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労災

2013年10月27日 (日)

福島原発という「地獄」:日給6000円、汚染水の流出は「ずっと前から」/ルモンド紙(10月10日)

ルモンド紙 フィリップ・ポンス特派員による福島県いわき市からのレポートです。

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私たちはその原発作業員が指定したとおり、人目につかない隠れた場所で会った。彼らにとって、記者に話をすることは危険を伴う。雇用主は神経質になっている。これを口実に首を切られるかもしれない。

30代のその男は、2011年3月の福島原発事故当時、下請け会社の社員として福島第一原発で働いていた。

「あれから安全管理の状況は改善しましたが、給与は下がって、技術力のある作業員もどんどん減っています。」

この作業員の男性はこのように指摘した。

「上から『早くやれ』と言われるので、仕事の質は悪くなるばかりです。道具の名前すら知らない作業員が働いています。」

この人不足は、過去数ヶ月にわたりあちこちで発生した汚染水漏れ事故によるものだ。しかし作業員の男性たちは笑いながらこう言った。

「汚染水漏れ?ずっと前からありましたよ。誰も話さなかっただけで。7月の参議院選挙の後で初めてメディアがこの話をするようになった、というだけです。」

技術レベルの低い作業員たちを守る者はいない。彼らは仲介業者による搾取の被害者になっている。危険な作業の末に受け取る給与は、最終的に一日6000円にしかならないのである。

(抜粋・一部編集)

●元の記事:「福島という原発作業員の地獄から」/ルモンド紙(10月10日)
(« Fukushima : dans l’enfer des « liquidateurs » », Le Monde, 2013.10.10)
http://www.lemonde.fr/japon/article/2013/10/10/fukushima-dans-l-enfer-des-liquidateurs_3493382_1492975.html

2013年10月21日 (月)

軍事機密に隠蔽される被ばく労働者:被ばく量すら「機密」扱い/バスタ・マグ(10月10日)

被ばくの可能性を知らされないまま20余年にわたり核兵器工場で働かされ続けたフランス労働者たちは、次々に病に倒れて行った。そして労働災害の認定を求める彼らの前には、「軍事機密」の名で当時の被ばく量すらも隠蔽する防衛省がいる。

24年間の間ロング島の機械整備工や火工品技術者たちは、フランス政府による原子力関連情報の隠ぺい工作を守りながら核弾頭を組み立て続けた。とりわけロング島のブレスト基地では、労働者に対して被ばく可能性についての注意喚起や防御措置が全くなされないままに、プルトニウムやセシウムを含有する兵器部品の作業が実施された。24年間、何の防御も無く働き続けた110人の労働者のうち、死亡者は4名。5名が白血病、3名が癌、1名が白内障に罹っている。病気を隠す労働者もいることを考慮しても、10%以上の労働者が被ばくに関連する疾病に冒されたことになる。今日、癌や白血病に蝕まれた何人もの労働者たちが労災申請を試みているが、防衛庁とロング島の旧海軍工場局は一切の責任を否定している。

2013年9月18日、フランスのレンヌ裁判所には真剣そのものの空気が漂った。15人余りの元労働者達がセシール・ラブルニー弁護士の周りを取り囲む。ラブルニー弁護士は2009年に癌と診断された労働者ルイ・シニャールの病が放射性物質を取り扱う当時の業務に起因するものだったことを証明しなければならない。整備工だったルイは1989年から1997年までロング島の仏軍基地で働いていた。原子力潜水艦の整備や核弾頭の組み立てを担当していた。

しかしフランス政府は、これら労働者たちの被ばくの原因となった核弾頭から出る放射線量すら「軍事機密」だと主張して、一切の情報開示を拒否している。

(抜粋、一部編集)

●元の記事「ロング島の労働者:原子力に隠蔽され忘れ去られた被害者たち」/バスタ・マグ(10月10日)
(« Les ouvriers de l’ile Longue, victimes oubliées de la dissuasion nucléaire », Basta Mag, 2013.10.10)
http://www.bastamag.net/article3379.html

2013年7月12日 (金)

「吉田さんがいなかったら、生きて帰れなかった」ー「最悪」を食い止めた男、吉田昌郎(まさお)所長、死去/ルモンド紙(7月11日)

カリスマ的な人物だった。ヘビースモーカーで、熱心な仏教徒だった。

吉田昌郎(まさお)元福島原発所長の死によって、日本人は福島事故に関する唯一の目撃者を失った。7月9日、享年58歳でその命の灯火は途絶えた。

吉田氏は食道がんに侵されていた。そのために、2011年11月には福島原発での現場の運営・指揮業務を退かざるを得なかった。


吉田氏死去の知らせに、福島事故発生当時総理大臣を務めた菅直人氏は次のように述べ、故人への敬意を表した。

「絶対の信頼をおける人でした。吉田氏の決断が無ければ、福島原発事故は最悪の事態に発展していたことでしょう。」

菅氏は1979年に東電に入社した技術者の決断を回顧しつつこう推測した。


3つの原子炉が炉心溶融を起こす緊急事態に直面する中で、吉田氏は東電幹部の制止命令を物ともせず原子炉に海水を投入したのだ。それは自らの会社から叱責を受けることが明白な行為だったが、吉田氏は毅然と立ち向かった。

2012年11月12日、初めて報道陣が福島原発の現場に足を踏み入れることを許可された際、吉田氏は次のように告白している。

「事故が起きた初めの週、自分は死ぬだろうと思ったことが何度もありました」

東電の広瀬社長は吉田氏の死去について「温かみのある人だった」とコメント。同社は吉田氏を苦しめた食道がんと福島原発事故の間に関連を否定している。

2011年3月の事故当時、福島原発の現場に居合わせた原発作業員たちは、今も吉田氏について心に響く思い出を胸に抱き続けている。

「国から勲章をもらって当然の人だったと思います。」

事故に居合わせた東電の元下請け作業員で、現在は原発に反対する活動を行っている男性は次ように述べる。

「あまりにもひどい状況でした。だから、吉田さんがいなかったら生きて帰れなかった。」

(一部編集)


●元の記事:「最悪の事態を防いだ男、吉田昌朗氏死去」/ルモンド紙(7月11日)
(« Masao Yoshida, l’homme qui a évité le pire, est mort », Le Monde, 2013.07.11)
http://www.lemonde.fr/planete/article/2013/07/10/masao-yoshida-l-homme-qui-a-evite-le-pire-est-mort_3445319_3244.html

2013年5月23日 (木)

時給837円未満、数日間の被曝量計100ミリシーベルト―劣化し続ける福島原発の労働環境と静観する日本政府・東電/ルモンド紙(5月21日)

東京電力が実施した調査によると、福島原発で事故処理にあたる原発作業員約3千人のうち5%が東京都の最低賃金を下回る時給837円未満の給与しか受け取っていない。福島原発事故から2年以上が経つ今日、現場での作業は増え続けているが、給与は事故発生前より20%以上カットされている。

他方で福島原発の原発作業員たちは3ヶ月で計50ミリシーベルトにも及ぶ高い放射線量にさらされている。最もひどいのは瓦礫を集める係だ。数日で100ミリシーベルトもの被曝量に至る者すらいる。これはフランスの原発作業員に定められている年間被曝限度量の5年分に相当する。

労働環境の劣化が続く背景には、事故処理のコスト削減と下請け制度を理由に作業員の待遇劣悪化を静観する東京電力、現場の労働基準法違反を看過する厚生労働省、そして日本政府の無策がある。

カナダにあるマギル大学(McGill University)の長谷川 澄(はせがわ すみ)元専任講師は4月22日、3,186人の原発作業員への調査結果を元に福島原発の劣悪な労働環境を指摘する分析をアジア太平洋ジャーナル(Asia-Pacific Journal、注)に発表した。長谷川元専任講師は安倍首相、田村憲久厚生労働大臣、下河辺和彦東電会長、広瀬直己東電社長に作業員の労働環境是正を求める要請書を合わせて公表、要請書への賛同者を募っている。

●福島原発の労働環境是正にかかる日本政府への要請書
http://peacephilosophy.blogspot.jp/2013/04/an-appeal-for-improving-labour.html

(抜粋、一部編集)

●元の記事:被曝させられ給与をピンハネされる福島の「掃除夫」たち/ルモンド紙(5月21日)
(« A Fukushima, des « nettoyeurs » irradiés et sous-payés », Le Monde, 2013.05.22)
http://www.lemonde.fr/planete/article/2013/05/21/a-fukushima-des-nettoyeurs-irradies-et-sous-payes_3414880_3244.html 

(注)長谷川元専任講師によるAsia-Pacific Journalへの寄稿文(日本語は英語の後にあります)
http://www.japanfocus.org/-Sumi-Hasegawa/3930

2013年5月18日 (土)

誰が原発の医師を殺すのか?フランス電力公社、労災認定を理由に原発駐在医3名を起訴/Rue89(5月6日)

フランス史上初めて、フランス電力公社(仏最大の電力会社)とその下請け企業2社は原発労働者に労災を認定した産業医3名に対し「根拠無く労災を認定した」として裁判所への訴えを起こした。背景には、増え続ける労働災害と責任企業に課される補償金額の上昇がある。しかし電力会社による原発の現場医師への圧力は、事務方を含む原発労働者の健康を危険にさらしかねない。

1978年以来35年間シノン原発に勤めるベテラン医師、ドミニーク・フエズ医師は、過去一貫して原発労働者の健康を守るための活動を行ってきた。しかしフランス電力公社にも他の関連企業にもこれまで妨害を受けたことは無かった。今までは、の話である。

変化は突然やって来た。フランス電力公社の下請け会社オリス社(Orys)はフランスの歴史上初めて、シノン原発に勤務し過去に労災認定を行った産業医らを「職業上の義務と倫理を逸脱し、同社で働く労働者に労災を認定した」との訴えを起こしたのである。

訴えられたのはフエズ医師だけではない。翌日にはシノン原発の同じ部署に勤める別の医師が、同じ理由でフランス電力公社による訴訟を起こされた。そしてアン原発でも同じことが起きた。

フエズ医師が何か特別なことをしたわけではない。

「その作業員は、ぐったりと倒れ込んでいました。身につけた放射線防御用の鉛の安全具はポッキリと折れていました。外部への移送が必要になるほどの状態ではありませんでしたが、その作業員の健康状態が非常に心配だったため、私は緊急処置を行いました。そして本人の気分が改善した時点で病気の診断書を書いて渡しました。シノン原発ではこういうことがよく起きました。そして日常的にこうした対応を行って来たのです。」

フランスでは2002年以来、従業員の安全と身体的・精神的健康を守る必要措置を取らなかった企業は訴追の対象として認められ、違反企業には高額の補償金が課されている。 ルノー社やフランス・テレコム社(仏の主要電話会社)で従業員の自殺が頻発した問題では、劣悪な労働条件や嫌がらせが原因であった可能性が裁判所で追求されている。

(抜粋・一部編集)

●元の記事:「誰が原発で働く医師を殺したいのか?」/Rue89(5月6日)
(« Qui veut la peau du médecin de la centrale nucléaire ? », Rue89, 2013.05.06)
http://www.rue89.com/rue89-eco/2013/05/06/veut-peau-medecin-centrale-nucleaire-242089

2012年8月10日 (金)

「原発作業の下請けは被曝隠し」仏の社会学者、勲章拒否で訴え/ルモンド紙(8月8日)

レジオン・ドヌール勲章(フランスにおける最高位の勲章。注1)の効果的な使い方をご存知だろうか?それは、勲章をもらうのを拒否することだ。そしてそれこそが、原子力産業で働く下請け作業員の被ばくその他の労働災害(労災)問題を研究し警笛を鳴らし続けてきた社会学者、アニー・テボ・モニが行ったことだった。

勲章授章の栄誉を伝達したセシール・デュフロ住宅担当大臣に宛てて書いた手紙の中で、テボ・モニ氏は今回の辞退が労働者の健康をとりまく環境の劣悪化と労働者を発癌物質にさらす産業界への監視の目が欠如している問題を警告するためのものであることを説明した。

テボ・モニ氏は健康問題を専門にする社会学者。1983年から2010年に退職するまで、国立医学研究所(Inserm)にて勤務した。レジオン・ドヌール勲章を拒否した理由について、同氏はルモンド紙に次のように語った。もちろん、研究に必要な資金が急に支払われなくなったり(自分が育てた)若い研究者たちが職を断られたりといった労災被害研究への冷遇に憤っていることは否めない。でもそれ以上に、働く人の労働環境が劣悪であるために健康被害が多発している事態を本当に残念に思っているからこそ今回の受賞を辞退したのだ、と。

「(職場での健康被害を無くすための)科学的手法は存在しています。でも、それを使うための政治的な意志が欠如しているのです。石綿被害で起きたことが繰り返されています。石綿にさらされたことと、それによって起きた健康被害の因果関係を否定するといったことが、殺虫剤や石油製品による被害においても起きているのです。産業界ロビーは劣悪な職場環境により労働者に癌が発生している問題について非常に攻撃的な態度をとっています。そして私たちが舌を巻くほど(巧みな)戦略をもって労働災害の認定をやめさせようとするのです。」

テボ・モニ氏は産業界が危険な業務を下請けに出すことで危険を隠蔽していることを非難している。1990年代、この社会学者は原子力業界が下請けを使うことによって労働者の被曝を表向きより見えなくさせていることを示した。テボ・モニ氏によれば、こうしたやり方は有毒物資を扱う他の産業でもごく当たり前のことになりつつある。

「有毒物質にさらされる労働者への監視が、プロによるきちんとした方法で実施されていません。そのために健康被害の問題は闇に葬られるのです。『清掃係』といった職種が(他の正規社員たちの代わりに発癌物質にさらされる役をより弱い立場の労働者に引き受けさせ、)疫学調査でも掴めない『死角』を生み出すのです。」

テボ・モニ氏は必要な調査研究を行うための公的資金の不足についても嘆いている。

「労災に関する調査研究で産業界からの資金に頼るものがどんどん増えています。」

産業界による犯罪は裁かれない傾向がある、と社会学者は指摘する。司法界においても、労災分野について適正な判断を行なうための予算が不足している。

デュフロ住宅担当大臣は8月6日、次のように回答した。

「私があなたを勲章の受賞者に選んだこと、そしてあなたがそれを拒んだことのどちらについても後悔していません。私たちの歩みが繋がりますように。そしてあなたの辞退が一夏の話題に終らず、あなたの戦いの糧になることだけを祈っております。」


(注1)レジオン・ドヌール勲章は1802年にナポレオン一世によって制定されたフランス国内最高位の勲章。日本の紫綬褒章に該当する。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%82%B8%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%8C%E3%83%BC%E3%83%AB%E5%8B%B2%E7%AB%A0 

(抜粋、一部編集)

●元の記事:「労災被害を肯定するレジオン・ドヌール勲章はいらない」ルモンド紙(8月8日)
(Hervé Kempf, « Pas de Légion d’honneur pour les maladies du travail », Le Monde, 2012.08.08)

2011年6月16日 (木)

「日本国民の大多数が原発廃止に賛成」フランス国際放送(6月14日)

日本国民の4人に3人(74%)が段階的な原子力発電の廃止に賛成していることが、6月14日に発表された朝日新聞による調査の結果で明らかになった。現在、東京電力は福島での原子力発電所事故による被害者への最初の賠償金の支払いを正に行おうとしているところであり、他方、同原発内で事故の収拾にあたる作業員のうち、被曝した者の数は急激に上昇している。

これほど多くの日本人が54基にのぼる原子炉の廃止に賛成したことはかつて無い。おそらくは、福島原発事故による惨事が収拾せず長引いていることが影響していると思われる。

他方、NHKの報道によれば、深刻な被曝被害を受けた原発作業員の数は100人を越えた。事故以来、約7800人の作業員が福島原発の現場作業に関わっているが、これまでに精密検査の恩恵を受けた者はたったの1800人にとどまっている。本日、政府は東京電力に対し6月末までに福島第一原発の近くで働く全ての作業員について精密検査を終えるよう指示した。

8名の原発作業員については、日本政府が設定した250ミリシーベルトという原発作業員用の被曝量上限を上回る量の放射能を浴びており、放射性ヨウ素による甲状腺の被曝が起きていることが暴露されている。

http://www.rfi.fr/asie-pacifique/20110614-une-majorite-japonais-fin-nucleaire

(Fréderic Charles, « Une majorité de Japonais pour la fin du nucléaire », Radio France Internationale, 2011.06.04)

2011年6月14日 (火)

「福島市内で基準値の1000倍にのぼる放射線量を記録。小さな『ホットスポット』があちこちに出現(映像)」ロシア・ニュース/エナジー・ニュース(6月13日)

英語での放送ですが、重要な内容ですので掲載します。(以下、ポイントのみの要約です。)

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福島原発周辺の立ち入り禁止区域の外にも放射線量が基準値の1000倍にも及ぶ非常に危険な場所がある。福島原発から約80キロの距離にある福島市である。原発から放出された放射性物質は風や雨などによって福島市の方向に吹き寄せ、その結果高い汚染が記録されている。

雨水や風の流れによって、局地的に放射線が非常に高い場所が幾つも生じており、場所によっては1メートル横にずれただけでも急に放射線量が跳ね上がる「マイクロ・ホットスポット」があちこちに形成されている。特に草の葉が放射性物質をからみ取るフィルターの役目をしたために、草の生えている場所では汚染度が上がる傾向にある。

福島市は日本政府による「強制避難区域」に指定されておらず、非常に高い放射線量にもかかわらず今も住民が生活している。政府は少なくともホットスポットがある地域について避難区域に指定すべきかどうかを現在検討中である。

★土壌の除染作業の様子
「複数の大学が合同で除染のための作業を行っています。ご覧の通り、科学者は防御服を着ていますが、除染作業を行っている2人の作業員達は何の防御も行わないまま(土に触れる)作業を行っています。」

(原子力発電所内で作業をされている作業員の方の被曝も心配ですが、福島周辺で除染その他の土や草に触る作業にかかわっている方々への被曝対策が十分行われるよう、十分な注意が必要と思われます。)


「Radiation 1,000 times safe levels zone」ビデオはこちら(英語です)

http://enenews.com/radiation-1000-times-safe-levels-zone-very-very-dangerous-levels-video

2011年4月12日 (火)

福島原発事故の後に横浜に寄港した仏・デンマーク商船『被曝した船員は労災に認定されるのか?』ル・モンド紙(4月10日)

4300個のコンテナを積んだマエルスク・ガロンヌ商船(フランス船籍、デンマーク人所有)は44日に横浜港に入港、大阪を経て47日にはオーストラリアへと戻って行った。

船が寄港していたちょうどその頃、マエルスク・ガロンヌ商船の本部では、船主と労働組合が日本に寄港した船員の安全装備や身の危険を巡って激しくぶつかりあっていた。労働組合は同社の社員が十分な防御装備を与えられておらず、危険にさらされていると会社を非難した。放射性物質を含んだ雲や放射線被害に強い不安を抱く船員の家族たちは寄港中の商船に電話をかけていた。

「マエルスク・フランス」で海運業局長を務めるフィリップ・ベルジュ船長は、当時日本に立ち寄った船にも関係者にも危険は無かったと述べる。2回の寄港ごとにヨウ素剤が準備されたほか、船員の放射線が計測され、その結果は全く心配のないものだった、と経営陣は主張する。

しかし、労働組合はCMAを含む仏船籍の他の商船は津軽海峡などの日本の港への寄港を避けて運行していたことを指摘している。

「マエルスク・ガロンヌに乗船していた船員が被曝していた場合、健康保険は適用されるのか。保険条項から排除されている病気に罹った場合、どうするのか。将来

急に病気にかかった場合、いったい誰が医療費を負担するのか。」

オット・ド・セーヌの労働基準監督署でも同じ問いが発せられ、人々はその回答を待っている。

「被曝が仕事場での事故、もしくは業務が原因でかかった病気と考えられるのかどうか。まだ分からない。」ベルジュ船長は書いている。

(要約)

(Philippe Barroux, « Les escales japonaises des marins du « Maersk Garonne » Le Monde, 2011-04-10)