食べたり(とくに子供)、汚染地域で生産された汚染食物を食べたりする内部被曝の線量も加えなくてはならない。文科省は自身のウェブサイトに、子供が校庭にいるあいだの内部被曝の影響は全体の2.5%未満だと記載している。この値は、4月14日に13の学校の校庭で測定した数値を平均したものだが、これが正当な数値であるかどうかは独立機関の科学者によって検証する必要がある。


<備考>
CRIIRADのチームが福島県滞在中に複数の農家から聞いた話では、政府は水田の土壌の汚染レベルがキロ当たり5,000ベクレルまでであれば作付けを「許容」するという案を示しているそうだ。汚染された水田から米自体に移行する放射性セシウムは全体の10%にすぎないというのがその根拠である。

かりにそうだとすれば、その汚染地域で栽培される米の放射能量は穀物の暫定規制値であるキロ当たり500ベクレル以下となる。しかしCRIIRADが強調したいのは、あらゆる食品がそのレベルまで汚染されていたら、汚染食品を毎日1kg食べると年間被曝量は3ミリシーベルトとなり、がん死を許容できるかできないかを分ける基準値の3倍に達するという事実である。

CRIIRADの今回の訪日の目的は、放射線に対する市民の理解を高めることにより、避難や除染や十分な補償について政府や東電とより有利な交渉ができるようにすることである。[「測定器47台プロジェクト」[放射線量計計測データの集計および公表を行なっている全国の有志による団体]47プロジェクトとCRIIRADが、「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」などのNGOと協力して様々なワークショップや講演、記者会見を開催したのはそのためだ。

食品サンプルの放射線測定を独自に実施したいという「測定器47台プロジェクト」の願いを受け、CRIIRADは特別な測定器(LB200)を持参して、5月29日に福島市内で測定ワークショップを実施した。このワークショップでは、参加者が各自好きな食品を一品ずつ持ち寄り、約30品目の食品(玉ねぎ、長ねぎ、鶏肉、アスパラガス、じゃがいも、えんどう豆、大豆、豆腐など)についてセシウムの放射線量を実際に測定した。

結果は検出限界である30~40ベクレル/kgから200~300ベクレル/kgの間であった。これらの食品のほとんどは温室栽培されたと見られるので、茶葉、たけのこ、しいたけといった最も危険度の高い品目[つまり、野外で栽培されている作物]にも、汚染を防護する対策を拡大すべきである。たとえば、CRIIRADの技術者が福島市の渡利地区で「すぎな」(食べられる植物)を採取して測定したところ、セシウムが3,600ベクレル/kg含まれていた。

3.福島第一原発から新たな放射線放出が起きた場合の不十分な備えとモニタリング・ネットワークに続く)

<出典>
EX-SKF-JPさん掲載、東京茶とら猫さん翻訳 
<パート1>http://ex-skf-jp.blogspot.com/2011/06/ngocriirad.html 
<パート2>http://ex-skf-jp.blogspot.com/2011/07/ngocriirad.html

CRIIRADによる報告書(オリジナル、英文)
http://www.criirad.org/actualites/dossier2011/japon_bis/en_anglais/criirad11-47ejapan.pdf

CRIIRAD研究所による日本訪問にかかる報告書/暫定版(2011年5月24日〜6月3日) その1

以前御紹介したCRIIRAD研究所による調査報告書について、EX-SKF-JPさんが「東京茶とら猫」さんの訳を掲載してくださっていますので、一部訳されていなかった部分については当方の訳を追記し、全体を御紹介します(一部要約しています。また、東京茶とら猫さんの訳のうち小見出しについては、読みやすいようにこちらで多少訳を変更させて頂きました。ご了承ください)。

少し長いので、3回に分けて掲載します。

EX-SKF-JPさん掲載、東京茶とら猫さんの翻訳はこちら 
http://ex-skf-jp.blogspot.com/2011/06/ngocriirad.html

CRIIRAD研究所による報告書(オリジナル、英文)はこちら
http://www.criirad.org/actualites/dossier2011/japon_bis/en_anglais/criirad11-47ejapan.pdf

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「CRIIRAD研究所による日本訪問にかかる報告書/暫定版(2011年5月24日〜6月3日」

今回の調査で得られた暫定的結果の主なものについては、すでに福島市(5/29に講演、5/30に記者会見)と東京(5/31と6/1に記者会見、6/1に会議出席、6/2に放射線モニタリングに関する講演とワークショップ)でのさまざまな公開イベントで発表してきた。それらの調査結果とわれわれの見解を以下にまとめる。

CRIIRADの研究所に持ち帰った土や食品のサンプルの分析が終わったら、数週間のうちにより詳細な科学報告書を発表する予定である。

1.福島第一原子力発電所事故による放射能被害への適切な情報および防御策の欠如(主な調査結果)

事故直後の日本政府による対応と説明

3月12日、福島第一原発の原子炉と使用済み燃料プールは事故で損傷し、以後そこから膨大な量の放射性物質が空中と海中に放出されている。公式発表されたデータによると、空気中への放出が最も甚大だったのは3月12日から3月30日までの期間である。

日本政府は半径20km圏内に住む住民の避難を指示し、半径20~30km圏内の住民を屋内退避とした。しかしこの対策は不十分だったことが明らかになっている。



(1)20km圏外の住民についても、風向きと気象条件に応じて避難させるべきであった。風や放射性粒子が政府の施策に従ってくれるわけではない。



(2)屋内退避が有効なのは、空気の汚染が短期間で収まって放射線量が小さい場合に限られる。福島第一原発の場合、放射性物質の空中放出は数日にわたって継続した(しかも線量ははるかに低くなったとはいえ現在も続いている)。このような状況下では、屋内と屋外の空気が入れ替わることにより、屋内退避は有効とは言えない。屋内の空気も屋外の空気に匹敵するほど汚染されてしまう。



(3)安定ヨウ素剤は、放射性ヨウ素が甲状腺に取り込まれるのを減らすため、とくに幼い子供の甲状腺がんリスクを低減させる効果がある。甲状腺がんのリスクについては、チェルノブイリ原発の事故以来よく知られている。効果を十分に発揮させるためには、放射能汚染が始まる数時間前に安定ヨウ素剤を服用する必要がある。日本では、安定ヨウ素剤の配布が適切に実施されなかった。

CRIIRAD調査団が日本滞在中に得た証言から判断すると、いくつかの自治体はヨウ素剤の配布に踏み切った。たとえば三春町の町長は3月15日に住民へのヨウ素剤配布を決め、実際に飲むように指示した。福島県の当局はこの取り組みを非難した。いわき市では、担当者が3月12日からヨウ素剤の配布準備を進めていた。市は3月18日に住民へのヨウ素剤配布を実施したが、住民に対しては「当局の明確な指示があるまでは服用はしないように」と命じた。結局、ヨウ素剤の服用が指示されることはなかった。それ以外の地域(飯舘村など)で多量の被曝をした住民に対しては、今に至るまで安定ヨウ素剤は配布されていない。



(4)空中に放出された放射性物質は、放射性降下物として地面に落ち、食物連鎖を急速に汚染する。とりわけ汚染されやすいのが葉物野菜と牛乳だ。日本政府は3月18日になってようやく特別な食品検査プログラムを開始した。初回の検査では数種類の食品サンプルから多量の放射能汚染が確認された。たとえば、3月18日に茨城県で採取されたほうれん草からは、ヨウ素131が1kg当たり54,000ベクレル検出されている。

CRIIRADの試算によれば、2~7歳の幼児がこのほうれん草を200g食べれば年間被曝許容量の1ミリシーベルトを超える被曝をする。その後発表された新たな検査結果によれば、飯舘村(福島第一原発から40km北西)で採取した草からキロ当たり250万ベクレルものヨウ素131が検出された。この地域の野菜の汚染レベルは間違いなくきわめて高いものである。注目してほしいのは、2~7歳の幼児の場合、そうした食物をたった5グラム食べるだけで1ミリシーベルトを超える被曝をするということだ。

政府は3月12日の時点で迅速に、ガンマ線量計で放射性降下物が検出された高リスク地域(福島第一原発の北100kmにある女川や、南230kmにある東京も含む)の食物を食べないように勧告すべきであった。日本政府はそれをしないばかりか、そうした汚染食物を食べてもCTスキャンを1回受けるのと同程度しか被曝しないと主張した。




私たちの被曝量を計測するために日本政府と東京電力に請求すべきデータ

(以下、2.までの部分については、フランスねこによる訳を追記)

多くの日本人が、放射線被曝への防護策が無いために高い放射線被曝にさらされている現状をふまえ、CRIIRADは放射線にさらされている市民に対して、東京電力と日本政府に対し下記のデータを要求するよう助言した。こうしたデータがあれば、これら市民がさらされている被曝量をより正確に計算することができる。

(1)空気中に放出された放射性物質の完全なリスト。原子炉内には100種類以上の放射性物質が存在する。東京電力はこれまでのところ、3月19日分の大気中放射性物質濃度しか発表していない。これによれば、5種類の放射性物質しか言及されていない(ヨウ素131、132、133、セシウム134、137など)。

(2)福島原発事故が起きた後の最初の数週間の間に排出されたこれら全ての放射性物質の大気中濃度(立方メートル当たりのベクレル数)。このデータによって、次の数値を計算することが可能になる。

• 空気中の放射性物質による外部被曝量。これには、β線による皮膚の被曝と呼吸器系統の内部表面への被曝が含まれる。
• 汚染された空気を吸い込んだことによる内部被曝。

(3)風向き、降雨、降雪量を含む詳細な気象データ。こうしたデータは土壌の汚染を計算するのに役立つ。こうして計算されたデータを現状のセシウム137およびセシウム134による土壌汚染のデータと比較し、短期間にのみ存在した放射性核種の落下量を再現することができる。

(4)日本全国におけるセシウム137とセシウム137の落下状況に関する詳細な地図。現状では、文部科学省は福島原発から半径80キロの地域においてのみこうしたデータを発表している。しかし、現在の一平方メートル当たり30万ベクレル、毎時1マイクロシーベルト、といった表示データの下限よりも更に詳細な、平方メートル当たり1000ベクレル、毎時0.1マイクロシーベルト、といった詳細な汚染データを含む地図を公表すべきである。こうしたデータは食品の汚染を監視するにあたり、土壌に残留する実際の放射能汚染の度合いを考慮するのに役立つ。

「2.汚染地域の住民に対する不十分な防護策

」へ続く)

<出典>
EX-SKF-JPさん掲載、東京茶とら猫さん翻訳 
http://ex-skf-jp.blogspot.com/2011/06/ngocriirad.html

CRIIRAD研究所による報告書(オリジナル、英文)
http://www.criirad.org/actualites/dossier2011/japon_bis/en_anglais/criirad11-47ejapan.pdf

2011年6月30日 (木)

「『日本政府は、汚染地域に住む国民の健康より賠償金の節約を優先』CRIIRAD研究所、福島原発事故への対応を強く批判」ルモンド/AFP(6月29日)

チェルノブイリ原発事故が起きた1986年、フランス国内における放射能汚染を政府からの独立機関としていち早く調査し、汚染の実態と健康への影響を一般のフランス市民が知るためのデータを提供し続けたCRIIRAD研究所(放射能に関する独立研究情報委員会)。

CRIIRAD研究所は日本のNGOの招きにより5月24日から6月3日にかけて来日、福島原発事故の状況について調査を実施した。来日調査団の関係者は6月29日、リヨン市(フランス第二の都市)で報告会を実施。日本政府は、退避を余儀なくされた住民への賠償金の支払いがこれ以上増えるのを避けるために、深刻な放射能汚染にさらされている原発から半径20キロ以上の地域に住む住民を避難させていない、と強く非難した。

また、今後新たに大量の放射性物質が排出される恐れがあるにもかかわらず、ヨウ素剤の配布を行っておらず、汚染された食品の消費が野放しになっている、と指摘している。

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ルモンド紙による記事の全文訳はこちら(フランスメディアニュース)
http://www.francemedianews.com/article-criirad-78157872.html

ルモンド紙のオリジナル記事(フランス語)
http://www.lemonde.fr/asie-pacifique/article/2011/06/29/la-criirad-denonce-des-carences-graves-dans-la-gestion-de-la-catastrophe-nucleaire-au-japon_1542705_3216.html 

<参考>
CRIIRADによる、チェルノブイリ事故後のフランスにおける放射能汚染の分析
http://linked222.free.fr/lien/tchernobyl_france/tchernobyl_france.html

CRIIRADによる福島原発事故に関する情報(仏語サイト)
http://www.criirad.org/actualites/dossier2011/japon_bis/sommaire.html

2011年6月29日 (水)

CRIIRADによる来日調査団・報告書(5月24日~6月3日)

5月末から6月上旬にかけて、福島原発事故に関連する調査と意見交換のために訪日したCRIIRAD研究所による報告書(英文、暫定版)が発表されました。

報告書には、事故直後の日本政府による対応についての分析、事故による被曝量を推測ために必要な東京電力所有の統計データ、20ミリシーベルトという被曝量の持つ意味、現在も通常を上回る放射性物質を放出し続けている福島原発の危険性と、いざという時のためのヨウ素剤の備えの重要性等、重要な情報が多々含まれています。

ほぼ同時期に来日していたIAEAの報告書(6月29日掲載)と内容を比較すると、組織の立場によって現実の見方や伝え方が大きく違うことが実感できると思います。

あいにくすぐには翻訳する時間がありませんので、とりあえずお知らせしておきます。英語をお読みになる方は、ぜひご一読ください。

http://www.criirad.org/actualites/dossier2011/japon_bis/en_anglais/criirad11-47ejapan.pdf

2011年6月28日 (火)

「福島原発周辺で進む内部被曝/住民の尿から3ミリシーベルト以上の放射能を検出」ルモンド・ブログ&AFP(6月27日)

Japan Timesは、福島県在住の14名の住民の尿から、3ミリシーベルト以上の放射線が計測されたと報じた。

これは福島原発の周辺に住む住民達が、外部被曝のみならず、呼吸や放射能に汚染された食品の摂取による内部被曝にさらされていることを、改めて裏付けている。3ミリシーベルトという被曝量は、平時に人が受ける年間の平均被曝量を上回る数値である。

「住民が汚染された野菜やその他の食品を食べなければ、問題は無いだろう。」

この調査を指揮した広島大学の鎌田七男・名誉教授(放射線生物学(注))はこう宣言する。

「しかし、これらの地域に人が住み続けることは難しいだろう。」

とも警告している。

今回の調査に参加したのは、福島原発からそれぞれ30キロと40キロの距離に位置する飯舘村と川俣町に住む住民たち。福島原発は、3月11日の週に大地震と津波が発生したことに関連して原子炉が破損して以来、周囲に放射性物質を放出し続けている。

(注)原文訳による。

(AFP & Christian Aslund, « Fuites – De l’urine radioactive chez des habitants de Fukushima », Le Monde Blogs Big Browser 2011.06.27)
http://bigbrowser.blog.lemonde.fr/2011/06/27/fuites-de-lurine-radioactive-chez-des-habitants-de-fukushima/

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