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暴力と汚職

2015年5月12日 (火)

アレバ社からニジェール大統領(元アレバ幹部)へ飛行機の贈り物/フランス原子力監視団(3月9日)

西アフリカの国ニジェールは本当に「独立国」なのか?アレバ社の支配は続いている。

去る3月3日、パリ高等裁判所はアレバ社に対し、同社がニジェールのイスフ大統領に新しい専用飛行機購入費用3500万ユーロを「寄付」していたことを指摘したフランス原子力監視団を「名誉棄損」で訴えた件に関し、アレバ社の訴えを棄却した。イスフ大統領は、元アレバ社の幹部。アレバ社はニジェール政府とウランの売却価格を交渉中に「寄付」を行っていた。アレバ社が従来通り安い価格でウランを買い占められるよう交渉を有利に進めるために行った「汚職行為」と原子力監視団は指摘している。

(抜粋、一部編集)

(注)アレバ社によるニジェールでの汚職問題については、BBCをはじめ主要メディアで取り上げられているが、フランス国内のメディアでの扱いは少ないと原子力監視団は指摘している。

●元の記事「ニジェールでの汚職問題: 自滅の道を行くアレバ社」/フランス原子力監視団(3月9日)
http://observ.nucleaire.free.fr/corruption-areva-s-enfonce.htm

2014年11月16日 (日)

「機動隊はフランス人を殺すな」: ダム建設反対デモとある青年の死/ルモンド紙&フランス国際放送(11月13日・14日)

2011年の福島原発事故以降、日本国内では市民による平和的デモが頻繁に組織されるようになりました。フランスではデモによる意見の表明が民主主義の根幹をなす市民の権利として法律で保障されています。しかし10月に起きた機動隊によるデモ参加者殺害事件は国内に大きな波紋を広げています。

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催涙りゅう弾 237発
瞬間炸裂催涙りゅう弾 38発
攻撃用手りゅう弾 23発
護身用の銃弾 41発

10月26日夜、環境保護を訴えシーベンにおけるダム建設に反対するデモに参加していた21歳の青年、レミ・フレッスが機動隊の発射した攻撃用手りゅう弾によって死亡した前後の3時間に機動隊が使用した弾薬の数だ。フランス政府が公表した。

レミ・フレッスが死亡しているのが確認されてからの48時間、フランス政府と機動隊本部は「状況を確認中」と繰り返し沈黙を守り続けた。レミ・フレッスの検死で死因が機動隊の手りゅう弾によるものと確定してからも、ベルナール・カゼヌーヴ内務大臣は機動隊の責任を否定し続けて来た。

しかしルモンド紙が11月12日、青年の死亡直後の機動隊員らによる大声での会話を録画したデモ参加者のビデオの内容を報道した直後、カゼヌーヴ内務大臣は機動隊による手榴弾の使用禁止を発表した。ビデオには次の会話が録音されていた。

「死んじまったよ、こいつ。。。 おい、とんでもないことになったぞ。」

内務大臣はフレッス氏が死亡に至った状況について事件直後は知らされていなかったとして、自らの辞任を求める声には沈黙している。

フランス各地の高校生及び大学生による学生の自治組織は、機動隊による市民への暴力禁止を求める大規模な平和的デモを行った。

「機動隊はフランス人を殺すな」
「市民に武器を使うな」

このようなプラカードにまじって、次のようなメッセージもあった。

「レミ、僕らは君を忘れない」

中立を意識しこれまで口を閉ざしていたレミ・フレミスの両親は、いつまでも責任者を明らかにしようとしない政府に対し、裁判に踏み切った。

「手りゅう弾の使用を禁止するだけでは十分ではありません。」
「政府トップの誰が命令を出したのか。政府は真実を明らかにしてほしいと思います。」

切実な思いは、まだ届いていない。

(複数の記事から抜粋し一部編集しています)

●元の記事:「ベルナール・カゼヌーブ内相、機動隊による攻撃用手榴弾の使用を禁止」/ルモンド紙(11月13日)
http://www.lemonde.fr/planete/article/2014/11/13/mort-de-remi-fraisse-bernard-cazeneuve-annonce-l-interdiction-des-grenades-offensives_4523447_3244.html

●フランス24時間(フランス国際放送)11月13日・14日号

2014年6月16日 (月)

「妻が受け取った金はもう返した」フランス電力公社CEO、電力関連会社より金銭を授受―パリ検察当局、事前捜査を開始/ルモンド紙(6月9日)

フランス国内最大の電力会社、フランス電力公社のアンリ・プログリオCEOは、妻で女優のラチダ・カリル氏が2012年、自らの公演費用として電力会社の関連組織「エレクトラ協会」より6万ユーロ(約830万円)を受け取っていたことを認めた。パリの検察当局は本件に関し、既に事前捜査を開始している。プログリオCEOは

「金を出すようエレクトラ協会に働きかけたことはない」
「受け取った6万ユーロは全て返金した」

と述べている。

(抜粋、一部編集)

●元の記事:「アンリ・プログリオ:妻がフランス電力公社関連組織から受け取った金はもう返した」/ルモンド紙(6月9日)
(Henri Proglio: J’ai remboursé l’argent verse a ma femme par une association proche d’EDF)
http://www.lemonde.fr/economie/article/2014/06/09/henri-proglio-j-ai-rembourse-l-argent-verse-a-ma-femme-par-une-association-proche-d-edf_4435040_3234.html

2012年12月17日 (月)

アレバ社、ウラン産出国ニジェールの大統領専用飛行機に23億円:最貧国内で高まる批判の声/フランス国際放送(12月15日)

フランスのアレバ社は過去50年にわたり西アフリカの最貧国ニジェールでウランの採掘を行ってきた。しかし世界の原発に核燃料を供給するこの国の経済が潤ったことはまだ無い。そしてニジェール人の平均寿命は今日も52歳にとどまっている。背景には最貧国のウランを安く買いたたくアレバ社の存在と利益を独占する一部の政治家の姿がある。アレバ社との採掘契約を自国により有利な内容に変更しようとするニジェール政府を尻目に、新たな事実が国民論争を引き起こしている。
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経済危機をよそに140億フラン(約23億円)相当の大統領専用飛行機を購入しようというニジェール政府の決定は、ニジェール国民の間で物議をかもし続けている。この問題は国会でも審議が続けられている。大統領側の関係者は、現在の大統領専用機が既に33年間の使用に耐えた「空飛ぶ棺桶」であるという観点から、必要な購入であると主張している。他方、反対派は国家の経済問題を後回しにして飛行機を購入することは許されないスキャンダルであるとして批判を強めている。

ニジェール政府とニジェール北部でウランの採掘を行っているアレバ社は、アレバがニジェールに対し供与した寄付金が今回の飛行機購入にあてられる、との噂を否定している。しかし今回の大論争は、大統領派の政府関係者が飛行機の購入にはアレバ社から供与された170億フラン(29億円)が充てられる、との発表を行わなければ日の目を見ることはなかったのである。

<参考>ニジェールにおけるアレバ社
http://www.google.co.jp/search?q=Niger+Areva&hl=ja&client=safari&tbo=u&rls=en&tbm=isch&source=univ&sa=X&ei=IhvPUNTEE-rqmAWe94CYAg&ved=0CDEQsAQ&biw=1280&bih=633

●元の記事:「ニジェール:大統領の飛行機購入に関する大論争、続く」/フランス国際放送(12月15日)
(« Niger : la polémique sur l’achat de l’avion présidentiel se poursuit », Radio France Internationale, 2012.12.15)

2012年11月 8日 (木)

原子力産業界から金を受け取る日本の「原子力の安全規準検討委員」たち/ロマンディ・ニュース&AFP(11月4日)

日本の原発のための新たな安全規準を制定する「原子力の安全規準検討有識者委員会」(注:原子力規制委員会が10月19日に設置)の委員6名のうち4名が、原子力産業界よりそれぞれ数百万円にのぼる金銭を受け取っていた。委員を選んだ原子力規制委員会が明らかにした。

共同通信の報道によれば、「原子力の安全規準検討有識者委員会」の委員4名が過去3〜4年の間に3百万円から2千7百万円にのぼる資金を補助金や寄付金の形で受け取っていた。しかし原子力規制委員会は「正当な手続きにのっとり選ばれた専門家であることから問題は無い」として、(原発産業からの金銭の授受と原発の安全規準を制定するという立場における)利害上の対立を真っ向から否定している。原子力規制委員会は各委員に自らの収入を確認・点検するよう求めているが、提出された情報に基づいて委員を罷免する手段は定められていない。

「原子力の安全規準検討有識者委員会」委員の一人、大阪大学の山口彰教授は、少なくとも2,714万円を寄付や研究用の奨学金として三菱重工その他の企業より受け取っていた。又、名古屋大学の山本章夫教授は、原発の建設と運営を手がける日本原子力発電社より1,010万円を受領していた。

特に筑波大学の阿部豊教授は、福島原発の事業責任者である東京電力の研究所より5百万円を受け取っていた。日本原子力研究開発機構の杉山智之研究員は原子燃料工業より3百万円を貰っていた。

現在日本では2011年3月11日に起きた福島原発事故を受けて50基ある原発のうち2基のみが稼働している。

(抜粋、一部編集)

●元の記事:「日本の原子力産業、政府の原子力安全専門家らに資金提供」/ロマンディ・ニュース&AFP(11月4日)
http://www.romandie.com/news/n/_L_industrie_nucleaire_japonaise_a_finance_des_experts_gouvernementaux_en_securite_88041120120852.asp

2012年9月14日 (金)

インド・クダンクラム原発:反対住民に警察が発砲、一名死亡/ロイター(9月10日)

インド最大の発電量をめざすクダンクラム原発(インド南部)で9月10日、稼働に反対する漁師ら周辺住民に警察が発砲、一名が死亡した。発電所近辺の浜辺には女性や子どもを含む4千名以上の住民が稼働反対のために集まっていたが、発砲直前には警察が住民を追い払おうと催涙弾を発射した。

<参考画像>
○警察による発砲で返り血を浴びた住民
http://www.reuters.com/article/2012/09/10/us-india-nuclear-idUSBRE8890ZE20120910

○住民による大規模な抗議行動の様子
http://www.dianuke.org/peoples-seige-in-koodankulam-latest-pictures/?utm_source=supporter_message&utm_medium=email
 
インド政府は昨年以来同原発の稼働を目指している。しかし福島原発事故で放射能漏れと大量の避難民が発生したことを受けて周辺住民が強い反対運動を展開、難航している。今後数週間以内の原発稼働を目指すインド政府は、発電所への道をふさいでいた漁民らに発砲、今回の惨事が起きた。

(要旨)

●元の記事「インドでの原子力発電所への反対で一名死亡」/ロイター(9月10日)
http://www.reuters.com/article/2012/09/10/us-india-nuclear-idUSBRE8890ZE20120910
Source : Reuters

2012年9月11日 (火)

韓国の検察、アレバ社製品の模造品作成容疑で韓国水力・原子力公社幹部らを逮捕―古里・霊光両原発にて使用か/ルモンド紙(9月3日)

韓国・蔚山(ウルサン)の検察当局は7月末、韓国の原子力セクターをつかさどる公的企業、韓国水力・原子力公社(注)の幹部ら22人をアレバ社製原子力部品の違法な模造を行なった容疑で逮捕した。検察の調べによると、同社が運営する古里(コリ)原発(韓国南東部)の調達部門責任者は、賄賂と引き換えに炉心と原発制御室の間のデータ移送をつかさどる導管の気密性保持に使われる部品の模造品製造を手配したと見られている。

模造品の元となった部品はアレバ社より購入された。逮捕された韓国水力・原子力公社幹部は、地元の企業に模造品を作成させるため2009年に部品と設計図をこっそり盗み出したとみられる。地元企業は純正部品を多少変形して特許を取得、その後は古里原発に複数の模造品を納品した。同様の部品は南西部に位置する霊光(ヨングァン)原発でも見つかっている。

韓国水力・原子力公社の責任者は

「外国製品の模造品とはいえ地元企業が特許を取得した部品であり、『本物』だ」

として安全面で全く問題は無いとマスコミに公言した。
アレバ社はこの問題についてほとんどコメントを行っていない。

「私たちは韓国水力・原子力公社と直接やり取りする方が良いと考えています。」

アレバ社は韓国水力・原子力公社に対し訴訟を起こすには至っていない。しかし「韓国を超える地域に適用するとみられる部品の特許を無効にする」ことを優先している。

「アレバ社はあまりよけいなことを言いたく無いのです。」

韓国の原子力専門家は述べる。アレバ社とその前身となった公社は1981年以来ずっと韓国水力・原子力公社と連携しており、同社を「良いお客」と見なしている。韓国水力・原子力公社は2009年にアレバ社より9機の発熱装置を購入、現在はアレバ社の協力を受けながら「使用済み核燃料の処理に関する国家政策」を策定中だ。

今回の模造品事件や汚職は個別の例外的ケースでは無い。古里原発のある幹部は、2008年から2010年にかけて廃棄予定だった錆びた安全弁を洗浄し新品の価格で同原発用に売却したかどで、現在3年の刑に服している。毎回事件が起きるたびに韓国水力・原子力公社は「個別のケース」と主張するが、今回の模造品事件を捜査した蔚山の検察当局は捜査の結論の中で「公的企業における構造的な汚職」と指摘している。

2月、古里原発の第一号機で電力供給が12分切断される事故が起きた。この事故は非常に深刻な事態を招く危険性があったが、事故発生の事実は一ヶ月の間、同原発の所長によって隠されていた。こうした問題が起きる背景には、電力料金を格安に抑えようとする韓国政府からの圧力があると韓国の原子力セクターに詳しい専門家は指摘する。

(注)韓国水力・原子力公社 http://ja.wikipedia.org/wiki/韓国電力公社 

●元の記事 「韓国で原子力部品の偽物スキャンダル」/ルモンド紙(9月3日)

« Scandale de contrefaçon nucléaire en Corée du Sud », Le Monde, 2012.09.03
http://www.lemonde.fr/planete/article/2012/09/03/scandale-de-contrefacon-nucleaire-en-coree-du-sud_1754896_3244.html

2012年5月 3日 (木)

ロシア原子力業界を覆う汚職の黒雲―不正契約で国家に4.2億円の損失/ルモンド紙(4月27日)

韓国では原発の部品納入をめぐる汚職事件が報道されていますが(注1)、ロシアでも国営原子力企業の幹部による大規模な汚職が連続して摘発されています。

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新たな汚職の発覚がロシアの原子力業界を揺るがしている。ロシアの内務大臣は4月27日、同国の原子力市場を独占する公的企業「ロスアトム」(前のロシア原子力庁)の責任者が、放射性物質を格納するコンテナの購入に際し不正な契約を結び、国家に約4.2億円の損失を与えていたことを明らかにした。

この責任者の名前は明らかにされていない。しかし大臣の説明によれば、2010年12月に750個のコンテナを購入した際、入札を行わなかったばかりか、市場価格の2.5倍にあたる4.5億ルーブル(約12.2億円)で購入の契約を結んでいたという。


●政府幹部を巻き込んだ大規模汚職が頻発

ロシアの原子力業界での汚職が明らかになるのは、今週でこれが2件目。内務大臣は4月25日、自らの補佐も兼任するロスアトム・グループの系列会社「ハイドロプレス」社の代表取締役が、原発の建設に際し結んだ機材の購入契約を通じ、2千6百万ルーブル(約7千万円)を横領した容疑で逮捕されたと発表したばかりだった。同社の副社長は2011年7月、2008年と2009年に計1.1兆ルーブル(約3兆円)を横領し逮捕されている。


●監視機関・裁判所ともに機能せず

世界各国における汚職行為を監視する国際組織「トランスペアレンシー・インターナショナル」は2010年、ロスアトム社に対し独立した立場から監視を行う機関が全く存在していないことを指摘している。

2005年には元原子力大臣のエフゲニ・アダモフが、1986年に起きたチェルノブイリ事故を受けてロシア国内の原子力施設の安全対策強化のために米国政府が供与した900万ドル(当時換算で約9.6億円)以上の資金を横領したかどでスイスにて逮捕されている。アダモフ元大臣は後に総額1700万ドル(当時換算で約18億円)を横領した罪で懲役5年以上の刑を求刑されたが、最終的には執行猶予付き懲役4年の刑に減刑され、すぐに釈放されている。

(抜粋・一部編集)

(注1)「原発汚職:韓国水力原子力の幹部4−5人が捜査線上に」朝鮮日報 5月3日 
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/05/03/2012050301111.html 

(注2)ロシア国営原子力企業「ロスアトム」
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=13-01-02-09

(注3)世界の汚職を監視する国際組織「トランスペアレンシー・インターナショナル」
○本部HP(英語です) http://www.transparency.org/ 
○日本支部HP http://www.ti-j.org/ 

(« Nouvelle affaire de corruption dans le nucléaire russe », Le Monde, 2012.04.27)
http://www.lemonde.fr/planete/article/2012/04/27/nouvelle-affaire-de-corruption-dans-le-nucleaire-russe_1692579_3244.html

2012年4月18日 (水)

東電・国有化の陰に潜む「暴力団との切れない関係」/ル・ポワン(3月16日)

1. 暴力団による「汚染」と東電国有化

「やくざと原子力マフィア」。スリラー映画の題名にでもなりそうだ。しかし、ああ、これはフィクションでは無い。福島原発事故から1年が経つ今日、ジェイク・アデルスタイン記者は日本を拠点に調査と取材を行ってきた。同記者による記事は、(原発事故の)悲劇の背景にある、私たちの知らなかった影の世界を明らかにしている。

アデルスタイン記者によれば、今後予定されている日本原子力業界の巨大企業「東京電力」の国有化は、同社の破産リスクのみが理由ではない。非公式には、何十年にもわたり暴力団との関係に「汚染」され続けてきた同社の経営を、国が引き受け改革する、という意味なのである。アデルスタイン記者は特にある自民党参院議員の発言を引用している。

「原子力発電はやくざの支配下に置かれるべきではありません。東京電力が反社会的勢力との関係を持ち、業務を行う上でこれらの勢力を遠ざけることができないのであれば、国家の安全保障にとって重大な問題であります。」


2. 被ばくを強要される「素直」な下請け作業員

これらの事実は何も新しいことではない。(東京電力が)やくざに原発労働者の手配を頼るようになった経緯は1990年代にさかのぼる。又、この数か月のうちに、非常に高い放射能汚染の中にさらされながらほとんど「自殺的」とも言えるような労働 ー破壊された原発の中心部分の洗浄― を行った労働者たちがいたことについては、特に言及しなければならない。

彼等には、(被ばく労働を行うか否かの)選択の余地が無かった。「労働者」の大部分がやくざとの何らかの関係のために現場に配置されている。彼等は借金まみれであるがゆえに、借金を返すために命じられた仕事全てを強制される。東京電力が選んだ「下請け作業員」として、命じられるがままに動く「素直な」労働者として。

やくざによる「業務」は下請け労働者の派遣にとどまらない。やくざと政治家の間にある闇の汚職は、建設許可の認可を取り付けるのに有利に働く。そして一部の暴力団組織、特に日本国内で最も強い影響力を持つ上位10組の一つである松坂会は、東京電力の傘下で瓦礫処理を引き受けていた可能性がある。

福島原発事故以来、そして東京電力自身がこうした「黒い関係」を自ら認めて以来、同社は警察庁と共に暴力団対策のための様々な会議に出席してきた。しかし、何も変わらないだろう。昨年6月、東京電力グループはやくざと共に業務を実施するそれまでの流儀を全くやめた訳ではないことを露呈した。(同グループの傘下で)復興事業の現場に配属された約140名の労働者が、偽の身分証明書で働いていることが明らかになったからである。

(抜粋・一部編集。小見出しは訳者によるものです)

( « Japon : Tepco et les yakuzas », Le Point, 2012.03.16)
http://www.lepoint.fr/monde/japon-tepco-et-les-yakuzas-16-03-2012-1442147_24.php