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発電

2013年3月28日 (木)

フランスの農村、自然エネの「地産地消」で電力会社からの自立と経済活性化を達成(その2)/ルモンド紙(3月24日)

(その1からの続きです。)

全ては1999年の養豚農家グループによるメタンガス生成工場設立から始まった。豚の糞尿をメタンガスに変換する工場を自らの出資で建設したのである。

「この村は、ブルターニュ地方でも最も貧しい地域にあります。農業をやる人間として、私は可能な限り他人に頼らない自立した働き方を目指してきました。そして、安かった電気料金の値段もいつかは上がる日が来るだろうということにも気づいていました。」

他にも懸案はあった。自然エネルギーによる発電を始める前のル・ムネ地域の経済は、当時2500人の村人を雇用していた屠殺場に大きく依存していた。地方議員たちは、発電事業が経済の多角化を促すだろうと考えたのだった。ル・ムネの関係者らは2005年、過去15年間にわたり電力の自給に取り組んでいたオーストリアの町グッスリンク(Gussling)を訪れた。

「私たちは、廃棄物や風、太陽の光などを使って新しい経済の糧を作り出すことができると確信して帰路につきました。」

グレー町のミシェル・フェブレ町長は言う。

「そして発電事業を通じて良質な雇用を生み出すことができたのです。」

全てが最初からうまく行ったわけではなかった。

「いくつもの関係省庁や役所をまたいだ調整が必要となり、政府機関からの承認を取り付け物事を進めるのに多くの時間がかかりました。」

金融市場の規制は風力発電のための協同組合を作る際の足かせとなった。植物性燃料のロビー団体や肥料業界の推進派たちが農家自らが植物性燃料の生成工場を設立し肥料の原料となっていた豚の糞尿によるメタンガス生成工場を設立するのを妨害しにやってきたこともある。自己負担が必要な太陽光発電への参加をためらう村人も多い。

しかし村人たちは困難に立ち止まろうとはしない。発電事業の優位性は明確だ。石油2000トン分の電力を節約するよりも、風力発電で電力を作りだすほうがずっと容易なのである。それだけではない。

「発電事業に取り組んでいて一番驚くのは、人間として人生の冒険を体験できることです。」

メタンガス生成工場の工場長で養豚家のドミニーク・ロカボワはこのように自分の経験を表現した。

(抜粋、一部編集)

●元の記事:「ブルターニュで電力の自給自足に成功」/ルモンド紙(3月24日)
(« En Bretagne, l’autonomie énergétique en marche », Le Monde, 2013.03.27)
http://www.lemonde.fr/planete/article/2013/03/23/en-bretagne-l-autonomie-energetique-en-marche_1853175_3244.html

フランスの農村、自然エネの「地産地消」で電力会社からの自立と経済活性化を達成(その1)/ルモンド紙(3月24日)

太陽と風と森と動物たち。豊かな自然に恵まれたブルターニュ地方(フランス北西部)の7つの町からなるル・ムネ地域(Le Mené、人口計6500人)は、地元の資源を用いた自然エネルギー発電を通じ、畜産業一辺倒だった経済から脱却しつつある。

●ル・ムネの風景
http://www.ccmene.fr/accueil/la_communaute_de_communes/histoire_et_patrimoine/le_patrimoine_paysager


1999年、数人の養豚農家が集まって豚の糞尿によるバイオマス発電所を設立して以来、「ブルターニュ地方の最も貧しい町」は、時に企業の妨害にも負けず、電力供給でも経済面でも自立した在り方を探り続けてきた。

●自然エネルギーの発電を議論するル・ムネの農民たち(ル・ムネのHPから)
http://www.ccmene.fr/accueil/preparer_lavenir/lautosuffisance_energetique


電力の完全自給を目指して着実に歩を進めるル・ムネ地域は今、経済活性化を目指すフランス全土の地方自治体の注目を浴びる。フランス全国の国会・地方議員が来訪する成功モデルの一つを紹介します。

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クレーン作業員が風車の羽を支柱の上部へと持ち上げる。

「あれから、どれだけ待っただろう。」

ジャッキー・エニェルがつぶやく。

3月19日、ル・ムネ地域の町の一つサン・グエノ市の市長が見もまる前で、5年間の努力が実を結び850キロワットの発電容量を持つ風車―7つのうちの最初の1つ―が稼働を始めた。この風車は他の地域にあるものとは趣を異にする。博学な発電施設の投資家が、風力発電の利益が地元に還元されるよう地域住民を出資に巻き込む努力を重ねた結果なのである。

時は2008年、地域の農家127人が風力発電設備の設置にかかる全体投資額の30%を握る「投資組合シーガル」が設立された。村人たちが参加する風力発電事業の実施は、ル・ムネ地域における電力政策の要の一つをなしている。この地域では、近隣の森で取れる木屑を用いた暖房設備(ゴレー市)、豚の糞尿を用いたメタンガス発電(サン・ジル・ドゥ・ムネ市)、植物性燃料生産(サン・グエノ市)、そして太陽光発電(プレッサーラ市)が行われている。

これらの取り組みは、ル・ムネ地域が目指す「2025年までに石油年2万2千トン分の必要電力を自給する」という目標の達成につながるものだ。今日、ル・ムネ地域は、複数の自然エネルギー発電を組み合わせ地方ベースで電力を地産地消している成功例として、フランス全国から国会議員や地方議員が訪れるまでになっている。

<続く>

(抜粋、一部編集)

(注)ル・ムネ地域はフランス語でLa Communauté des communes du Menéと表記されます。

●元の記事:「ブルターニュで電力の自給自足に成功」/ルモンド紙(3月24日)
(« En Bretagne, l’autonomie énergétique en marche », Le Monde, 2013.03.27)
http://www.lemonde.fr/planete/article/2013/03/23/en-bretagne-l-autonomie-energetique-en-marche_1853175_3244.html
※ 記事に登場する関係者の写真も多数掲載されています。是非ご覧ください。

2013年1月 5日 (土)

米投資家ウォーレン・バフェット、太陽光発電に世界最大規模の投資/ルモンド紙(1月4日)

世界で最も尊敬される米国人投資家の一人、ウォーレン・バフェット氏(注)は1月2日、仏トタル社の太陽光発電事業に誠意ある支援の手をさしのべた。

この日、バフェット氏が経営するミッドアメリカン・エネルギー社は、仏トタル社の傘下にあるサンパワー社がカリフォルニアに建設を予定する2基の巨大な太陽光発電所を、20〜25億ドル(約1800億〜2200億円)で買い取ることに合意したと発表した。バフェット氏は過去数年来にわたり、複数の代替エネルギーに投資を行ってきた。今回の投資額はこの分野では世界最大級となる。

投資が決まった太陽光発電所は579メガワットの発電容量を持ち、3年後に稼働開始を予定している。サンパワー社の株はバフェット氏との契約が公表されるや否や9%の急上昇を見せた。

(抜粋、一部編集)

(注)ウォーレン・バフェット氏は長期投資で知られる米国の投資家。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ウォーレン・バフェット  

● 元の記事「ウォーレン・バフェット氏、仏トタル社の太陽光パネル事業救援に動く」ルモンド紙(1月4日)
(« Warren Buffett vient à la rescousse de Total dans les panneaux solaires », Le Monde, 2013.01.04)

2012年4月10日 (火)

モロッコ政府、ガスによる発電政策へ転換/アジャンス・エコファン(4月2日)

無事に帰宅しました。
引き続きマイペースで、週2回程度を目標に更新してゆきたいと思います。
新年度もどうぞよろしくお願い致します。

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石油価格は異常な値上がりを見せており、先行きが見えない。石炭は環境破壊を引き起こす難点がある。原子力については、ぞっとするような恐ろしい危険が明らかになっている。

モロッコのフアド・ドゥイリ産業・エネルギー大臣は、国内で開かれたモロッコ企業総連盟による電力フォーラムで、自国における将来の電力政策への解決策を示した。「ガス」である。

「競争に基づく価格で購入でき、多様な目的に使用可能で、クリーン。それに加え、量もふんだんにある。ガスという燃料源は他に比べて条件が良い。」

ドゥイリ大臣は「今後(我が国が)200年間使用できるだけの量のガスが存在する」と付け加えながらこう宣言した。

国際社会では、ガスは発電需要の約25%を担っているが、モロッコでは現在ガスの利用は4%にとどまっている。

モロッコ政府は石油とガスの利用に関する新たなエネルギー政策のための法制度と同セクターにおける監督官庁の設立を準備している。モロッコの隣国であるアルジェリアでは新たなガス田が発見されており、モロッコ政府とアルジェリア電力公社ソナトラックは6.4億立方メートルにおよぶ天然ガスの売買契約を結んだばかり。

(抜粋、一部編集)
( « Le Maroc prépare sa conversion au gaz », Agence Ecofin, 2012.04.02)
http://www.agenceecofin.com/hydrocarbures/0304-4191-le-maroc-prepare-sa-conversion-au-gaz